有価証券報告書-第23期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/31 9:53
【資料】
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【項目】
157項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 企業統治の体制
イ.基本的な考え方
当社グループは、経営の健全性を確保し、株主及び利害関係者等に対する経営の透明性を高め、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応し企業価値の最大化を図ることは、経営上不可欠であると考えております。経営に対するチェック機能の強化、コンプライアンスの徹底、適時開示を念頭に置いた積極的な情報提供の実施については特に重視し、より一層の充実を図ってまいる所存であります。
ロ.企業統治の体制の概要
当社は2023年5月30日開催の第22回定時株主総会の決議によって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。その目的は監査等委員会を設置し、監査等委員である取締役(複数の社外取締役を含む)に取締役会における議決権を付与することで、監査・監督機能の強化を図るとともに、コーポレートガバナンス体制をより一層充実させ、更なる企業価値向上を図ることであります。また、役員の構成は、取締役4名、監査等委員である取締役3名となっており、監査等委員3名のうち2名が社外取締役であります。
取締役会は毎月1回開催されるほか、必要に応じて適宜、臨時取締役会を開催し、経営に関する重要な意思決定を行っております。また、取締役の業務執行体制の充実と効率化を図るため、執行役員制度を採用しております。各部門を直接指揮・監督する執行役員は取締役会において選任され、取締役会が定めた責務を遂行いたします。加えて、取締役、執行役員及び事業部長によって構成される経営会議を原則毎週開催し、重要事項の審議、経営方針の調整や個別課題の審議・決定等を行い、情報の共有化を図るとともに、迅速な問題解決に努めております。また、毎月1回、当社及び子会社の取締役が出席するグループ会社報告会を開催し、当社子会社における重要な事象について報告させるとともに、対応を協議しております。
当社の企業統治の体制の概要を図によって示すと次のとおりであります。

ハ.企業統治の体制を採用する理由
当社は2023年5月30日開催の第22回定時株主総会の決議により監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しておりますが、現状の事業規模等を考慮して、当体制が経営監視機能として有効であり、業務執行の観点からも当体制が適切であると判断しております。
なお、取締役は、迅速かつ的確な意思決定や業務遂行が重要であるとの考えから、業務に精通した社内取締役を4名選任しております。監査等委員は、コーポレート・ガバナンスの強化のため、3名のうち2名を社外監査等委員としておりますので、経営監視機能の有効性は確保されていると考えております。
ニ.その他の企業統治に関する事項
・内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
当社は、職務分掌、職務権限等を定めた各種規程の整備と運用を通じて役職員の権限と責任を明確にし、業務が適正に遂行されるよう体制を整備しております。また、グループ監査室を設置し、内部監査担当者は監査等委員及び会計監査人と連携して適宜業務監査を実施しております。
なお、当社は内部統制システムの整備のため、取締役会において以下のとおり基本方針を決定しております。
a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・全ての役員及び従業員が、法令及び定款を遵守することは勿論のこと、企業倫理の向上を図り、誠実に行動するよう徹底する。
・取締役は、他の取締役の職務執行を相互に監視・監督し、法令及び定款への適合性に関し問題が生じた場合は、取締役会及び監査等委員会へ報告する。
・社外監査等委員を選任し、独立的な立場から、取締役の職務執行が適正に行われるよう監督・監査体制の充実を図る。
・コンプライアンスの確保・推進のため、「コンプライアンス基本規程」を制定し、全社的なコンプライアンス体制の整備に努める。
・法令及び定款等に反する行為等を早期発見、是正することを目的のひとつとして、社内外への通報システムを整備する。
・情報資産を適切に管理・利用するため、「情報セキュリティ基本方針」及び「情報セキュリティ管理規程」を定め、体制整備に努める。
・いかなる場合においても反社会的勢力に対し金銭その他の経済的利益を提供せず、反社会勢力排除のための規程を定め、これを遵守する。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報、法令上保存を義務付けられている文書及び重要な会議の議事録、稟議書、契約書並びにそれらに関連する資料等を書面または電磁的媒体に記録し、社内規程に基づき適切に保存、管理する。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・各本部、支店、部・室、課、店舗等の長は、「職務分掌規程」及び「職務権限規程」等に基づき付与された権限の範囲内で事業を遂行し、付与された権限を超える事業を行う場合は、「職務権限規程」に従い上位への稟議申請と許可を要し、許可された事業の遂行に伴う損失の危険を管理する。
・本部長及び室長は、当該本部及び室で起こりえる各種の事業リスクを想定し、予めリスク回避に努めるとともに、リスクとなり得る事実が発生した場合には迅速かつ適切に対応し、損害の拡大を防止し最小限にとどめるよう努める。
・不測の事態が発生した場合あるいは新たに生じたリスクへの対応が必要な場合は、取締役会等に報告し、責任者を決定して速やかに対応する。
d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・取締役会は、毎月1回の定例取締役会及び適宜臨時取締役会を開催し、経営の基本方針、法令で定められた事項、その他経営に関する重要事項に関して的確な意思決定を行うとともに、取締役の職務執行状況を監督する。
・取締役の職務執行体制の充実と効率化を図るため、執行役員制度を採用する。各部門を直接指揮・監督する執行役員は取締役会において選任され、取締役会が定めた責務を遂行する。
・経営の効率性及び透明性を確保し、経営環境の変化に迅速に対応していくため、執行役員以上によって構成される幹部会議を毎月1回以上開催し、取締役の職務の執行が効率的に行われる体制を確保する。幹部会議では、取締役会決議事項の予備的な審議の充実を図るとともに、個別課題の審議及び決定、業務の執行状況の報告等を行う。
e.企業集団における業務の適正を確保するための体制
・企業集団における業務の適正を確保するため「子会社管理規程」を定め、これに基づく統制を行うとともに、子会社が行う重要な意思決定については当社の承認が必要な旨を定め、適切な子会社管理と指導を行う。
・当社は、毎月1回、当社及び子会社の取締役が出席するグループ会社報告会を開催し、当社子会社における重要な事象について報告させるとともに、対応を協議する。
・当社の監査等委員会は、業務及び財産状況の調査において、当社はもとより、必要に応じて子会社からの報告を求め、また子会社に赴き調査を行う。
・子会社はその事業の性質及び規模に応じて、事業や投資に関するリスクを適切に管理し、当社は、当該子会社のリスク管理体制の運用を支援する。
・子会社は、役職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、当社グループの定めるコンプライアンス基本規程に従う。
・当社のグループ監査室は、監査計画に基づき定期的に子会社の内部監査を実施し、業務改善指導等を通じて、企業集団における業務の適正の確保に努める。
f.監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に対する体制
監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合は、当社の使用人を任命する。また、重要事項については、管理本部等が適宜監査等委員会の補助体制をとることとする。
g.前号の使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項
前号の使用人は、監査業務に必要な指示命令に関して取締役(監査等委員である取締役を除く。)の指示命令を受けず、取締役(監査等委員である取締役を除く。)から独立してその職務を遂行する。また、その独立性を確保するため、使用人の任命及び解任並びに人事異動について、監査等委員会が異議を申し出た場合には、取締役会等において適切に対処する。
h.取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人が監査等委員に報告するための体制
取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人は、当社及び当社グループに重大な影響を及ぼす事項あるいは著しい損害を及ぼす事実が発生、または発生する恐れがあるとき、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人による違法または不正な行為を発見したとき、その他監査等委員会から要請がある場合はその事項を、監査等委員会に対し速やかに報告する。また、上記に関わらず、監査等委員会は必要に応じて、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人に対して報告を求めることができることとし、当社は必要な報告体制の整備充実に努める。
i.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査等委員は、取締役会及び社内の重要会議に出席し、必要に応じ意見を述べ、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人にその説明を求めることとする。
・監査等委員会は、会計監査人、内部監査担当者等と相互に連携して監査を実施する。当社は必要に応じて、監査等委員会が顧問弁護士、公認会計士、コンサルタントその他の外部の有識者を活用することができる体制を確保し、監査業務の円滑な推進に努める。
・監査等委員会と代表取締役との意見交換の場を定期的に設け、適正な監査の実現に努める。
j.財務報告の適正性を確保するための体制
財務報告の信頼性を確保し、適正な財務情報を開示していくための基本方針及び関連規程を定め、必要な体制を整備する。
ホ.責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査等委員とは、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の行為による賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役または監査等委員がその責任の原因となった職務の遂行について、善意かつ重大な過失がない場合に限られます。
ヘ.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、当該保険契約により被保険者が負担することとなる損害賠償金等の損害を填補されることとしております。当該保険の概要等は以下のとおりです。
a.被保険者の範囲
当社取締役、監査等委員、業務執行役員、重要な使用人
b.保険契約の内容の概要
1.被保険者の実質的な保険料負担割合
保険料は当社が負担しております。
2.店舗の対象となる保険事故の概要
特約部分も合わせ、被保険者が会社の役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含みます。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が填補されることとしています。但し、法令違反の行為であることを認識して行った行為の場合等、一定の免責事由があります。
② 取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は9名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
③ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数によって選任する旨、及び累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
④ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑤ 自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
⑥ 中間配当
当社は、取締役会の決議により毎年8月31日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑦ 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査等委員(監査等委員または監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役及び監査等委員が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
⑧ 種類株式
当社は、資金調達を柔軟かつ機動的に行うための選択肢の多様化を図り、適切な資本政策を実行することを可能とするため、会社法第108条第1項第3号に定める内容(いわゆる議決権制限)について普通株式と異なる定めをした議決権のないA種種類株式及びB種種類株式を発行しております。単元株式数及び議決権の有無については下記に記載しております。
なお、株式の保有又はその議決権行使について特記すべきことはありません。
株式の種類単元株式数議決権の有無
普通株式100株
A種種類株式1株
B種種類株式1株

A種種類株式及びB種種類株式の内容については、「1 株式等の状況 (1)株式の総数等 ②発行済株式」に記載しております。
⑨ 剰余金の配当等
当社は、会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款で定めております。これは、機動的な資本政策及び配当政策の実施を可能とすることを目的とするものであります。
⑩ 取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を月1回以上開催しており、個々の取締役の出席状況については以下の通りであります。
役職名氏名開催回数出席回数
代表取締役会長新 田 二 郎18回18回
代表取締役社長中 川 晃 成18回18回
取締役副社長林 芳 郎18回18回
常務取締役林 裕 二18回18回
取締役(監査等委員)玉 田 貴 彦 ※2023年5月30日就任18回18回
社外取締役(監査等委員)安 達 幸 子 ※2023年5月30日就任18回18回
社外取締役(監査等委員)細 野 順 三 ※2023年5月30日就任18回18回

(注)1.上記のうち、取締役会決議があったものとみなす書面決議が1回ありました。
2.上記のうち、玉田貴彦氏は、監査等委員会設置会社移行前に取締役として3回出席しております。
3.上記のうち、安達幸子氏は、監査等委員会設置会社移行前に社外監査役として3回出席しております。
4.上記のうち、細野順三氏は、監査等委員会設置会社移行前に社外取締役として3回出席しております。
取締役会における具体的な検討内容として 、法令及び定款に定められた事項の他、重要な組織及び人事に関する事項、決算及び財務に関する事項、重要な規程の制定及び改廃、店舗の出退店・リニューアル計画など、重要な業務執行に関する事項があります。