有価証券報告書-第20期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 10:04
【資料】
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【項目】
147項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「資材調達ネットワークを変革する」を企業理念として掲げ、事業者を取り巻く資材調達環境をインターネット等のIT技術で変革することにより、株主を含めた全ての利害関係者の期待と信頼に応え、継続的に企業価値を向上させていくことを経営の基本方針としております。
日本の間接資材流通業界は、高度経済成長時代の社会背景にあわせて設計されており、現況には非常に非効率であると考えております。これをインターネット等のIT技術で変革し、生産性を向上させ、顧客である事業者がより本業に集中できる環境を実現していくことが、当社グループの存在意義であり、利益の源泉であると考えております。そして当社グループは、日本で一定規模にまで成長するに至ったビジネスモデルを海外にも応用し、世界規模での資材調達ネットワークの変革に取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
現在のところ当社グループでは、企業規模の拡大、利益の極大化と、株主価値の拡大という視点に立ち、収益に関する指標としては「売上高」「売上高営業利益率」を、また株主価値に関する指標として「株主資本当期純利益率(ROE)」を重視してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、短期的ではなく継続的に好業績を得ていく企業、企業価値においても社会から高く評価される企業を目指し、お客様からみてよりシンプルな流通体制への変革を始めとした戦略を、より一層スピードをあげて進めてまいります。そして、一物一価の市場を目指して、次の戦略を実施してまいります。
① 非合理的な流通構造の中で、情報弱者となり十分なサービスを受けていない中小の事業者に、インターネットを主とする効率的な通信販売で高いサービスレベルを実現する。
② 価格よりも調達における利便性が重視される商材に高い検索性を与えるとともに、業界随一の幅広い品揃えと在庫を備え、サービスレベルとコスト面から最適な物流網を通じて提供することにより、差別化と効率化を図る。
③ 累積する受注・顧客データベースを整備・分析したマーケティングで顧客の囲い込みを行う。
④ 自社にてソフトウェア開発からコンテンツ製作までを行う一方、必要に応じて最先端の第三者提供サービスも用いることにより、低コストで機動性の高いシステムを構築する。
⑤ 従業員のモチベーションと自主性を重視することで高い生産性をあげる。
また、当社グループは、事業展開のスピードを重視するうえで、絶えず企業モデルを進化させることが重要であると考えており、それを支える人材の採用と教育にも十分な投資を行ってまいります。
(4)対処すべき課題
景気は先行き不透明感が残る中、当社グループの中心となる顧客群である中小製造業にとっては厳しい環境が続いています。この環境下で力強い成長を続けるために下記の施策をとっております。
① 新規顧客の獲得と顧客生涯価値の向上
当社グループにとって新規顧客の獲得は引き続き大きな成長の源泉となります。当社グループは、検索エンジンへのインターネット広告の出稿と当社ウェブサイトを検索エンジンにおいて上位に現すための検索エンジン最適化(SEO)の取組みを主軸とし、当社グループ事業の成長に伴い蓄積させたデータと知見を活用して、今後も顧客獲得活動を積極的に展開致します。商品検索傾向等から推論した顧客の生涯価値をベースに、マーケティングへ投下するリソースを最適化することで、新規獲得顧客の生涯価値の向上を図ります。
② 顧客需要充足と利益率の双方を意識した商品マネジメント
当社グループにおける顧客基盤の拡大に伴い、顧客需要のある商品は多様化します。多様化する顧客需要を的確に捉え、一般的にはロングテールといわれる購買頻度の少ない商品も含め、取扱商品を拡大させ、新規カテゴリへの拡張、更なる顧客基盤の拡大へと展開してまいります。また当社グループ事業の成長に伴う取扱数量増を基に、プライベートブランドを積極的に採用することにより、顧客に対して低価格かつ安定的品質の商品を提供し、当社グループの利益率改善にも努めてまいります。
③ より精度の高いデータベースマーケティングと商品検索性の提供
当社グループ事業の成長に伴い蓄積するデータを活用し、その分析を深めていくことで、より顧客の購買ニーズに合致し、効果の高いプロモーション活動を展開してまいります。また進歩が著しい情報解析分野における先端技術を吸収し、各々の顧客が必要な商品を可能な限り容易に見つけて注文できるように、当社グループにおけるウェブサイトの商品検索性及び利便性を継続的に高めてまいります。
④ 成長の基盤となる物流インフラの強化
当日出荷により、注文された商品を顧客に早く届けることは、当社の重要な強みの一つであります。従って、当社グループが成長しつつも、顧客への迅速な商品提供を安定的に行うには、物流センターにおける出荷能力の向上、在庫商品の拡充が不可欠であります。当社グループは、2014年から稼働を開始している「尼崎ディストリビューションセンター」に加え、2017年には茨城県にて自律搬送型ロボットを導入した「笠間ディストリビューションセンター」を稼働しております。また今後も2021年には「茨城中央サテライトセンター」、2022年にも「猪名川ディストリビューションセンター」が竣工する予定です。その他地域にもトランスファーセンターなどの物流拠点を構え、コストを適切にコントロールしつつ、より高い利便性を実現できる物流網を構築してまいります。
⑤ 海外事業の推進
当社韓国子会社であるNAVIMRO Co., Ltd.は、2013年に営業を開始して以来、積極的な顧客獲得活動を推進し、順調に顧客基盤を拡大させるとともに、取扱商品及び在庫商品の拡充を進めております。今後も事業の成長に向けた施策を推進してまいります。2016年に株式取得しましたインドネシア子会社であるPT MONOTARO INDONESIA及び2018年に営業を開始しました中国子会社である卓易隆電子商務(上海)有限公司につきましても、事業基盤の確立及び成長に向けた取組みを一層推進してまいります。