有価証券報告書-第8期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』という経営理念、「ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を、気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただく」という指針のもと、和洋中をはじめとした各種テーブルレストランを中核事業に、現在、約3,200店舗を展開し、年間約4億人のお客様にご来店いただいております。今後も、それぞれの地域で皆さまに喜ばれ、なお一層必要とされるお店作りを目指してまいります。
当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開し、株主利益の増大化を図ってまいります。
当社グループは、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を重要な経営指標として位置づけております。
なお、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を以下の算式により算出しております。
EBITDA=税引前利益+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の金融関連費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の金融関連収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
・その他の金融関連費用は、連結純損益計算書上はその他の費用として記載しています。
・その他の金融関連収益は、連結純損益計算書上のその他の収益のうち、債務時効消滅益を除いた金額となります。なお、第6期を除き、その他の金融関連収益の額は連結純損益計算書上のその他の収益の額と一致しております。
調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失-非金融資産の減損損失の戻入れ+BCPLマネジメント契約(*)に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+適格上場に伴う会計上の見積変更額
調整後当期利益=当期利益+BCPLマネジメント契約(*)に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+適格上場に伴う会計上の見積変更額+IFRS第9号「金融商品」(2014)適用に伴う金融負債の条件変更に係る関連損益(会計方針変更による遡及適用に伴う影響額の再調整含む)+調整項目の税効果調整
(*)当社とベインキャピタル・パートナーズ・LLCの間のマネジメント契約を意味します。なお、同契約につきましては、2014年7月17日に締結した変更契約に基づき、当社が上場した時点で終了しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』を経営理念に掲げ、ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただくことを使命としています。従業員一丸となって、それぞれの地域で皆さまに喜ばれる店舗づくりを目指すため、顧客のニーズに柔軟に対応し、より強固な企業体制を整備し、市場競争力を向上させる必要があると認識し、以下の施策に重点的に取り組んでいく所存です。
①当社グループの強みと経営スタイルの特徴
日本最大のテーブルサービスレストランチェーンである当社グループは、以下のような強固な事業基盤を有していると考えております。
・幅広い顧客ニーズに対応できる多様なブランドポートフォリオを有していること
・外食市場におけるリーディングプレーヤーであり、優良な店舗立地を有していること
・商品開発から食材の調達、セントラルキッチンでの加工、物流、料理の提供まで自社のネットワークで行う「垂直統合プラットフォーム」を有しており、市場の変化に迅速に対応するスピードとスケールメリットを有していること
・卓越した分析能力を有しており、分析結果を経営判断に活用していること
・業界最先端のデジタルマーケティングを実施していること
・優れた実績を持つ強力且つ経験豊富な経営陣とテーブルサービスレストラン運営に長けた数多くの人財、定着率の高い優秀な店舗スタッフを有していること
この強固な事業基盤により、当社グループの経営は競合他社にはない以下の特徴を持っております。
(ⅰ)多様な業態を展開し、手頃な価格でのメニューの提供
当社グループは、和食・洋食・中華・イタリアンなど複数のカテゴリーにおいて、知名度の高い多様な業態を展開しております。また、お手頃な価格設定により、国内消費者の多数を占める幅広い層のお客様にご支持いただいております。
(ⅱ)外部環境の変化に対する迅速且つ柔軟な戦略転換や成功確度の高い施策の実施
当社グループは、外部環境や消費者ニーズの変化を敏感に察知・把握し、その変化に合致する戦略の実行を速やかに行うことで、高収益をあげてまいりました。
2010年~2013年にはデフレ環境下において店舗配置やブランドポートフォリオの見直しを行いました。2014年~2015年にはインフレ環境下において高単価商品を積極的に開発・導入することにより、客単価上昇が牽引する既存店売上高増加を実現いたしました。2016年~2017年は消費者の嗜好の細分化に対応し、スペシャリティブランドの展開により注力いたしました。2020年以降のフードサービス淘汰の時代を迎えるにあたって、2018年から「店舗と従業員への投資」を最優先にして着々と実行いたしました。
また、新業態をはじめとする当社グループの新たな施策の多くは、既存の事業基盤を活用した施策であるため、成功可能性が非常に高くなっております。
②当社グループがとらえる外部環境変化
当社グループでは、様々な外部環境変化のうち、業績に影響を与えるであろうトレンドを以下の7つと考えております。
(ⅰ)総需要の伸びの鈍化
人口は減少するものの、外食への1人あたり支出の増加により、2020年頃までは市場規模は横ばいに推移する。また、ファミリーレストラン市場の周辺には、朝食・カフェ・アルコール需要など、大規模な市場が存在している。
(ⅱ)需要の都市部への移動
利便性を求める層が都市部に移動し、併せて、様々なインフラ維持コストを削減するために政府や自治体も都市中心部への移動を促進する。これにより、人の動きが都市中心に移るとともに、それら中心部を繋ぐ幹線道路沿いの重要性も高まる。
(ⅲ)単身者・女性の社会進出、高齢者層の増加
相対的に外食への支出割合が高い、単身者や共働き世帯の割合が上昇する。また、資産を持つ高齢者世代は外食に慣れ親しんだ世代であり、食へのこだわりや食を通じたコミュニケーションへの欲求、調理の手間削減などのために今後も積極的に外食を利用する。
(ⅳ)食の嗜好の成熟化
多くの消費者の食への嗜好が成熟化し目的利用の割合が高まる。これにより、特定のカテゴリーで相対的に安価で質が高いメニューを提供できる専門店ニーズが高くなる。
(ⅴ)消費の二極化
外食を贅沢の対象とする高価格帯の消費者が一定数存在する一方で、実質賃金が伸び悩んでいることにより節約志向も底堅く、低価格でバリューを訴求するファミリーレストランが伸長する。
(ⅵ)インフレの進展
新興国における需要の拡大や為替影響により、卸売物価は継続的に上昇する。また、生産年齢人口の減少や景気回復に伴う求人の増加、社会保険の適用拡大によって、人材の維持獲得コストは上昇する。
(ⅶ)ファストフード、コンビニエンスストアとの競争領域の重複
ファストフードやコンビニエンスストアは手軽さだけでなく、食事需要の積極的な取り込みを図り、低価格・少人数での利用シーンにおいてファミリーレストランと競合しつつある。
これらの環境変化を事業成長の好機ととらえ、外部環境変化に対する迅速且つ的確な施策の実施を通じ、今後も成長を実現してまいりたいと考えております。
③当社グループの成長戦略
当社グループでは、前述した強固な事業基盤に基づき、以下の成長戦略を実施することにより、さらなる成長の実現を図ってまいります。
デジタル化によるビジネス基盤の強化と生産性の向上
2018年12月、社内新組織としてIT本部を設立しました。今後この新組織を中心に、デジタルテクノロジーを駆使したお客様体験改善と業務プロセス革新に向けた戦略を策定し、お客様満足度の向上と従業員の生産性向上を強力に推進し、外食業界屈指のデジタル先進企業となることを目指します。
店舗運営手法のマネジメントシステムのデジタル化による、効率化と働き方改革の推進、また、お客様のご注文をお受けする際のシステムの改善や多様化するお支払い手段への対応などを充実させ、店舗運営力の向上を通じ、お客様へのサービス向上を実現します。また、タブレット型端末を活用したデジタル・メニューブックの導入や、お客様のスマートフォンとのシステム連動も進めます。さらには、高成長を続ける宅配サービス事業拡大や、顧客接点拡大において必須となっているデジタル販促のためのシステムプラットフォーム強化にも取り組んでまいります。今後、デジタルテクノロジーの幅広い活用によって、店舗・本部・セントラルキッチンにおける従業員の生産性向上をすすめてまいります。
店舗運営システムの改革(フロアサービス強化と業務効率化推進)
お客様の満足度向上のためには、お客様との接点となるフロアのサービスを充実させることが急務であり、店舗および従業員にしっかりと投資する必要があると考えております。2019年は引き続き、お客様にご満足いただける店舗と、当社にとって大切な従業員への投資、そしてフロアサービスの強化を進め、店舗環境整備を強化します。店舗オペレーションのデジタル化/マネジメントシステムの効率化、セントラルキッチンにおける高加工度商品の製造・供給量を拡大し、店舗運営効率化・生産性向上を実現してまいります。
企業成長
昨今の消費者ニーズの多様性に対応して、海外出店を視野に入れた年間100店規模の出店を継続するとともに、シニア向け「藍屋」・「夢庵」個室化等のリモデル戦略は従来同様に年間約200~300店規模で実施、滞在型の「むさしの森珈琲」の出店、新型ファミリーレストランのポジションにある「しゃぶ葉」の急速多店舗展開など、すかいらーくグループのブランドポートフォリオを通して多様なライフスタイルへの対応を推進しております。また、2018年、中華「バーミヤン」の地方出店(既存業態からの転換)を再開し、再開を待ち望んでくださっていた多くのお客様にご好評いただいております。今後も、「バーミヤン」の地方再出店を進め、お客様のご期待に応えてまいります。
宅配ビジネスも年間売上約200億円規模・年率10%以上の成長を維持しており、オーダーとお支払方法のキャッシュレス化などデジタルテクノロジーの改善を進め、今後も積極的に取り組んでまいります。販売チャネルについても、自社配送システムの迅速化・効率化による売上拡大と、他社の宅配サービスの積極活用により多様化を進めることで、さらなる成長を目指します。
また海外市場につきましても、好調に成長している台湾にて既存店収益向上を図るとともに日本で成功した「しゃぶ葉」を中心に積極的に出店しており、業績は好調に推移しております。また更なる海外展開の準備の為に、アメリカとマレーシアに現地法人を設立し、出店の準備をしてまいります。
④働き方改革のさらなる推進と環境への取り組み
当社の持続的な成長を支える重要な基盤は人財です。これまでにも、店舗の営業時間見直しや、年末年始の店舗営業の見直しなど、従業員の職場環境改善に取り組んでまいりました。また、女性やシニアの方々の雇用制度の充実にも積極的に取り組んでおり、2015年9月にクルーの定年を正社員同様に65歳に延長しました。さらにその先の雇用区分として「ベテランズクルー制度」を再設定し、上限年齢を70歳までとし、2019年1月にはクルーの定年を75歳にさらに延長しております。
今後は、従業員が心身ともに健康で活き活きと働ける環境づくりを強化し、全社・全店舗での禁煙活動推進などを実施してまいります。とくに禁煙は、法令に従い飲食店が原則屋内禁煙になり、オリンピックなども契機となってその機運はますます高まります。そうした中、外食に携わる私たちが率先して健康な身体づくりを体現していけるよう努め、お客様への安心・安全責任と地域社会への貢献を果たしてまいります。
また、すかいらーくグループは、ESG強化の観点から、国内外全店舗において石油由来の従来型プラスチック製使い捨てストローの使用を廃止することを表明し、2018年12月から全国約1,400店舗の主力業態「ガスト」全店において、ドリンクバーにおけるストロー常備廃止と生分解性のバイオマスストロー導入を開始しています。今後、ガスト以外の業態への展開を順次進めてまいります。
⑤食の安全・安心に向けた取組み
当社グループでは、食材の調達から加工・流通・店舗での調理保管に至るまで、全ての工程で厳格な管理基準を設け、品質管理及び衛生管理を行っております。また、全国8ヶ所にある、マーチャンダイジングセンター内の検査室では、定期的な食品検査を実施し、商品の品質を担保しております。
2011年以降取り組んだ対策をもとに改定・整備された「安全・衛生に関するマニュアル」を全従業員が常に実行できる体制を継続することにより、食を扱う企業としての社会的責任を再認識し、お客様に信頼いただけるよう安全・安心に向けた取組みを更に強化してまいります。
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』という経営理念、「ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を、気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただく」という指針のもと、和洋中をはじめとした各種テーブルレストランを中核事業に、現在、約3,200店舗を展開し、年間約4億人のお客様にご来店いただいております。今後も、それぞれの地域で皆さまに喜ばれ、なお一層必要とされるお店作りを目指してまいります。
当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開し、株主利益の増大化を図ってまいります。
当社グループは、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を重要な経営指標として位置づけております。
なお、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を以下の算式により算出しております。
EBITDA=税引前利益+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の金融関連費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の金融関連収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
・その他の金融関連費用は、連結純損益計算書上はその他の費用として記載しています。
・その他の金融関連収益は、連結純損益計算書上のその他の収益のうち、債務時効消滅益を除いた金額となります。なお、第6期を除き、その他の金融関連収益の額は連結純損益計算書上のその他の収益の額と一致しております。
調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失-非金融資産の減損損失の戻入れ+BCPLマネジメント契約(*)に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+適格上場に伴う会計上の見積変更額
調整後当期利益=当期利益+BCPLマネジメント契約(*)に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+適格上場に伴う会計上の見積変更額+IFRS第9号「金融商品」(2014)適用に伴う金融負債の条件変更に係る関連損益(会計方針変更による遡及適用に伴う影響額の再調整含む)+調整項目の税効果調整
(*)当社とベインキャピタル・パートナーズ・LLCの間のマネジメント契約を意味します。なお、同契約につきましては、2014年7月17日に締結した変更契約に基づき、当社が上場した時点で終了しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』を経営理念に掲げ、ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただくことを使命としています。従業員一丸となって、それぞれの地域で皆さまに喜ばれる店舗づくりを目指すため、顧客のニーズに柔軟に対応し、より強固な企業体制を整備し、市場競争力を向上させる必要があると認識し、以下の施策に重点的に取り組んでいく所存です。
①当社グループの強みと経営スタイルの特徴
日本最大のテーブルサービスレストランチェーンである当社グループは、以下のような強固な事業基盤を有していると考えております。
・幅広い顧客ニーズに対応できる多様なブランドポートフォリオを有していること
・外食市場におけるリーディングプレーヤーであり、優良な店舗立地を有していること
・商品開発から食材の調達、セントラルキッチンでの加工、物流、料理の提供まで自社のネットワークで行う「垂直統合プラットフォーム」を有しており、市場の変化に迅速に対応するスピードとスケールメリットを有していること
・卓越した分析能力を有しており、分析結果を経営判断に活用していること
・業界最先端のデジタルマーケティングを実施していること
・優れた実績を持つ強力且つ経験豊富な経営陣とテーブルサービスレストラン運営に長けた数多くの人財、定着率の高い優秀な店舗スタッフを有していること
この強固な事業基盤により、当社グループの経営は競合他社にはない以下の特徴を持っております。
(ⅰ)多様な業態を展開し、手頃な価格でのメニューの提供
当社グループは、和食・洋食・中華・イタリアンなど複数のカテゴリーにおいて、知名度の高い多様な業態を展開しております。また、お手頃な価格設定により、国内消費者の多数を占める幅広い層のお客様にご支持いただいております。
(ⅱ)外部環境の変化に対する迅速且つ柔軟な戦略転換や成功確度の高い施策の実施
当社グループは、外部環境や消費者ニーズの変化を敏感に察知・把握し、その変化に合致する戦略の実行を速やかに行うことで、高収益をあげてまいりました。
2010年~2013年にはデフレ環境下において店舗配置やブランドポートフォリオの見直しを行いました。2014年~2015年にはインフレ環境下において高単価商品を積極的に開発・導入することにより、客単価上昇が牽引する既存店売上高増加を実現いたしました。2016年~2017年は消費者の嗜好の細分化に対応し、スペシャリティブランドの展開により注力いたしました。2020年以降のフードサービス淘汰の時代を迎えるにあたって、2018年から「店舗と従業員への投資」を最優先にして着々と実行いたしました。
また、新業態をはじめとする当社グループの新たな施策の多くは、既存の事業基盤を活用した施策であるため、成功可能性が非常に高くなっております。
②当社グループがとらえる外部環境変化
当社グループでは、様々な外部環境変化のうち、業績に影響を与えるであろうトレンドを以下の7つと考えております。
(ⅰ)総需要の伸びの鈍化
人口は減少するものの、外食への1人あたり支出の増加により、2020年頃までは市場規模は横ばいに推移する。また、ファミリーレストラン市場の周辺には、朝食・カフェ・アルコール需要など、大規模な市場が存在している。
(ⅱ)需要の都市部への移動
利便性を求める層が都市部に移動し、併せて、様々なインフラ維持コストを削減するために政府や自治体も都市中心部への移動を促進する。これにより、人の動きが都市中心に移るとともに、それら中心部を繋ぐ幹線道路沿いの重要性も高まる。
(ⅲ)単身者・女性の社会進出、高齢者層の増加
相対的に外食への支出割合が高い、単身者や共働き世帯の割合が上昇する。また、資産を持つ高齢者世代は外食に慣れ親しんだ世代であり、食へのこだわりや食を通じたコミュニケーションへの欲求、調理の手間削減などのために今後も積極的に外食を利用する。
(ⅳ)食の嗜好の成熟化
多くの消費者の食への嗜好が成熟化し目的利用の割合が高まる。これにより、特定のカテゴリーで相対的に安価で質が高いメニューを提供できる専門店ニーズが高くなる。
(ⅴ)消費の二極化
外食を贅沢の対象とする高価格帯の消費者が一定数存在する一方で、実質賃金が伸び悩んでいることにより節約志向も底堅く、低価格でバリューを訴求するファミリーレストランが伸長する。
(ⅵ)インフレの進展
新興国における需要の拡大や為替影響により、卸売物価は継続的に上昇する。また、生産年齢人口の減少や景気回復に伴う求人の増加、社会保険の適用拡大によって、人材の維持獲得コストは上昇する。
(ⅶ)ファストフード、コンビニエンスストアとの競争領域の重複
ファストフードやコンビニエンスストアは手軽さだけでなく、食事需要の積極的な取り込みを図り、低価格・少人数での利用シーンにおいてファミリーレストランと競合しつつある。
これらの環境変化を事業成長の好機ととらえ、外部環境変化に対する迅速且つ的確な施策の実施を通じ、今後も成長を実現してまいりたいと考えております。
③当社グループの成長戦略
当社グループでは、前述した強固な事業基盤に基づき、以下の成長戦略を実施することにより、さらなる成長の実現を図ってまいります。
デジタル化によるビジネス基盤の強化と生産性の向上
2018年12月、社内新組織としてIT本部を設立しました。今後この新組織を中心に、デジタルテクノロジーを駆使したお客様体験改善と業務プロセス革新に向けた戦略を策定し、お客様満足度の向上と従業員の生産性向上を強力に推進し、外食業界屈指のデジタル先進企業となることを目指します。
店舗運営手法のマネジメントシステムのデジタル化による、効率化と働き方改革の推進、また、お客様のご注文をお受けする際のシステムの改善や多様化するお支払い手段への対応などを充実させ、店舗運営力の向上を通じ、お客様へのサービス向上を実現します。また、タブレット型端末を活用したデジタル・メニューブックの導入や、お客様のスマートフォンとのシステム連動も進めます。さらには、高成長を続ける宅配サービス事業拡大や、顧客接点拡大において必須となっているデジタル販促のためのシステムプラットフォーム強化にも取り組んでまいります。今後、デジタルテクノロジーの幅広い活用によって、店舗・本部・セントラルキッチンにおける従業員の生産性向上をすすめてまいります。
店舗運営システムの改革(フロアサービス強化と業務効率化推進)
お客様の満足度向上のためには、お客様との接点となるフロアのサービスを充実させることが急務であり、店舗および従業員にしっかりと投資する必要があると考えております。2019年は引き続き、お客様にご満足いただける店舗と、当社にとって大切な従業員への投資、そしてフロアサービスの強化を進め、店舗環境整備を強化します。店舗オペレーションのデジタル化/マネジメントシステムの効率化、セントラルキッチンにおける高加工度商品の製造・供給量を拡大し、店舗運営効率化・生産性向上を実現してまいります。
企業成長
昨今の消費者ニーズの多様性に対応して、海外出店を視野に入れた年間100店規模の出店を継続するとともに、シニア向け「藍屋」・「夢庵」個室化等のリモデル戦略は従来同様に年間約200~300店規模で実施、滞在型の「むさしの森珈琲」の出店、新型ファミリーレストランのポジションにある「しゃぶ葉」の急速多店舗展開など、すかいらーくグループのブランドポートフォリオを通して多様なライフスタイルへの対応を推進しております。また、2018年、中華「バーミヤン」の地方出店(既存業態からの転換)を再開し、再開を待ち望んでくださっていた多くのお客様にご好評いただいております。今後も、「バーミヤン」の地方再出店を進め、お客様のご期待に応えてまいります。
宅配ビジネスも年間売上約200億円規模・年率10%以上の成長を維持しており、オーダーとお支払方法のキャッシュレス化などデジタルテクノロジーの改善を進め、今後も積極的に取り組んでまいります。販売チャネルについても、自社配送システムの迅速化・効率化による売上拡大と、他社の宅配サービスの積極活用により多様化を進めることで、さらなる成長を目指します。
また海外市場につきましても、好調に成長している台湾にて既存店収益向上を図るとともに日本で成功した「しゃぶ葉」を中心に積極的に出店しており、業績は好調に推移しております。また更なる海外展開の準備の為に、アメリカとマレーシアに現地法人を設立し、出店の準備をしてまいります。
④働き方改革のさらなる推進と環境への取り組み
当社の持続的な成長を支える重要な基盤は人財です。これまでにも、店舗の営業時間見直しや、年末年始の店舗営業の見直しなど、従業員の職場環境改善に取り組んでまいりました。また、女性やシニアの方々の雇用制度の充実にも積極的に取り組んでおり、2015年9月にクルーの定年を正社員同様に65歳に延長しました。さらにその先の雇用区分として「ベテランズクルー制度」を再設定し、上限年齢を70歳までとし、2019年1月にはクルーの定年を75歳にさらに延長しております。
今後は、従業員が心身ともに健康で活き活きと働ける環境づくりを強化し、全社・全店舗での禁煙活動推進などを実施してまいります。とくに禁煙は、法令に従い飲食店が原則屋内禁煙になり、オリンピックなども契機となってその機運はますます高まります。そうした中、外食に携わる私たちが率先して健康な身体づくりを体現していけるよう努め、お客様への安心・安全責任と地域社会への貢献を果たしてまいります。
また、すかいらーくグループは、ESG強化の観点から、国内外全店舗において石油由来の従来型プラスチック製使い捨てストローの使用を廃止することを表明し、2018年12月から全国約1,400店舗の主力業態「ガスト」全店において、ドリンクバーにおけるストロー常備廃止と生分解性のバイオマスストロー導入を開始しています。今後、ガスト以外の業態への展開を順次進めてまいります。
⑤食の安全・安心に向けた取組み
当社グループでは、食材の調達から加工・流通・店舗での調理保管に至るまで、全ての工程で厳格な管理基準を設け、品質管理及び衛生管理を行っております。また、全国8ヶ所にある、マーチャンダイジングセンター内の検査室では、定期的な食品検査を実施し、商品の品質を担保しております。
2011年以降取り組んだ対策をもとに改定・整備された「安全・衛生に関するマニュアル」を全従業員が常に実行できる体制を継続することにより、食を扱う企業としての社会的責任を再認識し、お客様に信頼いただけるよう安全・安心に向けた取組みを更に強化してまいります。