訂正有価証券報告書-第9期(2019/01/01-2019/12/31)
有報資料
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』という経営理念、「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 清潔な店舗で味わっていただく」という指針のもと、和洋中をはじめとした各種テーブルレストランを中核事業に、現在、約3,200店舗を展開し、年間約4億人のお客様にご来店いただいております。今後も、それぞれの地域で皆さまに喜ばれ、なお一層必要とされるお店作りを目指してまいります。
当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開し、株主利益の増大化を図ってまいります。
当社グループは、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を重要な経営指標として位置づけております。
なお、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を以下の算式により算出しております。
EBITDA=税引前利益+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の金融関連費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の金融関連収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
・その他の金融関連費用は、連結純損益計算書上はその他の費用として記載しています。
・その他の金融関連収益は、連結純損益計算書上のその他の収益のうち、債務時効消滅益を除いた金額となります。なお、第6期を除き、その他の金融関連収益の額は連結純損益計算書上のその他の収益の額と一致しております。
調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失-非金融資産の減損損失の戻入れ+上場及び売出関連費用+適格上場に伴う会計上の見積変更額
調整後当期利益=当期利益+上場及び売出関連費用+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+適格上場に伴う会計上の見積変更額+IFRS第9号「金融商品」(2014)適用に伴う金融負債の条件変更に係る関連損益(会計方針変更による遡及適用に伴う影響額の再調整含む)+調整項目の税効果調整
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』を経営理念に掲げ、ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただくことをミッションとしています。従業員一丸となって、それぞれの地域で皆さまに喜ばれる店舗づくりを目指すため、顧客のニーズに柔軟に対応し、より強固な企業体制を整備し、市場競争力を向上させる必要があると認識し、以下の施策に重点的に取り組んでいく所存です。
①当社グループの強みと経営スタイルの特徴
日本最大のテーブルサービスレストランチェーンである当社グループは、以下のような強固な事業基盤を有していると考えております。
・幅広い顧客ニーズに対応できる多様なブランドポートフォリオを有していること
・外食市場におけるリーディングプレーヤーであり、優良な店舗立地を有していること
・商品開発から食材の調達、セントラルキッチンでの加工、物流、料理の提供まで自社のネットワークで行う「垂直統合プラットフォーム」を有しており、市場の変化に迅速に対応するスピードとスケールメリットを有していること
・卓越した分析能力を有しており、分析結果を経営判断に活用していること
・業界最先端のデジタルマーケティングを実施していること
・優れた実績を持つ強力且つ経験豊富な経営陣とテーブルサービスレストラン運営に長けた数多くの人財、定着率の高い優秀な店舗スタッフを有していること
この強固な事業基盤により、当社グループの経営は競合他社にはない以下の特徴を持っております。
(ⅰ)多様な業態を展開し、手頃な価格でのメニューの提供
当社グループは、和食・洋食・中華・イタリアンなど複数のカテゴリーにおいて、知名度の高い多様な業態を展開しております。また、お手頃な価格設定により、国内消費者の多数を占める幅広い層のお客様にご支持いただいております。
(ⅱ)外部環境の変化に対する迅速且つ柔軟な戦略転換や成功確度の高い施策の実施
当社グループは、外部環境や消費者ニーズの変化を敏感に察知・把握し、その変化に合致する戦略の実行を速やかに行うことで、高収益をあげてまいりました。
2010年~2013年にはデフレ環境下において店舗配置やブランドポートフォリオの見直しを行いました。2014年~2015年にはインフレ環境下において高単価商品を積極的に開発・導入することにより、客単価上昇が牽引する既存店売上高増加を実現いたしました。2016年~2017年は消費者の嗜好の細分化に対応し、スペシャリティブランドの展開により注力いたしました。2020年以降のフードサービス淘汰の時代を迎えるにあたって、2018年以降は「店舗と従業員への投資」を最優先に実行してまいりました。
また、新業態をはじめとする当社グループの新たな施策の多くは、既存の事業基盤を活用した施策であるため、成功可能性が非常に高くなっております。
②当社グループがとらえる外部環境変化
当社グループでは、様々な外部環境変化のうち、業績に影響を与えるであろうトレンドを以下の7つと考えております。
(ⅰ)総需要の伸びの鈍化
人口は減少するものの、外食への1人あたり支出の増加により、2020年頃までは市場規模は横ばいに推移する。また、ファミリーレストラン市場の周辺には、朝食・カフェ・アルコール需要など、大規模な市場が存在している。
(ⅱ)需要の都市部への移動
利便性を求める層が都市部に移動し、併せて、様々なインフラ維持コストを削減するために政府や自治体も都市中心部への移動を促進する。これにより、人の動きが都市中心に移るとともに、それら中心部を繋ぐ幹線道路沿いの重要性も高まる。
(ⅲ)単身者・女性の社会進出、高齢者層の増加
相対的に外食への支出割合が高い、単身者や共働き世帯の割合が上昇する。また、資産を持つ高齢者世代は外食に慣れ親しんだ世代であり、食へのこだわりや食を通じたコミュニケーションへの欲求、調理の手間削減などのために今後も積極的に外食を利用する。
(ⅳ)食の嗜好の成熟化
多くの消費者の食への嗜好が成熟化し目的利用の割合が高まる。これにより、特定のカテゴリーで相対的に安価で質が高いメニューを提供できる専門店ニーズが高くなる。
(ⅴ)消費の二極化
外食を贅沢の対象とする高価格帯の消費者が一定数存在する一方で、実質賃金が伸び悩んでいることにより節約志向も底堅く、低価格でバリューを訴求するファミリーレストランが伸長する。
(ⅵ)インフレの進展
新興国における需要の拡大や為替影響により、卸売物価は継続的に上昇する。また、生産年齢人口の減少や景気回復に伴う求人の増加、最低賃金の上昇に伴う時給単価の増によって、人件費は上昇する。
(ⅶ)ファストフード、コンビニエンスストアとの競争領域の重複
ファストフードやコンビニエンスストアは手軽さだけでなく、食事需要の積極的な取り込みを図り、低価格・少人数での利用シーンにおいてファミリーレストランと競合しつつある。
これらの環境変化を事業成長の好機ととらえ、外部環境変化に対する迅速且つ的確な施策の実施を通じ、今後も成長を実現してまいりたいと考えております。
③当社グループの成長戦略
当社を取り巻く経営環境は、少子高齢化に伴う労働力の減少や国内外の政治経済等、不透明な状況にあります。一方で、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた景気回復への期待感や右肩上がりのインバウンド需要、消費者のライフスタイルの変化による喫食機会の増加等、成長できる要素も多く存在します。
2020年以降も継続的に成長を続けていくために、当社は生産性の向上により、人件費増を上回る収益を確保する「営業主導型の構造改革」を実施します。顧客・従業員重視の経営を推進し、継続的な企業価値の向上を目指します。
(ⅰ)店舗における顧客サービスレベルの向上
今後さらなる成長を目指すためには、生産性の向上が不可欠です。近年深刻化している人件費高騰を乗り越えるため、これまでの店舗業務のあり方を抜本的に見直し、次項に述べるデジタライゼーションの効果によりフロアサービスの約3割を効率化し、その時間を顧客サービスの向上に充当します。
・高度な顧客サービス提供能力を持つマネジャーがフロアで着実に業務に携わることのできる体制を整備します。
・キッチン作業の負荷を軽減するため、購買・生産において加工度を高めた商品の開発・製造を行います。
・マネジャーがスタッフの教育・指導に十分に関わることにより、スタッフの早期戦力化を図り、店舗におけるサービス全体の水準を向上させます。
・営業時間を最適化し、店舗の運営効率を高めます。
(ⅱ)デジタライゼーションの強化
オペレーション改革による生産性向上のための重要な施策として、ITデジタル投資をさらに強化します。2019年に実験を開始した「デジタルメニューブック」の導入を進め、上半期には主要ブランドへの配備が完了します。デジタルプロモーションに関しては新しいテクノロジーをより一層積極的に導入し、お客様とのタッチポイントを強化し、お客様のライフスタイルに寄り添うためのシステムの開発を継続的に行います。また、人件費増に対応するため、店舗オペレーションやバックオフィス業務のデジタライゼーションによる効率化を図り、従業員の作業負荷を低減するとともに、店舗生産性を改善し、店舗運営力の向上を図ります。
・すかいらーくアプリのユーザビリティの向上と機能強化により、よりパーソナライズされたお客様へのサービス強化を図り、プロモーション活動の徹底的な効率化を推進します。
・従業員のデジタルデバイス利活用を促進し、コミュニケーションの円滑化と生産性のさらなる向上に努めます。
・バックオフィス業務の負荷を低減するため、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の導入を拡大・推進します。
(ⅲ)安定的な売上拡大のための客数増を実現
ライフスタイルの変化に伴い、テーブルサービスレストランの利用目的も多様化しています。お客様のニーズを的確に捉え、メニューを強化してまいります。生産性の向上により生み出された時間をより多くのお客様へのサービスに充てる仕組みを作ることにより、客数増を実現します。
・多店舗を擁するチェーンストアとしての高効率のプロモーションシステムを再構築いたします。
・全国ナショナルチェーンのガストでは、地方の料理や食材を使用したフェアを推進してお客様の来店頻度を高めます。
・全業態でアルコールの強化を行います。料理の併売率を上げることにより、単品価格を上げることなく客単価の向上を達成します。
・お客様の健康向上に資するメニューや低アレルゲンメニューの充実を図ります。
・宅配サービスでは、配達員効率システムおよび自社内多業態合同宅配システムを稼働させます。今後も市場の拡大が見込まれる宅配とテイクアウトの事業を強化します。
(ⅳ)既存店強化と新店出店により売上成長を追求
当社は日本国内におけるマーケットに対応した出店可能業態を数多く有しており、2020年も計画的に出店します。刻々と変化するマーケットの商圏特性を踏まえ、早期に投資回収ができる立地を厳選します。
・2020年は約90店を出店し、業績の向上に寄与します。
・ブランドポートフォリオ・ストアポートフォリオを明確にし、お客様のニーズに応じた業態を出店します。
・安全性向上およびお客様の快適性向上のため店舗の改修を重点的に行います。
・ピーク時客数増に伴う売上と利益の拡大のため、店舗レイアウトの最適化を行います。
(ⅴ)SDGsの目標を実現するため、レストランとしての使命を果たします
当社の事業活動が「持続可能な開発目標(SDGs)」と深い関わりがあることを認識し、国連が定めるグローバル目標に即した施策を実行します。調達・生産から店舗運営まで、当社の商品・サービス・企業活動を通じて、社会の発展と地球環境保全に貢献してまいります。
・石油由来の従来型プラスチック製品の削減を推進します。
・調達・生産・料理提供の各過程における食品ロスを削減します。
・生産・物流において排出されるCO2を削減します。
・ダイバーシティを推進し、すべての従業員にとって働きがいのある職場環境を整備します。
・従来進めてきた空調設備や厨房設備の省エネ化を加速します。
・職場環境を改善し、従業員の健康保持・増進およびパフォーマンス向上等に取り組みます。
私たちの経営理念は『価値ある豊かさの創造』です。「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 清潔な店舗で味わっていただく」という私たちのミッションを実現し、お客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような店舗づくりを目指してまいります。
④働き方改革のさらなる推進と環境への取り組み
当社の持続的な成長を支える重要な基盤は人財です。従業員の働く環境を整えワークライフバランスを向上させるため、これまで店舗の営業時間見直しや、年末年始の店舗営業の見直しなどに取り組んでまいりました。また、女性やシニアの方々の雇用制度の充実にも積極的に取り組んでおり、2015年9月にクルーの定年を正社員同様に65歳に延長しました。さらにその先の雇用区分として「ベテランズクルー制度」を再設定し、上限年齢を70歳までとし、2019年1月にはクルーの定年を75歳にさらに延長しております。
店舗営業時間の見直しについては、2019年末の大みそかから翌日の元旦にかけて全店舗の80%にあたる約2,700店で営業時間を短縮しました。2020年も、2020年1月20日に発表した24時間営業の全店廃止を皮切りに、さらなる営業時間の最適化を進めてまいります。
また、2019年9月1日より、グループでの全店舗(約3,200店)で敷地内禁煙を実施しています。お客様、そして働く従業員の健康増進と職場環境の改善を目的として、法令に先立ち実施いたしました。
環境への取り組みとしましては、2019年6月にすかいらーくレストランツ全店で使い捨てプラスチック製ストローの使用を廃止しております。また、2019年12月よりテイクアウト・レジ袋をバイオマスプラスチックに順次変更しています。今後、カトラリーや弁当容器なども順次切り替えていく予定です。
⑤食の安全・安心に向けた取組み
当社グループでは、食材の調達から加工・流通・店舗での調理保管に至るまで、全ての工程で厳格な管理基準を設け、品質管理及び衛生管理を行っております。また、全国8ヶ所にある、マーチャンダイジングセンター内の検査室では、定期的な食品検査を実施し、商品の品質を担保しております。
2011年以降取り組んだ対策をもとに改定・整備された「安全・衛生に関するマニュアル」を全従業員が常に実行できる体制を継続することにより、食を扱う企業としての社会的責任を再認識し、お客様に信頼いただけるよう安全・安心に向けた取組みを更に強化してまいります。
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』という経営理念、「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 清潔な店舗で味わっていただく」という指針のもと、和洋中をはじめとした各種テーブルレストランを中核事業に、現在、約3,200店舗を展開し、年間約4億人のお客様にご来店いただいております。今後も、それぞれの地域で皆さまに喜ばれ、なお一層必要とされるお店作りを目指してまいります。
当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開し、株主利益の増大化を図ってまいります。
当社グループは、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を重要な経営指標として位置づけております。
なお、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益を以下の算式により算出しております。
EBITDA=税引前利益+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の金融関連費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の金融関連収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
・その他の金融関連費用は、連結純損益計算書上はその他の費用として記載しています。
・その他の金融関連収益は、連結純損益計算書上のその他の収益のうち、債務時効消滅益を除いた金額となります。なお、第6期を除き、その他の金融関連収益の額は連結純損益計算書上のその他の収益の額と一致しております。
調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失-非金融資産の減損損失の戻入れ+上場及び売出関連費用+適格上場に伴う会計上の見積変更額
調整後当期利益=当期利益+上場及び売出関連費用+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+適格上場に伴う会計上の見積変更額+IFRS第9号「金融商品」(2014)適用に伴う金融負債の条件変更に係る関連損益(会計方針変更による遡及適用に伴う影響額の再調整含む)+調整項目の税効果調整
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』を経営理念に掲げ、ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただくことをミッションとしています。従業員一丸となって、それぞれの地域で皆さまに喜ばれる店舗づくりを目指すため、顧客のニーズに柔軟に対応し、より強固な企業体制を整備し、市場競争力を向上させる必要があると認識し、以下の施策に重点的に取り組んでいく所存です。
①当社グループの強みと経営スタイルの特徴
日本最大のテーブルサービスレストランチェーンである当社グループは、以下のような強固な事業基盤を有していると考えております。
・幅広い顧客ニーズに対応できる多様なブランドポートフォリオを有していること
・外食市場におけるリーディングプレーヤーであり、優良な店舗立地を有していること
・商品開発から食材の調達、セントラルキッチンでの加工、物流、料理の提供まで自社のネットワークで行う「垂直統合プラットフォーム」を有しており、市場の変化に迅速に対応するスピードとスケールメリットを有していること
・卓越した分析能力を有しており、分析結果を経営判断に活用していること
・業界最先端のデジタルマーケティングを実施していること
・優れた実績を持つ強力且つ経験豊富な経営陣とテーブルサービスレストラン運営に長けた数多くの人財、定着率の高い優秀な店舗スタッフを有していること
この強固な事業基盤により、当社グループの経営は競合他社にはない以下の特徴を持っております。
(ⅰ)多様な業態を展開し、手頃な価格でのメニューの提供
当社グループは、和食・洋食・中華・イタリアンなど複数のカテゴリーにおいて、知名度の高い多様な業態を展開しております。また、お手頃な価格設定により、国内消費者の多数を占める幅広い層のお客様にご支持いただいております。
(ⅱ)外部環境の変化に対する迅速且つ柔軟な戦略転換や成功確度の高い施策の実施
当社グループは、外部環境や消費者ニーズの変化を敏感に察知・把握し、その変化に合致する戦略の実行を速やかに行うことで、高収益をあげてまいりました。
2010年~2013年にはデフレ環境下において店舗配置やブランドポートフォリオの見直しを行いました。2014年~2015年にはインフレ環境下において高単価商品を積極的に開発・導入することにより、客単価上昇が牽引する既存店売上高増加を実現いたしました。2016年~2017年は消費者の嗜好の細分化に対応し、スペシャリティブランドの展開により注力いたしました。2020年以降のフードサービス淘汰の時代を迎えるにあたって、2018年以降は「店舗と従業員への投資」を最優先に実行してまいりました。
また、新業態をはじめとする当社グループの新たな施策の多くは、既存の事業基盤を活用した施策であるため、成功可能性が非常に高くなっております。
②当社グループがとらえる外部環境変化
当社グループでは、様々な外部環境変化のうち、業績に影響を与えるであろうトレンドを以下の7つと考えております。
(ⅰ)総需要の伸びの鈍化
人口は減少するものの、外食への1人あたり支出の増加により、2020年頃までは市場規模は横ばいに推移する。また、ファミリーレストラン市場の周辺には、朝食・カフェ・アルコール需要など、大規模な市場が存在している。
(ⅱ)需要の都市部への移動
利便性を求める層が都市部に移動し、併せて、様々なインフラ維持コストを削減するために政府や自治体も都市中心部への移動を促進する。これにより、人の動きが都市中心に移るとともに、それら中心部を繋ぐ幹線道路沿いの重要性も高まる。
(ⅲ)単身者・女性の社会進出、高齢者層の増加
相対的に外食への支出割合が高い、単身者や共働き世帯の割合が上昇する。また、資産を持つ高齢者世代は外食に慣れ親しんだ世代であり、食へのこだわりや食を通じたコミュニケーションへの欲求、調理の手間削減などのために今後も積極的に外食を利用する。
(ⅳ)食の嗜好の成熟化
多くの消費者の食への嗜好が成熟化し目的利用の割合が高まる。これにより、特定のカテゴリーで相対的に安価で質が高いメニューを提供できる専門店ニーズが高くなる。
(ⅴ)消費の二極化
外食を贅沢の対象とする高価格帯の消費者が一定数存在する一方で、実質賃金が伸び悩んでいることにより節約志向も底堅く、低価格でバリューを訴求するファミリーレストランが伸長する。
(ⅵ)インフレの進展
新興国における需要の拡大や為替影響により、卸売物価は継続的に上昇する。また、生産年齢人口の減少や景気回復に伴う求人の増加、最低賃金の上昇に伴う時給単価の増によって、人件費は上昇する。
(ⅶ)ファストフード、コンビニエンスストアとの競争領域の重複
ファストフードやコンビニエンスストアは手軽さだけでなく、食事需要の積極的な取り込みを図り、低価格・少人数での利用シーンにおいてファミリーレストランと競合しつつある。
これらの環境変化を事業成長の好機ととらえ、外部環境変化に対する迅速且つ的確な施策の実施を通じ、今後も成長を実現してまいりたいと考えております。
③当社グループの成長戦略
当社を取り巻く経営環境は、少子高齢化に伴う労働力の減少や国内外の政治経済等、不透明な状況にあります。一方で、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた景気回復への期待感や右肩上がりのインバウンド需要、消費者のライフスタイルの変化による喫食機会の増加等、成長できる要素も多く存在します。
2020年以降も継続的に成長を続けていくために、当社は生産性の向上により、人件費増を上回る収益を確保する「営業主導型の構造改革」を実施します。顧客・従業員重視の経営を推進し、継続的な企業価値の向上を目指します。
(ⅰ)店舗における顧客サービスレベルの向上
今後さらなる成長を目指すためには、生産性の向上が不可欠です。近年深刻化している人件費高騰を乗り越えるため、これまでの店舗業務のあり方を抜本的に見直し、次項に述べるデジタライゼーションの効果によりフロアサービスの約3割を効率化し、その時間を顧客サービスの向上に充当します。
・高度な顧客サービス提供能力を持つマネジャーがフロアで着実に業務に携わることのできる体制を整備します。
・キッチン作業の負荷を軽減するため、購買・生産において加工度を高めた商品の開発・製造を行います。
・マネジャーがスタッフの教育・指導に十分に関わることにより、スタッフの早期戦力化を図り、店舗におけるサービス全体の水準を向上させます。
・営業時間を最適化し、店舗の運営効率を高めます。
(ⅱ)デジタライゼーションの強化
オペレーション改革による生産性向上のための重要な施策として、ITデジタル投資をさらに強化します。2019年に実験を開始した「デジタルメニューブック」の導入を進め、上半期には主要ブランドへの配備が完了します。デジタルプロモーションに関しては新しいテクノロジーをより一層積極的に導入し、お客様とのタッチポイントを強化し、お客様のライフスタイルに寄り添うためのシステムの開発を継続的に行います。また、人件費増に対応するため、店舗オペレーションやバックオフィス業務のデジタライゼーションによる効率化を図り、従業員の作業負荷を低減するとともに、店舗生産性を改善し、店舗運営力の向上を図ります。
・すかいらーくアプリのユーザビリティの向上と機能強化により、よりパーソナライズされたお客様へのサービス強化を図り、プロモーション活動の徹底的な効率化を推進します。
・従業員のデジタルデバイス利活用を促進し、コミュニケーションの円滑化と生産性のさらなる向上に努めます。
・バックオフィス業務の負荷を低減するため、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の導入を拡大・推進します。
(ⅲ)安定的な売上拡大のための客数増を実現
ライフスタイルの変化に伴い、テーブルサービスレストランの利用目的も多様化しています。お客様のニーズを的確に捉え、メニューを強化してまいります。生産性の向上により生み出された時間をより多くのお客様へのサービスに充てる仕組みを作ることにより、客数増を実現します。
・多店舗を擁するチェーンストアとしての高効率のプロモーションシステムを再構築いたします。
・全国ナショナルチェーンのガストでは、地方の料理や食材を使用したフェアを推進してお客様の来店頻度を高めます。
・全業態でアルコールの強化を行います。料理の併売率を上げることにより、単品価格を上げることなく客単価の向上を達成します。
・お客様の健康向上に資するメニューや低アレルゲンメニューの充実を図ります。
・宅配サービスでは、配達員効率システムおよび自社内多業態合同宅配システムを稼働させます。今後も市場の拡大が見込まれる宅配とテイクアウトの事業を強化します。
(ⅳ)既存店強化と新店出店により売上成長を追求
当社は日本国内におけるマーケットに対応した出店可能業態を数多く有しており、2020年も計画的に出店します。刻々と変化するマーケットの商圏特性を踏まえ、早期に投資回収ができる立地を厳選します。
・2020年は約90店を出店し、業績の向上に寄与します。
・ブランドポートフォリオ・ストアポートフォリオを明確にし、お客様のニーズに応じた業態を出店します。
・安全性向上およびお客様の快適性向上のため店舗の改修を重点的に行います。
・ピーク時客数増に伴う売上と利益の拡大のため、店舗レイアウトの最適化を行います。
(ⅴ)SDGsの目標を実現するため、レストランとしての使命を果たします
当社の事業活動が「持続可能な開発目標(SDGs)」と深い関わりがあることを認識し、国連が定めるグローバル目標に即した施策を実行します。調達・生産から店舗運営まで、当社の商品・サービス・企業活動を通じて、社会の発展と地球環境保全に貢献してまいります。
・石油由来の従来型プラスチック製品の削減を推進します。
・調達・生産・料理提供の各過程における食品ロスを削減します。
・生産・物流において排出されるCO2を削減します。
・ダイバーシティを推進し、すべての従業員にとって働きがいのある職場環境を整備します。
・従来進めてきた空調設備や厨房設備の省エネ化を加速します。
・職場環境を改善し、従業員の健康保持・増進およびパフォーマンス向上等に取り組みます。
私たちの経営理念は『価値ある豊かさの創造』です。「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 清潔な店舗で味わっていただく」という私たちのミッションを実現し、お客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような店舗づくりを目指してまいります。
④働き方改革のさらなる推進と環境への取り組み
当社の持続的な成長を支える重要な基盤は人財です。従業員の働く環境を整えワークライフバランスを向上させるため、これまで店舗の営業時間見直しや、年末年始の店舗営業の見直しなどに取り組んでまいりました。また、女性やシニアの方々の雇用制度の充実にも積極的に取り組んでおり、2015年9月にクルーの定年を正社員同様に65歳に延長しました。さらにその先の雇用区分として「ベテランズクルー制度」を再設定し、上限年齢を70歳までとし、2019年1月にはクルーの定年を75歳にさらに延長しております。
店舗営業時間の見直しについては、2019年末の大みそかから翌日の元旦にかけて全店舗の80%にあたる約2,700店で営業時間を短縮しました。2020年も、2020年1月20日に発表した24時間営業の全店廃止を皮切りに、さらなる営業時間の最適化を進めてまいります。
また、2019年9月1日より、グループでの全店舗(約3,200店)で敷地内禁煙を実施しています。お客様、そして働く従業員の健康増進と職場環境の改善を目的として、法令に先立ち実施いたしました。
環境への取り組みとしましては、2019年6月にすかいらーくレストランツ全店で使い捨てプラスチック製ストローの使用を廃止しております。また、2019年12月よりテイクアウト・レジ袋をバイオマスプラスチックに順次変更しています。今後、カトラリーや弁当容器なども順次切り替えていく予定です。
⑤食の安全・安心に向けた取組み
当社グループでは、食材の調達から加工・流通・店舗での調理保管に至るまで、全ての工程で厳格な管理基準を設け、品質管理及び衛生管理を行っております。また、全国8ヶ所にある、マーチャンダイジングセンター内の検査室では、定期的な食品検査を実施し、商品の品質を担保しております。
2011年以降取り組んだ対策をもとに改定・整備された「安全・衛生に関するマニュアル」を全従業員が常に実行できる体制を継続することにより、食を扱う企業としての社会的責任を再認識し、お客様に信頼いただけるよう安全・安心に向けた取組みを更に強化してまいります。