有価証券報告書-第142期(2023/04/01-2024/03/31)
③ GHGに関連する指標等の算定
a.炭素関連資産
炭素関連資産は、一般的に直接的または間接的なGHG排出量が比較的高い資産または組織とされており、当行では次のセクターに関連する資産を炭素関連資産としています。
〈金額単位:百万円)
<炭素関連資産の算定プロセス>
b.GHG排出量
当行は、サステナビリティ推進委員会における温室効果ガス対策分科会と、GHG排出量算定・可視化クラウドサービスを提供する株式会社ゼロボードとの協働により、GHG排出量の算定対象範囲、算定方法等についてGHGプロトコルに則り検討を重ねてきましたが、今回算定・推定したGHG排出量は次のとおりです。なお、温室効果ガスはすべてCO2(二酸化炭素)に換算しています。
ア.スコープ1、2(連結子会社を含む、単位:t-CO2)
<スコープ1、2の算定プロセス>
イ.スコープ3(カテゴリー3は連結子会社を含む、それ以外は当行単体、単位:t-CO2)
<スコープ3の算定対象範囲、基礎データ、算定方法>
今後は、GHG排出量の大部分を占めるスコープ3カテゴリー15におけるデータクオリティ(スコア)とともに、その他のカテゴリーについても精度・粒度の向上を図っていく予定としています。
④ 指標と目標
a.当行グループのGHG排出量の削減
当行グループが地域の脱炭素社会の実現に向けて先導的役割を果たす姿勢を示すため、GHG排出量の削減について次のとおり目標を定めています。
2023年度においては、再生可能エネルギー由来の電力である「いわて復興パワー水力プレミアム」を当行グループに導入することで、スコープ1、2において基準年(2013年度)対比で▲63%まで削減が図られました。

引き続き、豊かな森林・海洋資源の保全や、地域の再生可能エネルギー由来電源開発、CO2貯留などへの取組み・関与を通じて、GHG排出量の削減に貢献し、将来的に社会全体のGHG排出量が吸収量を下回る状態「カーボンネガティブ」の実現を目指していきます。
さらに、当行はスコープ3を含むGHG排出量ネットゼロやカーボンネガティブを目指すにあたり、自治体との脱炭素社会の実現に向けた基本合意の推進等、面的企業支援および関係者間の連携強化に向けて積極的に取り組むとともに、事業性理解や本業支援、エンゲージメントを通じて、いわぎんSDGs評価・宣言サポートサービス、GHG排出量算定・可視化サービス、J-クレジット、自家消費型太陽光発電など、取引先の気候変動に関する課題の解決に向けたコンサルティングやソリューションを幅広く提供していきます。
b.サステナブルファイナンス
脱炭素社会への移行にあたって必要となり得る設備投資、技術革新、消費行動の変化については、事業活動における機会にもつながるものであると考えます。
当行では、前述のとおり特定セクターに対する融資を制限する一方で、脱炭素社会実現に向けた先導的・革新的対応をマテリアリティの一つとし、グリーントランスフォーメーションを掲げていることや、地域金融機関にはSDGsやESGに対する地域の取組みを促す役割が期待されており、融資等のファイナンスを通じて環境・社会課題の解決に貢献していくため、ファイナンスの実行目標を設定し積極的に推進しています。
2023年度は、グリーン・ローンへの取組みのほか、環境・社会課題に対応した「いわぎんサステナビリティ・リンク・ローン」の創設、脱炭素関連リフォーム資金の金利優遇など、お客さまのサステナブルな事業や生活を支援するメニューの充実を図りました。
この結果、2023年度のサステナブルファイナンスの実績は775億円(うち再生可能エネルギー関連の融資・リース取引85億円)となり、2021年度からの累計実績は1,740億円となりました。
<サステナブルファイナンスの補足>
a.炭素関連資産
炭素関連資産は、一般的に直接的または間接的なGHG排出量が比較的高い資産または組織とされており、当行では次のセクターに関連する資産を炭素関連資産としています。
〈金額単位:百万円)
| セクター | 項 目 | 2022年度 | 2023年度 |
| エネルギー | 金 額 | 57,655 | 59,393 |
| 貸出金に占める割合 | 2.85% | 2.82% | |
| 運輸 | 金 額 | 62,327 | 60,895 |
| 貸出金に占める割合 | 3.08% | 2.90% | |
| 素材・建築物・資本財 | 金 額 | 277,099 | 289,957 |
| 貸出金に占める割合 | 13.73% | 13.81% | |
| 農業・食料・林産物 | 金 額 | 67,382 | 68,551 |
| 貸出金に占める割合 | 3.33% | 3.26% | |
| 炭素関連資産合計 | 464,465 | 478,797 | |
| 貸出金に占める割合 | 23.01% | 22.80% | |
<炭素関連資産の算定プロセス>
| ● セクターと主な業種 取引先ごとに主たる業種に基づき設定している業種コードおよび業種の名称について、GICS(世界産業分類基準)も参考にして「エネルギー」、「運輸」、「素材・建築物・資本財」、「農業・食料・林産物」、「その他」の5つのセクターに当てはめてから、「その他」を除くセクターごとに複数の主な業種に分類しています。 主な業種について、エネルギーセクターは「石油、ガス」「石炭」「電力事業」、運輸セクターは「航空貨物輸送」「航空旅客輸送」「海運」「鉄道輸送」「トラックサービス」「自動車、部品」、素材・建築物・資本財セクターは「金属、鉱業」「化学品」「建材」「資本財(建物等)」「不動産管理、開発」、農業・食料・林産物セクターは「飲料」「農業」「包装食品、肉」「紙、林産物」としています。 なお、石油卸売業、運輸に附帯するサービス業、産業用機械器具関連事業は炭素関連資産に含めており、再生可能エネルギー関連、上下・工業用水道事業、内陸水運業は炭素関連資産に含めていません。 ● 金額 各年度末時点で主たる業種が上記のセクター・主な業種に該当する法人および個人事業主向けの事業性貸出金(割引手形、手形貸付、証書貸付、当座貸越)の残高としています。 |
b.GHG排出量
当行は、サステナビリティ推進委員会における温室効果ガス対策分科会と、GHG排出量算定・可視化クラウドサービスを提供する株式会社ゼロボードとの協働により、GHG排出量の算定対象範囲、算定方法等についてGHGプロトコルに則り検討を重ねてきましたが、今回算定・推定したGHG排出量は次のとおりです。なお、温室効果ガスはすべてCO2(二酸化炭素)に換算しています。
ア.スコープ1、2(連結子会社を含む、単位:t-CO2)
| 区 分 | 2022年度 | 2023年度 |
| スコープ1 | 1,113 | 1,051 |
| スコープ2 | 3,547 | 1,774 |
| 合 計 | 4,660 | 2,825 |
<スコープ1、2の算定プロセス>
| スコープ1は直接排出(ガソリン、灯油、重油、ガス)、スコープ2は間接排出(電気)であり、それぞれの使用量に対して最も適切と考えられる排出原単位を乗じて算定しています。 排出原単位は、環境省が公表している「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」ならびに「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)」を利用しています。 |
イ.スコープ3(カテゴリー3は連結子会社を含む、それ以外は当行単体、単位:t-CO2)
| カテゴリー | 2022年度 | 2023年度 |
| 1.購入した製品・サービス | 7,909 | 8,261 |
| 2.資本財 | 1,502 | 1,829 |
| 3.スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー活動 | 710 | 683 |
| 4.輸送、配送(上流) | 218 | 248 |
| 5.事業から出る廃棄物 | 43 | 30 |
| 6.出張 | 135 | 167 |
| 7.雇用者の通勤 | 535 | 557 |
| 15.投融資 | 1,504,455 | 1,310,629 |
| 合 計 | 1,515,511 | 1,322,406 |
<スコープ3の算定対象範囲、基礎データ、算定方法>
| ● カテゴリー2、3、7、15以外の基本的事項 当行で利用している経費管理システムから得られるデータについて、勘定科目と摘要コードの組み合わせをもって、経費支出項目(以下、支出項目)と算定要否を判定したうえで、カテゴリーごとに算定しています。 ● カテゴリー3、15以外の排出原単位 環境省が公開している「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」を利用しています。また、排出原単位については、各支出項目に照らして最も適切と考えられるものを選定しています。 ● 消費税の取り扱い 消費税は控除せずに算定しています。 ● カテゴリー1「購入した製品・サービス」 当行の経費管理システムにおいて管理されている支出項目のうち、何らかの形でGHG排出を伴う活動かつ他のカテゴリーに属さないと考えられるものを抽出し、その支出金額に排出原単位を乗じています。 ● カテゴリー2「資本財」 各年度において取得した有形固定資産・無形固定資産の金額に、資本形成部門「金融・保険」の排出原単位を乗じています。 ● カテゴリー3「スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー活動」 ガソリン、ガス、灯油、重油の使用量に対して、「LCIデータベースIDEAv2(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)」の排出原単位を乗じています。なお、電気の使用量に対しては、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」の排出原単位を乗じています。 ● カテゴリー4「輸送、配送(上流)」 支出項目のうち、通信費(郵便料)、運送費(メール負担金)に排出原単位を乗じています。 ● カテゴリー5「事業から出る廃棄物」 支出項目のうち、廃棄物の収集料・処理料に対し廃棄物処理に係る排出原単位を乗じています。 ● カテゴリー6「出張」 出張、研修、会議出席等に係る支出項目(日当を含む)に対して、公共交通機関の利用を優先していることや排出原単位の交通区分および実態面を考慮し、旅客鉄道の排出原単位を乗じています。 ● カテゴリー7「雇用者の通勤」 人事給与情報システムにて管理されている「通勤手当」「嘱託等通勤費」「その他の通勤費」の金額に基づき算定しています。公共交通機関の利用を優先していますが、2022年度に距離範囲の拡大を含む自家用車通勤の要件の見直しを行ったこと、排出原単位の交通区分および実態面を考慮し、支出項目(通勤手当額)に対して自動車・バス(営業用乗合)の排出原単位を乗じています。 |
| ● カテゴリー8「リース資産(上流)」、カテゴリー9「輸送、配送(下流)」、カテゴリー10「販売した製品の加工」、カテゴリー11「販売した製品の使用」、カテゴリー13「リース資産(下流)」、カテゴリー14「フランチャイズ」 該当ございません。 ● カテゴリー12「販売した製品の廃棄」 使用済預金通帳の廃棄などが考えられますが、算定シナリオを組成していないため算定していません。 ● カテゴリー15「投融資」 今回は、事業法人向け融資ならびに住宅ローンを対象に、PCAF(※)スタンダードの方法論に準拠して算定しています。 ※「Partnership for Carbon Accounting Financials」金融機関の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ 具体的には次の手順のとおりです。 <事業法人向け融資>炭素関連資産に関連付け、そのセクターや主な業種ごとに、当行に融資取引がある代表的な事業法人が開示している売上高とそれに対するGHG排出量(スコープ1、2)の割合を算出し、その割合を排出係数(炭素強度)として各事業法人の直近決算時点の売上高に乗じる方法を基本に各事業法人における総排出量を推定しています。そして、その推定結果をアトリビューション・ファクター(各事業法人の負債と純資産の合計に占める当行融資残高)に乗じて算定しています。 事業法人ごとの排出量=炭素関連資産に基づくセクターや主な業種ごとの排出係数(炭素強度)×事業法人ごとの売上高×アトリビューション・ファクター(事業法人ごとの当行融資の寄与度) したがって、データクオリティはスコア4(企業の売上高とセクターの売上高あたりの排出係数より推計)相当となっています。 <住宅ローン>住宅ローン1件ごとに、各年度末時点の残高を分子、当行の住宅ローン関連システムから得られる購入時評価額を分母として当行寄与分を算出し、その結果に対して世帯当たりの年間CO2排出量を乗じて算定しています。 なお、購入時評価額を管理の対象としていない住宅ローンなど、住宅ローン関連システムから購入時評価額が抽出されないものについては、それを当初貸出額で代替しています。 また、世帯当たりの年間CO2排出量は、環境省が公表している「令和4年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査結果について(確報値)」(東北地方、算定対象年度末において把握できる直近の排出量、2023年度分については2022年度の3.59t-CO2/世帯・年)を引用しています。 過去に公表した2022年度の結果と異なっていますが、2021年度の4.02t-CO2/世帯・年を引用して算出していたものを、公表にあわせて2022年度の3.59t-CO2/世帯・年を適用し算出し直したためです。 |
また、カテゴリー15「投融資」の詳細は次のとおりです。(単位:t-CO2)
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今後は、GHG排出量の大部分を占めるスコープ3カテゴリー15におけるデータクオリティ(スコア)とともに、その他のカテゴリーについても精度・粒度の向上を図っていく予定としています。
| <ご留意いただきたい事項>上述の指標やリスク量の算定結果は、一定の仮定や前提を置いて導き出したものです。また、独立した第三者による保証・検証を取得しているものではありません。 今後、算定や分析対象セクターの範囲の拡大、精度や粒度の向上、リスクシナリオ分析の高度化、適用する排出係数・排出原単位の変更、算定方法に係る国際的な基準の明確化に対する議論の動向等により、当行で把握・公表する数値についても将来的に変更となる可能性があります。 |
④ 指標と目標
a.当行グループのGHG排出量の削減
当行グループが地域の脱炭素社会の実現に向けて先導的役割を果たす姿勢を示すため、GHG排出量の削減について次のとおり目標を定めています。
| 時 期 | 内 容 |
| 2030年度 | スコープ1、2 ネットゼロ |
| 2050年度 | スコープ1~3 ネットゼロ |
2023年度においては、再生可能エネルギー由来の電力である「いわて復興パワー水力プレミアム」を当行グループに導入することで、スコープ1、2において基準年(2013年度)対比で▲63%まで削減が図られました。

引き続き、豊かな森林・海洋資源の保全や、地域の再生可能エネルギー由来電源開発、CO2貯留などへの取組み・関与を通じて、GHG排出量の削減に貢献し、将来的に社会全体のGHG排出量が吸収量を下回る状態「カーボンネガティブ」の実現を目指していきます。
さらに、当行はスコープ3を含むGHG排出量ネットゼロやカーボンネガティブを目指すにあたり、自治体との脱炭素社会の実現に向けた基本合意の推進等、面的企業支援および関係者間の連携強化に向けて積極的に取り組むとともに、事業性理解や本業支援、エンゲージメントを通じて、いわぎんSDGs評価・宣言サポートサービス、GHG排出量算定・可視化サービス、J-クレジット、自家消費型太陽光発電など、取引先の気候変動に関する課題の解決に向けたコンサルティングやソリューションを幅広く提供していきます。
b.サステナブルファイナンス
脱炭素社会への移行にあたって必要となり得る設備投資、技術革新、消費行動の変化については、事業活動における機会にもつながるものであると考えます。
当行では、前述のとおり特定セクターに対する融資を制限する一方で、脱炭素社会実現に向けた先導的・革新的対応をマテリアリティの一つとし、グリーントランスフォーメーションを掲げていることや、地域金融機関にはSDGsやESGに対する地域の取組みを促す役割が期待されており、融資等のファイナンスを通じて環境・社会課題の解決に貢献していくため、ファイナンスの実行目標を設定し積極的に推進しています。
| 項 目 | 内 容 |
| サステナブル ファイナンス | 環境課題や社会課題の解決ならびに持続可能な社会の実現に資する投融資・リース取引 |
| 目標額 | 実行等累計額 5,000億円 |
| 期間 | 2021年度~2030年度 |
2023年度は、グリーン・ローンへの取組みのほか、環境・社会課題に対応した「いわぎんサステナビリティ・リンク・ローン」の創設、脱炭素関連リフォーム資金の金利優遇など、お客さまのサステナブルな事業や生活を支援するメニューの充実を図りました。
この結果、2023年度のサステナブルファイナンスの実績は775億円(うち再生可能エネルギー関連の融資・リース取引85億円)となり、2021年度からの累計実績は1,740億円となりました。
<サステナブルファイナンスの補足>
| ● サステナブルファイナンスは、農林漁業、社会保険・社会福祉、医療・保健衛生、教育・学習支援業ならびに再生可能エネルギー関連に対する融資とリース取引、事業承継・M&A資金、政府・自治体・民間企業などが発行するSDGs債(グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド)への投資、いわぎん脱炭素応援ローン等としています。 ● 期間は、当行がTCFD提言に賛同した2021年度からSDGs達成期限の2030年度までの10年間としています。 |