有価証券報告書-第144期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 9:58
【資料】
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【項目】
186項目

有報資料

当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営方針
① 経営理念
当行グループは、経営理念に「地域社会の発展に貢献する」「健全経営に徹する」を掲げ、地域のリーディングカンパニーとして地域社会の発展に持続的に貢献するとともに、役職員一人ひとりが当行グループで働くことに誇りを持てる職場であり続けることを目指しております。
この経営理念のもと、ステークホルダーおよび市場からの信頼をより確かなものとすべく、環境変化の激しい時代においても失敗を恐れず挑戦し、いかなる環境下においても地域を支え続けることのできる強固な経営基盤の確立に取り組んでおります。
② 長期ビジョン
当行グループは、2023年4月から2033年3月までの10年間における長期ビジョンとして、「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」を掲げております。この長期ビジョンのもと、当行グループの全機能・リソースを結集し、金融・非金融の両面から地域課題を解決する「エリアプラットフォーマー」として、お客さま・地域の資金調達、成長支援、資産形成支援、官民連携による社会基盤の構築等をワンストップで支えることを目指しております。

(2)前中期経営計画(第21次中期経営計画)の総括
長期ビジョンの実現に向けた第1フェーズである前中期経営計画(2023年4月~2026年3月)では、「金融サービス領域の深化」と「新たな事業領域への挑戦」をテーマに、各種施策を展開してまいりました。
当該期間においては、中小企業向け貸出の強化、事業承継・М&A支援、ICTコンサルティング、データ利活用の推進、大和証券株式会社との協業に向けた体制整備などを通じて、ソーシャルソリューションビジネスの高度化を図りました。また、再生可能エネルギー事業への参入や、CVCファンド・事業承継ファンドの創設などにより、新たな事業領域への展開を進めました。
加えて、有価証券ポートフォリオの再構築、地域統括型店舗運営体制への移行、生成AIの導入等による生産性向上、金融犯罪対策やサイバーセキュリティ対応の強化などに取り組み、経営基盤の強化を図りました。
さらに、新人事制度の導入や人的資本への積極的な投資を行い、多様な人材が働きがいを持ち続ける組織づくりを進めました。
これらの取組による前中期経営計画の主要計数目標の達成状況は以下のとおりです。
2025年度最終年度目標
連結当期純利益89億円70億円
連結ROE(株主資本ベース)※14.7%4.0%以上
連結自己資本比率 ※211.17%10%程度
OHR(単体) ※359.0%60%台
顧客向けサービス業務利益(単体) ※433.5億円10億円以上

※1 連結当期純利益÷株主資本平均残高
※2 自己資本の額÷リスク・アセット等の額
※3 経費(除く臨時処理分)÷コア業務粗利益
※4 貸出金平残×預貸金利回り差+役務利益-営業経費
(3)経営環境
当行グループを取り巻く経営環境は、持続的な金利上昇と預金調達における競争激化が同時に進行しており、近年にない局面にあります。また、物価上昇やエネルギー価格の高騰、人手不足等を背景とした地域企業の事業運営への影響やAI・デジタル技術の進展などから、かつてない不確実性に直面しております。加えて、金融犯罪の高度化・巧妙化、マネー・ローンダリング対策の高度化要請、気候変動対応や地域脱炭素化に対する社会的要請の高まりなど、当行グループが対応すべきリスクや要請も一層多様化しております。
一方で、これらの環境変化は、当行グループにとって成長機会でもあります。金利のある環境への移行は、預貸業務を中心とした収益基盤の再強化につながる機会となります。また、М&A・事業承継ニーズの拡大、地域企業のDX需要の高まり、家計の安定的な資産形成ニーズの拡大を背景として、当行グループが持つ顧客基盤や店舗網、外部機関との連携やコンサルティング機能等を活用することにより、地域課題の解決と収益力の向上の両立につながる機会が拡大しているものと認識しております。
(4)対処すべき課題
① 新中期経営計画の位置づけ
このような環境認識のもと、当行グループは、長期ビジョンの実現に向けた第2フェーズとして、2026年4月から2029年3月までを計画期間とする「第22次中期経営計画~地域価値共創プラン・The2nd~」を策定いたしました。本計画ではインフレ時代に適応した経営へのシフトチェンジを基本に据え、これまでに築いてきた事業ポートフォリオを一層磨き上げる「攻め」の経営と、組織の強靭化を図る「守り」の経営を高い次元で両立させます。前中期経営計画期間中に実装してきた経営基盤を最大限に活用し、施策の効果を「発現」させ、さらに「増幅」させる段階へ引き上げてまいります。
② 新中期経営計画の基本的な考え方
a.「二律両立」のビジネスモデル
当行グループは、「地域の課題解決」を事業の起点に据え、これまで培ってきた経営資本を健全な社会基盤の整備と産業基盤の発展に投じ、そうした事業から得た収益を地域へ再投資することで、地域の持続的成長(社会価値・環境価値の向上)に資する循環をつくるとともに、当行グループ自身の競争力・収益力(経済価値)の一層の向上を追求してまいります 。

b.長期財務目標のアップデート
長期ビジョンの最終年度(2032年度)における財務目標について、従来の「連結当期純利益100億円」「連結 ROE5%以上」から、「連結当期純利益180億円以上」「連結ROE7.5%以上」にアップデートいたします。さらに、10年後にあたる2035年度には「連結ROE9%以上」の実現を目指し、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。

③ 基本方針と基本戦略
新中期経営計画では、テーマを「地域共創と企業成長の両立」とし、以下の3つの基本方針と5つの基本戦略を掲げております。
■基本方針1 事業ポートフォリオの変革
・金利ビジネスを事業ポートフォリオの基軸に置いたリスクアセットの積上げと地域シェアのさらなる拡大
・前中期経営計画で参入した事業の収益化と課題解決に資する新事業のビジネスモデル化
・将来世代に対する「岩手銀行ブランド」の浸透と世代に応じた最適な金融サービスの提供

■基本方針2 地域の成長力の引き上げ
・地域に新たな価値を創出・提供するエリアプラットフォームの中核的役割の実践
・当行グループの人材、ノウハウ、外部ネットワークの活用による地域の「稼ぐ力」と「成長力」の引上げ

■基本方針3 組織の強靭化
・全ての行職員が働きがいを持ち続けるエンゲージメントの高い組織づくり
・高い生産性と経営資源の合理的配分により、変化に柔軟に対応できる組織づくり
・複雑化する事業リスクの低減、安全・安心な金融機能を提供できる経営基盤の確立

□基本戦略1 コアビジネスの深化
・法人ビジネス強化・顧客接点強化、営業変革
・預金戦略、リテール戦略・有価証券ポートフォリオ再構築
・資産形成ビジネス拡大・B/Sマネジメント、ALМ高度化

□基本戦略2 地域共創の推進
・地域共創ビジネスの創出
・営業店主導による地域共創の取組、組織一体型運営体制の拡充
・サステナビリティの推進

□基本戦略3 事業領域の拡大
・既参入事業の収益化
・課題解決起点での新事業領域ビジネスモデル化
・投資事業領域拡大

□基本戦略4 ウェルビーイングの追求
・安心して働くことのできる基盤整備・業務プロセス変革
・やりがいの向上と組織の活性化・戦略的人員配置

□基本戦略5 頑健な経営基盤の構築
・リスク管理態勢高度化・危機対応ガバナンス
・サイバーセキュリティ対応、AМL金融犯罪対策・内部監査の高度化

④ 新中期経営計画の主要財務目標
新中期経営計画における主要財務目標は以下のとおりです。
2028年度
連結ROE(東証基準)6%以上
連結当期純利益130億円以上
単体OHR50%台半ば
ROA(コア業務純益ベース)0.5%以上
ROA(連結経常利益ベース)0.4%以上

当行グループは、「地域社会の発展に貢献する」「健全経営に徹する」という経営理念のもとで、長期ビジョンに掲げる「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」として地域経済の発展に向けた取組を一層強化しながら、今後もステークホルダーのみなさまからの期待にお応えできるよう企業価値の向上に取り組んでまいります。

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