有価証券報告書-第135期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 14:13
【資料】
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【項目】
148項目

有報資料

(1)経営方針
① 経営理念
当行は、創業以来の基本姿勢である「地域社会の発展に貢献する」ならびに「健全経営に徹する」の2つを経営理念として堅持し続けております。
② 目標とする経営指標
平成28年4月よりスタートした中期経営計画「いわぎんフロンティアプラン2nd stage~The・イノベーション~」(平成28年4月~平成31年3月)(以下、「中期経営計画」といいます。)では、目標とする経営指標として、次の項目を掲げております。
a 主要計数目標
指標最終年度(平成30年度)
連結当期純利益60億円
自己資本比率12%以上
中小企業等貸出金残高1兆円
預り資産残高3,700億円

b 長期的経営指標
上場企業として資本効率を表すROEの向上が求められておりますが、日銀のマイナス金利導入により金利が低下し、地域経済を支える使命を持つ地方銀行としては、ROEと逆相関がある自己資本の充実が欠かせない状況にあります。こうしたことから、環境の安定に応じてROEの向上を目指すこととし、達成を目指して常に挑戦していく指標として連結ROEを設定します。
指標目標
連結ROE(株主資本ベース)5%以上

c 中長期的な経営戦略
当行は、中期経営計画のテーマに「逆境を克服するためイノベーションに挑戦し、地域とともに勝ち残る」を掲げており、イノベーションによってピンチをチャンスに変えるとともに、地方創生を強力に推進し地域とともに成長していくことを目指しております。
(2)経営環境
① 経済金融情勢
平成28年度の国内経済につきましては、年度前半は年初からの円高進行により輸出関連産業などを中心に企業収益の増勢に陰りが見え始め、6月以降英国のEU離脱選択に伴う一層の円高・株安が進行して景気の減速懸念が強まりました。しかしその後は、内需が底堅く推移したことや英国経済が急激な景気後退に陥る事態はとりあえず回避されたことなどから、落ち着きを取り戻しました。年度後半は、米国で大方の予想を覆して誕生したトランプ政権の経済政策への期待が高まってドル高・円安、株高の方向に状況が一変し、企業収益の好転がみられるなど、回復基調が強まりました。
当行が主たる営業基盤とする岩手県内経済につきましては、「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」の開催効果が寄与し、緩やかな回復基調になると期待されていましたが、全体として足踏み状態が続きました。個人消費は乗用車販売台数がプラス基調に転じるなど持ち直しの動きが続きましたが、住宅投資は貸家の住宅着工の大幅な減少などの影響により前年を下回り、公共投資は集中復興期間が終了したことを背景に高水準ながらも前年を下回る動きとなりました。
金融市場におきましては、マイナス金利付き量的・質的金融緩和が継続されているなかで、米国金利の上昇から本邦金利への押し上げ圧力もありましたが、概ねゼロ%程度で推移しました。当年度末における短期金利(無担保コール翌日物)は△0.060%、長期金利(新発10年国債)は0.065%となりました。
② 当連結会計年度における主要施策
当連結会計年度は、中期経営計画の初年度として、震災復興からのさらなる発展へ向かう取組みを支援するとともに、次世代を支える新たな産業の育成・振興に注力することにより、地域経済の復興・発展に取組んでまいりました。
○東日本大震災からの復興、台風や大雨災害からの復旧に向けた取組み
震災からの復興を支援する取組みとしましては、被災地域の復興・発展に大きな役割を担うお取引先企業の資金調達を支援するため、各種ファンドによる投融資を行ったほか、岩手県および宮城県の地方自治体等との共催で、住宅再建を目指すお客さま向けの相談会を開催しました。また、他の金融機関、各種団体、公的機関と連携して、岩手県内の農林漁業者・食品製造業者向けの商談会を開催し、お取引先企業の販路開拓や販路拡大に向けた支援を行いました。
平成28年8月に発生した台風10号やその後の大雨などの災害からの復旧を支援する取組みとしましては、全営業店にご相談窓口を設置するとともに、「災害復旧特別融資制度」を創設し、被害に遭われたお客さまの生活再建に向けた支援を行いました。
○地方創生・地域産業育成支援
地域産業の育成支援を通じた地方創生への取組みとしましては、当行、いわぎん事業創造キャピタル株式会社、学校法人瀧澤学館、辻・本郷税理士法人等の共同出資で組成した「岩手新事業創造ファンド1号投資事業有限責任組合」により、岩手県の経済発展・雇用創出が期待できる企業に対し出資を行いましたほか、新たに岩手県内15市町村と地方創生に関する連携協定を締結し、空き家の活用による地域活性化の取組みなどへの支援を強化しました。
また、当行、青森銀行、秋田銀行、七十七銀行、山形銀行、東邦銀行および日本政策投資銀行と「観光振興事業への支援に関する業務協力協定」を締結し、東北の観光振興事業の活性化に向けて、金融ネットワーク等を活用した支援を行う体制を整えたほか、北東北の3大学(岩手大学、秋田大学、弘前大学)と3銀行(当行、秋田銀行、青森銀行)が「ネットビックスプラス」を立ち上げ、産学金連携を推進することを目的として協定書を締結しました。
○海外進出支援
お取引先企業の海外でのビジネスを支援するための取組みとしましては、海外進出のコンサルティング会社のほか、独立行政法人国際協力機構(JICA)やメキシコ州政府および現地大手金融機関などと業務提携を行い、海外拠点の運営のポイントや現地ビジネスの動向などに関するセミナーを開催するなど、お取引先企業の海外展開を支援する体制を強化しました。
また、昨年に続き、頭取を団長として海外視察団を結成し、当年度は、岩手県内企業関係者23名とともにフィリピン共和国を訪れ、現地の金融機関および日本の在外公館、マニラ近郊の工業団地等を視察しました。
○商品・サービス
法人のお客さま向けには、地域の子どもたちの教育環境整備と、お取引先企業の地域貢献の後押しを目的として、寄付型CSR私募債(名称:いわぎん「みらい応援私募債」)の取扱いを開始しました。これは、お取引先企業の私募債発行額の0.2%を上限に当行が寄付金を拠出し、私募債発行企業の指定する地元の小・中・高等学校等へ教育に必要な書籍やスポーツ用品等を寄贈するものです。
個人のお客さま向けには、住宅ローン・学費ローン・フリーローンなどの商品改定を行い、災害に遭われたお客さまや、岩手県内の大学等に進学されるお子さまの教育資金について金利を優遇するなど、幅広い資金調達ニーズにお応えするとともに、地域貢献を目指した商品を発売しました。
また、多様なサービスの提供による利便性向上に向けた取組みとしましては、お客さまにご来店いただくことなく、スマートフォンで普通預金口座の開設のお申込みが可能となる「いわぎん口座開設アプリ」と、簡単に通帳残高や入出金情報の確認ができる「いわぎんアプリ」の取扱いを開始しました。このほか、フィンテックへの取組みとしまして、新しい技術を活用した金融サービスの実証実験を開始しました。
○グループ体制の見直し
グループ体制の見直しにつきましては、当行グループの経営資源を一層有効かつ効率的に活用することでシナジー効果の最大化を実現し、グループ経営のさらなる迅速化と効率化を図っていくことを目的として、当行の持分法適用関連会社である、いわぎんリース・データ株式会社、株式会社いわぎんディーシーカードおよび株式会社いわぎんクレジットサービスの3社を連結子会社としました。
○人材活用
人材活用に向けた取組みとしましては、「岩手銀行イクボス宣言」を行い、育児や介護と仕事の両立、ワーク・ライフ・バランスの尊重、多様な人材の活用による地域社会の発展への貢献に積極的に取組むことを宣言しました。
また、女性活躍推進法に基づき、役席者に占める女性割合の向上、総労働時間の削減、育児支援サービスの導入などに取組む一般事業主行動計画を策定し、仕事と家庭生活の両立を支援しました。これらの取組みの結果、厚生労働省が定める女性活躍推進法に基づく認定制度の5つの評価基準をすべて満たし、岩手労働局より、岩手県内の事業所としては初めて、最上位の「えるぼし」の認定を受けました。
○社会貢献活動・CSR活動への取組み
社会貢献活動の取組みとしましては、岩手県内の小中学校において金融教育セミナーを開催しましたほか、九戸郡野田村の中学生とともに同村の「復興公園」において自然保護活動を開催しました。また、平成28年10月に開催された「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」に国体パートナー企業として協賛しましたほか、行員が選手・ボランティア等として参加しました。
文化振興事業としましては、国の重要文化財に指定されている「岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館」の復元修理工事が完了し、「岩手銀行赤レンガ館」として平成28年7月より一般公開を開始しました。
○店舗施策・ATM
店舗施策につきましては、店舗の老朽化に伴い、秋田支店、茶畑支店をそれぞれ移転開店いたしました。
ATMサービスにつきましては、コンビニATMでのキャッシュカードによる当行本支店あて即時振込のサービス時間を拡大しましたほか、訪日外国人旅行者の利便性向上を図り、インバウンド等による地方創生の推進を支援するため、株式会社りそな銀行と共同で、海外で発行されたクレジットカード等に対応したATMをホテル安比グランド(八幡平市)と平泉レストハウス(平泉町)に設置しました。このATMは台湾金融カードに対応したもので、東北の地方銀行で初めての導入となりました。
(3)対処すべき課題
中期経営計画では「組織文化の変革による収益力の強化~かわる~」「地方創生と震災復興への力強い取組~ともにいきる~」「ステークホルダーへのきめ細やかな対応~つながる~」の3つを基本方針とし、各種施策の推進に役職員が一丸となって取組んでおります。その結果、計画初年度である平成28年度は、当初の計画を上回る利益水準を確保することができましたが、貸出金や有価証券運用利回りの低下による利鞘の縮小が続いており、更には、人口減少や少子高齢化によるマーケットの縮小が懸念されることから、当行を取り巻く経営環境は厳しさが一段と増していると認識しております。
こうした環境を打破し、当行が将来に亘って安定的な経営基盤を確保していくためには、長期ビジョン「地域の牽引役として圧倒的な存在感を示すとともに、トップクオリティバンクとしての地位を確立する」の実現に向けた取組みが重要であり、地元の中小企業や個人向け貸出の拡大、地方創生と震災復興の強力な推進、そして、お客さま本位のサービス・機能の追求などに向けて、金融仲介機能の質の向上に取組んでまいりたいと考えております。
当行は、「地域社会の発展に貢献する」、「健全経営に徹する」の経営理念のもと、地域との共存共栄を目指してまいりました。本年創立85周年を迎えましたが、今後もイノベーションへの挑戦と地方創生への取組みなどにより、地域と一体となった発展を目指してまいります。引続きみなさまのご理解とご協力をいただくなかで、業績の向上と健全経営に全力を尽くしてまいる所存であります。

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