有価証券報告書-第99期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
金融商品関係
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当行グループは、埼玉県を中心に、預金業務及び貸出金業務を主体としつつ、有価証券業務のほか、リース業務、信用保証業務など金融サービスにかかる業務を行っております。
当行においては、預金や譲渡性預金などによる資金調達を行い、その一方でそれら調達した資金を貸出金や有価証券投資等で運用しているため、金融資産及び金融負債を適切に管理・コントロールする総合的な管理(ALM)を行っております。
また、これら業務を行っていく上で生じる様々なリスクに対し、当行では「統合的リスク管理規程」を定め、直面するリスクに関して、各リスク・カテゴリー毎に評価したリスクを総体的に捉え、経営体力と比較・対照する自己管理型のリスク管理を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当行が保有する金融資産は、主として国内のお取引先に対する貸出金であり、債務不履行によってもたらされる信用リスクに晒されております。当決算日現在における貸出金のうち、79.0%(前期は77.9%)は中小企業等に対するものであり、個人・中小企業を巡る経済環境等の状況の変化により、貸出条件に従った債務履行がなされない可能性があります。また、投資有価証券は、主に債券、株式、投資信託であり、売買目的、満期保有目的、純投資目的及び事業推進目的で保有しているほか、一部の連結子会社でも保有しております。これらは、それぞれ発行体の信用リスク及び金利の変動リスク、市場価格の変動リスクに晒されております。
一方で、預金や譲渡性預金などは、流動性リスクに晒されております。また、変動金利の調達においては、金利の変動リスクに晒されております。
デリバティブ取引には、ALMの一環で行っている金利スワップ取引があります。当行では、これをヘッジ手段として、ヘッジ対象である金融資産と金融負債の金利又は期間のミスマッチから生じる金利リスクの回避を目的としてヘッジ会計を適用しております。ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段のキャッシュ・フローを比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジの有効性を評価しておりますが、一部ヘッジ会計の要件を満たしていない取引は、金利リスクに晒されております。
これらのリスクに対し、当行では、「統合的リスク管理」において、経済・金融情勢等の変化に対応できるよう様々なリスクを統合的に把握し、経営体力に応じた適正な範囲・規模で管理・コントロールするとともに、リスク・リターンの関係を踏まえた適切な管理運営を行っております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスクの管理
当行は、与信業務に関する管理規程及び信用リスクに関する管理規程に従い、貸出金について個別案件ごとの与信審査、与信限度額管理、信用情報管理、内部格付、保証や担保の設定・管理、問題債権への対応など与信管理に関する体制を整備し運営しております。
これらの与信管理は、営業関連部門及び営業部門から独立したリスク管理部門及び本部貸出承認部門により行われ、また、定期的に経営陣による経営会議や取締役会を開催し、審査・報告を行っております。さらに与信管理の状況については、資産監査部門が監査しております。
有価証券の発行体の信用リスク及びデリバティブ取引のカウンターパーティーリスクに関しては、リスク管理部門において、信用情報や時価の把握を定期的に行うことで管理しております。
② 市場リスクの管理
(ⅰ)金利リスクの管理
当行は、ALMにかかる経営会議において金利の変動リスクを管理しております。また、市場リスク管理に関する規程及び要領等により、リスク管理方法や手続等の詳細を明記しており、取締役会において決定された内部管理方針に基づき、ALMにかかる経営会議においてリスクの状況の把握・確認、今後の対応等の協議を行っております。
リスク管理部門は、金融資産及び金融負債の金利や期間を総合的に把握し、金利感応度分析等によりモニタリングを行い、月次ベースでALMにかかる経営会議、取締役会に報告しております。なお、金利の変動リスクをヘッジするため金利スワップ等のデリバティブ取引も行っております。
(ⅱ)為替リスクの管理
当行は、為替の変動リスクを減殺する目的で、通貨スワップ、為替予約等を利用しております。
(ⅲ)価格変動リスクの管理
有価証券を含む投資商品のリスクについては、内部管理方針に基づき、ALMにかかる経営会議、取締役会の監督の下で管理しております。当行が保有している株式の多くは、事業推進目的で保有しているものであり、総合企画部門等が取引先の市場環境や財務状況などを定期的にモニタリングしております。
(ⅳ)デリバティブ取引
金利スワップ取引、通貨スワップ取引及び為替予約に関しては、取引の執行、ヘッジ有効性の評価、事務管理に関する部門をそれぞれ分離し、内部牽制を確立しております。
(ⅴ)市場リスクに係る定量的情報
当行において、主要なリスク変数のうち金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、「貸出金」、「有価証券」のうちの債券、「銀行業における預金」、「借用金」、「デリバティブ取引」のうちの金利スワップ取引、株価リスクの影響を受ける主たる金融商品は、「有価証券」のうちの株式・投資信託の一部であります。
当行では、これらの金融資産及び金融負債の市場リスク量(損失額の推計値)について、分散共分散法によるVaR(信頼区間99%、観測期間5年)により管理しております。
当該市場リスク量を算定するにあたっての保有期間は、貸出金・預金・有価証券のうち円建債券は6ヶ月、政策株式は1年、純投資株式・投資信託・外国証券は3ヶ月を採用しております。
また、預金のうち要求払預金については、コア預金内部モデルにより推定した満期をもとに、市場リスク量を算定しております。
2022年3月31日(当期の連結決算日)現在で当行の市場リスク量は、全体で32,588百万円(金利リスク9,254百万円、株価等のリスク23,334百万円)であります。なお、2021年3月31日現在の市場リスク量は、全体で38,017百万円(金利リスク14,577百万円、株価等のリスク23,440百万円)であります。
当該市場リスク量は、金利・株価等の相関は考慮しておりません。
なお、当行では、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施しており、使用する計測モデルは十分な精度により市場リスクを捕捉しているものと考えております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
③ 資金調達に係る流動性リスクの管理
当行は、ALMを通して、適時に資金管理を行うほか、資金調達手段の多様化、市場環境を考慮した長短の調達バランスの調整などによって、流動性リスクを管理しております。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額は、次のとおりであります。
なお、市場価格のない株式等及び組合出資金は、次表には含めておりません((注1)参照)。
また、現金預け金、外国為替(資産・負債)、コールマネー及び売渡手形、債券貸借取引受入担保金は、短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから、注記を省略しております。
また、連結貸借対照表計上額の重要性が乏しい科目については、記載を省略しております。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。
デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
(*3) ヘッジ対象である有価証券及び貸出金の金利上昇リスクに備えるためにヘッジ手段として指定した金利スワップであり、主に繰延ヘッジを適用しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。
デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
(*3) ヘッジ対象である有価証券及び貸出金の金利上昇リスクに備えるためにヘッジ手段として指定した金利スワップであり、主に繰延ヘッジを適用しております。
(注1) 市場価格のない株式等及び組合出資金の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報の「その他有価証券」には含めておりません。
(*1) 非上場株式については、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日)第5項に基づき、時価開示の対象とはしておりません。
(*2) 前連結会計年度において、非上場株式について2百万円減損処理を行っております。
当連結会計年度において、非上場株式について3百万円減損処理を行っております。
(*3) 組合出資金については、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2019年7月4日)第27項に基づき、時価開示の対象とはしておりません。
(注2) 金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない50,556百万円、期間の定めのないもの15,376百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない49,863百万円、期間の定めのないもの13,792百万円は含めておりません。
(注3) 有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産または負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
当連結会計年度(2022年3月31日)
(*) 「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2019年7月4日)第26項に定める経過措置を適用した投資信託等については、上記表には含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託等の金額は74,075百万円であります。
(2)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
当連結会計年度(2022年3月31日)
(注1) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
資 産
有価証券
株式は取引所の価格、債券は取引所の価格又は取引金融機関から提示された価格によっております。投資信託は、公表されている基準価格又は取引金融機関から提示された価格によっております。
自行保証付私募債は、契約期間が3ヵ月以内のものは、短期間で市場金利を反映するため、対象先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから当該帳簿価額を時価としております。一方、契約期間が3ヵ月を超えるものは、自行保証付私募債の内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金の合計を同様の新規取扱いを行った場合に想定される利率で割り引いて時価を算定しております。また、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する自行保証付私募債については、見積将来キャッシュ・フローの現在価値又は担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表価額から現在の貸倒見積高を控除した金額に近似しており、当該価額をもって時価としております。
これらの取引につきましては、活発な市場における無調整の相場価格を利用できる場合にはレベル1の時価に分類しており、主に上場株式や国債が含まれます。公表された相場価格を用いていたとしても市場が活発でない場合にはレベル2の時価に分類しており、主に地方債、社債が含まれます。算定に当たり重要な観察できないインプットを用いている場合には、レベル3の時価に分類しております。
貸出金
貸出金のうち、金利更改期間が3ヵ月以内の変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映するため、貸出先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。金利更改期間が3ヵ月を超える変動金利によるもの及び固定金利によるものは、貸出金の種類及び内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金の合計額を同様の新規貸出を行った場合に想定される利率で割り引いて時価を算定しております。なお、固定約定期間が短期間(3ヵ月以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
また、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、見積将来キャッシュ・フローの現在価値又は担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。
貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限るなどの特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、帳簿価額を時価としております。
これらの取引につきましては、レベル3の時価に分類しております。
負 債
預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。また、定期預金の時価は、一定の期間ごとに区分して、将来キャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定しております。その割引率は、新規に預金を受け入れる際に使用する利率を用いております。なお、預入期間が短期間(3ヵ月以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
これらの取引につきましては、レベル2の時価に分類しております。
借用金
借用金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当行及び連結子会社の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものは、一定の期間ごとに区分した当該借用金の元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定しております。なお、約定期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
これらの取引につきましては、レベル2の時価に分類しております。
デリバティブ取引
デリバティブ取引については、大部分は店頭取引であり、公表された相場価格が存在しないため、取引の種類や満期までの期間に応じて現在価値技法やオプション価格モデル等の評価技法を利用して時価を算定しております。それらの評価技法で用いている主なインプットは、金利や為替レート、ボラティリティ等であります。
これらの取引につきましては、観察できないインプットを用いていない又はその影響が重要でないためレベル2の時価に分類しており、金利スワップ取引、為替予約取引等が含まれます。
(注2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品のうちレベル3の時価に関する情報
(1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報
当行では第三者から入手した価格を調整せず利用していることから注記を記載しておりません。
(2) 期首残高から期末残高への調整表、当期の損益に認識した評価損益
当連結会計年度(2022年3月31日)
(*1)連結損益計算書の「資金運用収益」に含まれております。
(*2)連結包括利益計算書の「その他の包括利益」の「その他有価証券評価差額金」に含まれております。
(3) 時価の評価プロセスの説明
当行グループは市場部門において時価の算定に関する方針及び手続を定めており、これに沿って時価を算定しております。
時価の算定に当たっては、個々の資産の性質、特性及びリスクを最も適切に反映できる評価モデルを用いております。また、第三者から入手した相場価格を利用する場合においても、利用されている評価技法及びインプットの確認や類似の金融商品の時価との比較等の適切な方法により価格の妥当性を検証しております。
1 金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当行グループは、埼玉県を中心に、預金業務及び貸出金業務を主体としつつ、有価証券業務のほか、リース業務、信用保証業務など金融サービスにかかる業務を行っております。
当行においては、預金や譲渡性預金などによる資金調達を行い、その一方でそれら調達した資金を貸出金や有価証券投資等で運用しているため、金融資産及び金融負債を適切に管理・コントロールする総合的な管理(ALM)を行っております。
また、これら業務を行っていく上で生じる様々なリスクに対し、当行では「統合的リスク管理規程」を定め、直面するリスクに関して、各リスク・カテゴリー毎に評価したリスクを総体的に捉え、経営体力と比較・対照する自己管理型のリスク管理を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当行が保有する金融資産は、主として国内のお取引先に対する貸出金であり、債務不履行によってもたらされる信用リスクに晒されております。当決算日現在における貸出金のうち、79.0%(前期は77.9%)は中小企業等に対するものであり、個人・中小企業を巡る経済環境等の状況の変化により、貸出条件に従った債務履行がなされない可能性があります。また、投資有価証券は、主に債券、株式、投資信託であり、売買目的、満期保有目的、純投資目的及び事業推進目的で保有しているほか、一部の連結子会社でも保有しております。これらは、それぞれ発行体の信用リスク及び金利の変動リスク、市場価格の変動リスクに晒されております。
一方で、預金や譲渡性預金などは、流動性リスクに晒されております。また、変動金利の調達においては、金利の変動リスクに晒されております。
デリバティブ取引には、ALMの一環で行っている金利スワップ取引があります。当行では、これをヘッジ手段として、ヘッジ対象である金融資産と金融負債の金利又は期間のミスマッチから生じる金利リスクの回避を目的としてヘッジ会計を適用しております。ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段のキャッシュ・フローを比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジの有効性を評価しておりますが、一部ヘッジ会計の要件を満たしていない取引は、金利リスクに晒されております。
これらのリスクに対し、当行では、「統合的リスク管理」において、経済・金融情勢等の変化に対応できるよう様々なリスクを統合的に把握し、経営体力に応じた適正な範囲・規模で管理・コントロールするとともに、リスク・リターンの関係を踏まえた適切な管理運営を行っております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスクの管理
当行は、与信業務に関する管理規程及び信用リスクに関する管理規程に従い、貸出金について個別案件ごとの与信審査、与信限度額管理、信用情報管理、内部格付、保証や担保の設定・管理、問題債権への対応など与信管理に関する体制を整備し運営しております。
これらの与信管理は、営業関連部門及び営業部門から独立したリスク管理部門及び本部貸出承認部門により行われ、また、定期的に経営陣による経営会議や取締役会を開催し、審査・報告を行っております。さらに与信管理の状況については、資産監査部門が監査しております。
有価証券の発行体の信用リスク及びデリバティブ取引のカウンターパーティーリスクに関しては、リスク管理部門において、信用情報や時価の把握を定期的に行うことで管理しております。
② 市場リスクの管理
(ⅰ)金利リスクの管理
当行は、ALMにかかる経営会議において金利の変動リスクを管理しております。また、市場リスク管理に関する規程及び要領等により、リスク管理方法や手続等の詳細を明記しており、取締役会において決定された内部管理方針に基づき、ALMにかかる経営会議においてリスクの状況の把握・確認、今後の対応等の協議を行っております。
リスク管理部門は、金融資産及び金融負債の金利や期間を総合的に把握し、金利感応度分析等によりモニタリングを行い、月次ベースでALMにかかる経営会議、取締役会に報告しております。なお、金利の変動リスクをヘッジするため金利スワップ等のデリバティブ取引も行っております。
(ⅱ)為替リスクの管理
当行は、為替の変動リスクを減殺する目的で、通貨スワップ、為替予約等を利用しております。
(ⅲ)価格変動リスクの管理
有価証券を含む投資商品のリスクについては、内部管理方針に基づき、ALMにかかる経営会議、取締役会の監督の下で管理しております。当行が保有している株式の多くは、事業推進目的で保有しているものであり、総合企画部門等が取引先の市場環境や財務状況などを定期的にモニタリングしております。
(ⅳ)デリバティブ取引
金利スワップ取引、通貨スワップ取引及び為替予約に関しては、取引の執行、ヘッジ有効性の評価、事務管理に関する部門をそれぞれ分離し、内部牽制を確立しております。
(ⅴ)市場リスクに係る定量的情報
当行において、主要なリスク変数のうち金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、「貸出金」、「有価証券」のうちの債券、「銀行業における預金」、「借用金」、「デリバティブ取引」のうちの金利スワップ取引、株価リスクの影響を受ける主たる金融商品は、「有価証券」のうちの株式・投資信託の一部であります。
当行では、これらの金融資産及び金融負債の市場リスク量(損失額の推計値)について、分散共分散法によるVaR(信頼区間99%、観測期間5年)により管理しております。
当該市場リスク量を算定するにあたっての保有期間は、貸出金・預金・有価証券のうち円建債券は6ヶ月、政策株式は1年、純投資株式・投資信託・外国証券は3ヶ月を採用しております。
また、預金のうち要求払預金については、コア預金内部モデルにより推定した満期をもとに、市場リスク量を算定しております。
2022年3月31日(当期の連結決算日)現在で当行の市場リスク量は、全体で32,588百万円(金利リスク9,254百万円、株価等のリスク23,334百万円)であります。なお、2021年3月31日現在の市場リスク量は、全体で38,017百万円(金利リスク14,577百万円、株価等のリスク23,440百万円)であります。
当該市場リスク量は、金利・株価等の相関は考慮しておりません。
なお、当行では、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施しており、使用する計測モデルは十分な精度により市場リスクを捕捉しているものと考えております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
③ 資金調達に係る流動性リスクの管理
当行は、ALMを通して、適時に資金管理を行うほか、資金調達手段の多様化、市場環境を考慮した長短の調達バランスの調整などによって、流動性リスクを管理しております。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額は、次のとおりであります。
なお、市場価格のない株式等及び組合出資金は、次表には含めておりません((注1)参照)。
また、現金預け金、外国為替(資産・負債)、コールマネー及び売渡手形、債券貸借取引受入担保金は、短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから、注記を省略しております。
また、連結貸借対照表計上額の重要性が乏しい科目については、記載を省略しております。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円) | |||
連結貸借対照表 計上額 | 時価 | 差額 | |
(1)有価証券 | |||
満期保有目的の債券 | 26,868 | 26,741 | △126 |
その他有価証券 | 652,890 | 652,890 | - |
(2)貸出金 | 3,789,948 | ||
貸倒引当金(*1) | △16,206 | ||
3,773,742 | 3,776,474 | 2,731 | |
資産計 | 4,453,500 | 4,456,106 | 2,605 |
(1)預金 | 4,586,566 | 4,586,729 | 162 |
(2)借用金 | 311,228 | 311,228 | - |
負債計 | 4,897,794 | 4,897,957 | 162 |
デリバティブ取引(*2) | |||
ヘッジ会計が適用されていないもの | (2,091) | (2,091) | - |
ヘッジ会計が適用されているもの(*3) | (447) | (454) | (6) |
デリバティブ取引計 | (2,538) | (2,545) | (6) |
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。
デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
(*3) ヘッジ対象である有価証券及び貸出金の金利上昇リスクに備えるためにヘッジ手段として指定した金利スワップであり、主に繰延ヘッジを適用しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円) | |||
連結貸借対照表 計上額 | 時価 | 差額 | |
(1)有価証券 | |||
満期保有目的の債券 | 29,541 | 29,431 | △109 |
その他有価証券 | 701,757 | 701,757 | - |
(2)貸出金 | 3,841,638 | ||
貸倒引当金(*1) | △17,400 | ||
3,824,237 | 3,844,681 | 20,444 | |
資産計 | 4,555,536 | 4,575,870 | 20,334 |
(1)預金 | 4,757,810 | 4,757,883 | 72 |
(2)借用金 | 358,392 | 358,098 | △293 |
負債計 | 5,116,202 | 5,115,981 | △221 |
デリバティブ取引(*2) | |||
ヘッジ会計が適用されていないもの | (2,593) | (2,593) | - |
ヘッジ会計が適用されているもの(*3) | 178 | 177 | (1) |
デリバティブ取引計 | (2,414) | (2,416) | (1) |
(*1) 貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。
(*2) その他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。
デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で表示しております。
(*3) ヘッジ対象である有価証券及び貸出金の金利上昇リスクに備えるためにヘッジ手段として指定した金利スワップであり、主に繰延ヘッジを適用しております。
(注1) 市場価格のない株式等及び組合出資金の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報の「その他有価証券」には含めておりません。
(単位:百万円) | ||
区分 | 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) |
① 非上場株式(*1)(*2) | 1,776 | 1,714 |
② 組合出資金(*3) | 1,844 | 2,202 |
(*1) 非上場株式については、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日)第5項に基づき、時価開示の対象とはしておりません。
(*2) 前連結会計年度において、非上場株式について2百万円減損処理を行っております。
当連結会計年度において、非上場株式について3百万円減損処理を行っております。
(*3) 組合出資金については、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2019年7月4日)第27項に基づき、時価開示の対象とはしておりません。
(注2) 金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円) |
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
有価証券 | 45,731 | 98,920 | 97,313 | 37,739 | 95,189 | 247,107 |
満期保有目的の債券 | 8,230 | 9,651 | 5,146 | 840 | 3,000 | - |
うち国債 | - | - | - | - | 1,000 | - |
うち地方債 | - | - | - | 500 | 2,000 | - |
うち社債 | 8,230 | 9,651 | 5,146 | 340 | - | - |
その他有価証券のうち 満期があるもの | 37,501 | 89,268 | 92,167 | 36,899 | 92,189 | 247,107 |
うち国債 | 2,500 | 20,000 | - | 1,000 | 19,000 | 43,000 |
うち地方債 | 3,595 | 8,614 | 48,794 | 22,391 | 30,748 | 63,930 |
うち社債 | 11,373 | 31,288 | 29,040 | 10,410 | 8,900 | 73,848 |
貸出金(*) | 814,308 | 640,707 | 494,833 | 410,904 | 538,580 | 824,682 |
合計 | 860,039 | 739,627 | 592,147 | 448,644 | 633,769 | 1,071,790 |
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない50,556百万円、期間の定めのないもの15,376百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円) |
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
有価証券 | 62,050 | 96,015 | 101,149 | 32,605 | 106,202 | 273,473 |
満期保有目的の債券 | 7,465 | 10,632 | 7,025 | 1,423 | 3,000 | - |
うち国債 | - | - | - | 500 | 1,000 | - |
うち地方債 | - | - | 500 | 500 | 2,000 | - |
うち社債 | 7,465 | 10,632 | 6,525 | 423 | - | - |
その他有価証券のうち 満期があるもの | 54,585 | 85,383 | 94,124 | 31,182 | 103,202 | 273,473 |
うち国債 | 20,000 | - | 10,000 | 1,000 | 25,000 | 65,000 |
うち地方債 | 4,856 | 25,056 | 47,499 | 15,007 | 36,032 | 66,696 |
うち社債 | 12,106 | 38,042 | 17,420 | 6,300 | 2,700 | 75,923 |
貸出金(*) | 824,750 | 650,991 | 513,174 | 426,493 | 488,345 | 874,227 |
合計 | 886,800 | 747,007 | 614,324 | 459,099 | 594,547 | 1,147,701 |
(*) 貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない49,863百万円、期間の定めのないもの13,792百万円は含めておりません。
(注3) 有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円) |
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
預金(*) | 4,396,445 | 171,842 | 18,278 | - | - | - |
借用金 | 305,456 | 1,837 | 3,935 | - | - | - |
合計 | 4,701,901 | 173,679 | 22,213 | - | - | - |
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円) | ||||||
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
預金(*) | 4,564,990 | 172,593 | 20,227 | - | - | - |
借用金 | 351,941 | 3,107 | 3,343 | - | - | - |
合計 | 4,916,931 | 175,700 | 23,570 | - | - | - |
(*) 預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産または負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
区分 | 時価 | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
有価証券 | ||||
その他有価証券 | ||||
国債・地方債等 | 119,978 | 195,451 | - | 315,430 |
社債 | - | 152,446 | - | 152,446 |
株式 | 40,776 | - | - | 40,776 |
その他 | 4,823 | 43,481 | 70,722 | 119,027 |
資産計 | 165,578 | 391,380 | 70,722 | 627,681 |
デリバティブ取引 | ||||
金利関連 | - | 210 | - | 210 |
通貨関連 | - | (2,626) | - | (2,626) |
デリバティブ取引計 | - | (2,416) | - | (2,416) |
(*) 「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2019年7月4日)第26項に定める経過措置を適用した投資信託等については、上記表には含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託等の金額は74,075百万円であります。
(2)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
区分 | 時価 | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
有価証券 | ||||
満期保有目的の債券 | ||||
国債・地方債等 | 1,491 | 2,980 | - | 4,472 |
社債 | - | - | 24,961 | 24,961 |
その他 | - | - | - | - |
貸出金 | - | - | 3,844,681 | 3,844,681 |
資産計 | 1,491 | 2,980 | 3,869,642 | 3,874,115 |
預金 | - | 4,757,883 | - | 4,757,883 |
借用金 | - | 358,098 | - | 358,098 |
負債計 | - | 5,115,981 | - | 5,115,981 |
(注1) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
資 産
有価証券
株式は取引所の価格、債券は取引所の価格又は取引金融機関から提示された価格によっております。投資信託は、公表されている基準価格又は取引金融機関から提示された価格によっております。
自行保証付私募債は、契約期間が3ヵ月以内のものは、短期間で市場金利を反映するため、対象先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから当該帳簿価額を時価としております。一方、契約期間が3ヵ月を超えるものは、自行保証付私募債の内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金の合計を同様の新規取扱いを行った場合に想定される利率で割り引いて時価を算定しております。また、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する自行保証付私募債については、見積将来キャッシュ・フローの現在価値又は担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表価額から現在の貸倒見積高を控除した金額に近似しており、当該価額をもって時価としております。
これらの取引につきましては、活発な市場における無調整の相場価格を利用できる場合にはレベル1の時価に分類しており、主に上場株式や国債が含まれます。公表された相場価格を用いていたとしても市場が活発でない場合にはレベル2の時価に分類しており、主に地方債、社債が含まれます。算定に当たり重要な観察できないインプットを用いている場合には、レベル3の時価に分類しております。
貸出金
貸出金のうち、金利更改期間が3ヵ月以内の変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映するため、貸出先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。金利更改期間が3ヵ月を超える変動金利によるもの及び固定金利によるものは、貸出金の種類及び内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金の合計額を同様の新規貸出を行った場合に想定される利率で割り引いて時価を算定しております。なお、固定約定期間が短期間(3ヵ月以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
また、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、見積将来キャッシュ・フローの現在価値又は担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。
貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限るなどの特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、帳簿価額を時価としております。
これらの取引につきましては、レベル3の時価に分類しております。
負 債
預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。また、定期預金の時価は、一定の期間ごとに区分して、将来キャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定しております。その割引率は、新規に預金を受け入れる際に使用する利率を用いております。なお、預入期間が短期間(3ヵ月以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
これらの取引につきましては、レベル2の時価に分類しております。
借用金
借用金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当行及び連結子会社の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものは、一定の期間ごとに区分した当該借用金の元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定しております。なお、約定期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
これらの取引につきましては、レベル2の時価に分類しております。
デリバティブ取引
デリバティブ取引については、大部分は店頭取引であり、公表された相場価格が存在しないため、取引の種類や満期までの期間に応じて現在価値技法やオプション価格モデル等の評価技法を利用して時価を算定しております。それらの評価技法で用いている主なインプットは、金利や為替レート、ボラティリティ等であります。
これらの取引につきましては、観察できないインプットを用いていない又はその影響が重要でないためレベル2の時価に分類しており、金利スワップ取引、為替予約取引等が含まれます。
(注2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品のうちレベル3の時価に関する情報
(1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報
当行では第三者から入手した価格を調整せず利用していることから注記を記載しておりません。
(2) 期首残高から期末残高への調整表、当期の損益に認識した評価損益
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円) | ||||||||
期首 残高 | 当期の損益又は その他の包括利益 | 購入、売却、発行及び決済の純額 | レベル3の時価への振替 | レベル3の時価からの振替 | 期末 残高 | 当期の損益に計上した額のうち連結貸借対照表日において保有する金融資産及び金融負債の評価損益(*1) | ||
損益に 計上 (*1) | その他の包括利益に計上 (*2) | |||||||
有価証券 | ||||||||
その他有価証券 | ||||||||
その他 | 70,816 | △3 | △90 | - | - | - | 70,722 | △3 |
(*1)連結損益計算書の「資金運用収益」に含まれております。
(*2)連結包括利益計算書の「その他の包括利益」の「その他有価証券評価差額金」に含まれております。
(3) 時価の評価プロセスの説明
当行グループは市場部門において時価の算定に関する方針及び手続を定めており、これに沿って時価を算定しております。
時価の算定に当たっては、個々の資産の性質、特性及びリスクを最も適切に反映できる評価モデルを用いております。また、第三者から入手した相場価格を利用する場合においても、利用されている評価技法及びインプットの確認や類似の金融商品の時価との比較等の適切な方法により価格の妥当性を検証しております。