有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 15:03
【資料】
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【項目】
227項目
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営方針、経営戦略等
① 経営方針
当社グループは、以下の経営理念のもと、中長期的に目指す姿である「世界をつなぐ日本発のトラステッド・パートナー」というビジョンの実現を目指してまいります。
○お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する。
○事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る。
○勤勉で意欲的な社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場を作る。
○社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する。

② 経営環境
当事業年度を顧みますと、世界経済は、昨年4月に米国政府が公表した関税措置等、通商政策の影響に対する懸念が高まりましたが、夏場にかけて、わが国を含む多くの国々が米国との通商協議で段階的な合意に至ったこと等を背景に、景気の下押し圧力が和らぎ、総じて緩やかに成長しました。特に米国では、関税引上げによる雇用情勢の悪化や政府閉鎖の影響等が重石となりましたが、旺盛なAI需要を受けた関連投資の拡大や、株高を背景とした高所得者層の消費増加により内需が押し上げられ、景気は底堅く推移しました。また、わが国の経済におきましても、米国による関税措置の影響を受け、米国向け輸出は減少しましたが、AI需要の高まり等を背景に、米国以外の国・地域向け輸出が堅調に推移し、総じて緩やかに回復しました。設備投資につきましても、AI関連をはじめとする成長分野や既存設備の更新等を中心に増加しました。
一方、足許では、中東情勢の緊迫化を要因とする資源価格の高騰や各国における政治情勢の不安定化等、当社グループを取り巻く経済・金融環境については先行きの不透明感が一層大きくなっております。
また、あらゆる分野においてAIの活用が急速に進展し、生成AI等を組み込んだ業務プロセスの高度化や、AIを前提としたサービス・ビジネスモデルへの転換ニーズが高まるなど、企業活動や個人の意思決定・消費行動は大きく変容しております。金融業界においても、プラットフォーマーやFintech、異業種企業がAIを活用した金融サービスの提供や顧客接点の高度化を進めております。同時に、AIの利活用に関する規制・ルール整備も進みつつあり、適切な管理態勢を前提として、新たな付加価値創出や業務変革に挑戦する余地が拡大しております。
更に、世界が直面する社会課題についても、気候変動に加えて、少子高齢化や貧困・格差、人権問題等、課題が多様化・深刻化しており、企業として幅広い社会課題に主体的に取り組むことがより一層求められております。
③ 経営戦略
当社グループは、2028年度までの3年間を計画期間とする中期経営計画を策定しました。基本方針を「高みを目指して大胆な変革にチャレンジ」とし、新たなビジョンの実現に向けて、事業戦略、経営基盤、ITトランスフォーメーション、社会的価値創造の各領域において、各施策を着実に推進してまいります。これにより、欧米の大手金融機関に比肩する収益水準の実現を目指してまいります。
④ 経営指標
本中期経営計画では、以下を最終年度の2028年度の財務目標として掲げております。
<連結財務目標(2028年度)>
収益性ROTE※113%以上
健全性普通株式等Tier1比率※210.5%程度

当社は、規律ある経費コントロールのもと、経費率を50%台前半で維持するとともに、事業ポートフォリオの変革を通じてRORA※3を0.5%改善させたうえで、ボトムライン利益を2兆円規模へ引き上げることにより、上記目標の達成を目指してまいります。
※1 Return on Tangible Equityの略で、無形固定資産の影響を控除した有形自己資本利益率。分母は純資産から無形固定資産を控除し、分子は当期純利益に対してのれん償却費用を戻入れたもの。
※2 バーゼルⅢ最終化時ベース、その他有価証券評価差額金を除く。
※3 Return on Risk-Weighted Assetsの略で、リスクアセットに対する収益率を表す指標。分母はリスクアセットで、分子は粗利益。
(2) 対処すべき課題
前中期経営計画においては、「Olive」を中心としたデジタルプラットフォームによる競合他社との差別化や、金融サービスに留まらない幅広い領域での新たなサービスの提供等を強みとして、主要事業が力強く成長し、業績は飛躍的に伸長しました。また、経営基盤の強化に加え、社会的価値創造に関する取組みの進展等、着実に成果を上げることができました。これまでの取組みが結実し、次の成長段階へ進むことができたと考えております。今後は、本邦トップかつグローバルに存在感を発揮できる企業グループを目指してまいります。
今後の経営環境を見通しますと、国際秩序の揺らぎやテクノロジーの急速な進化等の歴史的な構造変化を背景に、事業を取り巻く前提条件は大きく変化していくことが想定されます。足許では、中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりや、各国の政策・規制環境の変化等により、先行きの不確実性は一段と高まっています。このような環境変化がもたらす影響やリスクには留意する必要がある一方、当社グループとしては、こうした状況を、戦略領域において競争優位性を確立し、プレゼンスを一段と高めていく好機でもあると捉えています。また、国内においては経済の再成長に向けた機運が定着しつつあり、その実現に最大限貢献していくことが、当社グループの重要な使命であると考えております。
こうした認識のもと、新たなビジョンとして、「世界をつなぐ日本発のトラステッド・パートナー」を掲げることといたしました。これまで一貫して重視してきたお客さまや社会からの信頼を礎に、国境を越えて企業活動や資金の流れをつなぐグローバルなプラットフォームを構築するとともに、日本においても、確固たる事業基盤の構築と強みを活かした競合他社との差別化に取り組み、ステークホルダーの皆さまにとって最高のパートナーとなることを目指してまいります。
本中期経営計画では、このビジョンの実現に向けて、基本方針を「高みを目指して大胆な変革にチャレンジ」としました。事業戦略につきましては、国内外の旺盛なビジネス機会を捉えて成長を加速させるとともに、資本効率の更なる向上を目指し、戦略領域におけるビジネスモデルの進化と事業ポートフォリオの変革に取り組んでまいります。経営基盤につきましては、グローバルで競争力のある事業展開を支えるため、中長期的にグローバルトップティア水準を目指し、高度化を進めてまいります。前中期経営計画から注力してきた社会的価値創造につきましては、取組みを一層拡充することで、人々の幸せが溢れる社会の実現に貢献してまいります。
また、テクノロジー活用の巧拙が金融機関の競争力を大きく左右する情勢を踏まえ、ITトランスフォーメーションに集中的に取り組んでまいります。IT投資の拡大と開発力の強化を通じて、生成AIをはじめとした日々進化するテクノロジーを最大限に活用できる組織への変革を進めてまいります。
これらの取組みを通じて、本計画期間以降の中長期的な収益性ターゲットをROTE15%程度とし、欧米の大手金融機関に比肩する水準を目指してまいります。

<事業戦略>国内では、デジタルプラットフォームにおける優位性の発揮やグループ一体でのソリューションの提供等を通じて、顧客基盤の拡大と競合他社を上回る成長の実現を目指してまいります。また、S&T事業の強化による資本市場での当社グループのプレゼンス向上や、アジアにおける投資の成果の実現に注力し、海外の法人のお客さま向けの貸出業務において抜本的な資産の入替えも進めることにより、海外事業の収益性向上を図ります。更に、資本効率の高いアセットマネジメントビジネスや決済ビジネスの拡大にも国内外において一体的に取り組みます。これらの重点戦略領域へ優先的に経営資源を配分し、収益成長とROTE向上を両立してまいります。こうした事業ポートフォリオの変革にあたっては、「Optimize(ポートフォリオの最適化)」、「Capitalize(施策効果の最大化)」及び「Build Next Core(次の成長への布石)」の3つの方針に基づいて資源配分の最適化を図り、収益性、成長性及び安定性のバランスが取れた事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。

<経営基盤>信頼と挑戦を重視する企業カルチャーを醸成するとともに、グループベースでのグローバル経営体制の高度化や、業務環境の変化及び事業領域の拡大に応じた各種リスクのコントロールの強化を図ります。また、成長戦略の着実な実行を支える人的資本の強化に継続的に取り組むなど、当社グループの強みである現場力の最大化にも注力してまいります。
過去最大となる3カ年で1兆円規模のIT投資を通じ、クラウド化等のITインフラの抜本的な刷新を進めるとともに、専門人材の増員等によりIT関連の企画・開発体制の強化を進めてまいります。また、AI活用を一段と加速すべく、従業員への教育機会を拡充するほか、プロダクトやオペレーションを一体的に見直すことで、AIを前提とする業務プロセスを整備してまいります。
<社会的価値創造>目指す社会像や取組みの方向性を明確化すべく、2026年度より「SMBCグループ 社会的価値創造宣言」を制定するとともに、「緑の地球」、「輝く人々」及び「幸せな成長」の3つを、当社グループのマテリアリティと定めました。新たなマテリアリティのもと、従業員一人ひとりの主体的な参画を促進するとともに、本業を通じた取組みを一層強化することで、社会的価値創造の高度化を進めてまいります。
当社グループは、これらの取組みにおいて着実な成果をお示しすることにより、株主の皆さまのご期待にお応えしてまいりたいと考えております。株主の皆さまには、今後ともなお一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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