有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 16:08
【資料】
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【項目】
170項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社および当社グループ各社は、当社が採択したMUFGグループ全体で共有する「経営ビジョン」を全ての活動の指針とし、当社の「目指す姿」である「「安心・豊かな社会」を創り出す信託銀行」(コーポレート・メッセージ “信託が動かす未来を/TRUST Drives Our Future”)、ならびにその実現に向けた戦略の柱として「「コンサルティング&ソリューションビジネス」強化」、「信託ビジネスのイノベーションへの取組み」、「デジタル化による「変革」 ~Digital Transformation」および「人財・働き方・カルチャーの「変革」」を掲げ、お客さま、社会および株主等の全てのステークホルダーから評価をいただける信託銀行を目指して、経営に当たっております。

当社が目指しております「「安心・豊かな社会」を創り出す信託銀行」とは、社会・お客さまの課題を解決する会社ということになります。当社は、少子・高齢化や個人の資産形成、企業のコーポレート・ガバナンス改革、インベストメント・チェーン改革など、社会の様々な課題の解決に貢献する「金融サービス業への転換」を進めております。
金融自由化やデジタル化の流れの中で、対面での店舗網を持たないネット銀行やネット証券、新しい技術を持った企業の新規参入等、当社のビジネスに係る競争は激しさを増しております。その中で当社は、高い専門性とMUFGグループの広大な顧客基盤を融合し、個人のお客さま向けの資産運用、資産管理、資産承継および法人のお客さま向けの不動産、企業年金、証券代行等に軸足を置いた信託型の「コンサルティング&ソリューションビジネス」をさらに進化させていくとともに、重要な成長領域である国内外のアセットマネジメント業務(資産運用業務)およびインべスターサービス業務(資産管理業務)にも一層注力してまいります。さらに、信託の仕組みを活用した新たなソリューションの創出も推進してまいります。
足元では、新型コロナウイルス感染症の広がりが実態経済へ影響を及ぼし、同時に個人や企業の行動様式や社会構造の変化をもたらしつつあります。当社は、引き続き社会インフラとしての機能をしっかりと果たしていくとともに、社会の変化に伴う新たな課題の解決にも取り組んでまいります。
<経営ビジョン>私たちの使命
・いかなる時代にあっても決して揺らぐことなく、常に世界から信頼される存在であること。
・時代の潮流をとらえ、真摯にお客さまと向き合い、その期待を超えるクオリティで応え続けること。
・長期的な視点で、お客さまと末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現すること。
・そして、日本と世界の健全な発展を支える責任を胸に、社会の確かな礎となること。
それが、私たちの使命です。
中長期的にめざす姿
世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ
-Be the world's most trusted financial group-
1.お客さまの期待を超えるクオリティを、グループ全員の力で
2.お客さま・社会を支え続ける、揺るぎない存在に
3.世界に選ばれる、アジアを代表する金融グループへ
共有すべき価値観
1.「信頼・信用」(Integrity and Responsibility)
2.「プロフェッショナリズムとチームワーク」(Professionalism and Teamwork)
3.「成長と挑戦」(Challenge Ourselves to Grow)
当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核企業の一つとして、専門性を一層発揮し、より質の高い、競争力のある商品やサービスの開発ならびに新たな市場やチャネルの開拓によるお客さまへの商品提供機会の拡大に注力していく所存であります。
(2)経営環境
当連結会計年度の金融経済環境でありますが、世界経済は、米中貿易摩擦等を受けて総じて減速基調にあったものの、年度後半にかけては、半導体産業等の製造業にも世界的に底入れの兆しがみられ、米中貿易摩擦等の政策要因による不透明感が依然残るなかでも上向きに転じる動きを示していました。しかしながら、第4四半期に入ってからは、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大という新たな危機に直面しました。この感染症は、まず中国で大きく拡大しましたが、2020年2月末以降先進国の米国や欧州でも急激に広がり、更にASEAN(東南アジア諸国連合)やNIEs(台湾、韓国、香港、シンガポール)等中国以外のアジア地域でも感染者増加がみられました。こうしたなか、わが国でも、2020年3月末にかけ大都市圏を中心に新規感染者の発生が増加する展開となりました。感染拡大を抑止すべく各国・地域では厳しい公衆衛生上の措置がとられましたが、こうした措置は一方で経済活動の著しい低下をもたらすことになりました。
金融情勢に目を転じますと、年度初めから第3四半期にかけては米中貿易摩擦等の推移を受け、その時々で相場が上下に反応する展開となりましたが、日米株価は上昇傾向、円の対ドル相場は総じて1ドル100円台後半で推移していました。ただ、第4四半期に入ってからは、新型ウイルス禍の拡大を受け、株価は調整色を強めたほか、円の対ドル相場も振れの大きい展開となりました。金利については、米中貿易摩擦に伴う景気の先行き不透明感や低いインフレ率等を理由に各国の中央銀行が利下げを行う等して金融緩和姿勢を強めたことを背景に、海外先進国、わが国ともに総じて低位で推移しました。年度末にかけては、新型ウイルス禍拡大後に、米国で再び政策金利の下限がゼロ%となり、一部の新興国が米国に追随して利下げを行う等、世界的に更に強力な金融緩和政策がとられた結果、海外を中心に金利は一段と低下しました。

(3)対処すべき課題
当社グループは、「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」を目指すMUFGグループの中核企業の一つとして、MUFGグループの事業戦略を通じて、信託銀行の機能を発揮することにより、総合金融グループとしてのシナジーを追求していく所存であります。
当社は、高い専門性とMUFGグループの広大な顧客基盤を融合し、相続業務および不動産、年金、証券代行等に軸足を置いた信託型の「コンサルティング&ソリューションビジネス」を引き続き展開していくとともに、重要な成長領域である国内外のアセットマネジメント業務およびインベスターサービス業務にも一層注力し、お客さま、社会および株主等の全てのステークホルダーから評価をいただける信託銀行を引き続き目指してまいります。

① 各事業部門における課題
(リテール部門)
少子・高齢化の進展に伴い、個人のお客さまが安心・豊かに暮らしていくための仕組みづくりに対するニーズは益々高まっております。当社は、お客さまの資産運用、不動産活用、相続に係る商品やサービスをワンストップで提供する総資産営業を軸に対応してまいります。さらに、認知症問題へのソリューションとして、スマートフォンアプリを活用し、ご家族等による「みまもり機能」を付加した代理出金機能付信託「つかえて安心」を提供しておりますが、今後も高齢社会における課題に対応した商品やサービスの提供・開発を継続してまいります。
(法人マーケット部門)
法人のお客さまには、コーポレート・ガバナンスの高度化や株主・投資家との対話の重要性の高まりといった課題に対し、長年培ってまいりました株主名簿管理業務を起点とした株主戦略コンサルティングサービスを提供し、また、不動産仲介、テナントリーシング、CRE(企業不動産)戦略コンサルティングといった総合的な不動産ソリューションをより進化させ、企業の持続的な成長基盤づくりを支えてまいりたいと考えております。
(受託財産部門)
低金利が継続する中での、法人のお客さまの企業年金制度の管理や運用の課題、働き方改革を起点とする人事制度や退職給付制度等の福利厚生制度の課題はさらに重要性を増してきております。当社は、企業年金の資産運用・資産管理・制度管理サービスの提供、退職給付制度の設計に関するコンサルティングといった機能により、お取引先従業員の皆さまの老後の安心を支える仕組みづくりをお手伝いしてまいります。さらに、国内外の投資家のお客さまからの多様化・高度化する資産運用ニーズに対応すべく、グローバルなアセットマネジメント業務およびインべスターサービス業務を成長戦略の主軸と置き、M&A戦略も含めて注力してまいりたいと考えております。
(市場部門)
市場・金融規制に加え、市場参加者に対する社会からの目線の高まりなど、市場部門に係る事業環境は国内外で大きく変化しております。
当社は、グローバル分散投資を通じた、安定した資金収益の確保に努めるとともに、資産運用会社等のお客さま向けの為替マネジメントサービス等アウトソースニーズに応えるサービス提供を引き続き行ってまいります。
さらに当社は、信託ビジネスのイノベーションへの取組みとして、シルバー金融ビジネス、インフラビジネス、データ信託を柱とした新商品・新サービスの創出、デジタル技術を活用したお客さまの課題解決にも挑戦してまいります。
② 業務効率化
業務の効率化につきましては、AI(Artificial Intelligence)等を活用した営業支援や、RPA(Robotics Process Automation)等を活用した事務の自動化等、デジタル技術を活用した業務プロセスの見直しやIT環境の整備等を通じた生産性の向上に、会社全体の課題として取り組んでおります。
③ 人財・働き方・カルチャーの変革
お客さまに価値ある商品・サービスをご提供するためには、高い専門性を持った人財の育成が必須であり、さらにその人財が能力を十分に発揮できるような企業カルチャーの醸成が、当社にとっての重要課題と考えております。プロフェッショナルな人財を惹きつけるための人事制度の見直し、社内コミュニケーションの一層の円滑化、スピード感をもった働き方への変革、および新しいことに挑戦する風土を作ることにより、社員全員が「良い仕事」をする会社にしていきたいと考えております。
④ 当社を支える基盤となる取組みと持続可能な社会実現への貢献
当社は、国内外の各種法令・制度改正への厳格な対応等、コンプライアンスの徹底とリスク管理の一層の高度化を引き続き推進するとともに、信託銀行として求められる高度な企業倫理を果たすべく、当社役職員に求められる思考様式・行動様式を制定した「三菱UFJ信託銀行のFiduciary Duty」の更なる浸透を図ってまいります。
加えて、お客さま本位の業務運営の更なる高度化を図るために、その取組みを定期的に公表・見直しするとともに、引き続きお客さまの利益に適う商品・サービスの提供に努めてまいります。
また、運用機関としての一層のガバナンス強化を図るために、「スチュワードシップ委員会」による当社のスチュワードシップ活動についての定期的なモニタリングの実施、利益相反管理の強化や議決権行使結果の公表の充実等、運用機関としてのスチュワードシップ活動の実効性を更に高めるための施策を引き続き実行してまいります。
さらに、「環境・社会課題への対応」と「持続的成長」の両立の実現に向け、企業活動を通じた社会問題や環境問題への取組みを積極的に推進するとともに、コミュニティへの貢献をしつつ、企業価値の向上を目指していく所存であります。
⑤ 新型コロナウイルス感染症の広がりがもたらす変化への対応
当社は、在宅勤務の進展や工場等の国内回帰等に伴う法人のお客さまの不動産ニーズの変化や、ワークスタイルの変化に伴う新たな人事課題など、新型コロナウイルス感染症の広がりがもたらすお客さまの行動様式や社会構造の変化に伴う新たな社会課題の解決にも取り組んでいくとともに、当社としてのお客さまとの接点のありかたや、当社社員のこれまでとは異なる新しい働き方を含む、会社運営そのものの見直しにも取り組んでまいります。
(4)目標とする経営指標
当社の親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの中期経営計画では、中期経営計画の最終年度である2020年度の財務目標の水準とともに、中長期的にめざす財務目標の水準を以下のとおり設定しております(2018年5月公表)。

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