有価証券報告書-第20期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 16:02
【資料】
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【項目】
148項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核企業の一つとして、MUFGグループの事業戦略を通じて信託銀行の機能を発揮し、総合金融グループとしてのシナジーを追求し、全ての活動の指針として採択している「MUFG Way」の実現に全力を挙げて取り組んでおります。

また、2024年度からの3年間を計画期間とする当社の中期経営計画(2024年度版)におきましては、「「安心・豊かな社会」を創り出す信託銀行」をめざす姿として掲げ、以下の6つの戦略の柱を策定し、お客さま、社会および株主等の全てのステークホルダーから評価をいただける信託銀行を目指して、経営に当たっております。

当社はまた、2027年の創立100周年を前に、改めて自身の存在意義や社会的な役割を問い直し、新しいコーポレートメッセージ「人をつなぐ。未来をつなぐ。」を策定しました。このメッセージには、未来を見据えながら、社会やお客さま一人ひとりの大切な想いや財産を、当社の信託機能などを活用して後世へしっかりつないでいくという役職員全員の強い決意を込めています。次の100年も、時代を先取りする「先進性」と「専門性」をさらに磨き上げ、1つでも多くの社会課題を解決し、お客さまと社会の想いを未来につないでまいります。
(2)経営環境
当年度の金融経済環境でありますが、世界経済は、インフレ鎮静化と所得改善の流れが維持されたほか、欧米を中心とする各国の中央銀行がこれまでの金融引き締め局面から利下げ方向に転じ、慎重に金融緩和を進めてきたことにも支えられ、全体としては緩やかな成長を続けました。もっとも、米国新政権による各種の政策運営に起因する不透明感が年度終盤にかけて高まったほか、長期化するウクライナ紛争や中東問題等の地政学情勢、主要国の拡張的な財政政策といった実体経済への影響を見定めることの難しい出来事も多く、不確実性の高い状況が続きました。わが国では、物価高が消費の重石となったものの、堅調な企業業績や人手不足等を背景に賃上げの機運が着実に高まったほか、脱炭素やデジタル化に向けた投資拡大にも支えられ、景気は緩やかな回復を続けました。
金融情勢に目を転じますと、株価は、全体としては底堅く推移しましたが、年度半ば頃の米国経済の下振れ懸念や、年度終盤にかけての米国新政権の政策運営等に起因する不透明感の高まりを受けて調整する局面がみられました。金利については、欧米では、中央銀行の金融政策が利下げ方向に転じる中、年度前半に市中金利は低下しましたが、各国政府の拡張的な財政政策への思惑などから年度後半にかけて上昇基調で推移しました。わが国では、短期金利は、日本銀行による昨年7月と今年1月の利上げに伴い上昇しました。長期金利は、日本銀行による漸進的な利上げと国債買入額の段階的な減額の下で、上昇基調で推移しました。円の対ドル相場は、日米の金融政策の方向性の違い等が意識され、昨年9月には140円台まで円高が進行しました。その後は日米の中央銀行による慎重な金融政策運営や米国長期金利の上昇等により、年度後半にかけては振れを伴いながらも総じて円安基調で推移しました。
(3)対処すべき課題
当社は、高い専門性とMUFGグループの広大な顧客基盤を融合し、相続業務および不動産、年金、証券代行等に軸足を置いた信託型の「コンサルティング&ソリューションビジネス」を引き続き展開していくとともに、重要な成長領域である国内外のアセットマネジメント事業およびインべスターサービス事業にも一層注力し、お客さま、社会および株主等の全てのステークホルダーから評価をいただける信託銀行を引き続き目指してまいります。
① 各事業部門における課題
(リテール部門)
リテール部門では、目指す姿を「「資産運用・管理・承継」に資する信託ソリューションの提供拡大により超高齢社会の課題解決に貢献し、お客さまとご家族の安心・豊かな人生を支えるチカラとなる」としており、後期高齢者数増加、資産寿命の延命課題、認知症問題、個家族化、大相続時代に伴う資産管理等を中心とした社会課題の解決に取り組んでいきたいと考えております。
(法人マーケット部門)
法人のお客さまに対して、主に取り組むべき社会課題は、「お取引先企業の成長サポートを通じた日本経済発展への貢献」と「社会インフラの整備」と考えております。1点目につきましては、証券代行事業を通じたコーポレートガバナンス強化への対応をメインとして、企業年金制度の運営サポートや、信託の仕組みを使った資金調達の支援にも引き続き取り組んでまいります。2点目につきましては、不動産事業を通じて社会とその持続的発展を支える基盤づくりに貢献してまいりたいと考えております。
(受託財産部門)
受託財産部門では、目指す姿を「信じて託される存在に」とし、DB(確定給付企業年金)やDC(確定拠出年金)等を通じた資産形成の重要性が一層増してきている中で、時代の流れに合わせた商品開発を行うとともに、企業年金制度、および資産運用の専門家としてアセットオーナーをサポートすることで、運用商品にとどまらない総合的な資産形成サービスプロバイダーとして、お客さまの資産形成を支えてまいりたいと考えております。
アセットマネジメント事業では、商品ラインナップと運用力の強化を図ってまいります。国内法人のお客さま向けのオルタナティブ商品の拡充や、個人のお客さまのニーズに合ったご提案ができるような運用商品の拡充も推進し、さらに、ESG商品の提供や、投資先評価にESG目線を盛り込んだ投資判断を実行してまいります。また、インベスターサービス事業においては、国民の資産運用や経済活動、世界の資本市場のサステナビリティを支えるため、不測の事態にも耐えうる強固な業務基盤を維持することが重要であると考えております。
(市場部門)
市場・金融規制に加え、市場参加者に対する社会からの目線の高まりなど、市場部門に係る事業環境は国内外で大きく変化しております。当社は、さらなるグローバル分散投資の進化・拡大や、機関投資家向けビジネスの拡大を図ることにより、安定した資金収益の確保に努めるとともに、資産運用会社等のお客さま向けの為替マネジメントサービス等アウトソースニーズに応えるサービス提供を引き続き行ってまいります。
上記の各部門における取組みに加え、さらに当社は、信託ビジネスのイノベーションへの取組みとして、ヘルスケア領域、インフラビジネス、デジタルアセット事業等を軸とした新商品・新サービスの創出、デジタル技術を活用したお客さまの課題解決にも挑戦してまいります。
② 業務効率化・業務スタイル変革
経費のモニタリング、商品や事業の新陳代謝の仕組み化、手続きのオンライン化や内部事務のペーパーレス化・自動化、働き方に応じたオフィスの見直し、新しいコミュニケーション手段の導入、スピード改革の推進等により、業務効率化と業務スタイルの変革に取り組んでまいります。
③ 当社を支える基盤となる取組みと持続可能な社会実現への貢献
当社は、国内外の各種法令・制度改正への厳格な対応等、コンプライアンスの徹底とリスク管理の一層の高度化を引き続き推進するとともに、信託銀行として求められる高度な企業倫理を果たすべく、当社役職員に求められる思考様式・行動様式を制定した「三菱UFJ信託銀行のFiduciary Duty」の更なる浸透を図ってまいります。
また、新しいコーポレートメッセージ「人をつなぐ。未来をつなぐ。」の下、時代を先取りする「先進性」と「専門性」をさらに磨き上げ、1つでも多くの社会課題を解決し、お客さまと社会の想いを未来につないでまいります。
加えて、お客さま本位の業務運営の更なる高度化を図るために、その取組みを定期的に公表・見直しするとともに、引き続きお客さまの利益に適う商品・サービスの提供に努めてまいります。具体的には、社会的インパクト志向の事業運営に向けて、事業や組織としての活動が社会的・環境的な変化や便益といった社会的インパクトをどのような道筋で与えていくかを視覚的に整理したロジックモデルを各部署単位で策定し、変化や効果を測定する指標として「社会的インパクトKPI」を設定しております。新商品や新サービスについても、KPIの達成状況を定期的に確認していくことで社会課題解決への貢献度を評価してまいります。
また、運用機関としての一層のガバナンス強化を図るために、取締役会傘下の第三者機関である「スチュワードシップ委員会」による当社のスチュワードシップ活動についての定期的なモニタリングの実施、利益相反管理の強化や議決権行使結果の公表の充実等、運用機関としてのスチュワードシップ活動の実効性を更に高めるための施策を引き続き実行してまいります。
(4)目標とする経営指標
当社の親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの財務目標は、2024年度に、中長期的にめざす水準である「ROE:9~10%」に到達したことから、見直しを実施し、新たに中長期ROE(東証定義):12%程度の目標を設定しました。中期経営計画の最終年度である2026年度の財務目標については、足元で外部環境の不確実性が増していることから、水準の見直しについてあらためて精査しています。事業環境の見通しが現時点の想定程度であれば、2026年度は親会社株主純利益で2兆円以上、ROE(東証定義)で10%以上と、これまで通り着実な成長を続けることを想定していますが、まずは2025年度に集中し、引き続きROE重視の経営は継続した上で、各種取組みを推進します。(2025年5月公表)。

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