有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 16:08
【資料】
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【項目】
170項目
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針
1.理念・目的
当社の役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針は、親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFGという。)の経営ビジョンを踏まえ、「信頼・信託を通じ、安心・豊かな社会を創り出す」という当社の目指す姿の実現に向け、競争力を強化し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を可能とするよう、過度なリスクテイクを抑制しつつ、短期のみならず中長期的な業績向上への役員等の貢献意欲も高めるとともに、「変革への挑戦」に向けた取組みを後押しすることを目的としております。また、当社および当社グループの業績の状況および財務の健全性、ならびに国内外の役員報酬に係る規制等を踏まえるとともに、役員報酬決定プロセスに係る高い客観性および透明性を確保してまいります。
2.報酬水準
役員報酬の水準に関しては、経済および社会の情勢、業界動向、当社および当社グループの経営環境および業績の状況、ならびに取締役および執行役員(合わせて以下、役員等という。)の採用国の状況等を踏まえ、外部専門機関による客観的な調査データも参考のうえ、当社として競争力のある適切な水準を決定することとしております。
役職別の報酬水準(監査等委員である取締役(以下、監査等委員という。)、社外取締役および当社の常務に従事しない非業務執行取締役を除く。)は、社長の報酬額を最上位とし、以下、役位を基本として会長、副会長、副社長、専務、常務、非役付役員の順に報酬額が逓減する報酬体系としています。
また、役員等が担う役割・責務等に応じて、「取締役手当」「委員(長)手当」等の加算を行っております。
3.決定等の機関および権限等
本方針は、MUFGの報酬委員会が定める「役員等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針」(以下、MUFG方針という。)を踏まえ、当社の取締役会が決定しております。
当社の取締役(監査等委員を除く。)の報酬等は、株主総会において報酬種類別の総額をそれぞれ決定し、その範囲内において取締役会の委任を受けた社長が、MUFGの報酬委員会の審議内容を踏まえ、個人別の報酬等の額を決定することとしております。また、決定された内容については、監査等委員会へ報告を行っております。
MUFGは、指名委員会等設置会社として、独立社外取締役および代表執行役社長である取締役を委員とし、独立社外取締役を委員長とする報酬委員会を設けて、MUFG方針に従ってMUFGの取締役および執行役の個人別の報酬等の内容、ならびにMUFGの子会社の役職員を兼務する場合は、当該子会社が決定した子会社役職員としての報酬等(ただし、賞与は標準額)を合算した総額について決定しております。
さらに、MUFGの報酬委員会は、MUFGの役員等の報酬等に関する制度の設置・改廃の内容を決定するとともに、MUFGの主な子会社である当社の役員等の報酬等に関する制度の設置・改廃の内容ならびに当社の社長、会長ならびに副会長(以下、社長等という。)の報酬等を審議し、MUFGの取締役会に提言しております。
当社の監査等委員の報酬等は、株主総会において年額報酬の総額を決定し、その範囲内において監査等委員の協議により、監査等委員が受ける個人別の報酬等の額を決定しております。
4.報酬等の構成・体系および内容
(1)構成・体系
当社の役員等の報酬等は、原則として「基本報酬」(固定)、「株式報酬」(株価および中長期業績連動) および「役員賞与」(短期業績連動)の3種類に分けて支払うこととしており、その構成割合は、前述の理念・目的ならびに各役員等の職務内容を踏まえ適切に設定しております。
社長の報酬構成割合は、これら3種類の報酬のバランス型とし、「基本報酬:株式報酬:役員賞与=1:1:1」としております。(株式報酬および役員賞与が標準額支給の場合。)
役職別の報酬構成割合は、社長の業績連動報酬割合(「株式報酬+役員賞与」の割合をいう、約67%)を最上位とし、以下、役位を基本として会長・副会長(同約60%)、副社長(同約50%)、専務、常務、非役付役員の順に業績連動報酬割合が逓減する報酬体系としております。
なお、経営の監督・モニタリング機能を担う監査等委員、社外取締役および当社の常務に従事しない非業務執行取締役は、その職務内容を勘案し、株式報酬および役員賞与の支給対象外としております。

(2)各報酬等の内容
①基本報酬
「基本報酬」は、原則として、各役員等の役位や各役員等が担う役割・責務等に応じて決定し、毎月現金で支払うこととしております。
役位別の報酬額を基本として、「取締役手当」「委員(長)手当」等の加算を行っております。
②株式報酬
「株式報酬」は、2016年度よりMUFGグループ共通の新たな中長期的インセンティブプランとして導入したもので、これまで以上に、MUFGグループの中長期的な業績向上への役員等の貢献意欲を高めるとともに、MUFGの株主の皆様との利益意識の共有を図ること等を目的としております。
本株式報酬は、信託の仕組みを利用して、以下のとおり各役員等にMUFGが発行する株式(以下、MUFG株式という。)等が交付される制度となっております。
(a)業績連動部分
「役位に応じて定められた基準額×MUFGが策定した中期経営計画(以下、MUFG中期経営計画という。)の達成度等に応じた業績連動係数(業績達成度に応じて0~150%の範囲で変動)」に相当するMUFG株式等(注)が、原則として3年毎のMUFG中期経営計画の終了後に交付されます。
(注)信託によるMUFG株式の平均取得単価により計算されます。

業績達成度を評価するうえでの指標および方法は、MUFG中期経営計画等を踏まえて以下のとおりとしております。
(i)単年度評価部分(評価ウエイト50%)
以下の指標の前年度比伸び率の競合他社比較
・MUFG連結業務純益(同25%)
・MUFG親会社株主に帰属する当期純利益(同25%)
MUFGグループの本業の収益を示す「MUFG連結業務純益」および経営の最終結果である「MUFG親会社株主に帰属する当期純利益」の伸び率について、MUFGの主要競合他社(㈱みずほフィナンシャルグループおよび㈱三井住友フィナンシャルグループ)との相対比較を行うことで、マーケット等の外部環境要因を除いた経営陣の貢献度を毎年度マイルストーンとして評価します。業績連動係数の上限は150%とし、競合他社を一定程度下回った場合、株式交付ポイントは付与されません。
(ii)中長期評価部分(同50%)
以下の指標のMUFG中期経営計画における目標比達成率
・MUFG連結ROE(MUFG基準)(同25%)
・MUFG連結経費率(同25%)
MUFGグループの最重要経営課題の一つである収益力・資本効率の向上や収益体質の改善を後押しするため、両指標についてMUFG中期経営計画に掲げる水準に対する達成度の絶対評価を行います。業績連動係数の上限は150%とし、目標を一定程度下回った場合、株式交付ポイントは付与されません。

(b)業績非連動部分
「役位に応じて定められた基準額」に相当するMUFG株式等(注)が、原則として各役員等の退任時に交付されます。
(注)信託によるMUFG株式の平均取得単価により計算されます。
(c)マルス・クローバックおよび株式保有方針
株式報酬において、役員等の職務に関し、当社と役員等との間の委任契約等に反する重大な違反があった者ならびに在任期間中に自己都合により退任した者については、付与済みの株式交付ポイントの没収もしくは交付等済みの株式等相当額の返還を請求できることとしております。
なお、役員等の在任期間中に取得したMUFG株式は、原則、退任時まで継続保有することとしております。

③役員賞与
「役員賞与」は、役員等の毎年度の業績向上への貢献意欲を高めることを目的とし、短期業績連動報酬として、バランスト・スコアカード等を用いて前年度の当社グループの業績および役員等個人の職務遂行状況に応じて決定し(役位別の基準額に対して0~150%の範囲で変動)、原則として年1回現金で支払うこととしております。
社長等の評価項目別のウエイトは、定量評価60%、定性評価40%とし、定量評価指標および評価方法は以下のとおりです。
・当社連結営業純益(評価ウエイト20%)
・当社親会社株主に帰属する当期純利益(同10%)
・当社連結ROE(同20%)
・当社連結経費率(同10%)
当社グループの最重要経営課題の一つである本業の収益力・資本効率の向上や収益体質改善を後押しするため、1年間の経営成績として、上記4指標を「前年度比増減率」および「目標比達成率」(前年度比と目標比の割合は1:1)で評価しております。
また、社長等の定性評価方法は、例えば、「コンサルティング&ソリューションビジネス強化」「信託ビジネスのイノベーションへの取組み」等5項目程度を設定し、各々のKPI(Key Performance Indicator)を踏まえ項目毎に評価を行った後、定性評価全体について8段階評価を行っております。
定量評価と定性評価を合わせた社長等の総合評価は、9段階評価を行っております。
社長等の各評価は、MUFGの報酬委員会においてMUFGの独立社外取締役のみにて審議しております。また、当該審議内容または審議結果について、当社の監査等委員会においても審議し、意見を決定しております。
(3)その他
上記にかかわらず、日本以外の現地採用の役員等の報酬等については、職務内容や業務特性に加え、採用国の報酬規制・報酬慣行、現地でのマーケット水準等を勘案し、過度なリスクテイクを招かないよう個人別に設計しております。

② 株主総会決議一覧
報酬種類決議年月日対象者金額決議時の対象取締役の員数
基本報酬2016年6月28日取締役(監査等委員を除く。)年額765百万円以内11名
取締役監査等委員年額382百万円以内9名
株式
報酬
信託Ⅰ
(業績非連動部分)
2016年6月28日取締役(監査等委員、社外取締役および当社の常務に従事しない非業務執行取締役を除く。)、執行役員信託金の上限金額
21億円(3事業年度ごと)
11名
信託Ⅱ
(業績連動部分)
信託金の上限金額
21億円(3事業年度ごと)
信託Ⅲ
(未行使ストックオプション移行分)
2017年5月15日信託金の上限金額
30億円
10名
役員賞与2016年6月28日取締役(監査等委員、社外取締役および当社の常務に従事しない非業務執行取締役を除く。)年額260百万円以内10名


③ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる
役員の員数
(名)
基本報酬役員報酬
BIP信託に
関する報酬
賞与退任
慰労金
取締役
(監査等委員を除く。)
(社外取締役を除く。)
70031523914515
取締役監査等委員
(社外取締役を除く。)
1581583
社外役員1141146

(注)1. 当社は、取締役(取締役監査等委員、社外取締役および当社の常務に従事しない非業務執行取締役を除く。)および執行役員を対象に、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを用いた株式報酬制度を導入しており、上記の役員報酬BIP信託に関する報酬の総額には、当該制度に基づき付与された株式交付ポイントに係る当期中の費用計上額および配当給付額を記載しております。
2. 現中期経営計画(2018~2020年度)に係る業績連動型株式報酬制度における各指標の目標および実績は以下のとおりです。
評価種類業績連動指標評価
ウエイト
目 標実績
2018年度2019年度
指標毎合計指標毎合計
単年度評価MUFG
連結業務純益
25%競合他社との相対比較による100%120%0%0%
MUFG
親会社株主に帰属
する当期純利益
25%140%0%
中長期評価MUFG
連結ROE
(MUFG基準)
25%[2020年度]
7~8%
MUFG
連結経費率
25%[2020年度]
2017年度実績(68%)を下回る

3.2018年度中に支給された、社長の役員賞与における2017年度評価内容、ならびに2019年度中に支給された社長の役員賞与における2018年度評価内容は、以下のとおりです。なお、2019年度の評価方法は原則同様です。
業績連動指標評価
ウエイト
2018年度支給2019年度支給
達成率支給率達成率支給率
〈総合評価〉100%104.9%112.5%99.0%100.0%
定量評価
(当社連結ROE等4指標の組合せ)
60%114.8%105.0%
定性評価40%90.0%90.0%

(注)1. 各定量評価指標は、「前年度比増減率」および「目標比達成率」をウエイト1:1で評価
しています。
2.定性評価は6段階評価、定量評価と定性評価を合わせた総合評価は7段階評価を行って
います。
3.各評価は、MUFG報酬委員会において独立社外取締役のみにより審議しています。
4.上記のほか、2007年6月以前に退任した社内取締役・社内監査役に対する退職年金として、それぞ
れ102百万円、12百万円を支払っております。
④ 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針の決定権限者等ならびに取締役会および委員会等の
活動内容
・役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針は、取締役会が決議しており、その権限の内容
および裁量の範囲は、「(4) 役員の報酬等 ①役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針
3.決定等の機関および権限等」に記載のとおりです。
・2019年度に取締役会において以下を決議しております。
・「役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針」の見直し
・役員等の個人別報酬(賞与を含む。)の決定に係る社長への委任

・なお、MUFG報酬委員会の活動内容は、MUFG有価証券報告書をご参照ください。