有価証券報告書-第121期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 12:39
【資料】
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【項目】
164項目
(2)戦略
当行グループは、気候変動、人的資本、人口減少・少子高齢化、デジタル化への対応等を重要課題と認識しており、「サステナビリティ推進委員会」の下、環境、人的資本、社会課題等のワーキンググループが協力して活動しております。
その中でも特に気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、中長期的に当行グループに重要な影響を与える可能性があると認識しており、「環境方針」に基づく気候変動に関するリスクへの対応を経営の重要課題であると位置づけました。
なお、その他「人口減少・少子高齢化」や「デジタル化への対応」など、当行のサステナビリティへの取組みについては、当行ホームページ(「サステナビリティへの取組み」、「第11次中期経営計画」、「決算説明資料」等)をご参照願います。
① 気候変動
当行グループは、気候変動に関するリスクの把握・評価や、情報開示の重要性を認識し、2021年12月にTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)提言に対する賛同を表明し、情報開示の充実に努めています。
※ TCFD(Task Force on Climate-Related Financial Disclosures):2015年12月に金融安定理事会(FSB)の下に設置された、企業の気候変動リスクや機会の情報開示を検討するタスクフォース。TCFDは2023年10月に解散しましたが、国際会計基準(IFRS)財団が企業の情報開示の進捗状況を監視する業務を引き継ぐことになりました。
◆シナリオ分析
当行グループは、気候変動がもたらす財務影響上のリスクと機会について、未来予測のシナリオを以下のように設定したうえで分析しております。

◆リスクと機会に対する認識
当行グループでは気候変動に関する主なリスクと機会を以下のように認識しています。これらの認識を踏まえ、当行グループのCO2排出量の削減やお客さまの脱炭素支援等、脱炭素社会の実現に向けて取組んでまいります。

当行グループの未来予測のシナリオのうち、提出会社における分析は以下のとおりです。
・移行リスク
移行リスクについては、2050年にカーボンニュートラルを目指す社会において、炭素税(排出した温室効果ガスに対して課される税)が導入された場合に、お客様の財務悪化を通じて当行の与信関係費用がどの程度増加するかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額は最大15億円程度と推計しております。

なお、当行の融資ポートフォリオは、移行リスクの影響を大きく受ける状況ではないと考えていますが、推計にあたっては、そのなかでも比較的影響を受けやすいと考えられるセクター(業種分類:鉄鋼・エネルギー・不動産)を選定して分析対象としています。この選定したセクター内でサンプル企業を抽出し、将来財務諸表の変化を一定条件のもとで予想する方法により算出しています。
・物理的リスク
物理的リスクについては、4℃シナリオにおける気候変動に起因する自然災害のなかでも、国内における発生頻度が高く、当行の営業エリア内でも被害が出やすいと考えられる「洪水」の影響について定量的に分析したものです。

分析にあたっては、ハザードマップ等のデータを活用し、100年に1度レベルの雨量によって洪水が発生した場合に、担保不動産が毀損し、またお客さまの事業が停滞することにより、当行の与信関係費用がどの程度増加するかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額は最大8億円程度と推計しております。
② 人的資本
当行グループのパーパス「困りごとを『ありがとう』に変えながら、”笑顔”と”幸せ”を守り続ける」を基軸とし、徹底して地域との繋がりにこだわり、お客様の困りごとに寄り添い解決し続けることを実践してまいります。そのためには、多種多様な専門スキルを持った人材・失敗を恐れず変化に向けて主体的に挑戦する人材・多様な価値観を有する人材の活躍に加えて、これらを包含する企業文化の醸成が必要であります。
これらの実現に向けては、当行グループ役職員一人ひとりの健康が源泉であり、誰もが活き活きと明るく活躍できる働きがいのある職場の構築を通じて、エンゲージメント及びウェルビーイングの向上が重要であると認識し、様々な取組みを進めてまいります。
また、少子化や労働力不足を背景によりITやデジタル化が進展しており、地域・お客様・当行グループ内における業務効率化ニーズが増えています。今後DXへの幅広い対応が求められる中、DXに関する基礎レベルの知識を有したベース人材の育成も進めてまいります。
(人材育成方針)
当行グループは、お客様、地域社会の課題を解決し、持続的な成長に貢献していくためには、多様なステージで活躍できる人材が必要であると考えています。職員の自律的な成長を積極的に支援するとともに、多様な人材がそれぞれの能力を発揮できる企業風土をつくり、お客様や地域社会に新たな価値を提供できる人材を育成してまいります。
(社内環境整備方針)
当行グループは、「人材育成」、「公正な評価」、「健康経営」、「人権尊重」を通じ、働きやすい、働きがいのある職場環境を整備してまいります。
<主な取組み>◆自律型人材の育成
新しいこと、変化へ取り組む勇気を持ち、地域課題の解決や組織内の問題解決に向けてアクションを起こす自律型人材の育成に取り組んでいます。環境や地域課題を考慮した地域経済の好循環サイクルを追求し、地域社会と全てのステークホルダーの持続的な発展を目的に、新事業・サービスの創出に向けた対話に加え、職員のやりがい創出や職場環境整備に向けた対話も実施しています。これらの取組みは、地域を俯瞰する観点や、ステークホルダーのあるべき姿等を創造することが求められ、とちぎんマインド(注)1の醸成にも繋がるものです。
今後は、自律型人材の育成を加速させるために、脳や体のメカニズムを理解したセルフコントロール、マイパーパスなどの自己理解、変革に向けた各種理論習得等の幅広いスキル・知識の習得に加え、行内プロジェクトチームへの参加等の業務内でのチャレンジ機会を与え、成長を促してまいります。
項 目2023年度実績
新事業・サービスの創出に向けた新たな取り組み
(ビジネスアイディア募集)(注)2
163個
新事業構想研修プログラムの参加人数(公募)(注)312人
エンゲージメント向上プロジェクトチームへの参加人数(選抜)(注)466人

(注)1.お客様と地域に貢献したいと強く思う精神を指します。
2.2023年11月に全部室店向けにビジネスアイディアを募集し、ビジネス案の個数を示しております。
3.2023年11月から2024年10月の1年間で、事業構想に向けた課題設定やアイディア開発から新事業構想案を策定していくプログラムであります。本部・営業店、20~40代の男女が参加しております。
4.2024年3月より始動いたしました。本部・営業店、20~50代の男女が参加しております。
◆従業員エンゲージメントの向上
当行では、仕事や職場環境に関する課題を抽出し、いきいきと働きがいのある職場環境を目指す為に、従来の従業員満足度調査より従業員エンゲージメント調査に切替え、実施いたしました。その中で大きく3つの組織の重点改善項目を抽出いたしました。
(重点改善項目)
・総合心理的安全性の改善
・上級管理職と中間・若年層のエンゲージメント格差の是正
・ウェルビーイングの改善
この3点の重点改善項目の改善、エンゲージメント向上に向けて以下の通り、エンゲージメント向上に向けた戦略マップを作成し、3つに施策のグループ化を行い、対策ポイントを設定いたしました。

3つの対策ポイント毎に、プロジェクトチーム(以下、PT)を組成し、2024年3月に始動いたしました。中間層・若年層の男女・内外勤等、各世代及び様々な役割を持った職員からメンバー構成され、本部営業店が一丸となり活発な対話を実施してまいります。
(活動の目的)
・3つの重点改善項目の改善に向けて、営業店(現場)の意見を直接収集・施策立案に反映させるこ
とで、全行一体となり効果的かつ効率的に施策を実施すること。
・PTの議論はフラットで自由闊達なものとし、対話機運や参画意識を高め、組織文化・風土の変革に
も繋げること。

◆健康経営の推進
当行は、従業員をはじめとする人材への投資を強化しサステナブル経営の土台を作るためには、従業員とその家族の健康こそが活力の源泉と考えております。従業員等の健康を考えた経営の強化に取り組むため、2023年6月に健康経営宣言を致しました。
健康経営宣言以降、生活習慣病等のからだの健康課題及びこころの健康課題の両面に対応するため、従業員の健康リテラシーの向上と健康リスク予防への様々な取組みを強化しております。こうした取組が評価され、2024年3月に、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。
(栃木銀行グループ健康経営宣言)
栃木銀行グループは、困りごとを「ありがとう」に変えながら”笑顔“と”幸せ“を守り続けることで持続的で豊かな地域社会づくりに貢献していきます。
その実現のためには、一人ひとり、すべての役職員とその家族の健康こそが活力の源泉であると捉え、心身の健康保持・増進に向けた取り組みを推進し、誰もが活き活きと明るく活躍できる働きがいのある会社づくりに努めます。

(主な施策)
①健康サポートブックの制作・配布
②全館禁煙及び禁煙支援の実施
・禁煙パッチの利用負担補助
③メンタルヘルス態勢の拡充
・外部健康相談窓口の設置
・メンタルヘルスリテラシー向上に向けた動画研修(セルフケア・ラインケア)
・外部産業保健師による個別面談
④特定保健指導の勧奨強化
⑤有給休暇取得の促進
◆ダイバーシティの推進
正規雇用労働者における賃金差異は、相対的に賃金水準が高くなる管理職(支店長代理級以上)に占める女性労働者の割合が大きく影響しております。30代、40代の管理職に占める女性労働者の割合は、各々13.4%、21.2%であり、特に出産や育児などさまざまなライフイベントを経験する30代の女性管理職割合が低いことが課題となっています。
当行は上記課題に対応するため、2022年4月に人事制度の改正を行い、出産・育児・介護など個々のライフイベントや事情により、地域限定で働く女性を含む全ての職員が上位職位にチャレンジ可能としたことに加え、コース間(総合職・地域総合職)における昇進基準の差異を撤廃いたしました。加えて、今後も人事制度や育児短時間勤務、復職制度(カムバック制度)などの働く環境面に止まらず、男性に比べて職務範囲が狭いとされる女性の職務拡大を支援するため、ジョブ・ローテーション制度や新任役席者フォローなどの教育研修体制の整備も進めてまいります。こうした女性のキャリアアップ支援体制を充実させつつ、女性管理職のロールモデルとなる一定の母集団を形成するため、計画的に女性の積極登用を行っていく方針であります。
また、2023年7月より非正規雇用労働者の73.6%を占めるパートタイマー(全員女性)の時給引上げを実施いたしました。これにより、非正規雇用労働者の男女の賃金差異解消を図ると同時に、非正規から正規への雇用転換につきましても併せて積極的に取組んでまいります。
これらの取組みにより、管理職に占める女性労働者の割合向上及び労働者の男女の賃金の差異解消を図ってまいります。

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