有価証券報告書-第119期(2024/04/01-2025/03/31)
(2)戦略
①気候変動関連の機会・リスクの特定
気候変動に伴う機会とリスク(移行リスク・物理的リスク)については、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、定性的な分析を行っております。
②気候変動に伴う機会への対応
地域とお客さまの環境負荷低減と脱炭素経営実現へ向けた取り組みに積極的に関与することで、環境や社会の課題解決に貢献してまいります。
③気候変動に伴うリスクへの対応
<シナリオ分析>移行リスク及び物理的リスクについて、複数の温度帯シナリオを用いて当行の与信関連費用の増加額を推計いたしました。
(移行リスク)
移行リスクは、炭素税導入や将来需要の変化等を考慮して、当行の信用リスクへの影響が高いと考えられる、「エネルギーセクター、金属・鉱業セクター」を分析対象といたしました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)におけるNZEシナリオ(1.5℃シナリオ)などを参考に推計いたしました。現時点においては、当行の事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと認識しています。
(物理的リスク)
物理的リスクは、融資先の業種ごとの特性だけでなく、企業や当行担保物件の所在地にも左右されると考えられることから、分析対象は地域を特定したうえで法人全体と個人(住宅ローンとアパートローン)といたしました。分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)及びRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、ハザードマップを利用して推計いたしました。現時点においては、当行の事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと認識しています。
④炭素関連資産の状況
TCFD提言で気候関連の財務影響を受けやすいとされる「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」セクターを炭素関連資産としており、当行単体の融資残高(注)に占める炭素関連資産の割合は、25.60%となっております。
(単位:億円)
(注)2025年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、銀行保証付私募債の合計(ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業者は除く)。
①気候変動関連の機会・リスクの特定
気候変動に伴う機会とリスク(移行リスク・物理的リスク)については、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、定性的な分析を行っております。
| 概要 | 時間軸 | |
| 機会 | ・気候変動関連ビジネス(コンサルティング、商品・サービスの提供)需要の増加 ・再生可能エネルギー関連融資をはじめとするサステナブルファイナンス等の取引拡大 ・異常気象災害へ備えるインフラ投資、被害を低減させるための設備投資等への資金支援が増加 | 短期~長期 |
| 移行リスク | ・GHG排出に関する規制の強化や炭素税導入によりお客さまの業績が悪化し、当行の与信関連費用が増加するリスク ・脱炭素社会の移行に伴う技術の進歩等によりお客さまの事業が座礁資産化するリスク | 中期~長期 |
| ・地球温暖化対策の取り組み不足や情報開示不足等が当行のレピュテーション悪化につながり、資金調達環境が悪化する等のリスク | 短期~長期 | |
| 物理的リスク | ・台風・洪水等の急性的な自然災害の激甚化や、降水量増加等の慢性的な気候変化により、お客さまの業績悪化や担保物件棄損が発生し、当行の与信関連費用が増加するリスク ・事業が継続できないリスクや、事業継続にかかる対策・復旧によるコスト増加のリスク | 短期~長期 |
②気候変動に伴う機会への対応
地域とお客さまの環境負荷低減と脱炭素経営実現へ向けた取り組みに積極的に関与することで、環境や社会の課題解決に貢献してまいります。
| 当行グループ | ・千葉みなと本部の再生可能エネルギー電力への切り替え ・サステナビリティボンド、グリーンボンドへの投資 |
| 法人のお客さま | ・「京葉銀行カーボンオフセット私募債」「京葉銀行スポーツSDGs私募債」 「京葉銀行SDGs寄付型私募債」等各種私募債の発行 ・「京葉銀行ポジティブ・インパクト・ファイナンス」「αサステナビリティ・リンク・ローン」「αグリーンローン」「αソーシャルローン」等各種ローン商品の提供 ・CO2排出量簡易算定サービスの紹介 ・SDGsの取り組み状況の評価、SDGs宣言書の作成支援を行うツールの提供 |
| 個人のお客さま | ・「環境配慮型住宅ローン」の提供 ・SDGs関連投資信託の提供 ・アルファバンクエコプロジェクトを通じた寄付活動 |
| 自治体 | ・「千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト」によるSDGsや環境意識への啓発活動 ・「千葉市脱炭素先行地域コンソーシアム」への参加 ・「CHIBA SDGs Parklet Project」の開催 |
③気候変動に伴うリスクへの対応
<シナリオ分析>移行リスク及び物理的リスクについて、複数の温度帯シナリオを用いて当行の与信関連費用の増加額を推計いたしました。
| シナリオ | 想定される主な動き | リスクへの影響 |
| 1.5℃シナリオ | 抜本的な気候変動対応・対策を行うことにより2100年の地球の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃未満の上昇に抑えるシナリオ | 移行リスクの増加が見込まれる |
| 4℃シナリオ | 従来通り化石燃料等への依存による二酸化炭素排出量を継続した場合、2100年の地球の平均気温が産業革命前と比べて2.7℃~5.4℃上昇するシナリオ | 物理的リスクの増加が見込まれる |
(移行リスク)
移行リスクは、炭素税導入や将来需要の変化等を考慮して、当行の信用リスクへの影響が高いと考えられる、「エネルギーセクター、金属・鉱業セクター」を分析対象といたしました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)におけるNZEシナリオ(1.5℃シナリオ)などを参考に推計いたしました。現時点においては、当行の事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと認識しています。
| 分析対象 | エネルギー、金属・鉱業 |
| シナリオ | IEA Net-Zero Emissions by 2050シナリオ(1.5℃シナリオ) |
| 分析手法 | 炭素税の導入に伴う融資先企業の追加費用発生、消費者の需要変化、座礁資産の推計値による資産償却費用発生及び融資先企業の今後の脱炭素対応を踏まえ、当行の信用リスクへの影響を推計 |
| 分析期間 | 2024年12月末を基準として2050年まで |
| 分析結果 | 増加が想定される与信関連費用は、累積で82億円程度 |
(物理的リスク)
物理的リスクは、融資先の業種ごとの特性だけでなく、企業や当行担保物件の所在地にも左右されると考えられることから、分析対象は地域を特定したうえで法人全体と個人(住宅ローンとアパートローン)といたしました。分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)及びRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、ハザードマップを利用して推計いたしました。現時点においては、当行の事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと認識しています。
| 分析対象 | ・洪水、高潮:千葉県内全域における法人全体と個人(住宅ローン、アパートローン) ・浸水により影響を受ける融資残高は6,049億円 |
| シナリオ | IPCC RCP2.6(2℃シナリオ)及びIPCC RCP8.5(4℃シナリオ) |
| 分析手法 | 急性リスク顕在化による水災の発生頻度と被害増加をハザードマップから想定し、当行担保物件と融資先企業の業績への影響を踏まえた信用リスクへの影響を推計 |
| 分析期間 | 2024年12月末を基準として2050年まで |
| 分析結果 | 増加が想定される与信関連費用は、2℃シナリオで最大16億円程度、4℃シナリオで最大20億円程度 |
④炭素関連資産の状況
TCFD提言で気候関連の財務影響を受けやすいとされる「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」セクターを炭素関連資産としており、当行単体の融資残高(注)に占める炭素関連資産の割合は、25.60%となっております。
(単位:億円)
| セクター | 業種 | 融資残高 | 割合 | |
| エネルギー | 石油・ガス、電力 | 340 | 0.78% | |
| 運輸 | 空運、海運、陸運、自動車 | 1,165 | 2.67% | |
| 素材・建築物 | 金属・鉱業、化学、建築資材・資本財、不動産管理・開発 | 9,173 | 21.03% | |
| 農業・食料・林産物 | 飲料・食品、農業、製紙・林業 | 487 | 1.12% | |
| 炭素関連資産の合計 | 11,167 | 25.60% | ||
| 融資残高の合計 | 43,631 | 100.00% | ||
(注)2025年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、銀行保証付私募債の合計(ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業者は除く)。