訂正有価証券報告書-第117期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/11/13 16:10
【資料】
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【項目】
143項目

事業等のリスク

当行および当行グループ(以下、当行と総称)の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当行の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)経営統合に関するリスク
当行および株式会社愛知銀行は、2022年10月に「株式会社あいちフィナンシャルグループ」を設立し、経営統合しました。当行は、経営統合によりマーケットシェアの拡大やリソースの追加投入が可能となることを活かし、安定した営業基盤の拡充や収益力の向上により経営環境の変化に対応するとともに、将来にわたり持続可能なビジネスモデルを構築することで、当行の企業価値を高めることを目指しておりますが、当初期待した統合効果を十分に発揮できないことにより、結果として当行の業績及び財務状況に重大な悪影響を及ぼすおそれがあります。統合効果の十分な発揮を妨げる要因として以下が考えられますが、これらに限定されるものではありません。
・サービス・商品開発の遅れ、お客さまとの関係悪化、対外的信用の低下、効果的な人員・営業拠点配置の遅延、営業戦略の不統一を含む様々な要因により収益面における統合効果が実現できない可能性。
・経営統合に伴うサービス、商品、業務及び情報システムの見直し・統一化、並びに営業拠点・従業員の再配置等により想定外の追加費用が発生する可能性。
・資産及び貸出債権等に関する会計基準、引当金計上方針、内部統制、並びに情報開示の方針及び手続その他の基準を統一することによって、追加の与信関係費用その他の費用や損失が発生する可能性。
(2)信用リスク
①不良債権に関するリスク
当行は、不良債権縮減のため経営改善支援に注力しております。しかしながら、景気の動向、不動産価格の下落、当行の融資先の経営状況の変動等によっては、当行の不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、当行の業績に影響を及ぼすとともに、財務状況を弱め、自己資本の減少につながる可能性があります。
②貸倒引当金に関するリスク
当行は、貸出先の状況に応じて、担保の価値及び貸倒実績率等に基づき貸倒引当金を計上しておりますが、今後の景気の動向や貸出先の経営状況の変動及び担保価値の下落等、具体的には、想定以上の原材料価格の上昇及び新型コロナウィルス感染症等に伴う経済活動の停滞により、実際の貸倒が見積りを上回り、貸出金償却の発生や貸倒引当金の積み増しが必要となり、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の取引先や特定の業種への与信の集中リスク
当行は、特定の取引先や特定の業種への与信の偏りを排除すべく、ポートフォリオ管理を行い、与信の分散に努めていますが、特定の取引先や特定の業種に信用力の悪化が生じた場合、与信費用が増加し、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④有価証券の信用リスク
当行は、信用リスクを有する有価証券を保有していますが、これらが内包する信用リスクの上昇により、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)市場リスク
①株価下落に伴うリスク
当行は、市場性のある株式を保有しております。今後、大幅に株価が下落した場合、保有株式に減損等が発生し、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②金利上昇に伴うリスク
当行は、市場性のある債券に加え貸出等の資金運用及び預金等の資金調達を行っておりますが、これら資産と負債の金利又は期間のミスマッチングが存在している中で金利が変動することにより、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)流動性リスク
金融システムが不安定になるなど市場環境全体が悪化した場合や、当行の信用状況が悪化した場合には、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)オペレーショナルリスク
①事務リスク
役職員の故意又は過失等により大きな賠償に繋がる事務事故、事務ミスが発生した場合、損失を被る可能性があり、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
当行は、コンピュータシステムの障害発生防止やセキュリティ向上に努めておりますが、システム障害の発生、不正アクセス及びサイバー攻撃等を受けた場合、障害の規模によっては、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③人的リスク
当行は、労働関連法令に基づき適切な労務管理に努めておりますが、想定外の職員の流出に伴う人財不足や職員のモラル低下等により就業環境が悪化した場合、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また当行の安定した成長には、専門性の高い人財の確保や育成が必要ですが、十分な人財の育成や確保が進まない場合には、業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④有形資産リスク
当行が事業活動を行う上で所有及び賃貸中の土地、建物、車両等の有形資産について、自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等の結果、毀損、焼失、あるいは劣化することにより業務の運営に支障をきたし、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤法務リスク
当行は、各種法令・規則等に従って業務を遂行しておりますが、法令等の遵守状況が不十分であった場合や、それに起因する訴訟等が提起された場合、その内容によっては行政処分を受けたり、当行の評価が低下し、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥風評リスク
当行に対して否定的、悪質な風評・風説が流布された場合、その内容の正確性に関わらず、当行の信用が低下し、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)自己資本比率に関するリスク
自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうか判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に基づき算出しております。なお、当行は、海外営業拠点を有していないことから国内基準を採用しており、現行では自己資本比率を4%以上に維持することが求められています。
各種リスクの発生により自己資本比率が大幅に低下した場合、当行の信頼が低下し、当行の業務遂行や資金調達等に影響を及ぼす可能性があります。また、自己資本比率が4%を下回った場合は、業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。当行の自己資本比率に影響を及ぼす主な要因として以下のものがあります。
・債務者の信用力悪化及び不良債権の処分に伴う与信関係費用の増加
・貸出金等リスクアセットポートフォリオの変動
・保有有価証券の時価下落に伴う減損処理の発生
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
・その他不利益な事象の発生
(7)退職給付債務に関するリスク
年金資産の運用利回りが低下した場合や予定給付債務計算の前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合などには、退職給付費用が増加することにより当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)固定資産の減損に関するリスク
当行は、固定資産の減損会計を行っておりますが、今後の経済環境の変動等によっては、新たな減損が発生する可能性があります。その結果、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係るリスク
当行は、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を経営戦略における重要な課題の一つとして位置づけ、組織として適時適切に対応できる態勢を構築しています。顧客受入時、受入後の各取引段階において、リスクに応じた顧客管理措置を講じており、疑わしい取引等を的確に検知・監視・分析するとともに、検知した場合には適切に対処することとしておりますが、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策が有効に機能せず、法令・規則の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、当行の評価が低下し、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)金融犯罪に係るリスク
当行は、キャッシュカードの偽造・盗難や特殊詐欺、インターネットバンキングを標的とした預金の不正払い出し等に対して被害の発生を未然に防ぐため、顧客保護の取組及びセキュリティ強化に努めておりますが、金融犯罪の高度化・多様化により、被害を受けたお客さまへの補償、その金融犯罪防止対策に係る費用の増加等により、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)情報漏洩に係るリスク
当行は、多数の法人・個人の顧客情報を保有しています。それらの情報は各種法令・規制等に基づき万全を尽くして管理していますが、不適切な管理、外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセス等により、重要な情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分等により、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)競争激化リスク
当行が主要な営業基盤とする愛知県において、地域金融機関、メガバンク、ノンバンク等との間で競争関係にあります。他の金融機関が今後さらに積極的な営業展開を進めることにより、あるいは他の業態が当行の事業分野に新たに参入することにより、当行が競争優位を得られない場合、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)災害リスク
大地震や風水害等の自然災害により、当行の業務の全部又は一部が停止又は遅延するリスクのほか、当行の損害や取引先の被災による業績悪化等が、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)規制・制度の変更等に関するリスク
当行は、現時点における銀行法等の各種規制・制度(法律、規則、政策、実務慣行、解釈等を含む)に基づいて業務を遂行しております。将来において、銀行法等の各種規制・制度が変更された場合、当行の業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)気候変動に関するリスク
気候変動に伴う自然災害や異常気象等の影響によって取引先や当行の事業の停滞と当行が保有する担保価値が毀損した場合(物理的リスク)や、脱炭素社会への移行に伴う政策や法規制への対応等(移行リスク)により取引先の経営状態が悪化した場合には、当行の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当行の気候変動に関するリスクへの対応や開示が不十分であるとみなされた場合には、企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
(16)格付に関するリスク
格付機関により当行の格付が引き下げられた場合、当行の資金調達等において影響を及ぼす可能性があります。