有価証券報告書-第174期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 10:50
【資料】
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【項目】
157項目

対処すべき課題

当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
(経営の基本方針)
当行は、経営理念として、「1.地域社会の発展に貢献し、信頼され、愛される銀行となる。」、「2.常に魅力あるサービスを提供し、お客さまのニーズに積極的に応える。」、「3.創造力豊かで、活力にみちた、明るい人間集団をつくる。」の3つを掲げ、経営の基本方針としております。また、当行の連結子会社及び関連会社(持分法適用会社)は当行の経営方針に基づいた業務運営を行っております。
(中長期的な経営戦略)
当行は、中期経営計画「夢への架け橋!~オープンイノベーションバンクしまぎん~」(計画期間:2022年4月~2025年3月)を策定しております。
中期経営計画では、「地域の活性化」をお客さまと当行の共通の「夢」と捉え、この「夢」の実現のためには、より多角的な金融サービスが必要不可欠であり、当行は自治体や支援機関等との連携強化や各種業務提携等を通じて得た新たなネットワークを活用し、お取引先へのご支援、課題解決を通じて「地域の活性化」を実現してまいります。
中期経営計画では、既存の固定観念、行動、プロセスなどからのパラダイムシフト(価値観の大変革)の下、当行の経営理念に基づく3つの戦略方針(顧客中心主義・本業支援、抜本的な業務改善・働き方改革、環境づくり・スキルアップ)から、4つのプロジェクト(地域密着プロジェクト、人財魅力化プロジェクト、業務効率化プロジェクト、組織・ガバナンス強化プロジェクト)を立ち上げ、推進しております。なお、当行の連結子会社及び関連会社(持分法適用会社)につきましても、当行の中期経営計画に基づいた業務運営を行っております。
中期経営計画における数値目標は、当行の収益性、健全性、シェアの向上などの最大化を目指す観点から、次のとおりとしております。
中計計数目標
① コア業務純益10億円 ② 当期純利益5億円 ③ 自己資本比率8%台

(2) 経営環境及び対処すべき課題等
(対処すべき課題)
当地山陰におきましては、人口の減少や少子高齢化の進行などにより、経済規模は縮小傾向にありますが、新型コロナウイルス感染症の規制緩和等により経済活動が再開する中、設備投資、雇用・所得環境、個人消費などに持ち直しの動きがみられました。
このような中、当行はSBIグループと各種営業施策で一段の連携を行うなど、収益向上に取り組んでまいりました。その結果、2023年度の銀行単体決算では、本業部門の収益力を示すコア業務純益は664百万円となり、当期純利益は389百万円となりました。お客さまへの本業支援体制については、前連結会計年度に企業支援室の人員体制を更に充実させており、営業店との連携等を深化させ一層加速させております。当行は、この取組みを組織的で継続的なものとすることにより、地域金融機関としての使命である「地域経済の発展」、「地域社会への貢献」を一層果たしてまいります。
(その他有価証券評価損益への対応)
当行は2019年9月に締結したSBIグループとの資本業務提携以降、有価証券の運用方針をインカムゲイン中心の方針に改め、SBIグループと連携し、安定したインカムゲインが期待できる高格付の海外債券(国債・地方債等)を中心とする有価証券ポートフォリオに入れ替えておりますが、2022年度において米国を始めとする海外金利の急上昇により、当行のその他有価証券の評価損が拡大しました。
このため運用会社は、市場見通しを慎重に検討した結果、更に金利が上昇する可能性に対処するため、前連結会計年度より一部の投資信託については、運用会社が策定した今後のファンド運用方針に沿って、デュレーションの調整や為替ヘッジの一部弾力化等、市場の変化に応じた対応策を講じております。当行は当該方針についての検証を行い、運用会社の対応策は最善の対応であることを確認しており、当該方針に基づく対応策の実施についても、運用会社からの報告を受け、連携を密に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度においては、再度、高格付債券を中心としたポートフォリオへのシフトを開始するとともに、投資信託の一部を解約して損失を実現させるなど、財務の健全化に向けた対応も行っており、当連結会計年度において、その他有価証券評価差額金は1,297百万円改善しております。
今後においても当行は海外金利をはじめとする市場環境の見通しや、有価証券ポートフォリオの状況のモニタリング等を通じ、SBIグループと引き続き連携し、課題等を共有することでリスク管理を更に強化し、その他有価証券評価損益全体の改善を図るとともに収益性の向上に努めてまいります。
(SDGsへの対応)
当行はSDGsに賛同し、この達成に向け、創業来大切にしてきたお客さまと直接顔を合わせる「Face To Face」の良さを活かし、SBIグループとの二人三脚でデジタルシフトを推し進め、顧客中心主義を基本とした「次世代Face To Face」を実践することで、地域社会の課題解決に取組み、地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。更に、こうした取組みを役職員一丸となって推し進めていくため、前連結会計年度にサステナビリティ委員会を設置し、当連結会計年度においては、気候変動、人権の尊重、雇用の多様性、地域貢献等についての取組み方針や取組み事項の進捗状況及び関連するリスクの特定とその対応等について、評価・検証を行っております。今後も、当該委員会が中心となり、サステナビリティ経営を実践することにより、地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。