有価証券報告書-第89期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/17 11:49
【資料】
PDFをみる
【項目】
225項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、株主の権利及び利益を尊重するとともに、あらゆるステークホルダーの立場を考慮し、「信頼の構築」「人材の重視」「社会への貢献」「健全な利益の確保」という企業理念の実現を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。
そのために、当社は、持株会社体制によるグループ経営を実践し、国際的な水準に適う透明性・客観性の高いガバナンス態勢を構築するとともに、効率性の高いグループ会社監督機能を実現し、グループ各社間のシナジーを発揮する一体感のあるグループ経営体制を構築していきます。その実現に向け、グループのコーポレート・ガバナンスの基本的な枠組みと方針を定めるものとして、「大和証券グループ本社 コーポレート・ガバナンスに関するガイドライン」を定めております。
当社は、機関設計として、次の(a)(b)による経営監視機能を発揮することを目的として、指名委員会等設置会社を採用しております。
(a) 取締役会から執行役への大幅な権限委譲及び執行役の業務分掌の明確化により迅速・果断な意思決定を行うこと
(b) 独立性の高い社外取締役が過半数を占める指名委員会・監査委員会・報酬委員会の三委員会を設置することにより経営の透明性と公正性の向上を図ること
また、当社は、あらゆるステークホルダーからの信頼を獲得し、企業としての社会的責任を果たすべく積極的に取組みを行っております。当社の社会的責任には、お客様への優れた商品・サービスの提供と誠実な対応、株主への適切な利益還元と情報開示、従業員の労働環境・人事評価上の施策、そして法令遵守・企業倫理の確立、環境マネジメント、社会貢献等の実に様々な側面があります。
それらの取組みにより、透明性、機動性、効率性を重視したコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化が図られ、持続的な企業価値の向上につながるものと考えております。
② 会社の機関の内容
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、監督機関としての取締役会及び上記の指名委員会・監査委員会・報酬委員会の三委員会、取締役会の分科会としての社外取締役会議、業務執行機関としての執行役会及びその分科会であるグループリスクマネジメント会議・グループコンプライアンス会議・ディスクロージャー委員会・グループデジタル戦略会議並びに代表執行役社長CEO直轄の内部監査機関であるグループ内部監査会議から構成されております。
グループ経営に、より多様な視点を取り入れるため、当社の取締役・執行役として7名、グループ全体では25名の女性役員を登用しております。
<当社のコーポレート・ガバナンス体制>0104010_001.png
(ⅰ)取締役会
取締役会は、取締役会長を議長とし、3ヵ月に1回以上開催することとなっており、2025年度には10回開催しております。さらに、会社法第370条及び定款の規定に基づき、取締役会決議があったものとみなす書面決議が1回ありました。有価証券報告書提出日現在の取締役会の構成員は14名であり、うち社外取締役が7名となっております。取締役会の構成員のうち、女性は7名です。2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)「取締役14名選任の件」が承認可決された場合、取締役会の構成員は14名で、うち社外取締役は7名、女性は6名となります。なお、当社の取締役は20名以内とする旨を定款に定めております。
取締役会は、経営の基本方針、執行役の選解任・職務の分掌・指揮命令関係等に関する事項、内部統制システム及びリスク管理態勢の整備等、経営の中核となる事項の決定を行う一方、迅速な意思決定と効率的なグループ経営を推進するため、業務執行の決定権限を可能な限り執行役に委譲します。その上で、取締役及び執行役の職務執行を監督することにより、当社グループの経営の公正性と透明性を確保しつつ、企業理念に基づいて持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ります。
有価証券報告書提出日現在の取締役会は以下のメンバーで構成し、2025年度の取締役会への出席状況は以下の通りです。
中田誠司 (取締役会議長)(執行役兼務)10/10回(100%)
荻野明彦 (代表執行役社長CEO) 10/10回(100%)
佐藤英二 (代表執行役副社長COO) 10/10回(100%)
新妻信介 (執行役兼務) 10/10回(100%)
櫻井裕子 (執行役兼務) 8/8回(100%)※2025年6月20日に就任(注1)
田代桂子 10/10回(100%)
花岡幸子 10/10回(100%)
河合江理子(社外取締役) 10/10回(100%)
西川克行 (社外取締役) 10/10回(100%)
岩本敏男 (社外取締役) 10/10回(100%)
村上由美子(社外取締役) 10/10回(100%)
伊岐典子 (社外取締役) 10/10回(100%)
柚木真美 (社外取締役)(注2) 10/10回(100%)
市川晃 (社外取締役) 8/8回(100%)※2025年6月20日に就任
2026年6月19日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員は以下の通りとなる予定です。
中田誠司 (取締役会議長)(執行役兼務)
荻野明彦 (代表執行役社長CEO)
佐藤英二 (代表執行役副社長COO)
芹澤潤一 (執行役兼務)(新任)(注3)
櫻井裕子 (執行役兼務)
吉田光太郎(執行役兼務)(新任)(注3)
花岡幸子
西川克行 (社外取締役)
岩本敏男 (社外取締役)
村上由美子(社外取締役)
伊岐典子 (社外取締役)
柚木真美 (社外取締役)(注2)
市川晃 (社外取締役)
クリスティーナ・アメージャン(社外取締役)(新任)
(注)1 執行役としての出席を加えると、出席状況は10/10回(100%)
2 戸籍上の氏名は、加藤真美であります。
3 2025年度の取締役会では執行役として出席。出席状況は10/10回(100%)
2025年度の取締役会では、下記の決議・報告を行いました。
[主な決議事項]
・中期経営計画のレビュー
・2026年度の経営方針と予算の決定
・リスクアペタイト・ステートメント(半期ごと)
・環境・社会関連ポリシーフレームワークの改定
・決算(四半期を含む)、配当・自己株式取得、計算書類等
・役員人事(取締役会長・代表執行役社長CEO・代表執行役副社長COOの選定、執行役の選任、執行役の職務の分掌決定、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の委員選定など)
・その他法令に基づく事項の取締役会での決定
[主な報告事項]
・指名委員会・監査委員会・報酬委員会の職務執行状況
・執行役員の選任・委嘱業務
・2025年度のセグメント別年度計画の総括
・不正アクセス対応
・かんぽ生命、あおぞら銀行との提携を含むグループの事業提携等の進捗状況
・海外事業の状況
・オリックス銀行の子会社化
・執行役会の職務執行状況(重要な事業・投資・業務提携、AI対応を含む重要なシステム投資、従業員向けストック・オプションの付与、資金調達報告、再建計画などを含む)
・資本コストや株価を意識した経営
・顧客本位の業務運営・役職員の不祥事の予防に関する取り組み
・株主・投資家等との対話状況
・マテリアリティ評価(SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報開示対応に向けて)
・気候関連開示案(旧TCFD開示)、自然資本関連開示(TNFD開示)案
・サステナビリティ推進に関する現状(対応状況と課題)
・サイバーセキュリティ施策実施状況
・AI活用・ガバナンスの整備状況
・コーポレートガバナンス・コードへの対応状況
・取締役会の実効性評価
なお、取締役会及び社外取締役の補佐を行う部室として取締役会室を設置しております。取締役会室は、経営企画部と共同で取締役会の事務局の機能を担います。
1)指名委員会
指名委員会は1年に1回以上開催することとなっており、2025年度には5回開催しております。
有価証券報告書提出日現在、指名委員会は委員長を含む社外取締役5名と社内取締役2名により構成されております。多角的な視点から取締役の指名を行うため、委員となる社外取締役の専門性も考慮しています。なお、指名委員長の岩本敏男は、これまでの企業経営経験を通じて、企業経営及び人事施策に関する相当程度の知見を有しております。
有価証券報告書提出日現在の指名委員会は以下のメンバーで構成し、2025年度の指名委員会への出席状況は以下の通りです。
岩本敏男 (委員長)(社外取締役)5/5回(100%)
中田誠司 5/5回(100%)
荻野明彦 5/5回(100%)
河合江理子(社外取締役) 5/5回(100%)
西川克行 (社外取締役) 5/5回(100%)
伊岐典子 (社外取締役) 5/5回(100%)
市川晃 (社外取締役) 5/5回(100%)※2025年6月20日に就任
2026年6月19日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員は以下の通りとなる予定です。
岩本敏男 (委員長)(社外取締役)
中田誠司
荻野明彦
西川克行 (社外取締役)
伊岐典子 (社外取締役)
市川晃 (社外取締役)
2025年度の指名委員会では、下記の決議・報告を行いました。
[主な決議事項]
・取締役候補者の選定
・取締役の「知識・経験・能力」等の開示
[主な報告事項]
・コーポレート・ガバナンスに配慮した取締役会の構成
・取締役候補者の指名に関する基本的な考え方
・最高経営責任者(CEO)の後継者計画
・顧問制度の概要
<取締役候補者の選定の方針について>取締役候補者の選定の方針は以下の通りです。
・大和証券グループの企業理念の実現のために最大の努力を行えること
・高い倫理観及び道徳観を持ち、率先垂範して行動できること
・業務上の経験又は法律、会計、経営などの専門的な知識を有していること
社外取締役については上記に加え、独立性に関して以下の全てを満たすことを要件としております。
・大和証券グループの業務執行取締役、執行役、執行役員その他これに準ずる者又は従業員として勤務経験を有していないこと
・大和証券グループを大株主または主要な取引先とする会社の取締役、執行役、支配人その他の使用人でないこと
・その他、取締役としての職務を遂行する上で独立性を害するような事項がないこと
また、社外取締役の通算在任期間は、原則として8年を超えないこととし、その理由いかんにかかわらず、通算在任期間が10年を超える者を社外取締役候補者としないこととしております。
<取締役会の構成について>取締役会の構成についての方針は以下の通りです。
・原則として、取締役のうち3分の1以上を独立社外取締役として選任し、取締役の過半数は執行役を兼務しない
・取締役会全体としての知識、経験及び能力のバランス並びにジェンダー及び国際性等を含む多様性を確保することに努め、取締役に占める女性比率については、原則として30%以上とする
2)監査委員会
監査委員会は、原則として毎月1回開催することとなっており、2025年度には12回開催しております。監査委員会は、執行役を兼務しない取締役5名により構成され、委員長を含む4名は社外取締役、他の1名は常勤の社内取締役となっております。なお、監査委員長の西川克行は検事総長等を歴任し、現在弁護士資格を有し、法務に関する相当程度の知見を有しており、監査委員の柚木真美は公認会計士の資格を有し、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
有価証券報告書提出日現在の監査委員会は以下のメンバーで構成しております。(2025年度の出席状況は、「(3)監査の状況 ①監査委員会監査の状況 b.当事業年度における監査委員会の活動状況」に記載しております。)
西川克行 (委員長)(社外取締役)
花岡幸子
村上由美子(社外取締役)
伊岐典子 (社外取締役)
柚木真美 (社外取締役)(注)
2026年6月19日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員は以下の通りとなる予定です。
西川克行 (委員長)(社外取締役)
花岡幸子
村上由美子(社外取締役)
伊岐典子 (社外取締役)
柚木真美 (社外取締役)(注)
クリスティーナ・アメージャン(社外取締役)(新任)
(注) 戸籍上の氏名は、加藤真美であります。
監査委員会の職務は、取締役及び執行役の職務執行の監査、事業報告及び計算書類等の監査、監査報告の作成、株主総会に提出する会計監査人の選解任並びに不再任に関する議案の内容決定等であります。
監査委員が取締役会に出席することに加え、監査委員会が選定した監査委員1名が執行役会等の重要会議への出席や重要書類の閲覧、役職員からの報告聴取等を行い、他の監査委員と情報を共有することによって、監査委員会による実効的な監査の環境整備に努めております。
なお、監査委員会の業務を補佐する専任部室として監査委員会室を設置しております。
3)報酬委員会
報酬委員会は1年に1回以上開催することとなっており、2025年度には5回開催しております。
有価証券報告書提出日現在、報酬委員会は委員長を含む社外取締役5名と社内取締役2名により構成されております。合理的な報酬制度の設計・運用・検証を行うため、委員となる社外取締役の専門性も考慮しています。なお、報酬委員長の河合江理子は、これまでの経歴を通じて、経営戦略及び報酬制度に関する相当程度の知見を有しております。
有価証券報告書提出日現在の報酬委員会は以下のメンバーで構成し、2025年度の報酬委員会への出席状況は以下の通りです。
河合江理子(委員長)(社外取締役)5/5回(100%)
中田誠司 5/5回(100%)
荻野明彦 5/5回(100%)
岩本敏男 (社外取締役) 5/5回(100%)
村上由美子(社外取締役) 5/5回(100%)
柚木真美 (社外取締役)(注) 5/5回(100%)
市川晃 (社外取締役) 4/4回(100%)※2025年6月20日に就任
2026年6月19日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員は以下の通りとなる予定です。
村上由美子(委員長)(社外取締役)
中田誠司
荻野明彦
岩本敏男 (社外取締役)
柚木真美 (社外取締役)(注)
市川晃 (社外取締役)
クリスティーナ・アメージャン(社外取締役)(新任)
(注) 戸籍上の氏名は、加藤真美であります。
2025年度の報酬委員会では、下記の決議・報告を行いました。
[主な決議事項]
・役員報酬に関する方針及び個別報酬内容
・連結業績・株価の向上に資するグループ全体のインセンティブ・プラン
[主な報告事項]
・役員報酬調査の結果
4)社外取締役会議
社外取締役会議は、当社の全社外取締役により構成されます。社外取締役相互における情報共有を主たる目的とし、取締役会の議題に関連する内容を含め意見交換を図っております。議長は同会議の構成員から選定され、2025年度は西川克行氏が議長を務めました。なお、社外取締役会議の議長は、他の社外取締役や経営陣との連携・調整も行っております。
同会議は、毎年1回以上開催することとなっています。2025年度には4回開催し、トランプ政権の米国経済・日本経済への影響、証券会社のコンプライアンスと危機管理、企業価値向上施策をテーマとして取り上げた他、代表執行役社長CEOとのディスカッションを行いました。
5)オフサイトミーティング
オフサイトミーティングは、社内取締役と社外取締役が、より率直に意見交換を行い、コミュニケーションを強化することを目的に毎年1回開催しております。2025年度は「デジタルアセット金融の現状と大和証券グループの取り組み」に関して、当社グループのFintertech株式会社 代表取締役社長 相原一也氏からのプレゼンテーションに基づき、質疑応答・意見交換を行いました。
(ⅱ)執行役会
執行役会は、3ヵ月に1回以上開催することとなっており、2025年度には21回開催しております。執行役会は、執行役13名全員により構成されております。
執行役会は、当社の重要な業務に関する事項を審議決定し、また当社グループにかかる事業戦略及びグループ各社間にまたがる構造問題等に関する基本方針を審議・決定しております。
執行役会は、経営の意思決定を迅速に行うため、取締役会から業務執行の決定権限を可能な限り委譲されております。さらに、より専門的な審議を行うため、特定の執行役等を構成員とするグループリスクマネジメント会議、グループコンプライアンス会議、ディスクロージャー委員会、グループデジタル戦略会議という4つの分科会を設置しております。
また、当社執行役の一部がグループ各社の主要役員を兼務することにより、グループ経営の一体性を確保し、グループ戦略に基づいた部門戦略を効率的・効果的に実現することが可能となります。
1)グループリスクマネジメント会議
グループリスクマネジメント会議は、当社グループのリスク管理態勢及びリスクの状況等を把握し、リスク管理に係る方針及び具体的な施策を審議・決定しております。
同会議は、執行役8名、執行役員2名により構成され、議長は代表執行役社長CEOが務めております。会議は3ヵ月に1回以上開催することとなっており、2025年度には8回のグループリスクマネジメント会議が開催されました。
2)グループコンプライアンス会議
グループコンプライアンス会議は、当社グループにおける法令等の遵守、企業倫理の確立、内部管理等に係る事項の全般的方針、具体的施策等について審議・決定しております。
同会議は、執行役9名、執行役員3名により構成され、議長は代表執行役社長CEOが務めております。会議は3ヵ月に1回以上開催することとなっております。2025年度には6回のグループコンプライアンス会議が開催されました。
3)ディスクロージャー委員会
ディスクロージャー委員会は、当社グループの経営関連情報の開示、内部統制報告書の有効性及び適正性、財務報告の連結範囲等に係る意思決定を担っており、原則として、四半期毎の決算発表や有価証券報告書、半期報告書の提出に先立ち開催するほか、重要な開示事項が発生した場合等には適宜開催しております。
同委員会は、執行役8名により構成され、委員長は原則として最高財務責任者(CFO)が務めております。2025年度には14回のディスクロージャー委員会が開催(うち8回は書面開催)されました。
4)グループデジタル戦略会議
グループデジタル戦略会議は、経営戦略とデジタル戦略の一体化、IT投資に係る意思決定の迅速化並びにIT投資効率の向上等を図るための審議・決定を行っております。
同会議は、執行役6名、執行役員1名の合計7名により構成され、議長は代表執行役社長CEOが務めております。会議は原則として6ヵ月に1回開催することとなっており、2025年度には2回のグループデジタル戦略会議が開催されました。
(ⅲ)グループ内部監査会議
グループ内部監査会議は、グループの業務運営、内部監査態勢及び内部統制の適切性・有効性を確保することを目的に、グループの業務に係わる内部監査態勢の整備及び内部統制の検証に関する事項を審議・決定しております。
同会議は、執行役10名、執行役員3名により構成され、議長は代表執行役社長CEOが務めております。会議は3ヵ月に1回以上開催することとなっており、2025年度には6回のグループ内部監査会議が開催されました。
③ 内部統制態勢の整備の状況等
<内部統制組織>当社グループでは、業務を健全かつ適切に遂行できる内部統制態勢の維持は経営者の責任であるとの認識に立って、グループの事業に係る各種の主要なリスクについて当社を中心とする管理態勢を構築し、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全等を図っております。
また、健全かつ効率的な内部統制態勢の構築を通じてグループの価値が高められるとの認識に基づき、内部監査はその中で重要な機能を担うものと位置付け、当社に専任の内部監査担当執行役を置き、他の部署から独立した内部監査部が内部統制態勢を検証しております。
内部通報制度としては、法令諸規則の違反をはじめとする、当社グループの企業価値を毀損する恐れのある行為の早期発見及び是正、未然防止を主な目的として、グループ横断的な「企業倫理ホットライン」を導入しております。運用にあたっては、「通報者保護」を規程に明記し、通報者の保護や匿名性の確保に努めています。また、制度の認知度向上を図るべく、社内報やイントラネット等で周知するとともに、社員の認知度及び信頼性の調査を継続して実施しております。通報先については、社内の窓口のみならず社外法律事務所への通報も可能にする等、誰もが躊躇せず制度を利用できるような環境を整備しております。
また、国内外のグループ各社の事業活動を適切に管理することを目的として、グループ会社管理規程及び海外店等の運営管理に関する規程等を定め、グループ各社からの情報の徴求、承認・報告事項等の明確化を図っております。
④ リスクアペタイト・フレームワーク
(ⅰ)リスクアペタイト・フレームワーク
2008年の世界的な金融危機を背景に、国際的な金融規制が強化され、グローバルに活動する金融機関は、経済や市場のストレス時においても十分な金融仲介機能を発揮できるだけの健全性の確保が求められています。当社グループでは、経営レベルでのリスクガバナンスの強化を目的に、リスクアペタイト・フレームワークを活用しています。
リスクアペタイト・フレームワークとは、ビジネス戦略達成のために進んで受け入れるべきリスクの種類と総量をリスクアペタイトとして定め、リスクテイク方針全般に関する社内の共通言語として用いる経営管理の枠組みのことをいいます。リスクアペタイトについては、流動性、自己資本等の観点からリスクアペタイト指標を選定し、受け入れるリスクの水準を設定し、管理・モニタリングしています。
当社グループでは、このような枠組みをリスクアペタイト・ステートメントとして文書化し、グループ内へのリスクアペタイトの浸透と経営管理態勢・リスク管理態勢の水準向上を図り、リスク文化の醸成に努めています。
(ⅱ)リスクアペタイト・フレームワークの運営体制
取締役会は、流動性と自己資本に係るリスクアペタイトの定量指標を含め、リスクアペタイト・ステートメントを審議・決定しています。
リスクアペタイト・フレームワークに関する取締役会及び経営の職務執行の監査は、監査委員会が行います。
⑤ リスク管理体制の整備の状況
(ⅰ)当社グループのリスク管理
当社は、リスクアペタイト・フレームワークに基づいて当社グループ全体のリスク管理を行う上で、リスク管理の基本方針、管理すべきリスクの種類、主要リスクごとの担当役員・所管部署等を定めた「リスク管理規程」を取締役会で決定しています。さらに、実効的なリスクガバナンス態勢を構築するため、「3つの防衛線」に係るガイドラインを定め、リスク管理の枠組みを整備しています。「3つの防衛線」とは、リスク管理における機能と役割・責任を明確にし、健全な管理を行う考え方であり、「第1の防衛線」はフロント部門自身による業務上の各種リスク認識と管理、「第2の防衛線」はリスク管理部門・コンプライアンス部門等による全社的リスク管理、「第3の防衛線」は内部監査部門により「第1・第2の防衛線」が有効に機能しているかについて検証・評価等を行うことをいいます。
子会社はリスク管理の基本方針に基づき、各事業のリスク特性や規模に応じたリスク管理を行い、当社は子会社のリスク管理態勢及びリスクの状況をモニタリングしております。子会社のモニタリングを通して把握した子会社のリスクの状況のほか、各社におけるリスク管理態勢上の課題等については、CROが取りまとめて当社の執行役会の分科会であるグループリスクマネジメント会議に報告し、審議・決定しています。主要な子会社においてもリスクマネジメント会議等を定期的に開催し、リスク管理の強化を図っております。
(ⅱ)管理の対象となるリスク
<市場リスク>市場リスクとは、株式・金利・為替・コモディティ等の相場が変動することにより、損失を被るリスクです。
当社グループのトレーディング業務では、市場流動性を提供することで対価を得るとともに、一定の金融資産等の保有を通じて市場リスクを負っています。当社グループでは、損益変動の抑制のために適宜ヘッジを実施していますが、ストレス時にはヘッジが有効に機能しなくなる可能性があるため、財務状況や対象部門のビジネスプラン・予算等を勘案した上で、VaR(一定の信頼水準のもとでの最大予想損失額)、及び各種ストレステストによる損失見積りが自己資本の範囲内に収まるように、それぞれ限度額を設定しています。その他、ポジション、感応度等にも限度額を設定しております。当社グループでは、トレーディング業務を担当する部門において、自らの市場リスクを把握する目的でポジションや感応度の算出によるモニタリングを行っている一方で、リスク管理部署でも市場リスクの状況をモニタリングし、設定された限度額内であるかどうかを確認の上、経営陣に日次で報告しております。
<信用リスク>信用リスクとは、金融取引の取引先や保有する金融商品の発行体のデフォルト、あるいは信用力の変化等により損失を被るリスクです。当社グループのトレーディング業務における信用リスクには取引先リスクと発行体リスクがあります。
取引先リスクについては、当社グループが一取引先グループに対して許容できる与信相当額の上限を設定し、定期的にモニタリングしています。加えて、取引先リスク全体のリスク量を計測しています。また、マーケットメイクにより保有する金融商品の発行体リスクについてもリスク量をモニタリングしています。
当社グループは、商品提供や資産運用・投資を行うことに伴い、様々な商品・取引のエクスポージャーが特定の取引先グループに集中するリスクがあります。当該取引先グループの信用状況が悪化した場合、大幅な損失が発生する可能性があるため、一取引先グループに対するエクスポージャーの合計に対し限度額を設定し、定期的にモニタリングしています。
<流動性リスク>流動性リスクとは、市場環境の変化、当社グループ各社の財務内容の悪化(当社の信用格付の低下を含む)などにより資金繰りに支障をきたすリスク、あるいは通常よりも著しく高いコストでの資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクです。本項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析 ② 資本の財源及び流動性に係る情報」をご覧下さい。
<オペレーショナルリスク>オペレーショナルリスクとは、内部プロセス・人・システムが不適切であることもしくは機能しないこと、又は外生的事象が生起することから生じる損失に係るリスクです。当社グループでは、オペレーショナルリスクを事務リスク、システムリスク、情報セキュリティリスク、コンプライアンスリスク、リーガルリスク、人的リスク、有形資産リスクに分類し、各リスクを所管する部署を定めて管理しています。
業務の高度化・多様化、システム化の進展等に伴い様々なリスクが生じており、オペレーショナルリスク管理の重要性は年々高まっています。
当社グループの主要なグループ各社では、当社のオペレーショナルリスク管理に関する規程に基づき、RCSA(リスク・コントロール・セルフアセスメント)を実施する等、適切なオペレーショナルリスク管理を行っております。加えて、権限の厳正化、人為的ミス削減のための事務処理の機械化、業務マニュアルの整備等の必要な対策を講じており、グループ各社の事業特性に応じたオペレーショナルリスクの削減に努めております。
<モデルリスク>モデルリスクとは、モデルの開発、実装における誤り、又はモデルの誤用に起因して、直接的間接的損失を被るリスクです。
実効性のあるモデルリスク管理を実施するため、モデル関係者の役割及び責任を明確化し、モデルのライフサイクル全般に対して組織的に管理する体制を整備しております。具体的にはモデルの使用開始前・変更時の管理としてモデル検証と承認プロセスを整備し、使用期間中の管理として、モニタリング、定期検証を実施しております。
<投資リスク>投資リスクとは、投資先の業績や信用状態の悪化、市場環境の変化等により、当社が行う投資の価値が毀損する、あるいは追加の資金拠出が必要となるリスクや、投資から得られる収益が期待を下回るリスクであり、ポートフォリオレベル及び個別案件レベルで管理を行っています。
ポートフォリオレベルについては、投資集中状況を適切に管理するために、業種別等のグループ横断的な限度額を設定し、定期的にモニタリングしています。個別案件レベルについては、一定基準に基づいて、投資実行前のリスクを検証するとともに、投資実行後のリスクの状況についても継続的にモニタリングしています。
<レピュテーショナルリスク>レピュテーショナルリスクとは、当社グループに関する風評や、誤った情報等により当社グループの信用・評判・評価が低下し、不測の損失並びに当社取引先の動向への悪影響等が生じるリスクです。様々な事象に起因するため、その管理手法は必ずしも一律のものではありません。
当社グループでは、特に情報管理と情報提供の観点からディスクロージャー・ポリシーに基づく各種規程を整備し、当社にディスクロージャー委員会を設置しております。
当社グループ各社においては、ディスクロージャー委員会にレピュテーショナルリスクの発生が想定される情報を報告することが義務付けられており、当社での情報の把握、一元管理と、同委員会決定によるタイムリーで正確な情報発信を行っております。
また、当該リスクが発生した場合には、当社グループへの影響を最小限に留めるため、レピュテーショナルリスクにかかる問題・事象の状況把握に努め、誤りや不正確な情報については的確に是正し、誹謗中傷等に対しては、適切な対処を講じる等、リスクの未然防止及び極小化を図る広報・IR活動体制をとっております。
<会計・税務リスク>会計・税務リスクとは、会計又は税務における基準・法令諸規則等に照らし適正な会計処理・開示、又は適正な税務申告・納付が行われないリスク、及びそれらに伴い損失を被るリスクです。
当社グループでは、財務報告に係る内部統制に関する基本規程に則り、財務報告に係る内部統制の整備及び運用並びに改善を図ることで会計リスクの削減に努めております。
また、主要なグループ会社に対して税務リスク管理として報告が必要な事項を通知し、適時に受領することで、当社グループ全体の税務リスク管理態勢及びリスク状況を適切に把握し、税務リスクを削減することに努めております。
⑥ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、会社法第459条に基づき、剰余金の配当等同条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款で定めております。これは、剰余金の配当等に関する事項の決定を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役を選任する株主総会決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会を円滑に運営するため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
⑨ 取締役及び執行役の責任免除
当社は、取締役及び執行役が職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、会社法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む)及び執行役(執行役であった者を含む)の責任を、法令の限度において免除することができる旨を定款に定めております。
⑩ 社外取締役の責任限定契約
当社は、各社外取締役との間で、会社法第423条第1項の責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、金1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額となります。
⑪ 取締役との間で締結している補償契約の内容の概要
当社は、取締役である佐藤英二との間で、会社法第430条の2第1項の規定に基づき、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償する(但し、当該取締役に悪意又は重過失がある場合を除く)補償契約を締結しております。
⑫ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社及び重要なグループ会社の役員及び執行役員を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者の職務の執行(不行為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が負担することになる損害賠償金及び争訟費用等の損害を当該保険契約により補償することとしております。但し、被保険者による犯罪行為や意図的な違法行為に起因する損害は補償の対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正が損なわれないように措置を講じております。
⑬ 種類株式
当社は、2014年6月26日開催の定時株主総会において、国内外の法規制改正の流れを受け、新たに整備された「金融機関の秩序ある処理の枠組み」への対応を行うために、第1種優先株式、第2種優先株式及び第3種優先株式の発行を可能とする定款変更を決議しておりますが、有価証券報告書提出日現在、優先株式の発行は行っておりません。第1種優先株式、第2種優先株式及び第3種優先株式は、剰余金の配当及び残余財産の分配について普通株式に優先する等の株式の内容を有しており、法令に別段の定めがある場合を除き、当該優先株式の株主は株主総会において議決権を有していません。ただし、優先配当金が発行条件通り支払われない場合には、配当の支払いが再開されるまで議決権が発生することとなります。第1種優先株式及び第2種優先株式の株主は、普通株式を対価とする取得請求権を有しています。当社は、取得請求期間中に取得請求のなかった第1種優先株式及び第2種優先株式の全部を、普通株式を対価として取得します。また、当社は、一定の場合に、金銭を対価として第1種優先株式及び第3種優先株式を取得できることを定めています。さらに、当社は、各優先株式について定める一定の事由が生じた場合に、普通株式を対価として又は無償で、各当該優先株式の全部を取得することを定めています。
⑭ 健康経営の推進
当社グループは、企業理念に「人材の重視」を掲げています。競争力の源泉は人材であるとの考えにもとづき、将来にわたって、社員のウェルビーイング(注)向上により生産性を高め、組織として高いパフォーマンスを発揮し続けることを目指し、社員の健康保持・増進(健康経営)の推進に戦略的に取り組んでいます。毎年、グループ全役職員の健康状態を分析した「健康白書」を作成し、人事担当役員である最高健康責任者(CHO)が主催して定期的に開催する「健康経営推進会議」では、グループ各社の役員も出席して、健康経営を推進する上での課題認識、取組みの検証・共有を行い、健康経営のPDCAを回しています。2025年度も女性の健康施策をはじめ様々な取り組みを実施しており、当社グループは、経済産業省が東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組む上場企業を選定する「健康経営銘柄」に2026年3月に選定されました。2015年の制度開始以来、11回目の選定となります。
(注)ウェルビーイング(Well-being):身体的・精神的・社会的に良好な状態。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。