有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 11:10
【資料】
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【項目】
138項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢・市場動向
当年度の我が国の景気は、緩やかな回復基調が続きました。2025年度前半には、米国関税政策の影響により輸出が悪化する局面もみられましたが、夏場に関税交渉が妥結し、海外経済が徐々に持ち直す中で、景気の回復基調は継続しました。物価上昇が続いたものの、名目賃金の上昇や雇用者数増加などを背景に、家計の実質所得は緩やかな伸びを維持し、個人消費は底堅く推移しました。このような環境の下、企業収益は拡大基調にあり、企業の設備投資意欲が強い状況は変わらず、設備投資は増加基調となりました。
株式市場では、米国関税政策を巡る不確実性の後退や、高市内閣の発足を受けた産業政策への期待感などを背景に、日経平均株価は上昇基調を継続しました。2026年2月には、衆議院選挙における政権与党の勝利を受け、取引時間中に一時59,000円台を付けました。一方、3月に入ると中東情勢悪化に伴う原油価格上昇への警戒感や、短期間での株価上昇に対する反動から売りが優勢となる場面もみられ、3月末は51,063円で取引を終えました。
債券市場では、米国関税政策を背景とした先行き不透明感から長期金利が一時的に低下したものの、米国政府の一部相互関税の停止などを受け、不確実性が後退する中で、長期金利は上昇基調を継続しました。10月に高市内閣が発足した後は、「責任ある積極財政」や「高圧経済」に対する警戒感を背景に、長期金利の上昇が加速し、日銀は12月に政策金利の引き上げを実施しました。その後、衆院選挙後には長期金利の上昇が一服する場面もありましたが、中東情勢の緊迫化や原油価格の上昇を背景に長期金利は再び上昇しました。
(2) 経営方針
当社グループを含むMUFGグループは、2021年4月1日に経営ビジョンを改定し、「MUFG Way」へと改称しました。「MUFG Way」では、環境・社会課題解決とMUFGの経営戦略の一体化を進める中、社会における「存在意義(Purpose)」を明確化しました。「世界が進むチカラになる。」は、「社会やお客さまなどのステークホルダーが次に、前に進むために、MUFGグループが『チカラになりたい』」との思いを込めたものです。
当社グループは、MUFGグループ全体で共有する「MUFG Way」に基づき、お客さまに最適なソリューションをご提供するとともに、リスク管理、コンプライアンス、情報管理を徹底し、ステークホルダーのご期待に応え続けていきます。そして、「クオリティNo.1・お客さま満足度No.1の証券会社」としての地位を確立していくことをめざします。
[Purpose(存在意義)] 世界が進むチカラになる。
[Values(共有すべき価値観)] 1.「信頼・信用」
2.「プロフェッショナリズムとチームワーク」
3.「挑戦とスピード」
[Vision(中長期的にめざす姿)]世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ

(3) 対処すべき課題
当社グループは、MUFGグループの有する本邦最大級の顧客基盤、ネットワークおよび強固な財務基盤と、Morgan Stanley(以下「モルガン・スタンレー」といいます。)が有する高付加価値の商品・サービスおよびグローバルな情報力を有機的に融合させることで、法人・個人のお客さまに対し、質の高い証券サービスを提供してまいりました。
2024年度より開始した中期経営計画は本年度で2年目を迎え、『クオリティNo.1・お客さま満足度No.1』の実現に向けた各種施策を着実に推進いたしました。国内事業を中心に収益力の強化と基盤整備が進展し、中期的な財務目標の達成に向けた確かな進捗を示しております。一方で、来年度に控える最終年度を見据え、収益構造の高度化と競争力強化が引き続き重要な課題となっています。
また、政府が掲げる資産運用立国の実現に向け、直接金融の担い手としての役割と責任を強く認識し、健全かつ活力ある金融市場の発展に寄与してまいります。
業務別の重点課題、取り組みは以下のとおりです。
① 業務別の課題
・ウェルス&ミドルマーケット領域では、最先端のウェルスマネジメントサービスの提供を目指し、運用目的に応じたマルチアカウントの活用や、残高連動・投資一任サービス等のストック型ソリューションの拡充を進めました。加えて、オンライン・リモートチャネルにおいては、三菱UFJeスマート証券株式会社との連携を深化させ、幅広いお客さまに対して利便性と付加価値を両立したサービス提供体制を整備しました。
・市場商品領域では、日本国債を中心としたフィクストインカム領域における競争優位性を維持・強化するとともに、デリバティブ、クレジット、ファイナンシング等の分野において収益源の多様化を推進しました。市場環境の変化に柔軟に対応しながら、安定的かつ持続的な収益基盤の構築に取り組んでおります。
・投資銀行領域においては、国内においてはMUFGグループの顧客基盤とモルガン・スタンレーのグローバルな商品力、情報力を最大限に活かし、エクイティ、債券の引受業務およびM&Aアドバイザリー業務においてお客さまの高度化・多様化するニーズに対応した質の高いソリューションを提供してまいります。
・海外領域においては、昨年度まで継続して取り組んできた海外証券事業のグループ内再編が、2025年10月1日をもって完了し、海外ホールセール事業は新たな運営フェーズに入りました。これにより、海外証券現地法人は株式会社三菱UFJ銀行傘下に統合され、銀行・証券の枠組みに捉われない一体運営の基盤が整備されています。再編完了により、ガバナンス・経営管理の枠組みは一本化されましたが、今年度はこれを実務・現場レベルで確実に機能させる段階に入ります。
また、MUFGグループの一員として、社会に対して負う金融機関の責任を常に高く意識するとともに、G-SIFIsに相応しいグローバル業務運営を担保するガバナンス態勢の定着と進化を目指し、以下の重点課題にも取り組んでまいります。
② 経営管理上の課題
・MUFGグループでは、経営活動を遂行するに際しての基本的な姿勢・活動指針として「MUFG Way」を公表しております。また「MUFG Way」の下に、役職員の具体的な判断基準・行動基準を示す「グループ行動規範」を定めております。当社グループにおいても、本行動規範の社内への一層の浸透を図ることで、社員一人ひとりが「正しい行動」を実践し、信頼されるグローバル金融機関としての責務を果たしてまいります。
・資産運用分野における商品・サービスのさらなる強化に取り組み、その取り組みを定期的に公表・見直しをするなど、お客さま本位の業務運営を徹底してまいります。
・近年、証券業界全体において、証券口座を狙ったフィッシング詐欺や不正アクセス事案が社会問題化しており、当社グループにおいても重要な経営リスクの一つとして認識しております。これを受け、当社グループは経営陣主導のもと全社横断的な対応体制を構築し、迅速かつ実効性の高い対策を推進してまいりました。具体的には、フロント部門、システム部門、コンプライアンス・法務部門等が連携する対応体制を整備し、被害抑止、早期検知、被害拡大防止、およびお客さま対応の高度化に取り組みました。被害が判明したお客さまに対しては、適切な補償対応およびフォローアップを実施し、顧客保護に万全を期しております。また、技術的対策としては、フィッシング耐性の高い認証方式の導入を進め、ログイン時の認証強化や不正アクセス検知・モニタリング機能の高度化を段階的に実施しました。さらに、偽サイトやSNS等を用いた詐欺行為への対応として、外部専門機関との連携による検知・テイクダウン体制の強化、業界団体や関係当局との情報共有を通じた連携対応にも注力しております。
・コンプライアンス分野において、2線機能の一部を1線に移管することで、1線のリスク・オーナーシップを強化するなど取り組みを徹底しております。
・また、「顧客本位の業務運営に関する原則」に基づく対応を重要テーマの一つとして位置づけ、その態勢整備に努めてまいりました。お客さまへの適切な勧誘販売態勢の整備はもちろん、高いレベルの倫理基準に適った業務遂行を目指し、コンプライアンス態勢の一層の強化に取り組んでまいります。
・加えて、システム投資案件に関するITガバナンス強化も課題と認識し、開発フェーズに応じた全社ベースの牽制枠組みの構築、大規模案件に対する内部監査・外部監査の実施等を通じて、適切な投資案件管理に取り組んでまいります。

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