有価証券報告書-第108期(2024/04/01-2025/03/31)
②戦略
・当社は、MS&ADインシュアランスグループの重点課題を踏まえ、中期経営計画(2022-2025)において「地球環境との共生(Planetary Health)」「革新的テクノロジー(Innovative Technology)」「強靭性・回復力(Resilience)」「包摂的社会(Social Inclusion)」の4つを、当社が取り組むべき主な社会課題と位置づけております。
・解決が求められている様々な社会課題は、当社の事業活動へのリスクとなる一方で、これらの課題解決につながる商品・サービスの提供を通じて社会との共通価値を創造する取組みは新たな事業機会となり得ます。
・当社は、このようなリスクと機会を踏まえ、社会との共通価値を創造するCSV取組みを進めております。
・当社では、経営が管理すべき重要なリスク事象を「重要リスク」として選定し、重要リスク管理取組計画を策定した上で、リスク対策の実行や各リスクの状況を定期的にモニタリングしております。各重要リスクについて「主な想定シナリオ」を策定しており、この策定においては「気候変動」に留意しております。当社のリスク管理については、第2 事業の状況・3 事業等のリスクを参照ください。
a.地球環境との共生(Planetary Health)
(a) 気候・自然関連のリスク及び機会
・気候変動の進行は、自然災害の激甚化や気象条件の物理的な変化をもたらすほか、脱炭素社会への移行過程で社会や経済の急激な変化をもたらします。保険ビジネスの存続を左右するリスクであり、当社が最優先で取り組むべき課題であります。
・また、自然資本の毀損・枯渇は、気候変動の進行と同様に、脱炭素社会への移行過程で当社の事業活動に影響を与えるリスクであり、当社が取り組むべき重要な課題であります。
・気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、「TCFD」という。)と自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、「TNFD」という。)は、気候関連・自然関連のリスクを物理的リスクと移行リスクの2つに分類しており、これに基づき当社事業におけるリスクを特定しております。
・一方で、脱炭素社会への移行による社会や経済の変化やネイチャーポジティブな社会の実現は、新たな保険商品・サービスの需要の喚起や、新しい産業の勃興、技術革新に伴う顧客企業の業績向上など、MS&ADインシュアランスグループの成長につながる機会をもたらすと考えております。
イ.物理的リスク
MS&ADインシュアランスグループでは、台風や豪雨による風水災のほか、森林火災や雹災など、気候変動に関連する自然災害リスクの増大が既に保険引受において財務的影響をおよぼしております。また、気候だけでなく水資源の枯渇など自然資本関連の様々なリスクによる影響が、社会や事業活動において中長期的に高まっていくと想定されます。
注:時間軸については、短期:2025年(中期経営計画期間末)、中期:2030年(中間目標のターゲットイヤー)、長期:2050年を想定しております。
ロ.移行リスク
MS&ADインシュアランスグループでは、ネットゼロやネイチャーポジティブな社会への移行にあたり、社会の様々な分野での急激な変化による企業活動のリスク(移行リスク)は保険引受や資産運用の収益低下につながる可能性があると考えております。ただ、保険引受では、一部商品を除き、移行リスクを直接補償している保険商品はほとんどないため、影響は限定的と考えております。技術革新や法規制の導入は、保険提供の新たな機会にもなりますが、こうしたニーズに対応できない場合はリスクにもなる可能性があります。
[シナリオ分析]
MS&ADインシュアランスグループでは、物理的リスクと移行リスクについて、それぞれシナリオ分析を実施しております。シナリオ分析に関する詳細の内容は、MS&ADホールディングスの「MS&ADグリーンレジリエンスレポート2024」を参照ください。
https://www.ms-ad-hd.com/ja/csr/main/05/teaserItems1/01/link/greenresiliencereport2024.pdf
ハ.気候・自然関連の機会
MS&ADインシュアランスグループでは、特定した気候・自然関連の物理的リスク、移行リスクを踏まえ、リスクそのものの発生を抑制するとともに、リスクを引き起こす要因となる社会課題の解決に力を注いでおります。

(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
・脱炭素化への移行を支援するとともに、気候変動の影響を最小化、生物多様性の喪失等の自然資本の保全・回復に向けた取組みを進めております。
・2050年ネットゼロの実現に向け、商品・サービスの提供や投融資等を通じ、気候変動リスクを低減する新しい技術の発展や脱炭素社会への移行を支える取組みを進めるとともに、財務の健全性・収益の安定性を確保しつつ、台風や洪水等の自然災害によって生じた損害に対して保険金をお支払いすることで、レジリエントでサステナブルな社会を支えております。
・主な取組みは次のとおりであります。
イ.気候変動への対応、自然資本・生物多様性の保全・回復に資する商品・サービスの提供
・お客さまの脱炭素化支援や、自然資本・生物多様性の保全・回復に資する商品・サービスの開発・提供に取り組んでおります。
ロ.脱炭素化につながる投融資の実行や、気候変動に対応した対話の実施
・投資や融資を通じて、温室効果ガスを削減する技術開発に挑戦する企業を支えるとともに、建設的な対話を通じて、投融資先・保険引受先企業とともに脱炭素社会への移行に取り組んでおります。
ハ.自社事業の温室効果ガス排出量削減取組
・社員によるガソリン、電力、紙の使用量削減取組に加え、照明のLED化や空調設備の更新により、ソフト面・ハード面両方のアプローチで当社事業の温室効果ガス排出量削減を進めております。
ニ.官民連携の自然災害補償スキームへの参画による新興国の復興支援
・新興国の自然災害リスク軽減や災害後の早期復興の支援により、プロテクションギャップ縮小に取り組んでおります。
b. 革新的テクノロジー(Innovative Technology)
(a) リスク及び機会
・革新的テクノロジーはイノベーションの進展や産業構造の変化を引き起こすとともに、サイバーリスクによる情報インフラの機能停止など、新たなリスクへの対処に取り組むべき課題であります。
・社会のIoT化・5G化や自動車のコネクティッド化の進展によるサイバーリスクの増加や、AI、宇宙開発、拡張・仮想現実などでの新たなリスクの発現への対処は、当社事業におけるリスクでもあり機会でもあると考えております。
(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
イ.サイバーセキュリティ・ソリューションの開発
・株式会社三井住友フィナンシャルグループ、サイリーグホールディングス株式会社、イー・ガーディアン株式会社と共に、2025年2月合弁会社「SMBC サイバーフロント株式会社」を設立し、国内の中堅・中小企業を対象にサイバーセキュリティ対策を支援してまいります。
ロ.AIを活用した新サービスの開発・提供
・運送事業者向け安全運転ソリューションや、交通事故発生リスクの可視化サービスなど、AIを活用した新サービスを開発・提供しております。
ハ.宇宙マーケットへの取組強化
・宇宙旅行保険事業の開始や、月への航行・着陸を補償する「月保険」の開発など、宇宙マーケットの取組みを強化しております。
c. 強靭性・回復力(Resilience)
(a) リスク及び機会
・社会インフラの老朽化や多発・激甚化する自然災害によるサプライチェーンの寸断は、当社事業におけるリスクとなる一方で、被害の予知、防災・減災サービスは新たな機会にもつながると考えております。
・また、事故や災害からの生活再建や復旧の支援は、レジリエントで包摂的な地域社会づくりに貢献するとともに、損害発生の未然防止につながると考えております。
(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
イ.ドラレコ・ロードマネージャー
・ドライブレコーダーの道路映像データとAI画像分析技術を組み合わせ、道路損傷箇所を自動的に検出し、自治体等による道路点検・管理業務を支援する「ドラレコ・ロードマネージャー」を提供しております。
ロ.雹(ひょう)災緊急アラート
・個人のお客さま向けに降雹の危険をお知らせする「雹(ひょう)災緊急アラート」を提供しております。個人向けの自動車保険や火災保険で登録されている契約者住所において降雹リスクが高まった際、事前アラートや防災につながるアドバイスをSMSで配信しております。
ハ.防災エコシステム(防災・BCP拠点、避難所等)の構築
・ステークホルダー(国・自治体・企業等)との共創により地域防災力向上に取り組んでおります。佐川急便株式会社とは共同で、自治体・企業向けに、物資拠点のリスクを可視化・分析し、災害対応力の向上を支援する発災前の防災対策ソリューションを開発・提供しております。
ニ.罹災証明書発行手続き支援サービス
・水災時に当社が入手する損害調査情報を、お客さまの同意のもと自治体に提供することで、罹災証明書の発行を迅速にするサービスを行っており、全国の自治体で導入を拡大しております。
d. 包摂的社会(Social Inclusion)
(a) リスク及び機会
・少子高齢化や人口減少、地方の過疎化などの進行による国内市場の中長期的縮小は、当社事業においてマーケットや収益の縮小につながるリスクとなる一方で、自治体や地域企業、大学等と連携した地方創生取組や「多様な人々の幸福(Well-being)」を支える商品・サービスの提供は当社事業における機会になると考えております。
・また、企業による人権侵害リスクやジェンダー等に関する不平等・不公正は当社事業におけるリスクとなる一方で、人権デュー・ディリジェンスの推進・支援や、女性、高齢者、障がい者、セクシュアルマイノリティ等のお客さまを考慮した取組みの推進は、当社事業の中期的な成長実現につながる機会と考えております。
(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
イ.SDGs推進を通じた地方創生取組
・自治体や地域金融機関、商工団体等と連携し、地域企業のSDGs支援や災害対策支援の提供等、地方創生に資する取組みを推進し、多様化する地域課題の解決や地域の活性化に貢献しております。
ロ.凍結卵子専用保険
・卵子凍結保管には高額な費用がかかること、凍結卵子への偶発的な事故は保険では補償されないこと等の課題を踏まえ、卵子凍結保管の専用保険の開発・提供を開始し、女性活躍推進や少子化等の社会課題の解決に貢献しております。
ハ.人権尊重の推進
・MS&ADインシュアランスグループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に依拠した、人権尊重のマネジメントシステムである人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、幅広いステークホルダーとの対話をとおして得られた意見を反映しております。
・MS&ADインシュアランスグループ人権基本方針の下にカスタマーハラスメントに関する規定・マニュアルを整備し、MS&ADインシュアランスグループの国内規定体系を統一しました。これに基づき、社員の人権を守るため毅然とした姿勢で取り組んで行くことを公表するとともに、社員への理解浸透を促す研修を実施しております。
・MS&ADインシュアランスグループのバリュー・チェーンとステークホルダーから人権リスクの発生する接点を整理し直し、これまでの3つの重点課題の枠組みはそのままに、具体的かつ的確な対応ができるよう、「公平・公正なお客さま対応」、「代理店・委託先、保険引受先・投融資先における人権対応の考慮」、「社員の心身の健康への配慮と安心安全な職場環境の実現」に名称変更しました。
・海外拠点では、国・地域によって抱える課題が異なるため、海外拠点向けアンケート結果をもとに、各国の人権リスク対応状況を確認した上で、予防・改善策やモニタリング方法を定めて人権尊重取組を推進しております。
・従来から対策を進めている人権リスクに加えて、LGBTQのお客さまへの対応、テクノロジー・AIに関する人権侵害への対応、外部委託先・代理店の人権課題に対する認識度の引上げ・人権尊重取組推進の支援に取り組み、継続的に防止・軽減に努めております。
・人権課題の救済については、自社社員を対象とした内部通報制度の継続整備に加え、外部委託先向けの第三者プラットフォームを活用した救済窓口を開設し、利用対象を全保険代理店に拡大しております。
・当社は、MS&ADインシュアランスグループの重点課題を踏まえ、中期経営計画(2022-2025)において「地球環境との共生(Planetary Health)」「革新的テクノロジー(Innovative Technology)」「強靭性・回復力(Resilience)」「包摂的社会(Social Inclusion)」の4つを、当社が取り組むべき主な社会課題と位置づけております。
・解決が求められている様々な社会課題は、当社の事業活動へのリスクとなる一方で、これらの課題解決につながる商品・サービスの提供を通じて社会との共通価値を創造する取組みは新たな事業機会となり得ます。
・当社は、このようなリスクと機会を踏まえ、社会との共通価値を創造するCSV取組みを進めております。
・当社では、経営が管理すべき重要なリスク事象を「重要リスク」として選定し、重要リスク管理取組計画を策定した上で、リスク対策の実行や各リスクの状況を定期的にモニタリングしております。各重要リスクについて「主な想定シナリオ」を策定しており、この策定においては「気候変動」に留意しております。当社のリスク管理については、第2 事業の状況・3 事業等のリスクを参照ください。
a.地球環境との共生(Planetary Health)
(a) 気候・自然関連のリスク及び機会
・気候変動の進行は、自然災害の激甚化や気象条件の物理的な変化をもたらすほか、脱炭素社会への移行過程で社会や経済の急激な変化をもたらします。保険ビジネスの存続を左右するリスクであり、当社が最優先で取り組むべき課題であります。
・また、自然資本の毀損・枯渇は、気候変動の進行と同様に、脱炭素社会への移行過程で当社の事業活動に影響を与えるリスクであり、当社が取り組むべき重要な課題であります。
・気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、「TCFD」という。)と自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、「TNFD」という。)は、気候関連・自然関連のリスクを物理的リスクと移行リスクの2つに分類しており、これに基づき当社事業におけるリスクを特定しております。
・一方で、脱炭素社会への移行による社会や経済の変化やネイチャーポジティブな社会の実現は、新たな保険商品・サービスの需要の喚起や、新しい産業の勃興、技術革新に伴う顧客企業の業績向上など、MS&ADインシュアランスグループの成長につながる機会をもたらすと考えております。
イ.物理的リスク
MS&ADインシュアランスグループでは、台風や豪雨による風水災のほか、森林火災や雹災など、気候変動に関連する自然災害リスクの増大が既に保険引受において財務的影響をおよぼしております。また、気候だけでなく水資源の枯渇など自然資本関連の様々なリスクによる影響が、社会や事業活動において中長期的に高まっていくと想定されます。
注:時間軸については、短期:2025年(中期経営計画期間末)、中期:2030年(中間目標のターゲットイヤー)、長期:2050年を想定しております。ロ.移行リスク
MS&ADインシュアランスグループでは、ネットゼロやネイチャーポジティブな社会への移行にあたり、社会の様々な分野での急激な変化による企業活動のリスク(移行リスク)は保険引受や資産運用の収益低下につながる可能性があると考えております。ただ、保険引受では、一部商品を除き、移行リスクを直接補償している保険商品はほとんどないため、影響は限定的と考えております。技術革新や法規制の導入は、保険提供の新たな機会にもなりますが、こうしたニーズに対応できない場合はリスクにもなる可能性があります。
[シナリオ分析]MS&ADインシュアランスグループでは、物理的リスクと移行リスクについて、それぞれシナリオ分析を実施しております。シナリオ分析に関する詳細の内容は、MS&ADホールディングスの「MS&ADグリーンレジリエンスレポート2024」を参照ください。
https://www.ms-ad-hd.com/ja/csr/main/05/teaserItems1/01/link/greenresiliencereport2024.pdf
ハ.気候・自然関連の機会
MS&ADインシュアランスグループでは、特定した気候・自然関連の物理的リスク、移行リスクを踏まえ、リスクそのものの発生を抑制するとともに、リスクを引き起こす要因となる社会課題の解決に力を注いでおります。

(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
・脱炭素化への移行を支援するとともに、気候変動の影響を最小化、生物多様性の喪失等の自然資本の保全・回復に向けた取組みを進めております。
・2050年ネットゼロの実現に向け、商品・サービスの提供や投融資等を通じ、気候変動リスクを低減する新しい技術の発展や脱炭素社会への移行を支える取組みを進めるとともに、財務の健全性・収益の安定性を確保しつつ、台風や洪水等の自然災害によって生じた損害に対して保険金をお支払いすることで、レジリエントでサステナブルな社会を支えております。
・主な取組みは次のとおりであります。
イ.気候変動への対応、自然資本・生物多様性の保全・回復に資する商品・サービスの提供
・お客さまの脱炭素化支援や、自然資本・生物多様性の保全・回復に資する商品・サービスの開発・提供に取り組んでおります。
ロ.脱炭素化につながる投融資の実行や、気候変動に対応した対話の実施
・投資や融資を通じて、温室効果ガスを削減する技術開発に挑戦する企業を支えるとともに、建設的な対話を通じて、投融資先・保険引受先企業とともに脱炭素社会への移行に取り組んでおります。
ハ.自社事業の温室効果ガス排出量削減取組
・社員によるガソリン、電力、紙の使用量削減取組に加え、照明のLED化や空調設備の更新により、ソフト面・ハード面両方のアプローチで当社事業の温室効果ガス排出量削減を進めております。
ニ.官民連携の自然災害補償スキームへの参画による新興国の復興支援
・新興国の自然災害リスク軽減や災害後の早期復興の支援により、プロテクションギャップ縮小に取り組んでおります。
b. 革新的テクノロジー(Innovative Technology)
(a) リスク及び機会
・革新的テクノロジーはイノベーションの進展や産業構造の変化を引き起こすとともに、サイバーリスクによる情報インフラの機能停止など、新たなリスクへの対処に取り組むべき課題であります。
・社会のIoT化・5G化や自動車のコネクティッド化の進展によるサイバーリスクの増加や、AI、宇宙開発、拡張・仮想現実などでの新たなリスクの発現への対処は、当社事業におけるリスクでもあり機会でもあると考えております。
(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
イ.サイバーセキュリティ・ソリューションの開発
・株式会社三井住友フィナンシャルグループ、サイリーグホールディングス株式会社、イー・ガーディアン株式会社と共に、2025年2月合弁会社「SMBC サイバーフロント株式会社」を設立し、国内の中堅・中小企業を対象にサイバーセキュリティ対策を支援してまいります。
ロ.AIを活用した新サービスの開発・提供
・運送事業者向け安全運転ソリューションや、交通事故発生リスクの可視化サービスなど、AIを活用した新サービスを開発・提供しております。
ハ.宇宙マーケットへの取組強化
・宇宙旅行保険事業の開始や、月への航行・着陸を補償する「月保険」の開発など、宇宙マーケットの取組みを強化しております。
c. 強靭性・回復力(Resilience)
(a) リスク及び機会
・社会インフラの老朽化や多発・激甚化する自然災害によるサプライチェーンの寸断は、当社事業におけるリスクとなる一方で、被害の予知、防災・減災サービスは新たな機会にもつながると考えております。
・また、事故や災害からの生活再建や復旧の支援は、レジリエントで包摂的な地域社会づくりに貢献するとともに、損害発生の未然防止につながると考えております。
(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
イ.ドラレコ・ロードマネージャー
・ドライブレコーダーの道路映像データとAI画像分析技術を組み合わせ、道路損傷箇所を自動的に検出し、自治体等による道路点検・管理業務を支援する「ドラレコ・ロードマネージャー」を提供しております。
ロ.雹(ひょう)災緊急アラート
・個人のお客さま向けに降雹の危険をお知らせする「雹(ひょう)災緊急アラート」を提供しております。個人向けの自動車保険や火災保険で登録されている契約者住所において降雹リスクが高まった際、事前アラートや防災につながるアドバイスをSMSで配信しております。
ハ.防災エコシステム(防災・BCP拠点、避難所等)の構築
・ステークホルダー(国・自治体・企業等)との共創により地域防災力向上に取り組んでおります。佐川急便株式会社とは共同で、自治体・企業向けに、物資拠点のリスクを可視化・分析し、災害対応力の向上を支援する発災前の防災対策ソリューションを開発・提供しております。
ニ.罹災証明書発行手続き支援サービス
・水災時に当社が入手する損害調査情報を、お客さまの同意のもと自治体に提供することで、罹災証明書の発行を迅速にするサービスを行っており、全国の自治体で導入を拡大しております。
d. 包摂的社会(Social Inclusion)
(a) リスク及び機会
・少子高齢化や人口減少、地方の過疎化などの進行による国内市場の中長期的縮小は、当社事業においてマーケットや収益の縮小につながるリスクとなる一方で、自治体や地域企業、大学等と連携した地方創生取組や「多様な人々の幸福(Well-being)」を支える商品・サービスの提供は当社事業における機会になると考えております。
・また、企業による人権侵害リスクやジェンダー等に関する不平等・不公正は当社事業におけるリスクとなる一方で、人権デュー・ディリジェンスの推進・支援や、女性、高齢者、障がい者、セクシュアルマイノリティ等のお客さまを考慮した取組みの推進は、当社事業の中期的な成長実現につながる機会と考えております。
(b) リスクと機会を踏まえた当社の取組み
イ.SDGs推進を通じた地方創生取組
・自治体や地域金融機関、商工団体等と連携し、地域企業のSDGs支援や災害対策支援の提供等、地方創生に資する取組みを推進し、多様化する地域課題の解決や地域の活性化に貢献しております。
ロ.凍結卵子専用保険
・卵子凍結保管には高額な費用がかかること、凍結卵子への偶発的な事故は保険では補償されないこと等の課題を踏まえ、卵子凍結保管の専用保険の開発・提供を開始し、女性活躍推進や少子化等の社会課題の解決に貢献しております。
ハ.人権尊重の推進
・MS&ADインシュアランスグループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に依拠した、人権尊重のマネジメントシステムである人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、幅広いステークホルダーとの対話をとおして得られた意見を反映しております。
・MS&ADインシュアランスグループ人権基本方針の下にカスタマーハラスメントに関する規定・マニュアルを整備し、MS&ADインシュアランスグループの国内規定体系を統一しました。これに基づき、社員の人権を守るため毅然とした姿勢で取り組んで行くことを公表するとともに、社員への理解浸透を促す研修を実施しております。
・MS&ADインシュアランスグループのバリュー・チェーンとステークホルダーから人権リスクの発生する接点を整理し直し、これまでの3つの重点課題の枠組みはそのままに、具体的かつ的確な対応ができるよう、「公平・公正なお客さま対応」、「代理店・委託先、保険引受先・投融資先における人権対応の考慮」、「社員の心身の健康への配慮と安心安全な職場環境の実現」に名称変更しました。
・海外拠点では、国・地域によって抱える課題が異なるため、海外拠点向けアンケート結果をもとに、各国の人権リスク対応状況を確認した上で、予防・改善策やモニタリング方法を定めて人権尊重取組を推進しております。
・従来から対策を進めている人権リスクに加えて、LGBTQのお客さまへの対応、テクノロジー・AIに関する人権侵害への対応、外部委託先・代理店の人権課題に対する認識度の引上げ・人権尊重取組推進の支援に取り組み、継続的に防止・軽減に努めております。
・人権課題の救済については、自社社員を対象とした内部通報制度の継続整備に加え、外部委託先向けの第三者プラットフォームを活用した救済窓口を開設し、利用対象を全保険代理店に拡大しております。