有価証券報告書-第101期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/25 16:50
【資料】
PDFをみる
【項目】
139項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の業績及び財政状況に関して投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 資産運用に関するリスク
当社は、有価証券や貸付金、不動産等の様々な運用資産(オフバランス資産を含む)を保有しておりますが、経済環境や金融市場の悪化等により、資産又は負債の価値が変化することで、当社の業績に影響が生じるリスクを内包しており、主に以下のようなリスクがあります。
① 株価下落リスク
取引先との中長期的な関係維持の観点等から大量の株式を保有しておりますが、株式相場が下落した場合に、資産価値の減少や評価損、売却損が発生する可能性があります。
② 金利変動リスク
保有している債券や貸付金等の固定金利資産については、金利が上昇した場合に、資産価値が減少する可能性があります。
③ 為替変動リスク
米ドル等の外貨建て資産及び負債を保有しておりますが、為替変動の影響によりこれらの価値が変化する可能性があります。
④ 信用リスク
保有している株式や社債、貸付金、信用・保証保険契約等の資産については、株式・社債の発行者若しくは貸付先等の信用力の低下若しくは破綻又は信用市場の混乱によって、資産価値の減少や元本・利息の回収不能等が生じる可能性があります。
(2) 国内外の自然災害による多額の保険金支払のリスク
台風や地震等の自然災害による損害は時に巨額になることがあり、また、気候変動等の影響により世界的に自然災害が増加・大型化し、予測を超える巨大な自然災害による損害が発生する可能性があります。当社は、再保険の利用や異常危険準備金の積立によって自然災害による損害に対する保険金の支出に備えておりますが、これらの保険金の支払が多額に及ぶことにより当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(3) 流動性リスク
自然災害による支払保険金の増加等により、当社の資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があります。また、市場の混乱等により、通常より著しく不利な価格での取引を余儀なくされる可能性があります。これらの取引により、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(4) 再保険取引に関するリスク
当社は、保険契約によって引き受けた保険責任を分散し、収益を安定させる目的で再保険を利用しておりますが、再保険市場の状況変化により、十分な再保険手配ができずにリスクの分散が図られず保険引受能力が低下するリスクがあります。また、再保険料が高騰したり、再保険会社の破綻等により再保険金の回収ができなくなることにより、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(5) 経済環境・社会環境等の予期せぬ変化により損失が発生するリスク
保険会社は、予め将来発生するであろう損害を予測して保険料の水準を設定しますが、実際に発生する損害額が予測を上回る可能性があります。特に保険期間が長期にわたる場合には、当初想定した環境・条件等が大きく変動し、予期せぬ損害が発生する可能性があり、その結果、保険契約準備金の積増が必要になる等、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(6) 損害保険業界の競争に関するリスク
規制緩和の進展により、外国保険会社や異業種企業による損害保険業への新規参入や料率水準の低下等の影響を受け、当社を取り巻く環境は厳しくなっておりますが、更なる規制緩和や新規参入者の増加、新たな技術の出現、保険市場の縮小等により競争が一層激化し、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(7) 海外事業に関するリスク
当社は、M&A戦略に基づく事業領域の拡大を含めて、アジア・欧州・米州等において支店や子会社等を通じて積極的に海外事業を展開しておりますが、これらの国々における予期せぬ政治・経済・社会環境の変化や諸規制の変更、為替の変動、政治的・社会的混乱、自然災害、伝染病の発生等により、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(8) 関連事業に関するリスク
当社は、アセットマネジメント事業、金融保証事業、401k事業、ART事業、個人融資関連事業及びベンチャー・キャピタル事業等の金融サービス事業並びにリスク関連サービス事業といった保険事業以外の事業進展も図っております。これらの事業を展開している各市場において、想定を超えた環境変化等により競争が一層激化し、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(9) 情報漏洩等に関するリスク
当社は、個人情報を含む大量のお客さま情報及び当社を含む当社グループ会社各社の経営情報等の機密情報を保有しております。当社においては、情報管理態勢を整備し、厳重な管理を行っておりますが、万一、重大な漏洩等が発生した場合にはお客さまの信頼や社会的信用の低下、賠償金の支払等により、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(10) システムリスク
当社には、自然災害、事故、サイバー攻撃による不正アクセス又は情報システムの不備等により、情報システムの停止、誤作動若しくは不正使用又は情報漏洩等が発生するシステムリスクが存在します。また、事業収益性の更なる向上を実現するための大規模システム開発においては、予期せぬ事故等により開発作業の進捗遅延や開発予算の超過等が発生するリスクが存在します。当社は、システムリスク管理態勢の整備に努めておりますが、大規模な情報システムの停止、誤作動若しくは不正使用、情報漏洩又は大規模システム開発の進捗遅延・開発予算超過等が発生した場合には、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(11) 人事労務に関するリスク
当社は、優秀な人財の確保・育成に取り組んでおりますが、重大な人事・労務問題が発生し、社会的信用が著しく低下した場合には、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(12) 事業運営に関するリスク
当社は、事務ミス、法令違反、従業員による不正、外部の者による犯罪行為又は災害の発生等に関して、その発生の防止及び発生時の損害軽減に向け適切な管理に努めております。しかしながら、この取組みにもかかわらず、それらの事象に起因して、お客さまの信頼若しくは社会的信用を失った、業務の遂行を阻害された、又は監督当局から行政処分を受けた結果、事業運営に支障をきたし、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(13) 事業中断に関するリスク
当社は、首都直下地震等の自然災害又は新型インフルエンザ等の疾病の大流行等の不測の事故や事態に備え、事業継続計画の策定や危機管理態勢の整備により、事業中断期間を一定程度に抑え、事業を継続的に運営できる体制を整えておりますが、こうした危機管理にもかかわらず、当社の事業継続が阻害されたり、想定を超える影響を受けた場合には、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(14) 機能別再編に係るリスク
2013年9月27日、当社、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社及び三井住友海上あいおい生命保険株式会社は、MS&ADインシュアランスグループの持続的な成長と企業価値の向上等を目的として「機能別再編に関する合意書」を締結しました。機能別再編の実行においては、事務・システムトラブルやお客さま対応の不足などが生じないように万全の準備を整えるべくリスク管理態勢を整備しておりますが、このような態勢整備にもかかわらず不測の混乱等が生じることにより、期待される再編効果が十分に発揮されない場合には、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(15) 法令や諸制度の変更によるリスク
当社は、保険業法等法令による規制のもとで営業しており、また、会計・税務に係る関連諸法令及び諸基準に従って財務報告を行っております。今後これらの法令等が改正された場合、改正に伴う保険商品の販売方法若しくは商品内容の変更、又は保険契約準備金若しくは繰延税金資産等の見積方法若しくは会計処理の変更によって、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(16) 風評リスク
保険業界又は当社に対する風評が、マスコミ報道やインターネット上の書込等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に影響を与える可能性があります。当社は、風評の早期発見に努めるとともに、風評が発生した場合に適時適切に対応する態勢を整備することで、影響の極小化に努めておりますが、悪質な風評が流布した場合には、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。
(17) その他のリスク
国内外でのテロ、紛争若しくは暴動、国家間の軍事衝突又は過去に例を見ない大規模な事故・事件等、事前の予測が困難な偶発的な外的要因により、当社の業績に影響が生じるリスクがあります。