有価証券報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)
②戦略
a)人事戦略の全体像
<人的資本経営に関する考え方>“People’s Business”と呼ばれる保険事業を祖業とする東京海上グループは、創業以来、一貫して「人」を最も重要な資産と位置づけています。パーパスの実現に向けて挑戦を重ねる「人」の力を高めていくことが、企業としての成長の原動力、競争優位の源泉に繋がるとの考えのもと、社員一人ひとりを尊重し、そのポテンシャルを最大限に発揮できる環境を整えることをめざしています。
<経営戦略と連動した人事戦略>東京海上グループは、2035年にめざす姿を「お客様や社会の課題/リスクに対して“イノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー”」と設定し、その実現に向けて、下図の中期経営計画を掲げています。人事戦略は、当社の強みである「グループ基本戦略」を支え、中期経営計画の達成確度を高めるための基盤として、「グループ一体経営を支える“人材”の安定的・継続的な輩出」および「グループ一体経営を支える“企業文化”のさらなる浸透」を両軸として取組みを進めています。

経営戦略における重点施策ごとに人事面から対応すべき課題を特定し、人事施策を立案・実行しています。また、その進捗状況をモニタリングするための指標を設定し、各施策がめざす姿と現状とのギャップを明確にしながらPDCAを実施しています。
(注)1.DE&I:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
2.CVS:Culture & Values Survey(以下「CVS」といいます)
3.TLI:Tokio Marine Group Leadership Institute
4.MAP:Management Associate Program
(注)1.各年度末時点におけるCxO、Deputy CxO等のうち外国人の比率。
2.東京海上日動火災保険株式会社で採用し、当社に出向中の社員を含む。
3.エンゲージメントの状況やパーパスの浸透度等を測るCVSの関連項目にかかるスコア平均(5点満点)。CVSは、2024年度に質問項目を一部変更しています。
4.各年度初日時点、管理職以上(役員含む)に女性が占める割合。2024年度については、2024年4月の人事制度改定により新設した役職であるユニットリーダーを含む。
b)人材育成方針:グループ一体経営を支える“人材”
グループ一体経営を担う人材の安定的・継続的な輩出に向けて、グループ経営体制の強化と戦略整合的な人材ポートフォリオの構築に取り組み、経営戦略のめざす姿の実現に必要なケイパビリティを強化しています。
イ)グループ経営体制の強化
●多様な人材で構成された経営体制構築
海外子会社人材のグループ経営への積極登用等を通じたグループ横断での知見活用や、取締役会における女性比率の向上等を通じて、執行・監督の両面から経営判断の質を高めることをめざした体制構築に取り組んでいます。
●グループ経営人材の安定的・継続的な輩出
経営陣の強いコミットのもと、グループ経営人材候補の特定、能力開発、登用、配置を一体的に組み合わせた次世代人材育成プログラム「Tokio Marine Group Leadership Institute」を基軸にしています。多様なバックグラウンドをもつ参加者たちが、自社や自国市場の枠を超えて東京海上グループのパーパスのもとに団結し、経営課題に対する高い視座や解決アプローチを身につける独自のプログラムです。
<タレントマネジメント>CEOを含む経営陣が参加し、年3回のタレントマネジメント会議を開催しています。グループ横断のタレントプールに約300名の候補者を選定し、ストレッチアサインメントやグローバル研修等、タレントごとのキャリアディベロップメント・プランを議論します。
経営戦略の遂行に必要な高い専門性を有する若手人材の育成を目的にした、グループ横断の研修プログラムを実施しています。海外大学からの新卒社員および国内外のグループ会社の若手社員が、2年間で複数のグループ会社・部門・チームをローテーションし、専門性やグローバルな視点の獲得をめざします。
ロ)戦略整合的な人材ポートフォリオの構築
●成長領域への人材の配置
事業環境の変化を成長機会として捉えるために、ソリューション事業等の成長領域に積極的に人材を配置しています。また、各領域における専門性を有する人材を積極的にキャリア採用し、事業に必要なケイパビリティを確保しています。
●イノベーションを生む環境創出
グループの成長に資するビジネスモデルの創造・新規事業創出を目的とした社内公募制プログラム「Tokio Marine Innovation Program」を開催しています。優秀案に選定された応募者は、新規事業を担う部門への異動等を通じて、事業化をめざすことができます。本制度を通じて会社全体のイノベーションマインドを高め、一人ひとりの発意にあふれた挑戦を後押ししています。
●デジタル・ケイパビリティの向上
環境変化に対応していくために、全ての社員がDX推進の担い手として学び、成長していく必要があるという考えに基づき、Tokio Marine DX Academyを運営しています。担当業務や役割に応じて対象層ごとに研修や育成プログラムを提供することで、全社のDX人材育成を推進しています。
●ガバナンス強化に向けた専門人材の拡充
グローバルな事業の拡大・多様化が進むなかで、成長とガバナンスの高位均衡を実現するために、リスク管理、法務・コンプライアンス、内部監査等の領域における専門人材の採用・育成を継続し、グループ会社横断での活用を推進しています。また、東京海上日動火災保険株式会社では、「本当に信頼されるお客様起点の会社」を実現するため、人材育成の目的である「個人と組織の成長」に不可欠なものとして「規律」を重視し、インテグリティや高い規範意識を持った人材の育成に取り組んでいます。
c)環境整備方針:グループ一体経営を支える“企業文化”
国内外で5万人を超えるグループ社員が持つ力を最大限発揮していくために、多様な人材が一体となり、社員一人ひとりがいきいきと働ける風土づくりを推進していきます。
イ)グループ一体感の醸成
●パーパスの浸透
グループ社員が熱意と一体感を持って社会課題の解決に取り組むためには、グループ共通の羅針盤・拠り所となるパーパスが不可欠です。また、健全なガバナンスの観点からも、良いカルチャーをグループ全体に浸透させることは極めて重要であると考えています。グループCEO自らがグループカルチャー総括(CCO)として先頭に立って継続的なメッセージを発信するとともに、CCOオフィス(部門横断のバーチャル組織)が研修プログラムやグループ表彰等のパーパス浸透施策を推進しています。
●DE&Iの推進
東京海上グループでは、DE&Iを成長戦略の最重要課題と位置付けています。全ての人が持てる力を最大限発揮できる人事制度、人事施策および職場環境の整備に向けて様々な取組みを推進することで、グループベースのシナジー・イノベーション創出、意思決定層の多様化やエンゲージメント向上に繋げることをめざしています。
<ダイバーシティカウンシル>グループCEO直轄のDE&I推進に関する諮問機関として、2021年より年2回開催しています。経営陣・社員代表・社外有識者が集い、多様な知見・意見を共有し、グループベースでDE&I推進に向けた議論を進めています。
<女性社員のエンパワーメントを図る取組み>女性社員一人ひとりが自律的にキャリアを構築し、より広いフィールドで活躍するための環境創りや人材育成を、積極的に推進しています。2024年には「Global Women’s Conference」を初めて開催し、有識者による講演やテーマごとのディスカッションを行い、世界中から集まった参加者の学びとネットワーキングの機会としています。
<男女間賃金格差解消に向けた取組み>東京海上日動火災保険株式会社では、真にインクルーシブで自由闊達な組織風土のもと、多様な社員がエンゲージメント高く働くことで、全ての社員と会社双方が持続的に成長することをめざしています。なかでも、ジェンダーギャップ解消を優先すべき課題と捉え、賃金格差の解消に向けた取組みを進めています。
[男女間賃金格差の主な要因]
東京海上日動火災保険株式会社において、男性と女性の間で賃金格差が生じている要因の分析を行った結果、勤務地区分および勤続年数の差異による影響が大きいことを確認しています。
・勤務地区分
転居を伴う転勤(以下「転居転勤」といいます)の有無で賃金差を設けており、転居転勤がある「総合職」に男性が多く、転居転勤が原則無い「総合職(エリア限定)」に女性が多いことから、男性の賃金水準が高い傾向がある。
・勤続年数
男性と女性を比較すると、男性の平均勤続年数が長く、これに伴い男性の賃金水準が高い傾向がある。
<勤務地区分><勤続年数>

[男女間賃金格差解消に向けた主な取組み]
2026年4月に以下の人事制度・運用変革を実現し、全ての社員が持てる力を最大限発揮できる環境を実現します。
・My Aspiration(社員一人ひとりの想い)を起点とした転居転勤政策への転換
「総合職」「総合職(エリア限定)」の勤務地区分を廃止し、「総合職」に統一するとともに、全ての総合職が「本拠地」を定め、毎年、転居転勤への同意有無を申告する制度を導入
・成果・実力・職責に応じた評価・処遇
「4つのフリー(注)」の考え方を軸に、属性によらず、成果・実力・職責に応じて適正に評価・処遇する制度・運用へと変革
仕事とライフ(育児・介護)の両立支援策のさらなる拡充
・スーパーマイセレクト制度(5時から22時の間で、始業および終業時刻の変更を可能とする制度)やリモートワーク等により、時間・場所を問わず柔軟な働き方を実現
・パートナー参加型の仕事・育児の両立支援セミナー「すくすくペンギン会」や上司が育児疑似体験を行う「もしもチャレンジ」等の施策を通じた、「仕事とライフの両立」をしやすい職場風土の醸成
(注)東京海上日動火災保険株式会社がDE&I推進のために掲げる4つの方針:ジェンダーフリー(LGBTQへの取組みや性別の壁の打破)、エイジフリー(入社年次や社員間の年齢の壁の打破)、ボーダーフリー(コース区分・国籍・障がい・キャリア採用等の壁の打破)、ワークスタイルフリー(個々人のライフスタイルに合わせた働き方の壁の打破)
<障がい者の雇用促進>東京海上グループは「障がい者の雇用促進と働く環境創りを通じて社会課題を解決し、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に貢献すること」をめざし、グループ各社において障がい者雇用とノーマライゼーションの意識浸透に努めています。
ロ)エンゲージメントの向上
●働きがいの向上
<エンゲージメント向上のためのPDCAサイクルの実行>社員一人ひとりの働きがいを高め、持っている力を最大限発揮するためには、エンゲージメントの状況および課題を的確かつ網羅的に把握し、改善に繋げていくことが必要です。東京海上日動火災保険株式会社では、2020年度より「エンゲージメントサーベイ」を導入し、各組織において定性的かつ定量的な分析結果をもとに課題を特定し、対策の実行および効果測定を行っています。
<働きがい向上のための取組み>当社および東京海上日動火災保険株式会社では、「個人および会社双方の成長の実現」というゴールに向けて、社員一人ひとりの想い(=My Aspiration)と会社のパーパスとの“つながり”を強めていく取組み(LINK)を推進しています。上司・部下間の1on1や、お互いのMy Aspirationを共有して組織の一体感を高めるダイアローグ等、様々な施策で対話の質の向上を図り、社員のキャリア形成の実現を支援しています。
また、東京海上日動火災保険株式会社では、社員自らが希望する職務に手を挙げて異動をする「JOBリクエスト制度」を実施しています。その他、グループ全体では、社員が自らの意思で東京海上日動火災保険株式会社に1年間の研修出向ができる「Group-wide Open Training」や、海外グループ会社の社員を最長3か月間当社で受け入れ、業務を通じて専門知識を深める機会を提供する「Short-term Group-wide Job Training Scheme」等を実施しています。
●働きやすさの向上
<社員が心身ともに健康でいきいきと働くためのグループ全体の環境整備>「お客様に“あんしん”をお届けし、選ばれ、成長し続ける会社」であるために、その原動力となる社員の心身の健康は重要なテーマです。そのために、当社は「東京海上グループ健康憲章」を定め、グループを挙げて健康経営を推進しています。2024年度より毎年6月を「Tokio Marine Wellness Month」とし、メッセージリレー、ウォーキングイベント、仕事と介護との両立に関するセミナー等、グループが一体となって社員の心身の健康の保持・増進を図る取組みを実施しています。
d)人的資本経営の成果を測る指標
人事戦略が有効に機能し、社員が生み出す価値の持続的な向上に繋がっていることを測る観点から「一人あたり創出価値(注)1」を指標として設定しています。
<一人あたりの創出価値>
(注)1.一人当たり創出価値=修正純利益(Normalizedベース)÷連結従業員数
2.実力を示す指標として、各年度の利益実績から一過性要素(自然災害関連保険金、コロナ関連の保険金等)を補正した「Normalizedベース」の利益水準を使用
3.東京海上日動火災保険株式会社および東京海上日動あんしん生命保険株式会社の事業別利益(Normalizedベース)ならびに従業員数をもとに算出(東京海上日動火災保険株式会社のみ為替の影響を控除)
4.北米の3社(Philadelphia Insurance Companies, Delphi Financial GroupおよびTokio Marine HCC)の事業別利益(Normalized ベース)および従業員数をもとに算出
東京海上グループの人的資本経営、人事戦略の詳細およびグループにおける取組みの具体例については、人的資本レポート「Human Capital Report」(2025年版は同年7月末発行予定)に記載しています。
a)人事戦略の全体像
<人的資本経営に関する考え方>“People’s Business”と呼ばれる保険事業を祖業とする東京海上グループは、創業以来、一貫して「人」を最も重要な資産と位置づけています。パーパスの実現に向けて挑戦を重ねる「人」の力を高めていくことが、企業としての成長の原動力、競争優位の源泉に繋がるとの考えのもと、社員一人ひとりを尊重し、そのポテンシャルを最大限に発揮できる環境を整えることをめざしています。
<経営戦略と連動した人事戦略>東京海上グループは、2035年にめざす姿を「お客様や社会の課題/リスクに対して“イノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー”」と設定し、その実現に向けて、下図の中期経営計画を掲げています。人事戦略は、当社の強みである「グループ基本戦略」を支え、中期経営計画の達成確度を高めるための基盤として、「グループ一体経営を支える“人材”の安定的・継続的な輩出」および「グループ一体経営を支える“企業文化”のさらなる浸透」を両軸として取組みを進めています。

経営戦略における重点施策ごとに人事面から対応すべき課題を特定し、人事施策を立案・実行しています。また、その進捗状況をモニタリングするための指標を設定し、各施策がめざす姿と現状とのギャップを明確にしながらPDCAを実施しています。
(注)1.DE&I:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン2.CVS:Culture & Values Survey(以下「CVS」といいます)
3.TLI:Tokio Marine Group Leadership Institute
4.MAP:Management Associate Program
(注)1.各年度末時点におけるCxO、Deputy CxO等のうち外国人の比率。2.東京海上日動火災保険株式会社で採用し、当社に出向中の社員を含む。
3.エンゲージメントの状況やパーパスの浸透度等を測るCVSの関連項目にかかるスコア平均(5点満点)。CVSは、2024年度に質問項目を一部変更しています。
4.各年度初日時点、管理職以上(役員含む)に女性が占める割合。2024年度については、2024年4月の人事制度改定により新設した役職であるユニットリーダーを含む。
b)人材育成方針:グループ一体経営を支える“人材”
グループ一体経営を担う人材の安定的・継続的な輩出に向けて、グループ経営体制の強化と戦略整合的な人材ポートフォリオの構築に取り組み、経営戦略のめざす姿の実現に必要なケイパビリティを強化しています。
イ)グループ経営体制の強化
●多様な人材で構成された経営体制構築
海外子会社人材のグループ経営への積極登用等を通じたグループ横断での知見活用や、取締役会における女性比率の向上等を通じて、執行・監督の両面から経営判断の質を高めることをめざした体制構築に取り組んでいます。
●グループ経営人材の安定的・継続的な輩出
<タレントマネジメント>CEOを含む経営陣が参加し、年3回のタレントマネジメント会議を開催しています。グループ横断のタレントプールに約300名の候補者を選定し、ストレッチアサインメントやグローバル研修等、タレントごとのキャリアディベロップメント・プランを議論します。
ロ)戦略整合的な人材ポートフォリオの構築
●成長領域への人材の配置
事業環境の変化を成長機会として捉えるために、ソリューション事業等の成長領域に積極的に人材を配置しています。また、各領域における専門性を有する人材を積極的にキャリア採用し、事業に必要なケイパビリティを確保しています。
●イノベーションを生む環境創出
グループの成長に資するビジネスモデルの創造・新規事業創出を目的とした社内公募制プログラム「Tokio Marine Innovation Program」を開催しています。優秀案に選定された応募者は、新規事業を担う部門への異動等を通じて、事業化をめざすことができます。本制度を通じて会社全体のイノベーションマインドを高め、一人ひとりの発意にあふれた挑戦を後押ししています。
●デジタル・ケイパビリティの向上
環境変化に対応していくために、全ての社員がDX推進の担い手として学び、成長していく必要があるという考えに基づき、Tokio Marine DX Academyを運営しています。担当業務や役割に応じて対象層ごとに研修や育成プログラムを提供することで、全社のDX人材育成を推進しています。
●ガバナンス強化に向けた専門人材の拡充
グローバルな事業の拡大・多様化が進むなかで、成長とガバナンスの高位均衡を実現するために、リスク管理、法務・コンプライアンス、内部監査等の領域における専門人材の採用・育成を継続し、グループ会社横断での活用を推進しています。また、東京海上日動火災保険株式会社では、「本当に信頼されるお客様起点の会社」を実現するため、人材育成の目的である「個人と組織の成長」に不可欠なものとして「規律」を重視し、インテグリティや高い規範意識を持った人材の育成に取り組んでいます。
c)環境整備方針:グループ一体経営を支える“企業文化”
国内外で5万人を超えるグループ社員が持つ力を最大限発揮していくために、多様な人材が一体となり、社員一人ひとりがいきいきと働ける風土づくりを推進していきます。
イ)グループ一体感の醸成
●パーパスの浸透
グループ社員が熱意と一体感を持って社会課題の解決に取り組むためには、グループ共通の羅針盤・拠り所となるパーパスが不可欠です。また、健全なガバナンスの観点からも、良いカルチャーをグループ全体に浸透させることは極めて重要であると考えています。グループCEO自らがグループカルチャー総括(CCO)として先頭に立って継続的なメッセージを発信するとともに、CCOオフィス(部門横断のバーチャル組織)が研修プログラムやグループ表彰等のパーパス浸透施策を推進しています。
●DE&Iの推進
東京海上グループでは、DE&Iを成長戦略の最重要課題と位置付けています。全ての人が持てる力を最大限発揮できる人事制度、人事施策および職場環境の整備に向けて様々な取組みを推進することで、グループベースのシナジー・イノベーション創出、意思決定層の多様化やエンゲージメント向上に繋げることをめざしています。
<ダイバーシティカウンシル>グループCEO直轄のDE&I推進に関する諮問機関として、2021年より年2回開催しています。経営陣・社員代表・社外有識者が集い、多様な知見・意見を共有し、グループベースでDE&I推進に向けた議論を進めています。
<女性社員のエンパワーメントを図る取組み>女性社員一人ひとりが自律的にキャリアを構築し、より広いフィールドで活躍するための環境創りや人材育成を、積極的に推進しています。2024年には「Global Women’s Conference」を初めて開催し、有識者による講演やテーマごとのディスカッションを行い、世界中から集まった参加者の学びとネットワーキングの機会としています。
<男女間賃金格差解消に向けた取組み>東京海上日動火災保険株式会社では、真にインクルーシブで自由闊達な組織風土のもと、多様な社員がエンゲージメント高く働くことで、全ての社員と会社双方が持続的に成長することをめざしています。なかでも、ジェンダーギャップ解消を優先すべき課題と捉え、賃金格差の解消に向けた取組みを進めています。
[男女間賃金格差の主な要因]
東京海上日動火災保険株式会社において、男性と女性の間で賃金格差が生じている要因の分析を行った結果、勤務地区分および勤続年数の差異による影響が大きいことを確認しています。
・勤務地区分
転居を伴う転勤(以下「転居転勤」といいます)の有無で賃金差を設けており、転居転勤がある「総合職」に男性が多く、転居転勤が原則無い「総合職(エリア限定)」に女性が多いことから、男性の賃金水準が高い傾向がある。
・勤続年数
男性と女性を比較すると、男性の平均勤続年数が長く、これに伴い男性の賃金水準が高い傾向がある。
<勤務地区分><勤続年数>


[男女間賃金格差解消に向けた主な取組み]
2026年4月に以下の人事制度・運用変革を実現し、全ての社員が持てる力を最大限発揮できる環境を実現します。
・My Aspiration(社員一人ひとりの想い)を起点とした転居転勤政策への転換
「総合職」「総合職(エリア限定)」の勤務地区分を廃止し、「総合職」に統一するとともに、全ての総合職が「本拠地」を定め、毎年、転居転勤への同意有無を申告する制度を導入
・成果・実力・職責に応じた評価・処遇
「4つのフリー(注)」の考え方を軸に、属性によらず、成果・実力・職責に応じて適正に評価・処遇する制度・運用へと変革
仕事とライフ(育児・介護)の両立支援策のさらなる拡充
・スーパーマイセレクト制度(5時から22時の間で、始業および終業時刻の変更を可能とする制度)やリモートワーク等により、時間・場所を問わず柔軟な働き方を実現
・パートナー参加型の仕事・育児の両立支援セミナー「すくすくペンギン会」や上司が育児疑似体験を行う「もしもチャレンジ」等の施策を通じた、「仕事とライフの両立」をしやすい職場風土の醸成
(注)東京海上日動火災保険株式会社がDE&I推進のために掲げる4つの方針:ジェンダーフリー(LGBTQへの取組みや性別の壁の打破)、エイジフリー(入社年次や社員間の年齢の壁の打破)、ボーダーフリー(コース区分・国籍・障がい・キャリア採用等の壁の打破)、ワークスタイルフリー(個々人のライフスタイルに合わせた働き方の壁の打破)
<障がい者の雇用促進>東京海上グループは「障がい者の雇用促進と働く環境創りを通じて社会課題を解決し、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に貢献すること」をめざし、グループ各社において障がい者雇用とノーマライゼーションの意識浸透に努めています。
ロ)エンゲージメントの向上
●働きがいの向上
<エンゲージメント向上のためのPDCAサイクルの実行>社員一人ひとりの働きがいを高め、持っている力を最大限発揮するためには、エンゲージメントの状況および課題を的確かつ網羅的に把握し、改善に繋げていくことが必要です。東京海上日動火災保険株式会社では、2020年度より「エンゲージメントサーベイ」を導入し、各組織において定性的かつ定量的な分析結果をもとに課題を特定し、対策の実行および効果測定を行っています。
<働きがい向上のための取組み>当社および東京海上日動火災保険株式会社では、「個人および会社双方の成長の実現」というゴールに向けて、社員一人ひとりの想い(=My Aspiration)と会社のパーパスとの“つながり”を強めていく取組み(LINK)を推進しています。上司・部下間の1on1や、お互いのMy Aspirationを共有して組織の一体感を高めるダイアローグ等、様々な施策で対話の質の向上を図り、社員のキャリア形成の実現を支援しています。
また、東京海上日動火災保険株式会社では、社員自らが希望する職務に手を挙げて異動をする「JOBリクエスト制度」を実施しています。その他、グループ全体では、社員が自らの意思で東京海上日動火災保険株式会社に1年間の研修出向ができる「Group-wide Open Training」や、海外グループ会社の社員を最長3か月間当社で受け入れ、業務を通じて専門知識を深める機会を提供する「Short-term Group-wide Job Training Scheme」等を実施しています。
●働きやすさの向上
<社員が心身ともに健康でいきいきと働くためのグループ全体の環境整備>「お客様に“あんしん”をお届けし、選ばれ、成長し続ける会社」であるために、その原動力となる社員の心身の健康は重要なテーマです。そのために、当社は「東京海上グループ健康憲章」を定め、グループを挙げて健康経営を推進しています。2024年度より毎年6月を「Tokio Marine Wellness Month」とし、メッセージリレー、ウォーキングイベント、仕事と介護との両立に関するセミナー等、グループが一体となって社員の心身の健康の保持・増進を図る取組みを実施しています。
d)人的資本経営の成果を測る指標
人事戦略が有効に機能し、社員が生み出す価値の持続的な向上に繋がっていることを測る観点から「一人あたり創出価値(注)1」を指標として設定しています。
<一人あたりの創出価値>

(注)1.一人当たり創出価値=修正純利益(Normalizedベース)÷連結従業員数
2.実力を示す指標として、各年度の利益実績から一過性要素(自然災害関連保険金、コロナ関連の保険金等)を補正した「Normalizedベース」の利益水準を使用
3.東京海上日動火災保険株式会社および東京海上日動あんしん生命保険株式会社の事業別利益(Normalizedベース)ならびに従業員数をもとに算出(東京海上日動火災保険株式会社のみ為替の影響を控除)
4.北米の3社(Philadelphia Insurance Companies, Delphi Financial GroupおよびTokio Marine HCC)の事業別利益(Normalized ベース)および従業員数をもとに算出
東京海上グループの人的資本経営、人事戦略の詳細およびグループにおける取組みの具体例については、人的資本レポート「Human Capital Report」(2025年版は同年7月末発行予定)に記載しています。