有価証券報告書-第26期(2024/04/01-2025/03/31)
ii. 戦略 当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク・機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき1.5℃シナリオと4℃シナリオを定義し、2030年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。
シナリオ群の定義
リスク機会の特定及び評価
当社グループの不動産再生事業、不動産サービス事業、ホテル・観光事業、その他(海外開発事業、建設事業)のすべての事業を対象として、気候変動に関連する移行・物理リスクを精査し、当社事業への影響度を評価しました。移行リスクでは政策・法規制から市場の変化まで、物理リスクでは急性物理リスクと慢性物理リスクなど、さまざまな項目について検討を行いました。特に当社に影響度の大きいと判断したリスク・機会について対応していきます。
対象範囲:不動産再生事業、不動産サービス事業、ホテル・観光事業、その他(海外開発事業、建設事業)
影響度 大:影響度は非常に大きい(売上高の19%以上)
中:影響度は大きい(売上高の10~19%)
小:影響度はあるが限定的(売上高の10%未満)
リスクの発生時期 短期: 「1年以内」
中期: 「1~5年以内」
中長期: 「5~10年以内」
長期: 「10年超」
リスク機会一覧
当社で認識しているリスク・機会のうち、事業への影響度が「中」以上のものを記載しております。
財務影響額
当社で認識しているリスク・機会のうち、財務影響を算定した結果を記載しております。
シナリオ群の定義
| 設定シナリオ | 1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ |
| 世界観 | 日本政府により炭素税の導入等、厳しい気候変動対策が推進され、抜本的な社会変革が起こり、プラスチック規制や気候変動関連情報開示への対応が求められる。 一方で、洪水・浸水等、自然災害の被害は限定的なものに留まる。 | 政府による、現行を上回る気候対策は実施されず、気候変動対応は求められない。 一方で、気温上昇の影響による渇水、洪水などの異常気象が顕在化し、拠点が被災、対応コストや被災時の回復費用が見込まれる。 |
| 参照シナリオ | IEA The Net-Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)/ IEA World Energy Outlook 2021/ IEA World Energy Outlook 2018/ IPCC AR6 SSP1-1.9 | IEA World Energy Outlook 2021/ IEA World Energy Outlook 2018/ IPCC AR6 SSP5-8.5 |
| 特徴 | 政策などに関連する移行リスクが顕在化しやすい。 | 異常気象などに関連する物理リスクが顕在化しやすい。 |
リスク機会の特定及び評価
当社グループの不動産再生事業、不動産サービス事業、ホテル・観光事業、その他(海外開発事業、建設事業)のすべての事業を対象として、気候変動に関連する移行・物理リスクを精査し、当社事業への影響度を評価しました。移行リスクでは政策・法規制から市場の変化まで、物理リスクでは急性物理リスクと慢性物理リスクなど、さまざまな項目について検討を行いました。特に当社に影響度の大きいと判断したリスク・機会について対応していきます。
対象範囲:不動産再生事業、不動産サービス事業、ホテル・観光事業、その他(海外開発事業、建設事業)
影響度 大:影響度は非常に大きい(売上高の19%以上)
中:影響度は大きい(売上高の10~19%)
小:影響度はあるが限定的(売上高の10%未満)
リスクの発生時期 短期: 「1年以内」
中期: 「1~5年以内」
中長期: 「5~10年以内」
長期: 「10年超」
リスク機会一覧
当社で認識しているリスク・機会のうち、事業への影響度が「中」以上のものを記載しております。
| リスク・機会の種類 | リスク・機会の内容 | 事業及び財務への影響 | リスクの発生時期 | |||
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 全体 | ||||||
| 移行リスク | 評判 | 消極的なESG対応に対するステークホルダーの懸念 | 中 | - | 中長期 | |
| 不動産再生事業 | ||||||
| 移行リスク | 政策規制 | 修繕において満たすべきエネルギー効率基準が引き上げられることで、追加的な設備投資コストの発生 | 中 | - | 短期 | |
| 物理リスク | 慢性 | 所有不動産における空調設備増強の費用増加、エネルギーコストの増加 | 小 | 中 | 中期 | |
| 機会 | 製品とサービス | リプランニングにおける物件の環境性能の向上によって、資産家、ビルオーナーへの販売価格の向上 | 中 | 中 | 短期 | |
| ホテル・観光事業 | ||||||
| 移行リスク | 政策規制 | 環境性能の高い建築を志向する傾向が高まり、環境性能の高い資材不足、工事の集中による人件費の高騰 | 中 | - | 中期 | |
| 機会 | 製品とサービス | ホテルが所在する地域での自然の保全と共存など地域貢献を図ることで、イメージ向上・宿泊客増加 | 中 | 中 | 中期 | |
財務影響額
当社で認識しているリスク・機会のうち、財務影響を算定した結果を記載しております。
| リスク/機会 項目 | 事業インパクト | 算定方法 ※基準年は2022年度 ※2030年の影響額はCAGR(年平均成長率)を反映して算定 | 財務影響額 2030年(億円) | 影響度 | |
| 1.5℃ | 4℃ | ||||
| 炭素税 | 炭素税の大幅引き上げにより税負担増加 | [全社] 当社におけるCO2排出量 × 排出量当たりの炭素価格 | 3.23 | - | 小 |
| 炭素税 | 炭素税の大幅引き上げにより、排出源単位の大きい原材料のコスト上昇 | [不動産再生] 原材料の投入コスト(※) × 原材料の排出原単位 × 排出量当たりの炭素価格(※)排出原単位の大きいセメント、生コンクリートについて、LCAツールを利用して基準年の販売物件延床面積から投入量を算出 | 1.93 | - | 小 |
| 自然災害による売上損失 | 自然災害により、事業所が被災し、事業活動の中断による売上損失 | [不動産再生] (※賃料収入への影響は算定困難なため、未算定) | - | - | - |
| [ホテル運営] 一日あたりの売上損失×最大操業停止日数(※)×損害割合(※)(※)運営ホテルについて高潮発生時の浸水深レベルを調査して決定 | 1.97(発生確率 1.4%) | 1.97(発生確率 2.8%) | 小 | ||
| 海面上昇による洪水被害 | 海面上昇に伴う高潮や豪雨による、所有不動産の洪水被害の発生 | [不動産再生] (※保有物件は都内所在により高潮影響は微小のため、未算定) | - | - | - |
| [ホテル運営] 海面上昇に伴う浸水深レベルごとの「修繕コスト×所有不動産数(※)」(※)運営ホテル(所有物件)について高潮発生時の浸水深レベルを調査 | 0.62(発生確率 1.4%) | 0.62(発生確率 2.8%) | 小 | ||
| 物件の販売価格の向上 | 物件の環境性能の向上によって、資産家・ビルオーナーへの販売価格の向上 | [不動産再生] BELS認証物件 延床面積(※1) × BELS認証と通常物件の家賃差異(※2)(※1)基準年のBELS認証物件 延床面積(※2)基準年のBELS認証物件とその近隣の当社RP物件と2024年3月31日現在の坪単価差異 | 0.81 | 0.81 | 小 |
| 従業員の健康 | 気温上昇による高温手当コスト増加額 | [プロパティマネジメント・ビルメンテナンス] 高温手当 × 猛暑日日数 | 0.002 | 0.003 | 小 |
| 事業継続 | 操業停止による利益損失 | [プロパティマネジメント・ビルメンテナンス] 一日あたりの利益損失×最大操業停止日数×損害割合 | 0.0003 | 0.001 | 小 |
| ニーズ拡大 | メンテナンス業務増加に伴う売上 | [プロパティマネジメント・ビルメンテナンス] メンテナンス業務の売上 × (1+洪水発生確率) | 6.47 | 6.56 | 小 |
| 事業継続 | 操業停止による利益損失 | [貸会議室] 一日あたりの利益損失×最大操業停止日数×損害割合 | 0.0002 | 0.0004 | 小 |
| 従業員の健康 | 気温上昇による高温手当コスト増加額 | [建設] 高温手当 × 猛暑日日数 | 0.0004 | 0.001 | 小 |
| 追加人件費 | 気温上昇による作業効率低下に伴う追加人件費 | [建設] 気温上昇による作業効率低下に伴う追加人員数 ×1人当たり人件費 | 0.01 | 0.002 | 小 |
| 炭素税 | 炭素税導入に伴う費用の増加 | [海外開発] Scope1・2排出量 × 炭素価格 | 0.0001 | - | 小 |