訂正有価証券報告書-第104期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社におけるコーポレート・ガバナンスの充実・強化については、株主のみなさまをはじめ、お客さま、取引先、債権者、地域社会等のさまざまな利害関係者の利益の最大化、ならびに当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、重要な戦略の実行にあたり、透明性、公正性および迅速性を確保したうえで、前例や慣習にとらわれない果断な意思決定を行うための機能と、業務執行に対する監督機能の強化という点を重要課題として認識し、各種施策に取り組んでいます。
② 企業統治の体制等
ア 企業統治の体制の概要等
当社は、効率性、健全性の高い経営を目指し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実・強化を図るため、2024年6月27日開催の第103回定時株主総会における承認を得て、監査等委員会設置会社に移行しています。当社の取締役会(2024年度は14回開催)は、社外取締役6名(うち監査等委員である社外取締役3名)を含む13名(うち監査等委員である取締役4名)で構成され、中期経営計画をはじめとした重要な戦略、重要な業務執行、およびその他法令で定められた事項について審議・決定を行うほか、業務執行の監督を行っています。監査等委員会は、監査等委員である社外取締役3名を含む4名で構成され、監査等委員会(2024年度は監査役会を1回、監査等委員会を9回開催)が定めた監査等委員会監査等基準等に準拠し、監査の方針、監査計画等に従い、重要な会議への出席、重要な決裁書類の閲覧、業務および財産の状況の調査、内部統制システムの構築ならびに運用の状況の監視および検証等を通じて厳正な監査を実施しています。また、常勤の監査等委員である取締役1名(端山貴史)は当社において経理部門担当役員(管掌役員)の業務経験を有し、監査等委員である社外取締役1名(滝順子)は公認会計士の資格を有していることから、財務および会計に関する相当程度の知見を有するものです。これらに加え、当社では、取締役会の業務執行に対する監督機能の強化および意思決定の最適化を図るため、執行役員制度を採用しています。また、当社では、取締役(監査等委員である取締役を除く。)および監査等委員である取締役の指名ならびに取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等に係る取締役会の機能の独立性、客観性と説明責任を強化するため、取締役会の諮問機関として、過半数が独立社外取締役で構成される指名・報酬諮問委員会を設置しています。委員会は、指名および報酬等に係る基本方針や株主総会議案の原案等について審議し、その結果を取締役会に答申します。
なお、当社では、監査を担う役員(社外役員を含む。)に取締役会における議決権を付与することで、取締役会の監督機能の強化を図るとともに、業務執行の決定権限の一部を取締役会から取締役へ委任することで、迅速・果断な意思決定を可能とするなど、コーポレート・ガバナンスの一層の充実・強化を目指すべく、当該体制を採用しています。
(注) 1 指名・報酬諮問委員会は、社外取締役大原透(指名・報酬諮問委員会委員長)、同糸長丈秀、同近藤史朗の各氏、および取締役会長星野晃司により構成されます。
2 取締役会および監査等委員会の構成員等は、「(2) 役員の状況」内「① 役員一覧」に記載のとおりです。
イ 内部統制システムの整備の状況
当社は以下の内容を内部統制システム整備の基本方針として取締役会において決議し、リスク管理体制の整備や内部監査の状況なども含めてその体制を整備しています。
小田急グループは、「お客さまの“かけがえのない時間”と“ゆたかなくらし”の実現に貢献します。」という経営理念を掲げています。
当社グループでは、この経営理念のもと、経営ビジョンに掲げる「地域価値創造型企業」への進化に向けて、サステナビリティ(ESG)に関する取り組みを進めており、内部統制システムの構築はそのために必要不可欠な要素であるとの認識から、以下の基本方針に沿って、内部統制システムの構築を積極的かつ継続的に進めてまいります。
なお、グループ各社においては、当該グループ各社の事業内容、規模、当社グループ全体に与える影響等を考慮して、各項目を適用します。
(ア) 当社および子会社の取締役、使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
a コンプライアンスをリスクマネジメントの一環として捉え、「リスクマネジメント委員会」等を軸としたコンプライアンス体制を整備し、その推進を図ります。
b 法令や定款をはじめ社会から信頼されるための守るべき行動基準を「コンプライアンスマニュアル」として策定し、役員および社員はこれを遵守します。また、上記マニュアルに基づき、教育を実施しコンプライアンス意識の徹底を図ります。
c 市民社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力に対しては、上記マニュアルを踏まえ、毅然とした態度で臨み、適正に対応します。
d 内部通報制度としてコンプライアンスホットラインを設置し、コンプライアンス上問題のある行為の早期把握、解決を図ります。さらに、当社では、通報内容への対応について、その適正性を外部機関が客観的な視点からチェックを行うことにより、透明性の確保を図ります。
e 当社の内部監査部門がグループ各社の内部監査部門と連携を図りながら法令や定款、社内規程等への適合等の観点から、グループ各社の監査を順次実施するなど、監査体制の強化を図ります。
また、当社の常勤取締役および役付執行役員からなる「内部統制委員会」を通じて、金融商品取引法に基づく財務報告に関する内部統制の整備も含め、継続してグループ全体の内部統制システムの強化を図ります。
(イ) 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
a 取締役の職務の執行に係る文書その他の情報については、情報セキュリティ規則をはじめ、文書管理規則、ファイリング規則などの社内規則に従い、適正に保存・管理を行います。
b 上記の情報に関する取締役からの閲覧の要請には適切に対応します。
(ウ) 当社および子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
a 当社およびグループ各社は、「小田急グループリスクマネジメント方針」のもと、「リスクマネジメント委員会」等を中心とした体制を整備し、リスクへの対応を図ります。また、当社は、グループ経営に重要な影響を与えるリスクへの対応について、「小田急グ
ループ・リスクマネジメント連絡会」を通じて掌握するなど、的確に管理します。
b 当社は、自然現象、社会経済現象であるかを問わず大規模な損失をもたらす事象の顕在化に対しては、危機管理規則に基づき、社長の指示のもと緊急時対策を統括する「総合対策本部」を設置し、適切に対処します。
c 当社は、公共交通機関としての役割を担ううえで、最大の責務である「安全の確保」を重要なリスク管理の1つと認識し、鉄道輸送に関わる専門組織である「統括安全マネジメント委員会」のもと、安全管理規程に基づき、積極的に輸送の安全の確保に取り組みます。
d 当社およびグループ各社において、リスクを把握した場合やリスクが顕在化した場合については、その重要性に応じて適時適切に開示します。
(エ) 当社および子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a 当社では、執行役員制度を採用し、取締役会による業務執行に対する監督機能の強化ならびに意思決定の適正化および効率化を図ります。
b 当社では、各事業部門における業務執行は、経営理念や経営ビジョンを踏まえ策定される中期経営計画、年度単位の部門方針や予算に基づき、業務分掌や職務権限規則により規定される権限および責任において行います。
c 当社では、各事業部門における業績は、全社統一的な指標による「業績管理制度」により適切に管理します。
d 当社における内部監査体制については、取締役社長直轄の内部監査部門(20名程度で構成)が、法令や定款、社内規程等への適合や効率的な職務遂行の観点から、各部門の監査を定期的に実施し、その結果を取締役社長および監査等委員会へ報告します。
e 当社は、3事業年度を期間とする中期経営計画を策定し、当該中期経営計画を具体化するため、グループ全体の重点課題およびキャッシュフロー配分等を定めます。また、これに基づくグループ各社による中期経営計画や予算等の重要事項の策定については、当社の事前承認事項とし、グループ経営の適正かつ効率的な運営体制を構築します。
(オ) 当社の子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社が定める「グループ会社管理規程」に基づき、グループ各社における重要事項については速やかに当社へ報告する体制を構築します。また、グループ経営理念や経営ビジョンに基づく中期経営計画の策定内容や業務執行状況および決算などの財務状況に関する定期的なヒアリングを実施するとともに、「グループ会社社長会」などを通じて、グループ内での相互の情報共有の強化を図ります。
(カ) 当社の監査等委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項
監査等委員会の職務を補助する組織として監査等委員会事務局(4名程度で構成)を設置し、専任の使用人を配置します。
(キ) 前号の取締役および使用人の当社の他の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性ならびに前号の取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査等委員会事務局を構成する使用人は、監査等委員会の指揮命令により業務を行います。さらに当該使用人の人事異動、人事評価等の決定は、常勤の監査等委員である取締役と事前協議のうえ、実施します。
(ク) 当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)および使用人、または当社の子会社の取締役、監査役および使用人またはこれらの者から報告を受けた者が当社の監査等委員会に報告するための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制
a 当社では、常勤の監査等委員である取締役が、執行役員会およびグループ執行役員会への出席や決裁稟議(本部長決裁以上)の内容の報告を通じて、重要案件について逐次
チェックすることができる体制を整えます。
b 当社では、取締役(監査等委員である取締役を除く。)や部門を代表する使用人が監査等委員である取締役等に対して、業務執行状況の報告を適宜行うとともに、その他法令に定めるもののほか、会社に対して重要な影響を及ぼす事項について報告を行います。
c 当社では、内部監査部門が監査等委員会に対して、その監査計画および監査結果について定期的に報告を行い、監査等委員会との情報の共有化を図ります。
d 当社の常勤の監査等委員である取締役が、「小田急グループ監査役連絡会」を設置し、グループ各社監査役から監査状況等の報告を受けるほか、グループ各社への監査等の際には、経営層から業務執行状況等について報告を受け、意見交換を行うことに加え、必要に応じて当社グループ会社管理部門から経営状況等について報告を受けることにより、経営の健全性を監視する体制の強化を図ります。また、内部通報制度としてコンプライアンスホットラインを設置し、当該内部通報の状況について、当社使用人から定期的に監査等委員会に対して報告を行います。
(ケ) 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
法令ならびに当社およびグループ各社において定めるコンプライアンスホットラインに関する規則に基づき、当該報告者に対して不利益な取扱いを行うことを禁止します。
(コ) 当社の監査等委員会の職務の執行について生ずる費用の前払いまたは償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
取締役(監査等委員である取締役を除く。)は監査等委員会による監査に協力し、監査にかかる諸費用については、監査の実効性を担保するために予算措置を講じます。
(サ) その他当社の監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a 監査等委員である取締役が重要な会議体等に出席することができる体制を整え、その適正性を高めるとともに監査等委員会への情報提供を強化します。
b 会計監査人が監査等委員会にその監査計画および監査実施状況の報告等を定期的に行うほか、内部監査部門も内部監査結果を定期的に監査等委員会に報告するなど、監査等委員会、内部監査部門および会計監査人の3者の連携強化が図られる体制の確保に努めます。
また、上記基本方針に基づく運用状況の概要は以下のとおりです。
(ア) コンプライアンスに関する取り組み
a 当社およびグループ各社では、社員一人ひとりの社会的責任に対する意識と倫理観の維持向上を目的に、コンプライアンスに係る教育を定期的に実施しており、階層や役割に応じた基本的事項の再確認や事例研究などの研修を通して、コンプライアンス意識の向上を図っています。
当事業年度は、当社およびグループ各社が立案した2024~2026年度の活動計画に関して、グループ内でコンプライアンス上の問題点や施策を共有することで、グループ全体のコンプライアンス活動に対する意識向上を図りました。
b 当社およびグループ各社では、内部通報制度であるコンプライアンスホットラインを社内に周知し、その活用が図られています。また、当社は、当社およびグループ各社の当該内部通報の状況について、取締役会およびリスクマネジメント委員会において定期的に報告されているほか、当社使用人から監査等委員会に対しても定期的に報告しています。
(イ) 情報の保存および管理
当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制については、各種規則に従い適正に保存・管理を行うとともに、当該情報に関して取締役からの閲覧の要請が
あった場合には適切に対応しています。
(ウ) リスク管理体制の強化
当社および主要なグループ会社では、「小田急グループリスクマネジメント方針」に基づき、企業経営に重大な影響を与えるリスクの選定と必要な対策を実施していますが、当事業年度についても事業環境の変化等を踏まえたリスクの見直しを実施しました。今後は、当該リスク対策を順次実施してまいります。
また、グループ各社のリスクマネジメント担当者による「小田急グループ・リスクマネジメント連絡会」を開催し、情報の共有化や連携を図るとともに、グループ内でリスク事案が発生した際には情報共有することで、同様事案の再発防止に努めました。
(エ) リスクの顕在化への対応
当社に重要な影響を及ぼす事象が顕在化した場合の対応として、危機管理規則に基づき個別の事業継続計画(BCP)を策定しています。当事業年度は、業務委託先の委託業務におけるトラブルを想定した危機管理訓練や震災発生時を想定した安否登録訓練、非常参集訓練を実施し、事業継続計画(BCP)の見直しや各種対策の実効性向上を図っています。さらに、グループ各社においてリスク事案が発生した際の当社への報告体制を整備しており、必要に応じて当社と連携し迅速な対応を行っています。
(オ) グループ安全管理体制の強化
当社グループでは、鉄道、バス、タクシー、船舶等の交通事業者による「小田急グループ交通事業者安全統括管理者会議」を開催し、グループ各社が協力または情報を共有することなどにより、更なる安全管理体制の強化を図っています。
(カ) 業務執行の適正性や効率性の向上
a 当社では執行役員制度のもと、業務執行に係る重要案件については、規則に基づき、取締役会へ上程する前段階として、執行役員会またはグループ執行役員会に付議し、そこでの議論を経て決定しています。また、取締役会など会議体の議案については、可能な限り事前提供を徹底するなど、業務執行の適正性や効率性の向上に努めています。
b 当社は、グループ経営理念や経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業に向けて~」を踏まえた、3事業年度を期間とする中期経営計画を策定するとともに、これに基づくグループ各社による中期経営計画や予算等の重要事項の策定については当社の事前承認事項とし、グループ経営の適正かつ効率的な運営体制を構築しています。また、当社において、その進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて対策を講じています。
(キ) グループ内部監査体制の充実
当社の内部監査部門による当社内各部門およびグループ各社への内部監査の実施に加えて、一部のグループ会社においても内部監査部門を設置し、グループレベルでの内部監査体制の充実を図っています。
(ク) 監査等委員である取締役への情報提供その他監査体制の充実
a 当社では、代表取締役と監査等委員である取締役の相互の信頼関係を深める観点から、定期的に会合を開催し、両者での意見交換を行うとともに、監査等委員である取締役が代表取締役の諸課題への取り組み状況を確認できる体制の構築を図っています。また、常勤の監査等委員である取締役が、取締役(監査等委員である取締役を除く。)等との意思疎通、執行役員会等の重要な会議への出席や重要な決裁書類の閲覧、主要な事業所およびグループ各社での業務執行状況および財産の状況の調査等を行える体制を整えています。
b 常勤の監査等委員である取締役が「小田急グループ監査役連絡会」を設置し、グループ会社監査役および監査等委員である取締役との意見交換およびグループ全体の監査品質向上に努めるなどグループレベルでの経営の健全性を監視する体制の強化が図られています。また、当社およびグループ各社のコンプライアンスホットラインの内部通報の状況について、当社使用人から監査等委員会に対して定期的に報告しています。
c 監査等委員である取締役が、会計監査人から会計監査の方針、監査計画および期中・期末の監査実施結果を聴取し、会計監査人との意見交換を実施しているほか、内部監査部門の責任者から直接、内部監査実施結果等について報告を受ける体制を整えています。また、常勤の監査等委員である取締役、会計監査人、内部監査部門からなる三様監査会議を開催し、それぞれの監査計画や監査の状況について報告、意見交換を行う体制を整えています。
d 内部統制上の監査等委員である取締役への情報提供の強化を補完するものとして、常勤の監査等委員である取締役が得た情報等を適宜監査等委員会や監査等委員である取締役の協議の場に提供することで、監査等委員である社外取締役への情報提供の充実が図られています。
ウ 社外取締役との責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役全員と会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、金1,000万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額となります。
エ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、取締役、執行役員およびグループ執行役員全員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して、保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を当該保険契約により填補することとしています。なお、被保険者は、保険料を負担していません。また、填補の対象となる損害については、株主代表訴訟および第三者訴訟によるものであるほか、役員等賠償責任保険契約については、免責額に関する定めを設け、一定額に至らない損害を填補の対象としないこととしています。
③ 取締役の定数
当社の取締役は20名以内(うち監査等委員である取締役は5名以内)とする旨を定款に定めています。
④ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって決する旨を定款に定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
⑤ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
ア 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。
イ 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議をもって毎年9月30日を基準日として中間配当することができる旨を定款に定めています。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
⑦ 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針等
ア 基本方針の内容
当社は、公開会社である当社の株式については、株主および投資家のみなさまによる自由な取引が認められている以上、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えています。
しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て重要な営業用資産を売却処分するなど企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるもの、株主のみなさまが最善の選択を行うために必要な情報が十分に提供されないものなど、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもあります。
当社としては、このような大規模な買付けに対しては、株主のみなさまのために適切な措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
イ 基本方針の実現に資する特別な取り組み
(ア) 長期的なビジョンの実現
当社グループでは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献することを経営理念として定めています。この経営理念のもと策定される長期的なビジョンの実現に向けて、同ビジョンに基づく中期経営計画上の各施策を推進します。
(イ) 交通業における安全対策の強化と輸送サービスの品質向上
当社グループでは、安全を第一に快適で良質な輸送サービスを提供することが最も重要な使命であると考えています。
(ウ) コーポレート・ガバナンスの充実・強化
当社におけるコーポレート・ガバナンスの充実・強化については、重要な戦略を効率的かつ迅速に決定、実行していく機能と、業務執行に対する監督機能の強化という点を重要課題として認識し、各種施策に取り組んでいます。
当社は、以上の諸施策を着実に実行し、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上を
図っていく所存です。
ウ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社取締役会は、当社株式に対する大規模買付行為を行おうとする者に対しては、株主のみなさまが適切なご判断を行うための必要かつ十分な情報の提供を求め、評価、検討したうえで当社取締役会の意見等を開示し、また、必要に応じて当該大規模買付者と交渉を行うほか、株主のみなさまの検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、採り得る措置を講じてまいります。
エ 上記各取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記イに記載した長期的なビジョンの実現、交通業における安全対策の強化と輸送サービスの品質向上およびコーポレート・ガバナンスの充実・強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
また、上記ウに記載した取り組みは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために当該大規模買付者と交渉を行うことなどの措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上させるためのものであり、基本方針に沿うものです。
したがって、当社取締役会は、上記イおよびウの取り組みは、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
⑧ 取締役会および指名・報酬諮問委員会の活動状況
ア 取締役会の活動状況
当事業年度において、取締役会は14回開催されており、各取締役の出席状況および具体的な検討内容については、次のとおりです。
(ア) 各取締役の出席状況
(注) 1 取締役のうち大原透、糸長丈秀、近藤史朗、林武史、我妻由佳子、滝順子の各氏は、社外取締役です。
2 当社は、2024年6月27日開催の第103回定時株主総会終結の時をもって、監査等委員会設置会社に移行しています。林武史、我妻由佳子の両氏は、当該移行前に開催した取締役会(全3回)に、監査役として出席しています。
3 沓澤孝一、水吉英雄、露木香織、滝順子の各氏は、2024年6月27日の就任後に開催されたもののみを対象としています。
(イ) 具体的な検討内容
イ 指名・報酬諮問委員会の活動状況
当事業年度において、指名・報酬諮問委員会は3回開催されており、各委員の出席状況および具体的な検討内容については、次のとおりです。
(ア) 各委員の出席状況
(注) 委員のうち大原透、糸長丈秀、近藤史朗の各氏は、社外取締役です。
(イ) 具体的な検討内容
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社におけるコーポレート・ガバナンスの充実・強化については、株主のみなさまをはじめ、お客さま、取引先、債権者、地域社会等のさまざまな利害関係者の利益の最大化、ならびに当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、重要な戦略の実行にあたり、透明性、公正性および迅速性を確保したうえで、前例や慣習にとらわれない果断な意思決定を行うための機能と、業務執行に対する監督機能の強化という点を重要課題として認識し、各種施策に取り組んでいます。
② 企業統治の体制等
ア 企業統治の体制の概要等
当社は、効率性、健全性の高い経営を目指し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実・強化を図るため、2024年6月27日開催の第103回定時株主総会における承認を得て、監査等委員会設置会社に移行しています。当社の取締役会(2024年度は14回開催)は、社外取締役6名(うち監査等委員である社外取締役3名)を含む13名(うち監査等委員である取締役4名)で構成され、中期経営計画をはじめとした重要な戦略、重要な業務執行、およびその他法令で定められた事項について審議・決定を行うほか、業務執行の監督を行っています。監査等委員会は、監査等委員である社外取締役3名を含む4名で構成され、監査等委員会(2024年度は監査役会を1回、監査等委員会を9回開催)が定めた監査等委員会監査等基準等に準拠し、監査の方針、監査計画等に従い、重要な会議への出席、重要な決裁書類の閲覧、業務および財産の状況の調査、内部統制システムの構築ならびに運用の状況の監視および検証等を通じて厳正な監査を実施しています。また、常勤の監査等委員である取締役1名(端山貴史)は当社において経理部門担当役員(管掌役員)の業務経験を有し、監査等委員である社外取締役1名(滝順子)は公認会計士の資格を有していることから、財務および会計に関する相当程度の知見を有するものです。これらに加え、当社では、取締役会の業務執行に対する監督機能の強化および意思決定の最適化を図るため、執行役員制度を採用しています。また、当社では、取締役(監査等委員である取締役を除く。)および監査等委員である取締役の指名ならびに取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等に係る取締役会の機能の独立性、客観性と説明責任を強化するため、取締役会の諮問機関として、過半数が独立社外取締役で構成される指名・報酬諮問委員会を設置しています。委員会は、指名および報酬等に係る基本方針や株主総会議案の原案等について審議し、その結果を取締役会に答申します。
なお、当社では、監査を担う役員(社外役員を含む。)に取締役会における議決権を付与することで、取締役会の監督機能の強化を図るとともに、業務執行の決定権限の一部を取締役会から取締役へ委任することで、迅速・果断な意思決定を可能とするなど、コーポレート・ガバナンスの一層の充実・強化を目指すべく、当該体制を採用しています。
(注) 1 指名・報酬諮問委員会は、社外取締役大原透(指名・報酬諮問委員会委員長)、同糸長丈秀、同近藤史朗の各氏、および取締役会長星野晃司により構成されます。
2 取締役会および監査等委員会の構成員等は、「(2) 役員の状況」内「① 役員一覧」に記載のとおりです。
イ 内部統制システムの整備の状況
当社は以下の内容を内部統制システム整備の基本方針として取締役会において決議し、リスク管理体制の整備や内部監査の状況なども含めてその体制を整備しています。
小田急グループは、「お客さまの“かけがえのない時間”と“ゆたかなくらし”の実現に貢献します。」という経営理念を掲げています。
当社グループでは、この経営理念のもと、経営ビジョンに掲げる「地域価値創造型企業」への進化に向けて、サステナビリティ(ESG)に関する取り組みを進めており、内部統制システムの構築はそのために必要不可欠な要素であるとの認識から、以下の基本方針に沿って、内部統制システムの構築を積極的かつ継続的に進めてまいります。
なお、グループ各社においては、当該グループ各社の事業内容、規模、当社グループ全体に与える影響等を考慮して、各項目を適用します。
(ア) 当社および子会社の取締役、使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
a コンプライアンスをリスクマネジメントの一環として捉え、「リスクマネジメント委員会」等を軸としたコンプライアンス体制を整備し、その推進を図ります。
b 法令や定款をはじめ社会から信頼されるための守るべき行動基準を「コンプライアンスマニュアル」として策定し、役員および社員はこれを遵守します。また、上記マニュアルに基づき、教育を実施しコンプライアンス意識の徹底を図ります。
c 市民社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力に対しては、上記マニュアルを踏まえ、毅然とした態度で臨み、適正に対応します。
d 内部通報制度としてコンプライアンスホットラインを設置し、コンプライアンス上問題のある行為の早期把握、解決を図ります。さらに、当社では、通報内容への対応について、その適正性を外部機関が客観的な視点からチェックを行うことにより、透明性の確保を図ります。
e 当社の内部監査部門がグループ各社の内部監査部門と連携を図りながら法令や定款、社内規程等への適合等の観点から、グループ各社の監査を順次実施するなど、監査体制の強化を図ります。
また、当社の常勤取締役および役付執行役員からなる「内部統制委員会」を通じて、金融商品取引法に基づく財務報告に関する内部統制の整備も含め、継続してグループ全体の内部統制システムの強化を図ります。
(イ) 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
a 取締役の職務の執行に係る文書その他の情報については、情報セキュリティ規則をはじめ、文書管理規則、ファイリング規則などの社内規則に従い、適正に保存・管理を行います。
b 上記の情報に関する取締役からの閲覧の要請には適切に対応します。
(ウ) 当社および子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
a 当社およびグループ各社は、「小田急グループリスクマネジメント方針」のもと、「リスクマネジメント委員会」等を中心とした体制を整備し、リスクへの対応を図ります。また、当社は、グループ経営に重要な影響を与えるリスクへの対応について、「小田急グ
ループ・リスクマネジメント連絡会」を通じて掌握するなど、的確に管理します。
b 当社は、自然現象、社会経済現象であるかを問わず大規模な損失をもたらす事象の顕在化に対しては、危機管理規則に基づき、社長の指示のもと緊急時対策を統括する「総合対策本部」を設置し、適切に対処します。
c 当社は、公共交通機関としての役割を担ううえで、最大の責務である「安全の確保」を重要なリスク管理の1つと認識し、鉄道輸送に関わる専門組織である「統括安全マネジメント委員会」のもと、安全管理規程に基づき、積極的に輸送の安全の確保に取り組みます。
d 当社およびグループ各社において、リスクを把握した場合やリスクが顕在化した場合については、その重要性に応じて適時適切に開示します。
(エ) 当社および子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a 当社では、執行役員制度を採用し、取締役会による業務執行に対する監督機能の強化ならびに意思決定の適正化および効率化を図ります。
b 当社では、各事業部門における業務執行は、経営理念や経営ビジョンを踏まえ策定される中期経営計画、年度単位の部門方針や予算に基づき、業務分掌や職務権限規則により規定される権限および責任において行います。
c 当社では、各事業部門における業績は、全社統一的な指標による「業績管理制度」により適切に管理します。
d 当社における内部監査体制については、取締役社長直轄の内部監査部門(20名程度で構成)が、法令や定款、社内規程等への適合や効率的な職務遂行の観点から、各部門の監査を定期的に実施し、その結果を取締役社長および監査等委員会へ報告します。
e 当社は、3事業年度を期間とする中期経営計画を策定し、当該中期経営計画を具体化するため、グループ全体の重点課題およびキャッシュフロー配分等を定めます。また、これに基づくグループ各社による中期経営計画や予算等の重要事項の策定については、当社の事前承認事項とし、グループ経営の適正かつ効率的な運営体制を構築します。
(オ) 当社の子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社が定める「グループ会社管理規程」に基づき、グループ各社における重要事項については速やかに当社へ報告する体制を構築します。また、グループ経営理念や経営ビジョンに基づく中期経営計画の策定内容や業務執行状況および決算などの財務状況に関する定期的なヒアリングを実施するとともに、「グループ会社社長会」などを通じて、グループ内での相互の情報共有の強化を図ります。
(カ) 当社の監査等委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項
監査等委員会の職務を補助する組織として監査等委員会事務局(4名程度で構成)を設置し、専任の使用人を配置します。
(キ) 前号の取締役および使用人の当社の他の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性ならびに前号の取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査等委員会事務局を構成する使用人は、監査等委員会の指揮命令により業務を行います。さらに当該使用人の人事異動、人事評価等の決定は、常勤の監査等委員である取締役と事前協議のうえ、実施します。
(ク) 当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)および使用人、または当社の子会社の取締役、監査役および使用人またはこれらの者から報告を受けた者が当社の監査等委員会に報告するための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制
a 当社では、常勤の監査等委員である取締役が、執行役員会およびグループ執行役員会への出席や決裁稟議(本部長決裁以上)の内容の報告を通じて、重要案件について逐次
チェックすることができる体制を整えます。
b 当社では、取締役(監査等委員である取締役を除く。)や部門を代表する使用人が監査等委員である取締役等に対して、業務執行状況の報告を適宜行うとともに、その他法令に定めるもののほか、会社に対して重要な影響を及ぼす事項について報告を行います。
c 当社では、内部監査部門が監査等委員会に対して、その監査計画および監査結果について定期的に報告を行い、監査等委員会との情報の共有化を図ります。
d 当社の常勤の監査等委員である取締役が、「小田急グループ監査役連絡会」を設置し、グループ各社監査役から監査状況等の報告を受けるほか、グループ各社への監査等の際には、経営層から業務執行状況等について報告を受け、意見交換を行うことに加え、必要に応じて当社グループ会社管理部門から経営状況等について報告を受けることにより、経営の健全性を監視する体制の強化を図ります。また、内部通報制度としてコンプライアンスホットラインを設置し、当該内部通報の状況について、当社使用人から定期的に監査等委員会に対して報告を行います。
(ケ) 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
法令ならびに当社およびグループ各社において定めるコンプライアンスホットラインに関する規則に基づき、当該報告者に対して不利益な取扱いを行うことを禁止します。
(コ) 当社の監査等委員会の職務の執行について生ずる費用の前払いまたは償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
取締役(監査等委員である取締役を除く。)は監査等委員会による監査に協力し、監査にかかる諸費用については、監査の実効性を担保するために予算措置を講じます。
(サ) その他当社の監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a 監査等委員である取締役が重要な会議体等に出席することができる体制を整え、その適正性を高めるとともに監査等委員会への情報提供を強化します。
b 会計監査人が監査等委員会にその監査計画および監査実施状況の報告等を定期的に行うほか、内部監査部門も内部監査結果を定期的に監査等委員会に報告するなど、監査等委員会、内部監査部門および会計監査人の3者の連携強化が図られる体制の確保に努めます。
また、上記基本方針に基づく運用状況の概要は以下のとおりです。
(ア) コンプライアンスに関する取り組み
a 当社およびグループ各社では、社員一人ひとりの社会的責任に対する意識と倫理観の維持向上を目的に、コンプライアンスに係る教育を定期的に実施しており、階層や役割に応じた基本的事項の再確認や事例研究などの研修を通して、コンプライアンス意識の向上を図っています。
当事業年度は、当社およびグループ各社が立案した2024~2026年度の活動計画に関して、グループ内でコンプライアンス上の問題点や施策を共有することで、グループ全体のコンプライアンス活動に対する意識向上を図りました。
b 当社およびグループ各社では、内部通報制度であるコンプライアンスホットラインを社内に周知し、その活用が図られています。また、当社は、当社およびグループ各社の当該内部通報の状況について、取締役会およびリスクマネジメント委員会において定期的に報告されているほか、当社使用人から監査等委員会に対しても定期的に報告しています。
(イ) 情報の保存および管理
当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制については、各種規則に従い適正に保存・管理を行うとともに、当該情報に関して取締役からの閲覧の要請が
あった場合には適切に対応しています。
(ウ) リスク管理体制の強化
当社および主要なグループ会社では、「小田急グループリスクマネジメント方針」に基づき、企業経営に重大な影響を与えるリスクの選定と必要な対策を実施していますが、当事業年度についても事業環境の変化等を踏まえたリスクの見直しを実施しました。今後は、当該リスク対策を順次実施してまいります。
また、グループ各社のリスクマネジメント担当者による「小田急グループ・リスクマネジメント連絡会」を開催し、情報の共有化や連携を図るとともに、グループ内でリスク事案が発生した際には情報共有することで、同様事案の再発防止に努めました。
(エ) リスクの顕在化への対応
当社に重要な影響を及ぼす事象が顕在化した場合の対応として、危機管理規則に基づき個別の事業継続計画(BCP)を策定しています。当事業年度は、業務委託先の委託業務におけるトラブルを想定した危機管理訓練や震災発生時を想定した安否登録訓練、非常参集訓練を実施し、事業継続計画(BCP)の見直しや各種対策の実効性向上を図っています。さらに、グループ各社においてリスク事案が発生した際の当社への報告体制を整備しており、必要に応じて当社と連携し迅速な対応を行っています。
(オ) グループ安全管理体制の強化
当社グループでは、鉄道、バス、タクシー、船舶等の交通事業者による「小田急グループ交通事業者安全統括管理者会議」を開催し、グループ各社が協力または情報を共有することなどにより、更なる安全管理体制の強化を図っています。
(カ) 業務執行の適正性や効率性の向上
a 当社では執行役員制度のもと、業務執行に係る重要案件については、規則に基づき、取締役会へ上程する前段階として、執行役員会またはグループ執行役員会に付議し、そこでの議論を経て決定しています。また、取締役会など会議体の議案については、可能な限り事前提供を徹底するなど、業務執行の適正性や効率性の向上に努めています。
b 当社は、グループ経営理念や経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業に向けて~」を踏まえた、3事業年度を期間とする中期経営計画を策定するとともに、これに基づくグループ各社による中期経営計画や予算等の重要事項の策定については当社の事前承認事項とし、グループ経営の適正かつ効率的な運営体制を構築しています。また、当社において、その進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて対策を講じています。
(キ) グループ内部監査体制の充実
当社の内部監査部門による当社内各部門およびグループ各社への内部監査の実施に加えて、一部のグループ会社においても内部監査部門を設置し、グループレベルでの内部監査体制の充実を図っています。
(ク) 監査等委員である取締役への情報提供その他監査体制の充実
a 当社では、代表取締役と監査等委員である取締役の相互の信頼関係を深める観点から、定期的に会合を開催し、両者での意見交換を行うとともに、監査等委員である取締役が代表取締役の諸課題への取り組み状況を確認できる体制の構築を図っています。また、常勤の監査等委員である取締役が、取締役(監査等委員である取締役を除く。)等との意思疎通、執行役員会等の重要な会議への出席や重要な決裁書類の閲覧、主要な事業所およびグループ各社での業務執行状況および財産の状況の調査等を行える体制を整えています。
b 常勤の監査等委員である取締役が「小田急グループ監査役連絡会」を設置し、グループ会社監査役および監査等委員である取締役との意見交換およびグループ全体の監査品質向上に努めるなどグループレベルでの経営の健全性を監視する体制の強化が図られています。また、当社およびグループ各社のコンプライアンスホットラインの内部通報の状況について、当社使用人から監査等委員会に対して定期的に報告しています。
c 監査等委員である取締役が、会計監査人から会計監査の方針、監査計画および期中・期末の監査実施結果を聴取し、会計監査人との意見交換を実施しているほか、内部監査部門の責任者から直接、内部監査実施結果等について報告を受ける体制を整えています。また、常勤の監査等委員である取締役、会計監査人、内部監査部門からなる三様監査会議を開催し、それぞれの監査計画や監査の状況について報告、意見交換を行う体制を整えています。
d 内部統制上の監査等委員である取締役への情報提供の強化を補完するものとして、常勤の監査等委員である取締役が得た情報等を適宜監査等委員会や監査等委員である取締役の協議の場に提供することで、監査等委員である社外取締役への情報提供の充実が図られています。
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ウ 社外取締役との責任限定契約の内容の概要当社は、社外取締役全員と会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、金1,000万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額となります。
エ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、取締役、執行役員およびグループ執行役員全員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して、保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を当該保険契約により填補することとしています。なお、被保険者は、保険料を負担していません。また、填補の対象となる損害については、株主代表訴訟および第三者訴訟によるものであるほか、役員等賠償責任保険契約については、免責額に関する定めを設け、一定額に至らない損害を填補の対象としないこととしています。
③ 取締役の定数
当社の取締役は20名以内(うち監査等委員である取締役は5名以内)とする旨を定款に定めています。
④ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって決する旨を定款に定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
⑤ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
ア 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。
イ 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議をもって毎年9月30日を基準日として中間配当することができる旨を定款に定めています。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
⑦ 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針等
ア 基本方針の内容
当社は、公開会社である当社の株式については、株主および投資家のみなさまによる自由な取引が認められている以上、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えています。
しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て重要な営業用資産を売却処分するなど企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるもの、株主のみなさまが最善の選択を行うために必要な情報が十分に提供されないものなど、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもあります。
当社としては、このような大規模な買付けに対しては、株主のみなさまのために適切な措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
イ 基本方針の実現に資する特別な取り組み
(ア) 長期的なビジョンの実現
当社グループでは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献することを経営理念として定めています。この経営理念のもと策定される長期的なビジョンの実現に向けて、同ビジョンに基づく中期経営計画上の各施策を推進します。
(イ) 交通業における安全対策の強化と輸送サービスの品質向上
当社グループでは、安全を第一に快適で良質な輸送サービスを提供することが最も重要な使命であると考えています。
(ウ) コーポレート・ガバナンスの充実・強化
当社におけるコーポレート・ガバナンスの充実・強化については、重要な戦略を効率的かつ迅速に決定、実行していく機能と、業務執行に対する監督機能の強化という点を重要課題として認識し、各種施策に取り組んでいます。
当社は、以上の諸施策を着実に実行し、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上を
図っていく所存です。
ウ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社取締役会は、当社株式に対する大規模買付行為を行おうとする者に対しては、株主のみなさまが適切なご判断を行うための必要かつ十分な情報の提供を求め、評価、検討したうえで当社取締役会の意見等を開示し、また、必要に応じて当該大規模買付者と交渉を行うほか、株主のみなさまの検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、採り得る措置を講じてまいります。
エ 上記各取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記イに記載した長期的なビジョンの実現、交通業における安全対策の強化と輸送サービスの品質向上およびコーポレート・ガバナンスの充実・強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
また、上記ウに記載した取り組みは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために当該大規模買付者と交渉を行うことなどの措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上させるためのものであり、基本方針に沿うものです。
したがって、当社取締役会は、上記イおよびウの取り組みは、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
⑧ 取締役会および指名・報酬諮問委員会の活動状況
ア 取締役会の活動状況
当事業年度において、取締役会は14回開催されており、各取締役の出席状況および具体的な検討内容については、次のとおりです。
(ア) 各取締役の出席状況
| 氏名 | 開催回数 | 出席回数 |
| 星 野 晃 司 | 14回 | 14回 |
| 鈴 木 滋 | 14回 | 14回 |
| 立 山 昭 憲 | 14回 | 14回 |
| 沓 澤 孝 一 | 11回 | 11回 |
| 水 吉 英 雄 | 11回 | 11回 |
| 露 木 香 織 | 11回 | 11回 |
| 大 原 透 | 14回 | 14回 |
| 糸 長 丈 秀 | 14回 | 14回 |
| 近 藤 史 朗 | 14回 | 13回 |
| 端 山 貴 史 | 14回 | 14回 |
| 林 武 史 | 11回 | 11回 |
| 我 妻 由佳子 | 11回 | 11回 |
| 滝 順 子 | 11回 | 11回 |
(注) 1 取締役のうち大原透、糸長丈秀、近藤史朗、林武史、我妻由佳子、滝順子の各氏は、社外取締役です。
2 当社は、2024年6月27日開催の第103回定時株主総会終結の時をもって、監査等委員会設置会社に移行しています。林武史、我妻由佳子の両氏は、当該移行前に開催した取締役会(全3回)に、監査役として出席しています。
3 沓澤孝一、水吉英雄、露木香織、滝順子の各氏は、2024年6月27日の就任後に開催されたもののみを対象としています。
(イ) 具体的な検討内容
| 主な議題 | 主な決議事項・報告事項(審議、モニタリング、検証) |
| サステナビリティ・ 中期経営計画 | ●サステナビリティ経営の推進におけるマテリアリティに関する目標・指標の追加設定等 ●マテリアリティに関する取り組みの推進状況(「小田急グループ カーボンニュートラル2050」の進捗を含む) ●次期中期経営計画の策定方針 ●次期中期経営計画の検討状況 ●連結ROE目標達成に向けたKPI |
| 個別戦略・課題 (鉄道業・不動産業を除く) | ●以下の個別戦略等 「ホテル戦略」「観光・インバウンド事業」「財務・IR上の課題および具体的施策」「DX戦略」「人的資本強化策」 |
| 鉄道業関係 | ●鉄道事業の取り組み方針の策定 ●鉄道事業における設備投資計画 |
| 不動産業関係 | ●不動産戦略に基づく取り組みの方向性 ●不動産領域における中期経営計画と事業強化策の検討状況 ●海外不動産事業への投資 ●国内SPC投資 ●新宿駅西口地区開発計画等の進捗状況 |
| 各事業案件のモニタリング | ●不動産戦略に基づく取り組み ●海外事業の実績・進捗状況 |
| コーポレートガバナンス・ コードへの対応 | ●定時株主総会における議決権行使結果 ●取締役会実効性評価の実施結果 ●政策保有株式の保有意義 ●政策保有株式の売却 |
| 環境課題への取り組み | ●TNFD提言に基づく情報開示 |
| グループ会社関係 | ●グループ会社への融資 ●グループ会社の経営状況 |
| その他 | ●取締役報酬の決定に関する基本方針等の改定 ●内部通報制度(コンプライアンス・ホットライン)の運用状況 |
イ 指名・報酬諮問委員会の活動状況
当事業年度において、指名・報酬諮問委員会は3回開催されており、各委員の出席状況および具体的な検討内容については、次のとおりです。
(ア) 各委員の出席状況
| 氏名 | 開催回数 | 出席回数 |
| 大 原 透 | 3回 | 3回 |
| 糸 長 丈 秀 | 3回 | 3回 |
| 近 藤 史 朗 | 3回 | 2回 |
| 星 野 晃 司 | 3回 | 3回 |
(注) 委員のうち大原透、糸長丈秀、近藤史朗の各氏は、社外取締役です。
(イ) 具体的な検討内容
| 主な議題 | 主な決議事項・報告事項 |
| 取締役の選任 | ●取締役の選任に関する株主総会議案の原案 |
| 取締役の報酬等 | ●取締役(監査等委員である取締役を除く。)報酬等に関する株主総会議案の原案 ●取締役(監査等委員である取締役を除く。)報酬の決定に関する基本方針等の改定 ●役員報酬テーブルの一部見直し ●取締役の個人別の業績連動報酬 |
| その他 | ●最高経営責任者の後継者計画の進捗状況 |