訂正有価証券報告書-第12期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気の一部に改善の遅れがみられるものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかな景気回復基調が続いております。しかしながら、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。
このような状況のなか、当連結会計年度においては、企業価値の極大化に向け、「西武グループ中期事業計画(2016~2018年度)」に基づき、「強みを活かして、最強の西武グループへ」をテーマとして掲げ、「新たな視点でスピード感をもって、イノベーションに挑戦」と「さらなる成長へのシフトチェンジ」を基本方針に「長期的な事業基盤の確立」と「既存事業の強化」を重点課題として取り組んでまいりました。
長期的な事業基盤の確立としては、訪日外国人数の増加や人口構造の変化といったパラダイムシフトに対応し、「インバウンド(訪日外国人)」、「シニア」、「こども」といったマーケットへターゲットを拡大することで、新たなビジネスモデルを育成し、さらなる収益機会を創出しております。「インバウンド」に対しては、“『観光大国ニッポン』の中心を担う企業グループへ”をスローガンとして掲げ、外国人向け会員組織「SEIBU PRINCE CLUB emi」のサービス開始や旅行代理店向けに当社グループの施設を紹介する「2016西武グループメディアFAMツアー」の開催など、グループ一丸となった新たな取り組みを強化しております。
また、今後のグループの成長をけん引する一大プロジェクトである「東京ガーデンテラス紀尾井町(グランドプリンスホテル赤坂跡地開発計画)」がグランドオープンするなど、「西武グループ アセット戦略」に基づいたポートフォリオの組み換えによる再開発を実施いたしました。
当連結会計年度における経営成績の概況は、営業収益は、5,120億9百万円と前期に比べ39億27百万円の増加(前期比0.8%増)となりました。営業利益は、東京ガーデンテラス紀尾井町開業にかかる一時的な経費の計上や減価償却費の増加などにより、624億56百万円と前期に比べ34億99百万円の減少(同5.3%減)となりましたが、償却前営業利益は、1,081億15百万円と前期に比べ14億13百万円の増加(同1.3%増)となりました。経常利益は、574億72百万円と前期に比べ10億53百万円の減少(同1.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した求償債権計上益がなくなったことなどにより、475億64百万円と前期に比べ96億43百万円の減少(同16.9%減)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費を加えて算定しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線レジャー業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
鉄道業で、台風被害による一部運休の影響があったものの、雇用情勢の堅調な推移や沿線での積極的なイベント活動、沿線観光地のプロモーション強化などにより、旅客輸送人員は前期比0.9%増(うち定期1.5%増、定期外0.1%減)、旅客運輸収入は前期比0.7%増(うち定期1.5%増、定期外0.1%増)となりました。
しかしながら、都市交通・沿線事業の営業収益は、バス業で前期に計上したバス共通カード未使用分受入額の反動減や、沿線レジャー業で一部事業所の営業休止及び夏季プール営業の不調などにより、1,564億94百万円と前期に比べ8億65百万円の減少(同0.6%減)となりました。営業利益は、電気動力費や燃料費が減少したことなどにより、268億4百万円と前期に比べ9億19百万円の増加(同3.6%増)となり、償却前営業利益は、474億89百万円と前期に比べ7億50百万円の増加(同1.6%増)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、ゴルフ場業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1 ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。
2 以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。
ホテル業全体で、レベニューマネジメント(注1)を継続して実施したことや海外での営業拠点の拡大、プロモーションの強化など積極的な取り組みを実施いたしました。特に宿泊部門では、より高単価な客層へマーケットチェンジをはかったことなどから、シティ・リゾートともに平均販売室料が前期を上回り、RevPAR(注2)が前期比で上昇いたしました。また、東京ガーデンテラス紀尾井町内にザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町を開業したほか、グランドプリンスホテル高輪をはじめ、既存ホテルのリニューアル工事を実施いたしました。
(注)1 レベニューマネジメントとは、需要予測に基づき、適切な時期に適切な価格にてお客さまにサービスを提供し、利益を最大化する手法であります。
2 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
そのほか、株式会社横浜八景島では平成27年7月に実施したアクアパーク品川のリニューアル効果などにより、前期比で来場者数が増加いたしました。
ホテル・レジャー事業の営業収益は、東京プリンスホテル及びグランドプリンスホテル高輪の耐震補強工事による営業休止の影響があったものの、顧客層のマーケットチェンジによる既存ホテルのRevPARの上昇に加え、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町の開業、また、MICE(注)の好調な推移などの増収要因により、1,885億44百万円と前期に比べ5億22百万円の増加(同0.3%増)となりました。営業利益は、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町の開業にともなう一時的な経費の計上などにより、140億92百万円と前期に比べ65億35百万円の減少(同31.7%減)となり、償却前営業利益は、269億69百万円と前期に比べ51億円の減少(同15.9%減)となりました。
(注)MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業などがおこなう報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などがおこなう国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字であり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称であります。
ホテル・レジャー事業の主要な会社である株式会社プリンスホテルのホテル業(シティ)及びホテル業(リゾート)の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテル施設概要)
(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
(ホテル業の営業指標)
(注)1 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
5 ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。
(宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
不動産賃貸業で、東京ガーデンテラス紀尾井町がグランドオープンし、オフィス部分24フロアのテナント入居が完了したほか、商業エリア、住宅エリアについても好調に推移いたしました。また、所沢の西武第二ビルにテナント企業を誘致するなど保有資産の有効活用及び収益性の向上に取り組んでまいりました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、537億71百万円と前期に比べ40億80百万円の増加(同8.2%増)となりました。しかしながら、営業利益は、東京ガーデンテラス紀尾井町の開業にともなう一時的な経費の計上により、78億89百万円と前期に比べ66億39百万円の減少(同45.7%減)となりました。償却前営業利益は、162億1百万円と前期に比べ25億59百万円の減少(同13.6%減)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不
動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。
建設業で、鉄道工事や分譲住宅の建設、公共工事の施工を進めたほか、利益率を重視した厳正な受注管理や継続的な与信管理に加え、原価管理についても強化に努めてまいりました。
これらの結果、建設事業の営業収益は、建設業で土木工事やリノベーション工事が増加したほか、造園請負工事の増加などにより、1,149億96百万円と前期に比べ100億12百万円の増加(同9.5%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、土木工事において一過性の高利益率工事があったことなどにより、98億25百万円と前期に比べ61億30百万円の増加(同165.9%増)となり、償却前営業利益は、102億6百万円と前期に比べ61億58百万円の増加(同152.1%増)となりました。
建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建設業の受注高の状況)
(単位:百万円)
⑤ハワイ事業
ハワイ事業では、マウナケアビーチホテルでオートグラフ・コレクションの加盟効果やハプナビーチプリンスホテルで積極的な営業施策により個人客利用が増加したことなどで、好調に推移いたしました。また、ハプナビーチプリンスホテルの不動産の一部を売却いたしました。
これらの結果、ハワイ事業の営業収益は、231億67百万円と前期に比べ38億64百万円の増加(同20.0%増)となり、営業利益は、42億50百万円(前期は、営業損失8億36百万円)となり、償却前営業利益は、60億44百万円と前期に比べ48億11百万円の増加(同390.2%増)となりました。
ハワイ事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテルの客室稼働率、平均販売室料)
⑥その他
伊豆箱根事業では、箱根地区を中心にインバウンドの誘客施策を強化してまいりました。近江事業では、近江鉄道株式会社が創立120周年を記念したイベントや乗車券の販売を実施いたしました。西武ライオンズでは、メットライフドームで各種営業施策の実施により、2016年シーズンの観客動員数が前期比で増加いたしました。
しかしながら、営業収益は、西武ライオンズの公式戦主催試合の減少などにより、372億28百万円と前期に比べ3億14百万円の減少(同0.8%減)となりました。営業利益は、上記要因の減収による減益に加え、西武ライオンズで経費が増加したことなどにより、7億20百万円と前期に比べ3億62百万円の減少(同33.5%減)となり、償却前営業利益は、33億66百万円と前期に比べ3億24百万円の減少(同8.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ64億66百万円増加し、当連結会計年度末には275億51百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益585億33百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、924億18百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べ166億60百万円の資金収入の増加となりましたが、その主たる要因は、訴訟損失の支払額の減少(95億73百万円)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,339億31百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ575億96百万円の資金支出の増加となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の増加(556億56百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、481億62百万円の資金収入(前連結会計年度は、8億77百万円の資金支出)となりました。
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気の一部に改善の遅れがみられるものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかな景気回復基調が続いております。しかしながら、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。
このような状況のなか、当連結会計年度においては、企業価値の極大化に向け、「西武グループ中期事業計画(2016~2018年度)」に基づき、「強みを活かして、最強の西武グループへ」をテーマとして掲げ、「新たな視点でスピード感をもって、イノベーションに挑戦」と「さらなる成長へのシフトチェンジ」を基本方針に「長期的な事業基盤の確立」と「既存事業の強化」を重点課題として取り組んでまいりました。
長期的な事業基盤の確立としては、訪日外国人数の増加や人口構造の変化といったパラダイムシフトに対応し、「インバウンド(訪日外国人)」、「シニア」、「こども」といったマーケットへターゲットを拡大することで、新たなビジネスモデルを育成し、さらなる収益機会を創出しております。「インバウンド」に対しては、“『観光大国ニッポン』の中心を担う企業グループへ”をスローガンとして掲げ、外国人向け会員組織「SEIBU PRINCE CLUB emi」のサービス開始や旅行代理店向けに当社グループの施設を紹介する「2016西武グループメディアFAMツアー」の開催など、グループ一丸となった新たな取り組みを強化しております。
また、今後のグループの成長をけん引する一大プロジェクトである「東京ガーデンテラス紀尾井町(グランドプリンスホテル赤坂跡地開発計画)」がグランドオープンするなど、「西武グループ アセット戦略」に基づいたポートフォリオの組み換えによる再開発を実施いたしました。
当連結会計年度における経営成績の概況は、営業収益は、5,120億9百万円と前期に比べ39億27百万円の増加(前期比0.8%増)となりました。営業利益は、東京ガーデンテラス紀尾井町開業にかかる一時的な経費の計上や減価償却費の増加などにより、624億56百万円と前期に比べ34億99百万円の減少(同5.3%減)となりましたが、償却前営業利益は、1,081億15百万円と前期に比べ14億13百万円の増加(同1.3%増)となりました。経常利益は、574億72百万円と前期に比べ10億53百万円の減少(同1.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した求償債権計上益がなくなったことなどにより、475億64百万円と前期に比べ96億43百万円の減少(同16.9%減)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 営業収益 | 営業利益 | 償却前営業利益 | ||||||
当連結 会計年度 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 (%) | 当連結 会計年度 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 (%) | 当連結 会計年度 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 (%) | |
都市交通・沿線事業 | 156,494 | △865 | △0.6 | 26,804 | 919 | 3.6 | 47,489 | 750 | 1.6 |
ホテル・レジャー事業 | 188,544 | 522 | 0.3 | 14,092 | △6,535 | △31.7 | 26,969 | △5,100 | △15.9 |
不動産事業 | 53,771 | 4,080 | 8.2 | 7,889 | △6,639 | △45.7 | 16,201 | △2,559 | △13.6 |
建設事業 | 114,996 | 10,012 | 9.5 | 9,825 | 6,130 | 165.9 | 10,206 | 6,158 | 152.1 |
ハワイ事業 | 23,167 | 3,864 | 20.0 | 4,250 | 5,086 | - | 6,044 | 4,811 | 390.2 |
その他 | 37,228 | △314 | △0.8 | 720 | △362 | △33.5 | 3,366 | △324 | △8.8 |
合計 | 574,201 | 17,300 | 3.1 | 63,582 | △1,401 | △2.2 | 110,277 | 3,735 | 3.5 |
調整額 | △62,192 | △13,372 | - | △1,126 | △2,098 | - | △2,162 | △2,321 | - |
連結数値 | 512,009 | 3,927 | 0.8 | 62,456 | △3,499 | △5.3 | 108,115 | 1,413 | 1.3 |
(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費を加えて算定しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線レジャー業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 増減額 | |||
営業収益 | 157,359 | 156,494 | △865 | ||
鉄道業 | 104,939 | 105,123 | 183 | ||
バス業 | 25,610 | 25,531 | △79 | ||
沿線レジャー業 | 21,724 | 20,798 | △925 | ||
その他 | 5,085 | 5,041 | △44 |
鉄道業で、台風被害による一部運休の影響があったものの、雇用情勢の堅調な推移や沿線での積極的なイベント活動、沿線観光地のプロモーション強化などにより、旅客輸送人員は前期比0.9%増(うち定期1.5%増、定期外0.1%減)、旅客運輸収入は前期比0.7%増(うち定期1.5%増、定期外0.1%増)となりました。
しかしながら、都市交通・沿線事業の営業収益は、バス業で前期に計上したバス共通カード未使用分受入額の反動減や、沿線レジャー業で一部事業所の営業休止及び夏季プール営業の不調などにより、1,564億94百万円と前期に比べ8億65百万円の減少(同0.6%減)となりました。営業利益は、電気動力費や燃料費が減少したことなどにより、268億4百万円と前期に比べ9億19百万円の増加(同3.6%増)となり、償却前営業利益は、474億89百万円と前期に比べ7億50百万円の増加(同1.6%増)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
種別 | 単位 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | |
営業日数 | 日 | 366 | 365 | |
営業キロ | キロ | 179.8 | 179.8 | |
客車走行キロ | 千キロ | 172,527 | 173,314 | |
輸送人員 | 定期 | 千人 | 399,516 | 405,526 |
定期外 | 千人 | 243,176 | 242,893 | |
計 | 千人 | 642,693 | 648,420 | |
旅客運輸収入 | 定期 | 百万円 | 43,683 | 44,333 |
定期外 | 百万円 | 53,286 | 53,356 | |
計 | 百万円 | 96,969 | 97,690 | |
運輸雑収 | 百万円 | 4,160 | 4,021 | |
収入合計 | 百万円 | 101,130 | 101,711 | |
一日平均収入 | 百万円 | 264 | 267 | |
乗車効率 | % | 38.5 | 38.7 |
(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、ゴルフ場業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 増減額 | |||
営業収益 | 188,021 | 188,544 | 522 | ||
ホテル業(シティ) | 106,820 | 105,319 | △1,501 | ||
ホテル業(リゾート) | 38,308 | 38,826 | 518 | ||
ゴルフ場業 | 12,227 | 12,266 | 38 | ||
その他 | 30,665 | 32,132 | 1,467 |
(注)1 ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。
2 以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。
ホテル業全体で、レベニューマネジメント(注1)を継続して実施したことや海外での営業拠点の拡大、プロモーションの強化など積極的な取り組みを実施いたしました。特に宿泊部門では、より高単価な客層へマーケットチェンジをはかったことなどから、シティ・リゾートともに平均販売室料が前期を上回り、RevPAR(注2)が前期比で上昇いたしました。また、東京ガーデンテラス紀尾井町内にザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町を開業したほか、グランドプリンスホテル高輪をはじめ、既存ホテルのリニューアル工事を実施いたしました。
(注)1 レベニューマネジメントとは、需要予測に基づき、適切な時期に適切な価格にてお客さまにサービスを提供し、利益を最大化する手法であります。
2 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
そのほか、株式会社横浜八景島では平成27年7月に実施したアクアパーク品川のリニューアル効果などにより、前期比で来場者数が増加いたしました。
ホテル・レジャー事業の営業収益は、東京プリンスホテル及びグランドプリンスホテル高輪の耐震補強工事による営業休止の影響があったものの、顧客層のマーケットチェンジによる既存ホテルのRevPARの上昇に加え、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町の開業、また、MICE(注)の好調な推移などの増収要因により、1,885億44百万円と前期に比べ5億22百万円の増加(同0.3%増)となりました。営業利益は、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町の開業にともなう一時的な経費の計上などにより、140億92百万円と前期に比べ65億35百万円の減少(同31.7%減)となり、償却前営業利益は、269億69百万円と前期に比べ51億円の減少(同15.9%減)となりました。
(注)MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業などがおこなう報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などがおこなう国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字であり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称であります。
ホテル・レジャー事業の主要な会社である株式会社プリンスホテルのホテル業(シティ)及びホテル業(リゾート)の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテル施設概要)
施設数 (か所) | 客室数 (室) | 宴会場数 (室) | 宴会場面積 (㎡) | |
シティ | 14 | 10,467 | 190 | 50,797 |
高輪・品川エリア | 4 | 5,136 | 83 | 20,197 |
リゾート | 28 | 6,783 | 82 | 22,750 |
軽井沢エリア | 3 | 712 | 11 | 3,670 |
(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
(ホテル業の営業指標)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | ||
RevPAR(円) | シティ | 11,588 | 11,911 |
高輪・品川エリア | 12,500 | 12,873 | |
リゾート | 8,626 | 9,243 | |
軽井沢エリア | 18,824 | 19,376 | |
宿泊部門全体 | 10,562 | 10,980 |
平均販売室料(円) | シティ | 14,054 | 14,873 |
高輪・品川エリア | 14,429 | 14,808 | |
リゾート | 15,824 | 16,198 | |
軽井沢エリア | 31,619 | 30,894 | |
宿泊部門全体 | 14,513 | 15,239 |
客室稼働率(%) | シティ | 82.5 | 80.1 |
高輪・品川エリア | 86.6 | 86.9 | |
リゾート | 54.5 | 57.1 | |
軽井沢エリア | 59.5 | 62.7 | |
宿泊部門全体 | 72.8 | 72.1 |
(注)1 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
5 ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。
(宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
平成28年3月期 | 比率 | 平成29年3月期 | 比率 | |
宿泊客 | 4,707,949 | 100.0 | 4,457,671 | 100.0 |
邦人客 | 3,565,316 | 75.7 | 3,401,013 | 76.3 |
外国人客 | 1,142,633 | 24.3 | 1,056,658 | 23.7 |
③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 増減額 | |||
営業収益 | 49,690 | 53,771 | 4,080 | ||
不動産賃貸業 | 31,265 | 35,447 | 4,181 | ||
その他 | 18,424 | 18,323 | △100 |
不動産賃貸業で、東京ガーデンテラス紀尾井町がグランドオープンし、オフィス部分24フロアのテナント入居が完了したほか、商業エリア、住宅エリアについても好調に推移いたしました。また、所沢の西武第二ビルにテナント企業を誘致するなど保有資産の有効活用及び収益性の向上に取り組んでまいりました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、537億71百万円と前期に比べ40億80百万円の増加(同8.2%増)となりました。しかしながら、営業利益は、東京ガーデンテラス紀尾井町の開業にともなう一時的な経費の計上により、78億89百万円と前期に比べ66億39百万円の減少(同45.7%減)となりました。償却前営業利益は、162億1百万円と前期に比べ25億59百万円の減少(同13.6%減)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
期末貸付面積 (千㎡) | 期末空室率 (%) | |||
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | |
商業施設 | 234 | 239 | 1.0 | 0.7 |
オフィス・住宅 | 60 | 166 | 14.0 | 3.1 |
(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 増減額 | |||
営業収益 | 104,983 | 114,996 | 10,012 | ||
建設業 | 79,484 | 88,578 | 9,094 | ||
その他 | 25,498 | 26,417 | 918 |
(注)建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不
動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。
建設業で、鉄道工事や分譲住宅の建設、公共工事の施工を進めたほか、利益率を重視した厳正な受注管理や継続的な与信管理に加え、原価管理についても強化に努めてまいりました。
これらの結果、建設事業の営業収益は、建設業で土木工事やリノベーション工事が増加したほか、造園請負工事の増加などにより、1,149億96百万円と前期に比べ100億12百万円の増加(同9.5%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、土木工事において一過性の高利益率工事があったことなどにより、98億25百万円と前期に比べ61億30百万円の増加(同165.9%増)となり、償却前営業利益は、102億6百万円と前期に比べ61億58百万円の増加(同152.1%増)となりました。
建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建設業の受注高の状況)
(単位:百万円)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | |||
期首繰越高 | 84,335 | 99,069 | ||
期中受注高 | 94,045 | 79,080 | ||
期末繰越高 | 99,069 | 89,755 |
⑤ハワイ事業
ハワイ事業では、マウナケアビーチホテルでオートグラフ・コレクションの加盟効果やハプナビーチプリンスホテルで積極的な営業施策により個人客利用が増加したことなどで、好調に推移いたしました。また、ハプナビーチプリンスホテルの不動産の一部を売却いたしました。
これらの結果、ハワイ事業の営業収益は、231億67百万円と前期に比べ38億64百万円の増加(同20.0%増)となり、営業利益は、42億50百万円(前期は、営業損失8億36百万円)となり、償却前営業利益は、60億44百万円と前期に比べ48億11百万円の増加(同390.2%増)となりました。
ハワイ事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテルの客室稼働率、平均販売室料)
平成28年3月期 | 平成29年3月期 | |
客室稼働率 (%) | 73.4 | 69.2 |
平均販売室料 (円) | 29,146 | 27,815 |
平均販売室料 (米ドル) | 243.29 | 252.86 |
⑥その他
伊豆箱根事業では、箱根地区を中心にインバウンドの誘客施策を強化してまいりました。近江事業では、近江鉄道株式会社が創立120周年を記念したイベントや乗車券の販売を実施いたしました。西武ライオンズでは、メットライフドームで各種営業施策の実施により、2016年シーズンの観客動員数が前期比で増加いたしました。
しかしながら、営業収益は、西武ライオンズの公式戦主催試合の減少などにより、372億28百万円と前期に比べ3億14百万円の減少(同0.8%減)となりました。営業利益は、上記要因の減収による減益に加え、西武ライオンズで経費が増加したことなどにより、7億20百万円と前期に比べ3億62百万円の減少(同33.5%減)となり、償却前営業利益は、33億66百万円と前期に比べ3億24百万円の減少(同8.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ64億66百万円増加し、当連結会計年度末には275億51百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益585億33百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、924億18百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べ166億60百万円の資金収入の増加となりましたが、その主たる要因は、訴訟損失の支払額の減少(95億73百万円)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,339億31百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ575億96百万円の資金支出の増加となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の増加(556億56百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、481億62百万円の資金収入(前連結会計年度は、8億77百万円の資金支出)となりました。