有価証券報告書-第156期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、経営者から従業員一人ひとりまで共通の価値観を持ち、自立的・自発的に行動していくため、「企業理念」、および「企業行動指針」を制定しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、収益の源泉となる売上高ならびに各段階の利益を重視し、各事業ごとに収益力強化に向けた活動を通じて企業価値の向上に努めております。
(3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新年度開始早々より収益が大幅に減少しており、2020年度の決算は近年にない程たいへん厳しい結果となる可能性があります。よって、東海バスグループの最優先課題は、収支の改善に向けた迅速な対応と、早期の業績の回復です。当面は優先度を踏まえた投資の先送りと徹底的な経費の削減を行い、少しでも収支の改善を図ってまいりますが、感染の収束時期とその影響額によっては、さらなる対応策を迅速に検討・実施してまいります。また事業継続に向けた必要な資金の調達につきましても、小田急電鉄㈱と協議し、適切に対処してまいります。
感染の収束以降につきましては、反動として一気に観光旅行の気運が高まると考えられますが、海外も含めた誘客競争に勝ち抜き大きな成果を上けるためには、国等からの支援・振興策を的確に捉えるとともに、他の事業者や自治体と連携した内容・規模ともにインパクトのある商品・サービスの展開が必要と考えます。収束後を見据えてこうした準備を確実に進め、新型コロナウイルスによる影響からの業績回復を図るとともに、伊豆地域の振興に努めてまいります。
他方、伊豆における少子高齢化・過疎化の進行と社会や消費者ニーズの変化を踏まえますと、既存事業を維持・継続していくだけでは、企業グループとしての成長は見込めません。こうしたことから、当社グループは2019年5月に制定した企業理念のもと、バス事業をはじめとする諸事業において、中長期的視点から、将来の成長のための投資を行い、新たな価値を生み出すため、果敢なチャレンジを行ってまいります。
① バス事業体制の強化と安全対策の推進
バス事業会社5社を2020年4月1日付で合併し、バス事業会社を1社体制といたしました。この合併により、安全管理体制および営業所間連携の一層の強化を図るとともに、業務の効率化を推進し、経営基盤を安定させ、変化する環境に対応しながらバス事業者としての使命を果たせる事業体制を構築してまいります。また、厳しい状況下ではありますが、課題となっている運転士の確保に向け、運転士の積極的な募集に引き続き取り組んでまいります。
バス事業におきまして最も重要で、かつ永遠の課題である運転事故防止については、運転士の健康維持管理の向上や各種安全性向上策の推進に積極的に取り組むとともに、先進技術を活用した安全機能の積極的導入を図ってまいります。
② インバウンド需要の取り込みとバス事業の拡大
地域人口の減少を踏まえますと、インバウンドすなわち訪日外国人旅行客の伊豆誘客とバス利用の促進は急務であり、積極的な取り組みを行ってまいります。具体的には、当社グループは2019年10月に策定しました「インバウンド推進方針」に基づき、熱海・伊東・三島から南伊豆・西伊豆方面への送客を図るため、個人旅行者向けの新たなフリーパスや話題性のある定期観光バスといった周遊観光型の商品や、他の交通事業者と連携した使いやすくわかりやすい商品開発などに取り組んでまいります。また、本年度運行開始予定の高速乗合バス・三島羽田シャトルの利用拡大を図るなかで、羽田・横浜から三島経由での伊豆への誘客促進に取り組んでまいります。
③ 貸切バス業の建て直し
貸切バス業につきましては、伊豆地域での需要の漸減等に伴い2年連続して収益が大幅に減少しており、建て直しが急務となっております。まずは営業力の強化とお客さまのニーズにあわせた旅行商品、サービスの提供に努めてまいります。そして、伊豆地域での貸切バス需要は漸減していく見込みであることから、新たな商品開発や他の交通事業者・旅行代理店との連携による着地型の貸切バス需要の創出に努めるとともに、利益の確保を図ってまいります。
④ 既存事業のリニューアルと新たなビジネスの展開
永続的な企業運営に向け、引き続き不動産賃貸業の拡充を図ってまいります。既存事業につきましては、社会的動向や消費者のニーズの変化を踏まえ、抜本的な見直しを進めてまいります。特に、伊東市の小室山におきましては、ここを伊豆の人気観光拠点とするべく、小室山山頂・山麓の抜本的なリニューアル計画案を推進いたします。新規事業であるリハビリ型デイサービスにつきましては、有望な事業エリアにおいて、早期の多店舗化を推進いたします。さらに、グループ会社の有望な事業を積極的に支援し、安定的な収益基盤の整備・確立に努めてまいります。
⑤ 新たな時代への対応
自動無人運転車両の普及は伊豆地区の活性化と観光客を含めたお客さまの移動の改善に大きく寄与するものと確信しております。こうしたことから、自動運転の実用化に関する情報収集を進めるとともに、伊豆地域におけるバスの実証実験に引き続き積極的に参画してまいります。また、オンデマンド交通サービス、貨客混載など、バス・タクシー・トラックの枠に捉われない新輸送形態・事業形態の実施や研究を進めるほか、移動の利便性を高めるEMotなど小田急電鉄㈱のMaaSをはじめとする次世代モビリティの取り組みにも積極的に参画し、伊豆の発展に貢献するとともに、当社事業の発展に結び付けてまいります。
⑥ 人材の確保・育成と新たな企業文化の構築
当社の企業理念を踏まえ、労働条件の改善、職場環境の整備、中途を含めた採用の改善・強化、積極的な人材育成、女性社員の積極活用・登用、働き方改革の推進などを通じて、安心して働くことができ、仕事にやりがいをもって活躍できる笑顔のあふれる職場作りを着実に進め、人材の確保に結び付けてまいります。そして、将来の成長に向け、失敗を恐れないチャレンジ精神と風通しのよい職場風土の構築を進めてまいります。
⑦ コンプライアンスの定着とリスクマネジメントの強化
コンプライアンス違反の撲滅に向け、会社として迅速かつ的確な対応を取るとともに、引き続き職場におけるコンプライアンスの理解と認識を深め、コンプライアンス違反を許さない職場風土作りに取り組んでまいります。また、リスクマネジメントにつきましては、2019年10月の台風災害の教訓を踏まえ、特に豪雨・水害への対策を具体化し、推進いたします。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、経営者から従業員一人ひとりまで共通の価値観を持ち、自立的・自発的に行動していくため、「企業理念」、および「企業行動指針」を制定しております。
| 企業理念 わたしたちは、お客さまの心に寄り添いながら、より安全・安心・快適なサービスを追求していきます。 わたしたちは、やりがいと笑顔があふれる職場を大切にしていきます。 そして、新しい価値を創造し、地域とともに成長していきます。 |
| 企業行動指針 1 お客さまのために (1)運転業務などの業務の遂行にあたっては、最も安全と考えられる判断・行動を常にとり、基本動作の実 行、確認の励行、連絡の徹底により、事故の防止に全力を尽くします。 (2)お客さま満足度の向上を図るため、お客さまの声に積極的に耳を傾け、迅速かつ適切に行動します。 (3)お客さまに感謝し、笑顔でおもいやりのある行動をします。 (4)一人ひとりが会社の代表であるとの自覚を持ち、お客さまに誠実に対応します。 (5)変化を見据え、新たな価値を生み出し、お客さまとの感動の共有を目指します。 2 やりがいと笑顔があふれる職場のために (1)安心して働くことができ、仕事にやりがいを持って活躍できる職場をつくります。 (2)一人ひとりの意見を尊重し、笑顔とコミュニケーションを大切に風通しの良い職場風土をつくります。 (3)自らの能力を最大限に発揮して、誠実かつスピード感をもって職務を遂行し、最善のチームワークで、業績を向上させます。 (4)グローバルな視野と高感度の情報収集を心がけ、高い志と失敗を恐れないチャレンジ精神をもって自ら 考え行動します。 (5)専門性・創造性・先進性・革新性に溢れた人材育成と自らの能力向上に努め、仲間の成長をも支援しま す。 (6)健康の保持・増進に努め、安全で快適な職場環境づくりに取り組みます。 (7)一人ひとりの人格・個性を尊重し、それぞれの多様性を認め、差別やハラスメントのない、公正で明る い職場をつくります。 3 地域とともに歩むために (1)お客さまからの信頼を獲得し、東海バスブランドの向上に努めます。 (2)事業活動を通して、地域の発展に貢献します。 (3)交通事業に携わる者として、公私を問わず交通ルールを遵守し、交通安全の啓発活動を積極的に推進し ます。 (4)適切な情報開示を行い、社会からの評価や要望を謙虚に受け止め、事業活動に反映させます。 (5)省エネルギーなどの環境保全に積極的に取り組むとともに、地域社会の一員として、社会貢献活動を行 います。 4 公正な企業活動のために (1)法令・企業倫理を遵守し、「うそ」「ごまかし」「隠蔽」を憎み、誠実に職務を遂行します。 (2)「悪い報告ほど早く」を合言葉に、迅速で躊躇しない報告・連絡・相談を心掛け、リスクの最小化に取 り組みます。 (3)透明で公正な取引を行い、法令・社会倫理に反する行為はしません。 (4)会社の資産、営業機密や個人情報の保護・管理に努め、不正に利用しません。 |
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、収益の源泉となる売上高ならびに各段階の利益を重視し、各事業ごとに収益力強化に向けた活動を通じて企業価値の向上に努めております。
(3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新年度開始早々より収益が大幅に減少しており、2020年度の決算は近年にない程たいへん厳しい結果となる可能性があります。よって、東海バスグループの最優先課題は、収支の改善に向けた迅速な対応と、早期の業績の回復です。当面は優先度を踏まえた投資の先送りと徹底的な経費の削減を行い、少しでも収支の改善を図ってまいりますが、感染の収束時期とその影響額によっては、さらなる対応策を迅速に検討・実施してまいります。また事業継続に向けた必要な資金の調達につきましても、小田急電鉄㈱と協議し、適切に対処してまいります。
感染の収束以降につきましては、反動として一気に観光旅行の気運が高まると考えられますが、海外も含めた誘客競争に勝ち抜き大きな成果を上けるためには、国等からの支援・振興策を的確に捉えるとともに、他の事業者や自治体と連携した内容・規模ともにインパクトのある商品・サービスの展開が必要と考えます。収束後を見据えてこうした準備を確実に進め、新型コロナウイルスによる影響からの業績回復を図るとともに、伊豆地域の振興に努めてまいります。
他方、伊豆における少子高齢化・過疎化の進行と社会や消費者ニーズの変化を踏まえますと、既存事業を維持・継続していくだけでは、企業グループとしての成長は見込めません。こうしたことから、当社グループは2019年5月に制定した企業理念のもと、バス事業をはじめとする諸事業において、中長期的視点から、将来の成長のための投資を行い、新たな価値を生み出すため、果敢なチャレンジを行ってまいります。
① バス事業体制の強化と安全対策の推進
バス事業会社5社を2020年4月1日付で合併し、バス事業会社を1社体制といたしました。この合併により、安全管理体制および営業所間連携の一層の強化を図るとともに、業務の効率化を推進し、経営基盤を安定させ、変化する環境に対応しながらバス事業者としての使命を果たせる事業体制を構築してまいります。また、厳しい状況下ではありますが、課題となっている運転士の確保に向け、運転士の積極的な募集に引き続き取り組んでまいります。
バス事業におきまして最も重要で、かつ永遠の課題である運転事故防止については、運転士の健康維持管理の向上や各種安全性向上策の推進に積極的に取り組むとともに、先進技術を活用した安全機能の積極的導入を図ってまいります。
② インバウンド需要の取り込みとバス事業の拡大
地域人口の減少を踏まえますと、インバウンドすなわち訪日外国人旅行客の伊豆誘客とバス利用の促進は急務であり、積極的な取り組みを行ってまいります。具体的には、当社グループは2019年10月に策定しました「インバウンド推進方針」に基づき、熱海・伊東・三島から南伊豆・西伊豆方面への送客を図るため、個人旅行者向けの新たなフリーパスや話題性のある定期観光バスといった周遊観光型の商品や、他の交通事業者と連携した使いやすくわかりやすい商品開発などに取り組んでまいります。また、本年度運行開始予定の高速乗合バス・三島羽田シャトルの利用拡大を図るなかで、羽田・横浜から三島経由での伊豆への誘客促進に取り組んでまいります。
③ 貸切バス業の建て直し
貸切バス業につきましては、伊豆地域での需要の漸減等に伴い2年連続して収益が大幅に減少しており、建て直しが急務となっております。まずは営業力の強化とお客さまのニーズにあわせた旅行商品、サービスの提供に努めてまいります。そして、伊豆地域での貸切バス需要は漸減していく見込みであることから、新たな商品開発や他の交通事業者・旅行代理店との連携による着地型の貸切バス需要の創出に努めるとともに、利益の確保を図ってまいります。
④ 既存事業のリニューアルと新たなビジネスの展開
永続的な企業運営に向け、引き続き不動産賃貸業の拡充を図ってまいります。既存事業につきましては、社会的動向や消費者のニーズの変化を踏まえ、抜本的な見直しを進めてまいります。特に、伊東市の小室山におきましては、ここを伊豆の人気観光拠点とするべく、小室山山頂・山麓の抜本的なリニューアル計画案を推進いたします。新規事業であるリハビリ型デイサービスにつきましては、有望な事業エリアにおいて、早期の多店舗化を推進いたします。さらに、グループ会社の有望な事業を積極的に支援し、安定的な収益基盤の整備・確立に努めてまいります。
⑤ 新たな時代への対応
自動無人運転車両の普及は伊豆地区の活性化と観光客を含めたお客さまの移動の改善に大きく寄与するものと確信しております。こうしたことから、自動運転の実用化に関する情報収集を進めるとともに、伊豆地域におけるバスの実証実験に引き続き積極的に参画してまいります。また、オンデマンド交通サービス、貨客混載など、バス・タクシー・トラックの枠に捉われない新輸送形態・事業形態の実施や研究を進めるほか、移動の利便性を高めるEMotなど小田急電鉄㈱のMaaSをはじめとする次世代モビリティの取り組みにも積極的に参画し、伊豆の発展に貢献するとともに、当社事業の発展に結び付けてまいります。
⑥ 人材の確保・育成と新たな企業文化の構築
当社の企業理念を踏まえ、労働条件の改善、職場環境の整備、中途を含めた採用の改善・強化、積極的な人材育成、女性社員の積極活用・登用、働き方改革の推進などを通じて、安心して働くことができ、仕事にやりがいをもって活躍できる笑顔のあふれる職場作りを着実に進め、人材の確保に結び付けてまいります。そして、将来の成長に向け、失敗を恐れないチャレンジ精神と風通しのよい職場風土の構築を進めてまいります。
⑦ コンプライアンスの定着とリスクマネジメントの強化
コンプライアンス違反の撲滅に向け、会社として迅速かつ的確な対応を取るとともに、引き続き職場におけるコンプライアンスの理解と認識を深め、コンプライアンス違反を許さない職場風土作りに取り組んでまいります。また、リスクマネジメントにつきましては、2019年10月の台風災害の教訓を踏まえ、特に豪雨・水害への対策を具体化し、推進いたします。