訂正有価証券報告書-第78期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
(1) 経営方針
当社グループは創業以来、
を、経営の基本理念として掲げ、株主の皆様をはじめ社員、取引先、地域社会等ステークホルダーとの深い信頼関係に基づき、着実に事業の発展に注力してまいりました。
持株会社のもと、当社グループは引き続き、創業の精神を受け継ぎ「お客様が一番」の価値観を共有し、地域に
密着した輸送およびその周辺業務の取り込みに向け、積極的に提案営業を展開し、事業会社各社がそれぞれの業務
分野を分担しながら有機的に連携することにより、一層の企業価値の安定的な向上に向けて注力してまいります。
(2) 中長期的な経営戦略に基づく取組み
当社は、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるため取り組んでおります。
当社は、陸軍統制令や終戦により統合・分離を経て、昭和22年に「岐阜トラック運輸株式会社」として設立以来、貨物運送事業を中心として、全国配送に向けた輸送路線網の拡大、大量高速輸送時代に先駆けたトレーラー輸送の開始、Sライン日本グループによる全国輸送ネットワーク体制の確立、業界初のオンラインシステム(スリーエスシステム)の稼動、子会社化方式による輸送周辺領域業務の取り組み等、お客様の様々なニーズにお応えすべく注力してまいりました。
また、当社は、グループ体制のさらなる発展と結束力の強化、収益力の向上、また、各事業会社の迅速な意思決定と環境変化にも機動的かつ柔軟な対応を図ることにより企業価値を高めることを目的として、会社分割によって平成18年10月に純粋持株会社体制に移行し、現在に至っております。
当社グループは、貨物自動車運送事業のうち、主に小口商業貨物輸送(特別積合せ)事業を営むエスライングループ6社と地域や顧客に特化した物流サービス全般を行う事業会社15社、そして損害保険代理業や産地直送品販売を行う事業会社2社からなるスワローグループで構成され、札幌から鹿児島までを結ぶ路線内に支店・営業所を有しておりますが、主には東京から福岡までの太平洋ベルト地帯を事業基盤としてトラック輸送を中心とした物流関連事業を営んでおります。
当社は、持株会社体制への移行により、運送事業、物品販売事業、情報処理事業、自動車整備事業等、輸送事業とその関連周辺分野を中心とした事業領域において経営資本と管理体制の効率化を推進し、当社グループの一層の利益体質の確立と企業価値の向上を図ることにより、ワンランク上の総合物流企業を目指し、日々注力しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①中期経営計画策定の背景
当社グループは、全国の主要都市を結ぶ輸送事業とその周辺の物流事業をコア事業と位置付け、グループ全社が、「お客様が一番」の価値観を共有しながら、お客様や地域社会に信頼され、喜ばれる「輸配送・物流サービス」を提供することにより、企業価値の安定的な向上に注力してまいりました。
当社グループの主要な事業であります物流関連業界は、国内の貨物輸送量の減少傾向が続く中で、労働力不足による傭車費や人件費・外部委託費の増加、労働時間の制約による輸送供給力の低下等の課題も多く、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が続いております。
他方、お客様からは「物流のさらなる効率化を図りたい」、「自社ビジネスの優位性を高める物流を構築したい」など、輸配送や物流に関する要請も多く寄せられています。
このような物流環境下のもと、当社は、会社設立70周年の記念の年にあたります2017年3月期事業年度をスタートラインとして、今まで以上にサービスレベルの向上と事業領域の拡大を図ることにより、“安心・安全で、信頼される物流企業”でありたいとの思いから、「エスラインブランドの確立に向けて」をスローガンとした中期経営計画を策定し、経営目標の達成に向けて、当社グループ一丸となって取り組んでおります。
②中期経営計画の概要
(イ) 名 称 “エスラインブランドの確立に向けて”
Challenge From The 70th
(ロ) 計画期間 2016年4月1日から2019年3月31日(3ヶ年)
(ハ) 基本方針
1. 輸配送サービス事業の収益確保
2. 物流サービス事業の積極展開
3. 人材と物流ノウハウの育成
4. 経営品質の向上
(ニ) 経営目標
③中期経営計画達成に向けた取り組み
2017年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画(スローガン:「エスラインブランドの確立に向けて」)で計画した経営目標の達成に向けて、輸送・物流の両サービスの更なる拡大と質の向上を図るために「物流サービス開発センター」部門を開設し、専門知識や物流ノウハウを有した弊社グループ社員による次の4つのワーキンググループ(WG)を立ち上げ、具体的な行動計画の策定作業と実行に取り組んでおります。
(イ)「輸送サービスWG」
「フォワーダー事業」の取り組みによる物量の確保と収益拡大
○幹線輸送の積載効率の向上やネットワークを見直し、貸切など輸送サービスを強化
○関東・中部・関西の3拠点での中小ロット貨物の獲得により、エスライングループ内の貸切車両の積載効率を向上
○受注機能強化と総合配車機能を拡充するため、中部地区に総合配車センターを設立
○総合配車センターを東日本、西日本にも展開
(ロ)「物流サービスWG」
保管、物流加工、配送に至る一貫物流サービスの機能強化
○物流サービス機構を立ちあげ、エスライングループでの物流サービスのノウハウ共有や人材を活用
○第一弾として中部地区において、衣料品の量販店向け一貫物流サービスの獲得
(ハ)「ホームサービスWG」
「大型商品宅配サービス」の強化
ツーマン配送業務をベースに大型商品宅配や付加価値サービスの推進
○エスライングループの強みであるネットワークや保管施設を活かした大型商品の宅配サービスによる営業拡大
○家電量販店、大型家具店、ネット通販会社などへの営業展開を図り、高利益率な一貫物流サービスを展開
(ニ)「引越サービスWG」
引越サービスの拡大と事業化を推進
○スワロー引越便推進室の立ち上げ
○単身者向け引越、事務所引越の営業強化
○「スワロー引越便」のPRと質の向上
・マニュアル等ツールの整備やチラシの配布
・引越スタッフ会議の実施
・引越便の商品企画、商品開発、資材の研究、宣伝活動、人材育成等
・引越研修センターを開設し、作業品質の向上
(4) 経営環境と対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、世界経済の緩やかな回復を背景に輸出や設備投資は堅調な伸びを見込み、景気は緩やかな拡大基調に向かうと思われます。昨年後半からは、特別積合せ部門の貨物輸送量は前年を上回ってはいるものの、急速に拡大することは期待できないと予想されます。また、労働力不足や労働時間短縮に向けた取り組み、不安定な原油価格の動向、さらには、安全運転や環境対応に向けた車両や安全装置の導入を始め、コスト増加要因が見込まれる等、当社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。
このような環境のもと、当社グループでは、安定した輸送品質を提供する中で、適正運賃への改定や、諸料金の見直し、付帯作業の有料化等の料金交渉も積極的に進めてまいります。一方、先期に導入した通信型デジタルタコグラフやドラレコから収集した、ドライバーの稼働状況や車両の運行状況のデータをもとに、労働時間を中心とした時間管理と人材の適正配置や、運行コースの見直しを行うことにより、作業効率や運行効率を高めて、収益向上に努めてまいります。また、平成28年度を初年度とする3ヶ年の『中期経営計画(エスラインブランドの確立に向けて)』も2年目を迎えます。初年度に「物流サービス開発センター」で策定した具体的な行動計画に基づき、以下の取り組みを行ってまいります。
○輸送サービスの部門では、取扱い貨物の増量に力を入れるとともに、当社グループ内の車両の配送効率を高めるために、㈱エスラインギフの中部本部内に開設した「総合配車センター」を東日本本部、西日本本部へも展開し、当社グループの「総合配車センター」として、最適な配車を行うとともに、フォワーダー事業による収益拡大に向けた取り組みを行ってまいります。
○物流サービスの部門では、当社が納品物流を行っている衣料品関連量販店様のベンダー様に対し、商品保管・加工・配送までを請け負う、一貫物流サービスの獲得に向けた、営業活動を進めてまいります。
○ホームサービスの内、引越し部門では「スワロー引越便」を当社グループ統一の引越しブランドとし、ご家庭の引越しだけでなく、幹線ネットワークを利用した単身者向け引越し、さらには事務所移転など企業向け引越しの受注に向けたPR活動を積極的に行ってまいります。本年5月には名古屋駅前での事務所の大型引越しも受注し、無事終了いたしました。この実績を活かして、事務所引越しの拡大にも取り組んでまいります。ツーマン配送部門では、当社グループの強みである幹線ネットワークを使った、生産地から利用者までの一貫輸送サービスの営業を積極的に行ってまいります。あわせて、現在は、宅内配送が可能なエリアは、関東・中部地区に留まっていますが、関西や九州地区への配送拠点の拡大展開も進めてまいります。
また、引越しや大型商品等のツーマン配送に必要な、作業見積りから商品設置作業および接客マナー等の教育や訓練を行う「研修センター」を開設し、お客様から、安心して任せて頂ける、作業品質の維持・向上を目指して当センターを活用してまいります。
○情報システム部門では、各サービスの業務拡大を実現するための支援機能を有した情報システムの充実と、お客様間あるいは作業する担当者や拠点間でのタイムリーな情報伝達や共有化を図るシステムの構築にも取り組んでまいります。また、SKKS(エスライン経営管理システム)の進化版として、各サービスの収益構造が把握でき、迅速な経営判断を可能とする、経営管理システムの構築にも取り組んでまいります。
これらの実行計画を着実に進め、お客様から信頼される物流品質のさらなる向上と、事業領域の拡大を図ることにより、経営目標の達成と企業価値の向上に取り組んでまいります。
(5) 会社の支配に関する基本方針について
当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます。)の内容は以下のとおりです。
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、経営の基本理念をはじめ当社の財務基盤や事業内容等の企業価値の源を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続して確保し向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。
当社株式の自由な売買は株主の皆様に保障された当然の権利であり、また、金融商品取引所に上場する株式会社としての当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決定されるものであります。
また、当社の支配権の移転を伴う大規模な買付行為や買付提案またはこれに類似する行為がなされた場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概に否定するものではなく、これに応ずるべきか否かの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、近年、わが国の資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための必要かつ十分な情報や時間を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な買付等を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。
② 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成29年6月29日開催の第78期定時株主総会において、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとして導入しております。
本プランの概要は以下のとおりです。
(イ) 当社株式の大規模買付行為等
本プランにおける当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。
(ロ) 大規模買付ルールの概要
大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)または、株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
(ハ) 大規模買付行為が実施された場合の対応
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと取締役会が判断した場合には、対抗措置をとることがあります。
(ニ) 対抗措置の客観性・合理性を担保するための制度および手続
対抗措置を講ずるか否かについては、取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置しております。
対抗措置をとる場合、その判断の客観性・合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、対抗措置の発動の是非について、勧告を行うものとします。
(ホ) 本プランの有効期限等
本プランの有効期限は、平成29年6月30日までに開催予定の当社第78期定時株主総会終結の時までとなっております。
ただし、有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により本プランは廃止されるものとします。
③ 本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
本プランは、大規模買付行為が行われる際に、株主の皆様が判断し、あるいは取締役会が代替案を提案するために必要かつ十分な情報や時間を確保する等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みであり、まさに会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。
また、本プランは、(a)買収防衛策に関する指針の要件を充足していることおよび経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること (b)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること (c)株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること (d)独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の勧告を尊重するものであること (e)デッドハンド型およびスローハンド型の買収防衛策ではないこと等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
当社グループは創業以来、
| 「和」 | 社是「和」のもと、労使一体の全員経営により輸送の使命を果たしてみんなの幸せを追究する。 |
| 「法の精神」 | 国内の法または関係法令およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて社会から信頼される企業を目指す。 |
| 「社会貢献」 | 地域に密着した企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する。 |
| 「環境と顧客優先」 | 環境に配慮した物流企画の提案と輸送品質の向上に努め、お客様に満足して頂ける物流を提供する。 |
| 「全員参加」 | 全社員が職務に応じて企業の運営を分担する全員経営により、対話と活力に満ちた企業風土をつくる。 |
を、経営の基本理念として掲げ、株主の皆様をはじめ社員、取引先、地域社会等ステークホルダーとの深い信頼関係に基づき、着実に事業の発展に注力してまいりました。
持株会社のもと、当社グループは引き続き、創業の精神を受け継ぎ「お客様が一番」の価値観を共有し、地域に
密着した輸送およびその周辺業務の取り込みに向け、積極的に提案営業を展開し、事業会社各社がそれぞれの業務
分野を分担しながら有機的に連携することにより、一層の企業価値の安定的な向上に向けて注力してまいります。
(2) 中長期的な経営戦略に基づく取組み
当社は、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるため取り組んでおります。
当社は、陸軍統制令や終戦により統合・分離を経て、昭和22年に「岐阜トラック運輸株式会社」として設立以来、貨物運送事業を中心として、全国配送に向けた輸送路線網の拡大、大量高速輸送時代に先駆けたトレーラー輸送の開始、Sライン日本グループによる全国輸送ネットワーク体制の確立、業界初のオンラインシステム(スリーエスシステム)の稼動、子会社化方式による輸送周辺領域業務の取り組み等、お客様の様々なニーズにお応えすべく注力してまいりました。
また、当社は、グループ体制のさらなる発展と結束力の強化、収益力の向上、また、各事業会社の迅速な意思決定と環境変化にも機動的かつ柔軟な対応を図ることにより企業価値を高めることを目的として、会社分割によって平成18年10月に純粋持株会社体制に移行し、現在に至っております。
当社グループは、貨物自動車運送事業のうち、主に小口商業貨物輸送(特別積合せ)事業を営むエスライングループ6社と地域や顧客に特化した物流サービス全般を行う事業会社15社、そして損害保険代理業や産地直送品販売を行う事業会社2社からなるスワローグループで構成され、札幌から鹿児島までを結ぶ路線内に支店・営業所を有しておりますが、主には東京から福岡までの太平洋ベルト地帯を事業基盤としてトラック輸送を中心とした物流関連事業を営んでおります。
当社は、持株会社体制への移行により、運送事業、物品販売事業、情報処理事業、自動車整備事業等、輸送事業とその関連周辺分野を中心とした事業領域において経営資本と管理体制の効率化を推進し、当社グループの一層の利益体質の確立と企業価値の向上を図ることにより、ワンランク上の総合物流企業を目指し、日々注力しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①中期経営計画策定の背景
当社グループは、全国の主要都市を結ぶ輸送事業とその周辺の物流事業をコア事業と位置付け、グループ全社が、「お客様が一番」の価値観を共有しながら、お客様や地域社会に信頼され、喜ばれる「輸配送・物流サービス」を提供することにより、企業価値の安定的な向上に注力してまいりました。
当社グループの主要な事業であります物流関連業界は、国内の貨物輸送量の減少傾向が続く中で、労働力不足による傭車費や人件費・外部委託費の増加、労働時間の制約による輸送供給力の低下等の課題も多く、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が続いております。
他方、お客様からは「物流のさらなる効率化を図りたい」、「自社ビジネスの優位性を高める物流を構築したい」など、輸配送や物流に関する要請も多く寄せられています。
このような物流環境下のもと、当社は、会社設立70周年の記念の年にあたります2017年3月期事業年度をスタートラインとして、今まで以上にサービスレベルの向上と事業領域の拡大を図ることにより、“安心・安全で、信頼される物流企業”でありたいとの思いから、「エスラインブランドの確立に向けて」をスローガンとした中期経営計画を策定し、経営目標の達成に向けて、当社グループ一丸となって取り組んでおります。
②中期経営計画の概要
(イ) 名 称 “エスラインブランドの確立に向けて”
Challenge From The 70th
(ロ) 計画期間 2016年4月1日から2019年3月31日(3ヶ年)
(ハ) 基本方針
1. 輸配送サービス事業の収益確保
2. 物流サービス事業の積極展開
3. 人材と物流ノウハウの育成
4. 経営品質の向上
(ニ) 経営目標
| 2019年3月期 (最終年度) | |
| 営業収益 | 500億円 |
| 経常利益 | 18億円 |
| ROE | 6.5% |
| 自己資本比率 | 50%以上 |
③中期経営計画達成に向けた取り組み
2017年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画(スローガン:「エスラインブランドの確立に向けて」)で計画した経営目標の達成に向けて、輸送・物流の両サービスの更なる拡大と質の向上を図るために「物流サービス開発センター」部門を開設し、専門知識や物流ノウハウを有した弊社グループ社員による次の4つのワーキンググループ(WG)を立ち上げ、具体的な行動計画の策定作業と実行に取り組んでおります。
(イ)「輸送サービスWG」
「フォワーダー事業」の取り組みによる物量の確保と収益拡大
○幹線輸送の積載効率の向上やネットワークを見直し、貸切など輸送サービスを強化
○関東・中部・関西の3拠点での中小ロット貨物の獲得により、エスライングループ内の貸切車両の積載効率を向上
○受注機能強化と総合配車機能を拡充するため、中部地区に総合配車センターを設立
○総合配車センターを東日本、西日本にも展開
(ロ)「物流サービスWG」
保管、物流加工、配送に至る一貫物流サービスの機能強化
○物流サービス機構を立ちあげ、エスライングループでの物流サービスのノウハウ共有や人材を活用
○第一弾として中部地区において、衣料品の量販店向け一貫物流サービスの獲得
(ハ)「ホームサービスWG」
「大型商品宅配サービス」の強化
ツーマン配送業務をベースに大型商品宅配や付加価値サービスの推進
○エスライングループの強みであるネットワークや保管施設を活かした大型商品の宅配サービスによる営業拡大
○家電量販店、大型家具店、ネット通販会社などへの営業展開を図り、高利益率な一貫物流サービスを展開
(ニ)「引越サービスWG」
引越サービスの拡大と事業化を推進
○スワロー引越便推進室の立ち上げ
○単身者向け引越、事務所引越の営業強化
○「スワロー引越便」のPRと質の向上
・マニュアル等ツールの整備やチラシの配布
・引越スタッフ会議の実施
・引越便の商品企画、商品開発、資材の研究、宣伝活動、人材育成等
・引越研修センターを開設し、作業品質の向上
(4) 経営環境と対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、世界経済の緩やかな回復を背景に輸出や設備投資は堅調な伸びを見込み、景気は緩やかな拡大基調に向かうと思われます。昨年後半からは、特別積合せ部門の貨物輸送量は前年を上回ってはいるものの、急速に拡大することは期待できないと予想されます。また、労働力不足や労働時間短縮に向けた取り組み、不安定な原油価格の動向、さらには、安全運転や環境対応に向けた車両や安全装置の導入を始め、コスト増加要因が見込まれる等、当社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。
このような環境のもと、当社グループでは、安定した輸送品質を提供する中で、適正運賃への改定や、諸料金の見直し、付帯作業の有料化等の料金交渉も積極的に進めてまいります。一方、先期に導入した通信型デジタルタコグラフやドラレコから収集した、ドライバーの稼働状況や車両の運行状況のデータをもとに、労働時間を中心とした時間管理と人材の適正配置や、運行コースの見直しを行うことにより、作業効率や運行効率を高めて、収益向上に努めてまいります。また、平成28年度を初年度とする3ヶ年の『中期経営計画(エスラインブランドの確立に向けて)』も2年目を迎えます。初年度に「物流サービス開発センター」で策定した具体的な行動計画に基づき、以下の取り組みを行ってまいります。
○輸送サービスの部門では、取扱い貨物の増量に力を入れるとともに、当社グループ内の車両の配送効率を高めるために、㈱エスラインギフの中部本部内に開設した「総合配車センター」を東日本本部、西日本本部へも展開し、当社グループの「総合配車センター」として、最適な配車を行うとともに、フォワーダー事業による収益拡大に向けた取り組みを行ってまいります。
○物流サービスの部門では、当社が納品物流を行っている衣料品関連量販店様のベンダー様に対し、商品保管・加工・配送までを請け負う、一貫物流サービスの獲得に向けた、営業活動を進めてまいります。
○ホームサービスの内、引越し部門では「スワロー引越便」を当社グループ統一の引越しブランドとし、ご家庭の引越しだけでなく、幹線ネットワークを利用した単身者向け引越し、さらには事務所移転など企業向け引越しの受注に向けたPR活動を積極的に行ってまいります。本年5月には名古屋駅前での事務所の大型引越しも受注し、無事終了いたしました。この実績を活かして、事務所引越しの拡大にも取り組んでまいります。ツーマン配送部門では、当社グループの強みである幹線ネットワークを使った、生産地から利用者までの一貫輸送サービスの営業を積極的に行ってまいります。あわせて、現在は、宅内配送が可能なエリアは、関東・中部地区に留まっていますが、関西や九州地区への配送拠点の拡大展開も進めてまいります。
また、引越しや大型商品等のツーマン配送に必要な、作業見積りから商品設置作業および接客マナー等の教育や訓練を行う「研修センター」を開設し、お客様から、安心して任せて頂ける、作業品質の維持・向上を目指して当センターを活用してまいります。
○情報システム部門では、各サービスの業務拡大を実現するための支援機能を有した情報システムの充実と、お客様間あるいは作業する担当者や拠点間でのタイムリーな情報伝達や共有化を図るシステムの構築にも取り組んでまいります。また、SKKS(エスライン経営管理システム)の進化版として、各サービスの収益構造が把握でき、迅速な経営判断を可能とする、経営管理システムの構築にも取り組んでまいります。
これらの実行計画を着実に進め、お客様から信頼される物流品質のさらなる向上と、事業領域の拡大を図ることにより、経営目標の達成と企業価値の向上に取り組んでまいります。
(5) 会社の支配に関する基本方針について
当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます。)の内容は以下のとおりです。
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、経営の基本理念をはじめ当社の財務基盤や事業内容等の企業価値の源を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続して確保し向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。
当社株式の自由な売買は株主の皆様に保障された当然の権利であり、また、金融商品取引所に上場する株式会社としての当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決定されるものであります。
また、当社の支配権の移転を伴う大規模な買付行為や買付提案またはこれに類似する行為がなされた場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概に否定するものではなく、これに応ずるべきか否かの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、近年、わが国の資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための必要かつ十分な情報や時間を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な買付等を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。
② 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成29年6月29日開催の第78期定時株主総会において、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとして導入しております。
本プランの概要は以下のとおりです。
(イ) 当社株式の大規模買付行為等
本プランにおける当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。
(ロ) 大規模買付ルールの概要
大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)または、株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
(ハ) 大規模買付行為が実施された場合の対応
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと取締役会が判断した場合には、対抗措置をとることがあります。
(ニ) 対抗措置の客観性・合理性を担保するための制度および手続
対抗措置を講ずるか否かについては、取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置しております。
対抗措置をとる場合、その判断の客観性・合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、対抗措置の発動の是非について、勧告を行うものとします。
(ホ) 本プランの有効期限等
本プランの有効期限は、平成29年6月30日までに開催予定の当社第78期定時株主総会終結の時までとなっております。
ただし、有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により本プランは廃止されるものとします。
③ 本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
本プランは、大規模買付行為が行われる際に、株主の皆様が判断し、あるいは取締役会が代替案を提案するために必要かつ十分な情報や時間を確保する等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みであり、まさに会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。
また、本プランは、(a)買収防衛策に関する指針の要件を充足していることおよび経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること (b)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること (c)株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること (d)独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の勧告を尊重するものであること (e)デッドハンド型およびスローハンド型の買収防衛策ではないこと等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。