有価証券報告書-第82期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 9:27
【資料】
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【項目】
140項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、会社設立以来、社是「和」のもと、「法の遵守」、「社会貢献」、「環境と顧客の優先」、「全員参加」を経営の基本理念として掲げ、「ときめき(自主性)、ひらめき(創造性)、こだわり(独自性)」の精神を持って、事業運営に取り組み、「エスラインブランドを築く」ことを経営のビジョンとしております。今後につきましても株主の皆様をはじめ取引先、社員、地域社会等ステークホルダーとの深い信頼関係に基づき、着実な事業の発展と企業価値の安定的な向上に注力してまいりたいと考えております。
(2) 中長期的な経営戦略に基づく取組み
当社は、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を実施しております。これらの取り組みは、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要⑦株式会社の支配に関する基本方針について」の会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
当社は、陸軍統制令や終戦により統合・分離を経て、1947年に「岐阜トラック運輸株式会社」として設立以来、貨物自動車運送事業を中心として、全国配送に向けた輸送路線網の充実や拠点の整備、大量高速輸送時代に先駆けたトレーラー輸送の開始、Sライン日本グループによる全国輸送ネットワーク体制の確立、業界初のオンラインシステム(スリーエスシステム)の稼動、子会社化方式による輸送周辺領域業務の取り組み等、お客様の様々なニーズにお応えすべく注力してまいりました。
また、当社は、グループ体制のさらなる発展と結束力の強化、収益力の向上、また、各事業会社の迅速な意思決定と環境変化にも機動的かつ柔軟な対応を図ることにより企業価値を高めることを目的として、会社分割によって2006年10月に純粋持株会社体制に移行し、現在に至っております。
当社グループは、貨物自動車運送事業のうち、主に小口商業貨物輸送(特別積合せ)事業を営むエスライングループ6社と地域や顧客に特化した物流サービス全般を行う事業会社14社、そして損害保険代理業や産地直送品販売を行う事業会社2社からなるスワローグループで構成され、札幌から鹿児島までを結ぶ路線内に支店・営業所を有しておりますが、主には東京から福岡までの太平洋ベルト地帯を事業基盤としてトラック輸送を中心とした物流関連事業を営んでおります。
当社は、持株会社体制への移行により、貨物自動車運送事業、倉庫業、物品販売事業、情報処理事業、自動車整備事業等、輸送事業とその関連周辺分野を中心とした事業領域において経営資本と管理体制の効率化を推進し、当社グループの一層の利益体質の確立と企業価値の向上を図ることにより、総合物流企業としてさらなる発展と飛躍を目指して、日々注力しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
<当社の中期経営計画>① 名称
“エスラインブランドの価値向上” Think next Value
② 計画期間
2019年4月1日から2022年3月31日(3か年)
③ 基本方針
輸送ネットワークと拠点物流サービスを人材・品質・技術で強化拡充する
(イ)事業構造の改革
当社グループはブランド価値をさらに高めるため、グループネットワークを活かした事業を戦略的に連携し展開することにより、グループ全体の収益構造を変革し、営業利益の向上を目指します。また、働き方改革の推進と人材の活用により、社員の意識改革を促進し、社内風土の醸成を図るための企業環境を整備して、さらなる成長を目指します。
そのために、グループ各社の事業特性を活かし、さらに発展させるための新たなグループ連携体制の構築や、共通機能の編成によるさらなる組織強化により、社会環境や経済情勢への変化に迅速、かつ、柔軟に対応できる事業構造を構築します。
(a) 輸送サービスの充実
当社グループの強みである関東・中部・関西および九州エリアを結ぶ、輸送ネットワークの充実を図るなど、複合輸送サービスの再構築と拡充を図ります。
輸送手段の変革と先進技術の導入により、人員不足の中での作業の効率化・省力化を進めます。
(b) 物流サービスの拡大
輸送ネットワークと多様な輸送手段を持つ強みを活かして、成長地域・領域での物流サービスを競争優位な事業に成長させます。
(c) ホームサービスの成長
一層の作業品質の向上と輸送ネットワークとの連携を図り、「大型商品の宅配(BtoC)」と「引越しサービス」を収益性の高い事業に成長させます。
(ロ)働き方改革・人事制度の確立
物流環境に適した人事制度を確立します。
安全・安心と、働く喜びを感じる、職場環境を構築します。
(ハ)ESGへの取り組み
安全で環境にやさしい企業として、高品質な物流サービスで地域社会に貢献します。
④ 経営目標
2022年3月期(最終年度)
営業収益560億円
経常利益額(率)25億7千万円(4.6%)
ROE6.5%
自己資本比率50.0%以上

(4) 経営環境と対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、政府や各自治体による新型コロナウイルス感染症拡大防止策が講じられるなか、経済活動も徐々にではあるものの、回復に向かうものと期待をしておりますが、新型コロナウイルス感染症が収束し、従来の経済活動の状態に戻るには、まだ時間がかかると想定されます。そうしたなか、物流関連事業におきましては、度重なる緊急事態宣言の発出による移動制限やまん延防止等重点措置に基づく協力要請による消費活動の低迷が続き、従来のような輸送需要は見込めず、流通形態もさらなる変化が予想されます。また、改正労働法施行による残業時間の規制強化、労働環境の改善への取り組みによる人件費の増加、物流施設や事務作業における省力化・自動化への対応、さらには、車両への安全装置の搭載によるコストの増加要因等が見込まれ、当社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。
このような環境のもと、当社グループでは、大きく変化する社会環境や生活スタイルの変更に対応した物流サービスを実行していくための積極的な提案営業を行ってまいります。また、人員不足への対応や作業時間短縮を図るために、先期から集配車両に導入した、通信型デジタルタコグラフやAI配車システム等のIT機器をはじめ、高速自動ソーター等のマテハン機器を今後も積極的に導入し活用することにより、配送業務や加工業務の効率化をさらに推し進め、生産性の向上とともに利益率を高めてまいります。
また、2020年3月期から進めている中期経営計画の柱のひとつであります事業構造改革「輸送サービスの充実」の取り組みとしましては、特積み分野以外での収益の拡大を目指すために、㈱エスラインギフの「物流開発部」内に、貸切・専門輸送・国際物流・引越サービス等を専門的に行う部署を立ち上げ、各分野における収益の拡大を図ってまいります。また、中部地区をドミナントエリアと位置づけ、この地区の事業会社がお互いのドライバーと車両の状況の把握と共有を図り、お客様からのご要望に応じたあらゆる輸送サービスに対応するための車両を適切に配車する「配車センター」を、また、名古屋港に入港するコンテナのデバンニングから、一時保管・流通加工、さらには国内配送までの物流サービスをシームレスにご提供する「コンテナセンター」を開設しました。これからもこうしたサービスの内容の充実と質を高めるとともに、ここで得たノウハウを関東地区や関西地区にも展開し拡大を図ってまいります。
また、「物流サービスの拡大」への取り組みとして、従来の物流施設での作業効率の向上や自動化を推進し、業容の拡大に取り組んでまいります。特に、本年4月に開設した愛知県大口町の「小牧物流センター」は、㈱エスラインギフの一宮支店の代替支店であり小牧地区の特積み貨物の配送拠点の充実を図るために、また、㈱エスライン各務原のお客様である大手量販店様の衣料品の物流加工業務を行うために新築した施設であり、当社グループでは初めてとなる事業会社2社がお互いの特徴を活かしたなかで業務を行う協業物流センター(3階建)であります。この施設では、上層階で商品保管と高速自動ソーターによる流通加工等を行い、その商品を1階から特積み輸送あるいは貸切輸送につなげる機能を有しており、「集荷レス」「素早い出荷体制」「効率的な輸送形態の選択」等を強みとして、お客様に喜ばれる「物流センター」として安定的な稼動と拡大を進めてまいります。また、このセンター内には、これも当社グループ初となる企業内保育所を設置して、社員が働きやすい職場・環境作りも目指しております。
今後におきましても、当社の強みである輸送と物流サービスが一体となった総合物流をご提供するための営業施策を着実に実行することにより、効率化と生産性向上をもって収益の拡大と利益率の改善を目指した中期経営計画の目標達成と企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。

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