有価証券報告書-第158期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 15:21
【資料】
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【項目】
159項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は企業理念として以下のとおり定めております。
(宣言)
・私たちは、お客様に信頼され、喜ばれ、愛される佐渡汽船を目指します。
・私たちは、安全を第一に考え、お客様にご満足いただける快適、快速なる航海の実現に向けて、お客様のご要望に最大限お応えします。
・私たちは、行動基準に沿った社員の判断や行動を尊重し、最良の結果をもたらすよう積極的に努力します。
(経営理念)
佐渡航路において安全・確実・快適な運航を永続的に提供することで、お客様、並びに社員の生活を物心両面で豊かにし、地域社会の発展に貢献します。
(事業の定義)
佐渡島と本土を船で結び、人、物を輸送する海上運送事業を通じて、お客様へのトータルサービスを実現します。
(信念)
事業は人なり、社員一人ひとりが、安全こそ経営の基盤であり、地域社会への責務であることを確信します。そして、環境変化に対応できる永続企業とするため、企業市民としてお客様のニーズに全力で応えます。
(目標)
離島航路№1の良質なサービスをお客様に提供することで、お客様から絶大なる信頼を得ます。
(2) 目標とする経営指標
当社及び当社グループの経営は、当社の輸送量に大きく左右されることから、輸送量を経営上の重要な指標としております。また、当社グループでは、この輸送目標に沿って年度予算を策定していることから、目標と実績が大きく乖離した場合には、当社においては経営者及び管理職全員からなる部課長会議を、グループにおいては定期的にグループ連絡会議、グループ社長会を開催して予実管理を行い、安定した経営に努めております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の我が国経済は、当面海外経済の減速の影響が続くものの、国内的には東京オリンピック・パラリンピック等の大規模イベントが控えているとともに、政府の経済対策による下支え等により、不透明感はあるものの景気の拡大基調が続くと予想されます。
一方、全国的に離島航路は、過疎化・高齢化に伴う旅客・貨物の輸送量の減少、老朽船舶の代替建造など、その運営は厳しい状況下にあり、佐渡島も過疎化・高齢化が急速に進行しております。また、当社におきましても老朽船舶の代替建造が喫緊の課題となっております。
そのような離島の課題を踏まえ、「有人国境離島特措法」(有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法)に基づく国の「地域社会維持交付金」を活用した佐渡航路の運賃低廉化事業により、引き続き多くの佐渡市民からご利用いただいております。加えて、国内観光需要の減少が予想されるなか、「新潟・佐渡観光推進機構株式会社」と連携した訪日外国人観光客誘致に向けた取り組みをさらに強化して行きます。
また、観光振興を目的に、令和元年に実施した寺泊と小木を結ぶ航路にジェットフォイルによるチャーター便の運航を令和2年も計画しており、これにより更なる利用者の掘り起しに努めてまいります。
このような厳しい経営環境を踏まえ、令和2年の対処すべき重点課題として、①安全、安心、安定した運航と安全作業、②お客様を確実に増やす、③経営改善への計画と推進、の3項目を掲げ、その達成に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。
① 安全、安心、安定した運航と安全作業
ア.平成31年3月9日に発生したジェットフォイル「ぎんが」事故を重く受け止め、当社は、安全で安定し、お客様に安心していただける運航を提供することが重要な使命であり、企業経営の根幹と位置付け、最も基本的なサービスと考えております。そのため、経営トップが主体的に策定した令和2年の「安全方針」及び「安全重点施策」を全社一丸となって確実に実行してまいります。さらに、安全管理規程に基づいて構築した安全管理体制を確実に機能させるとともに、経営トップ自らが常に事業の安全に関心を持ち、報告された課題の把握分析を行い、その分析結果に対応した改善策を的確かつ迅速に実行してまいります。
イ.構築した安全管理体制の継続的な見直し・改善を図るため、PDCAサイクルを確実に機能させます。
ウ.旅客船部門全体では、リスクマネージャーと連携し、ヒヤリハットレポート・ニュースによるグループディスカッションを有効活用し、積極的なチャレンジとBRM活動及び「指差呼称」の励行により、職場における安全風土・安全文化の醸成を図ります。また、管理監督者を中心にメンタルヘルスへの取り組みを強化し、個人を尊重する意識を高め、ハラスメントを許さない環境を構築します。
(注) チャレンジ
下位者から上位者への安全の主張と積極的な進言。
(注) BRM(ブリッジ・リソース・マネジメント)
ブリッジ(船橋)で利用可能なリソース(資源:人・物・情報)を操船実務者のメンバーが、安全意識及び安全行動として有効に活用するための手法。
(注) メンタルヘルス
精神面の健康のことで、疲労、ストレス、悩みなどの軽減と緩和を図ることを要する。カーフェリーに於いては船長及び機関長、一等航海士、一等機関士、事務長を、高速船チームに於いては船長及び機関長をメンタルヘルスに取組む管理監督者とみなす。
エ.ジェットフォイルでは、上記「ウ」に加えて、鯨類との衝突対策として、設定された減速区間を厳守するとともに、目撃情報とハザードマップを活用して減速の強化を実施し、衝突回避及び乗客・乗員の被害軽減を図ります。また、見張りの強化・シートベルト着用の声掛け・減速区間航行時の注意喚起を徹底し、お客様に必要な情報を提供します。
オ.貨物船におきましては、「安全最優先」を原則としたうえで明るい職場環境を作り、「報告・連絡・相談・打ち合わせ」を確実に行います。また、「指差呼称」を実行することで危険に対する意識の高揚を図るとともに、集められたヒヤリハット情報を分析してヒューマンエラー対策を策定し、各作業マニュアルに反映させて確実に実行します。
カ.陸上部門におきましては、荷役作業については「フォークリフト運転マニュアル」を徹底遵守することにより、荷役作業中の事故の撲滅を図ります。また、ヒヤリハット情報を活用した「安全に関する話し合い」を推進するとともに、事例情報の分析からヒューマンエラー対策を策定・実践し、組織全体の安全風土の構築を強化します。加えて、個人レベルのヒューマンエラー対策として、メリハリのある「指差呼称」の徹底実施に取り組んでまいります。また、危険予防講習会及びKYT訓練を開催し、安全に対する指導の強化を図り、危険予知知識や行動を各部署の業務内容に活用し、周りに潜む見えない危険を察知・回避します。
② お客様を確実に増やす
ア.お客様サービスのさらなる向上
a.「佐渡汽船グループお客様サービス向上委員会」をその活動の中心に位置付け、離島航路No.1の顧客満足度を目指し、接客の最前線に位置する現場レベルの委員による議論の深化や情報共有に努めるとともに、実施状況を確認することでPDCAサイクルを徹底してまいります。
b.当社公式Facebook及びInstagram、Twitter等を活用し、クチコミによる魅力拡散を図ることで共感者の増加に繋げるとともに、公式ブログ「さどトリコ」による情報発信に努め、佐渡島のイメージアップに貢献します。また、カーフェリー内でのイベント開催、待合室の飾りつけ等、「船旅の魅力度アップ」や「待合室のにぎわいの創造」に向けた取り組みを引き続き行っていきます。
c.インターネット予約の利便性向上等を目的に、平成31年3月にホームページの全面改修を行いました。今後さらにお客様の負担を減らすサービス向上に向けて、ネット予約決済の乗船スムーズ化の検討を進めていきます。
イ.効率的な営業活動の推進、商品開発のさらなる注力
a.令和2年の年間輸送人員目標である153万人の達成に向け、目標と実績の管理を徹底し、行動計画の実施状況を確認することで、未達部分への手当を早めに行います。
b.佐渡への誘客におきましては、「選択と集中」の考えに基づいたセールスに努めます。団体のセールスはエリア毎の特徴と傾向を分析した上で、日蓮上人降誕800年・開目抄撰述750年や佐渡金銀山の世界文化遺産国内推薦の可能性が高いこと等の話題を最大限活用し、獲得の可能性の高い団体を絞り込んでセールスを行います。また、前事業年度において台風等により佐渡旅行が見送りとなった団体の再獲得に努めてまいります。
一方、個人旅行者の誘致にあたりましては、引き続き、SNSの積極的な活用で佐渡の新しい情報及び魅力の発信に努めていきます。併せて、効果的な営業割引施策の実施で交流人口の増加に取り組むとともに、日帰り型を中心に自社主催旅行商品の内容の見直しやさらなる充実を図ります。
ウ.クルーズ船旅行者の佐渡誘致に向けた取り組み
新潟県等の関係機関と連携し、新潟東港にクルーズ船が寄港した際のオプショナルツアーにジェットフォイルを活用した佐渡コースの設定を可能とするための準備を進めていきます。
エ.訪日外国人観光客誘致のための取り組みの拡大
a.「新潟・佐渡観光推進機構株式会社」と新潟県、佐渡市等、関係自治体との連携協力を深め、台湾団体に偏らない新規市場の開拓を進めていきます。また、FIT(訪日個人旅行)の誘致拡大に向けた取り組みとして、二次交通パスの造成、販売を強化します。とりわけ、東京オリンピック・パラリンピックの開催を絶好の機会と捉え、各種誘客策を検討してまいります。
b.グループ会社施設を中心に訪日外国人観光客の受入体制整備に向けた、外国語によるコミュニケーション能力向上の取り組みに引き続き取り組んでいきます。
③ 経営改善への計画と推進
ア.社員の働き方改革を含めた業務の効率化など、経営改善のために収支改善を図ります。貨物部門の収支改善や小木・直江津航路の増送、船舶の代替などの諸問題について、担当部署ならびに関係機関等と連携し、実現に向けて取り組んでまいります。
イ.グループ会社について、役員とグループ幹部のディスカッションの機会を増やし、課題の洗い出しを行い、各社の収益性や経営基盤を強くするための新規の取り組みを推進します。またそのため、グループ各社と連携した積極的な広告宣伝展開を目指します。
以上のように役職員一同、力を合わせ、安全、安心、安定した運航を確保し、会社の健全経営に向け努力いたします。公共交通機関の使命である安全を第一に、お客様に信頼され、喜ばれ、愛される佐渡汽船を目指すとともに、離島航路No.1の良質なサービスをお客様に提供してまいります。
なお、1973年の航路開設から、恒常的に収支の赤字が続いている寺泊赤泊航路については、地域住民及び関係自治体と廃止に向けた協議を重ねてきた結果、、同航路の維持は難しく、廃止はやむを得ないことについて、一定の理解が得られたと判断し、2018年10月31日、北陸信越運輸局に寺泊赤泊航路の一般旅客定期航路事業の廃止届を提出し、2019年5月1日を以て同航路は廃止となりました。

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