有価証券報告書-第111期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/29 14:42
【資料】
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【項目】
148項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念及び経営方針
[経営理念]
「国内及び国際海上輸送を通して社会に貢献します」
[経営方針]
当社グループは、以下を経営方針として掲げております。そのうえで所有船舶の安全運航を第一の課題として位
置付け、船舶管理を徹底する等、効率的な運行管理に日々努めております。
1.企業は株主・取引先・従業員・地域社会がその存在基盤であるとの認識のもと、調和のとれた経営を行い、社
会的に尊敬に値する企業を目指す。
2.永年培った海運技術およびノウハウの蓄積と展開により、様々なニーズに柔軟に対応することで顧客に信頼される特色ある優良企業を目指す。
3.安定的に企業価値を高め、期待される株主利益を創出していくために、外部環境の変化に即応しつつ、投下資
本全体に対する効率性を追求していく。
4.法令および社会的規範を遵守し、公正かつ透明な事業活動を行う。 広く社会とのコミュニケーションに努め、企業情報を公正に開示する。
5.安全運行の徹底および海洋・地球環境の保全に努める。
(2)経営環境
① 海運市況
主に中国の旺盛な経済発展に起因した2002年後半から2008年のリーマンショックまでの継続的な海運市況の高
騰に伴い、2008年ごろに始まった船舶竣工ラッシュが2013年ごろに収束しましたが、その後もしばらく続いた世界の余剰金による船舶建造の増大と、2015年の中国の新常態や新興国の経済停滞、2016年の貿易量の縮小・停滞等の要因により、市場はここ数年低迷を継続し、2016年2月にはBDI始まって以来の最低値を記録しました。
その後2017年からスクラップ量の増大と竣工量の減少により漸く回復傾向にあり、予想される将来の需給バラ
ンスから推定される市場は正常化の道をたどり、2020年は更なる改善の兆しが見えてきたところでした。
しかし、新型コロナウイルス感染症等の影響から海運市況は落ち込み、世界経済はマイナス成長となり、ベースは回復基調にあるものの、同感染症の世界的な拡大は2020年7月現在も続いており、依然先行きが不透明な状況にあります。そのような状況の中、中長期的な展望を見通すことは非常に困難ではありますが、主要事業である外航海運業、また内航海運業においても、物流の停滞及び消費鈍化に起因する海運市況の低迷や貨物輸送量の減少等により、当社グループにとって非常に厳しい経営環境となることが予想されます。
② 環境保全の為に求められる対応
IMOにより2017年に発効されたバラスト水管理条約に続き、海洋汚染防止条約(MARPOL条約)による大気汚染防
止の為2020年1月1日発効のSOX排出規制により、船舶燃料の硫黄分含有量が3.5%以下から0.5%以下に制限されることとなりました。また、GHG(地球温暖化ガス)排出削減対策への対応も進行中であり、更にNOX3次規制への対応も近づいております。当社グループはこの様々な国際規制に対して、外航船へのバラスト水処理装置の搭載、またSOX排出規制は適合燃料油を使用することで対応を進めております。お客様の要求を尊重し、経済的且つ社会的に適合し、環境と人に優しい海上輸送の形態を追及・創造・提供して参ります。
(3)経営戦略
① 外航海運業
現在までと同様、長期に渡り信頼関係を構築し継続してきた顧客各社、日本軽金属株式会社・全国農業協同組
合連合会・伊藤忠 商事株式会社・Lafarge Holcim Trading Ltd.・吉野石膏株式会社・その他顧客の求める短期ニーズに対してはもちろんのこと、中長期のニーズに対しても連携・協調・対応し、各社との中長期的なコア輸送事業の契約を、効率的かつ安定的に実行して参ります。更には経済的ロスを減少し、環境保護に配慮・適応しつつ事業を継続・拡大を目指し、海運市場に呼応して顧客・時代・社会の要求に適う船舶を建造して参ります。一つでも多くの貨物輸送契約を締結し、今まで以上に当社船を効率良く配船のうえ、同時に新規カーゴの獲得に努め、また将来を見据え、当社の事業規模拡大の為、バランスの取れた人材採用・育成を計画して参ります。
② 内航海運業
今後も、定期用船している貨物船2隻は、水酸化アルミニウム等の安全輸送・効率輸送に努めて参ります。所
有船(第二鶴玉丸 白油3,767G/T)1隻及び子会社で裸用船しているケミカルタンカー(第七鈴鹿丸 749G/T)の定期貸船の安全運航に努め、安定収益の確保を図って参ります。また、2021年2月に竣工の自社船(液化ガスばら積船 749G/T)の定期貸船も予定しており、前年よりも更なる収益の増加を見込んでおります。
③ 安全運航と環境保全に対応する設備に関して
当社の全船舶は、SOX排出規制適合燃料油への切替を無事終了し、バラスト水管理条約に適合させるための設備
の設置は、外航船2隻が未完工となっておりますが、今年度中に完了する予定です。今後も諸規則に対応し、環境及び安全を考慮した諸設備の設置に加え燃料費削減のための設備等を装備し、また減速航海等により運航効率の推進を図り総合的に経費の節減を行って参ります。
当社グループは、外航海運業・内航海運業・不動産賃貸業業及び全ての業務において、無駄を省いた組織の構築
化を進めており、全体としての行動を迅速・正確に進め、効率化を図り、安全と経済性への意識をより一層充実することを心掛けたうえで、企業価値向上に努めて参ります。
(4)対処すべき課題
① 新型コロナウイルス感染症の影響に対する対応
上記(2)経営環境 ①海運市況に記載した状況の中、当社グループは、役職員及び乗組員の安全を第一に考え
常時同感染症の関連情報の収集を行いつつ、外航海運業・内航海運業共に、今後の経済回復に向けての輸送需要がどのように推移するかを注視しながら、以下の施策を実行して参ります。
また、運航船舶に関しては、日本船主協会等が作成した同感染症の対応ガイダンスを基に船内の安全確保と安
全運航維持のための措置を講じております。また乗組員についても、ガイダンスに従い船内感染予防対策の徹底、必要物資の供給、乗組員の安全確保を確認したうえでの交代を行っております。陸上社員に関しては、緊急事態宣言中は在宅勤務及び交代勤務・時差通勤・出張の原則禁止等の対策を実施いたしました。現在は時差出勤の対応をとっており、同感染症の予防・回避に努めております。
② 外航海運業
1.当社支配船(長期用船)の隻数に見合う、中長期安定的な輸送契約の獲得に努め、市場の上下に拘らず安定的
な収益をあげて参ります。
2.上記の結果、顧客のニーズにより、年間輸送量よりも貨物量増となりバランスが取れなくなった場合には、当初は市場からの短期用船の輸送契約として対応し、更なる輸送の拡大と長期化を図る為、その市場に応じた長期用船、または買船・新造船計画を立案し、安定収益の拡大を図って参ります。
3.長期的な視野に立ち、社員のOJTを充実させ、国際的な人材を育成し、新規カーゴの国際間輸送契約の獲得を目指して参ります。
4.可能な限り、顧客との交流を図り、相互の信頼関係の構築し、新規カーゴの獲得に努めて参ります。
5. 世界の日々の変化に対応すべく、あらゆる情報網を駆使して情報収集し、中長期視点で海運市況を分析・勘案し、業務を遂行することで、安定的な収益の向上に繋げて参ります。
上記を念頭に置き、今年度の営業施策として、主要設備である5隻の外航船舶を中心に、スラグ等の往航貨物の獲得に努力することによって、営業収益の多くの部分を占める、復航貨物である南米から日本向けの水酸化アルミニウム輸送や主に北米から日本向けの穀物輸送の採算向上を図る為、最善と思慮される輸送契約(COA 数量積輸送契約)の長期的・安定的な確保と、タイムリーなスポット貨物の獲得に注力いたします。
③ 内航海運業
船員派遣業に関して、現在船員の高齢化及び急激な船員不足に陥ってる内航海運業界において、平均年齢32.5
歳の有望な船員を保有する当社子会社の優位性を最大限に活かしつつ、更に国土交通省認定の「日本船舶・船員
確保計画」に基づいて若年船員を計画的に採用し安定雇用、教育訓練を重ね積極的に船員派遣を行い、安定収益
の確保に繋げて参ります。
④ 公的規制への対応
当社グループの主要業務である海運業では、設備の安全性や安全運航のために、国際機関及び各国政府の法
令、船級協会の規則等の公的規制を受けております。当社グループでは、これらの規制が変更された場合に遵守するための費用、設備費・船員教育費等が増加する可能性があります。遵守出来なかった場合には事業活動が制限される可能性があります。
⑤ コスト削減
各船舶ごとの損益管理を徹底し、船舶の維持管理に必要な経費の支出の見直しを行う他、乗組員の効率的な配乗等によるコスト削減を図って参ります。また、グループ全社的な経費削減策として、経営責任を明確にする為、更なる役員報酬の削減を行います。その他の経費においては、一般管理費をはじめとして、金額の多寡にかかわらず不要な経費の削減を行います。
⑥ 財務上の課題(資金繰りの改善)
当連結会計年度末現在において、手元流動性が低下している為、その対応策として上記営業施策及びコスト削
減の施策を実行すると共に、高水準状態にある有利子負債の縮小を図る為、一部船舶を含めた資産売却を行い、その売却代金で一部の船舶建造の為の借入金の残額を繰り上げ返済をすることで、その後の返済額を縮小し、併せて担保資産を解除することで手元流動性の適正化を図ります。また、金融機関から、大部分の借入金の返済猶予の承諾を得ておりますが、猶予期間後の一部バルーン返済については、返済の原資に充てる為、返却された担保資産(有価証券・不動産)を含め、更なる資産の売却を考慮いたします。

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