訂正有価証券報告書-第178期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2026/06/18 14:40
【資料】
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【項目】
179項目
② 戦略
当社グループでは、シナリオ分析を活用し、当社グループの事業活動に中長期にわたって影響を与えると想定される気候変動に起因する重要なリスクと収益機会をサステナビリティ推進委員会にて特定、評価するとともに、対応策を検討しております。
シナリオ分析におきましては、主要事業地域である日本国内を中心に、連結子会社を含めて、4℃シナリオ、1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)の2つのシナリオで「Shibusawa 2030 ビジョン」でも指標としている2030年を想定し、次のとおり考察いたしました。
・リスク
分類種類項目時間軸想定されるリスク影響度
1.5℃4℃
移行政策・法規制炭素価格の上昇中期事業活動に伴うCO2排出量に対して炭素税が課され操業コストが増加する。
化石燃料の使用に関する規制短期物流事業および不動産事業の環境性能向上(非化石燃料車両導入・ZEB化)に係るコストが増加する。
省エネ政策短期~長期保有不動産のZEB化対応費用や自社車両のxEV化、定温倉庫における脱炭素型機器への転換に伴う設備投資額が増加する。
排出権取引中期排出権取引制度の拡大に伴い、CO2排出量上限超過分の排出権の購入が迫られるなど、対応コストが発生する。
リサイクル規制梱包資材や廃棄物に対する規制準拠のため、仕分け・加工(ラベルはがし等)や廃棄しないためのリース・レンタル品導入等を行うことによるコストが増加する。
再エネ政策再生可能エネルギーへの電力構成切り替え等の国家方針に伴い、需要変化や発電所の発電コスト増に伴い電力価格が高騰する。
市場エネルギーコストの変化中期・再生可能エネルギーへの需要増加等により、電力価格が高騰する。
・化石燃料価格上昇に伴う主因のエネルギー調達費用高騰分を物流サービスへ転嫁した場合に需要が減少する。
評判顧客の評判変化短期環境への取組みが不十分であると判断された場合、他サービスへの顧客流出に繋がる可能性がある。
投資家の評判変化環境配慮・環境情報開示が不十分な場合、調達資金の減少及び資金調達コストが増加する。
物理急性異常気象の激甚化中期~長期・気象災害の激甚化による拠点の被災やサプライチェーンの寸断による営業停止損失が発生し、また、火災保険料が高騰する。
・受託貨物への損害や事業停止による顧客からの評判が低下する。
・災害リスクが高い地域に位置する保有資産の価値が減少する。
・協力会社・貨物・テナントおよび第三者への損害に関する訴訟リスクが発生する。
慢性平均気温の上昇中期~長期ヒートストレスによる労働生産性低下を防止するため、施設の空調設備や遮熱設備を導入することによりコストが増加する。
降水・気象パターンの変化短期~長期大雪や大雨など、気象の極端化に伴う交通機関の乱れが発生し、輸送遅延やキャンセル、道路や鉄道の冠水による物流ルートの遮断が発生し、収益機会が減少する。
海面上昇長期浸水被害の増加による保有資産への損害が発生する。

・機会
分類種類項目時間軸想定されるリスク影響度
1.5℃4℃
移行政策・法規制省エネ政策短期~長期・倉庫・物流センターのエネルギー効率向上(省エネ化)に伴いエネルギーコストが減少する。
・環境負荷の低いモーダルシフトの利用増加により、収益機会が増加する。
リサイクル規制中期循環型社会への移行に伴い、紙資源の回収・溶解処理を行う文書保管サービスの収益機会が増加する。また、資源の回収および運搬に伴う物流増加により、収益機会が増加する。
技術低炭素技術の進展中期・スワップボディコンテナ車両等の輸送効率手段の導入により人件費コストが削減される。
・低炭素型ディーゼルトラック車両などの省エネ車両導入により燃料コストが削減される。
次世代技術の進展無人フォークリフト・自動保管ラックなど、荷待ち・荷役時間短縮に向けた自動化・機械化設備導入により操業コストが減少する。
評判顧客の評判変化短期・保有不動産において、CASBEEやZEBなど低炭素認証制度を取得することにより、環境意識の高い企業の選好度が高まり、収益機会が増加する。
・鉄道やフェリー輸送などのエネルギー効率の高い輸送形態の拡大や、モーダルシフトの推進、リニューアブル燃料を使用したトラック輸送など、GHG排出量を従来より抑制することが可能な環境配慮型事業を行うことにより収益が増加する。
投資家の評判変化環境配慮・環境情報開示が進んでいる場合、資金調達コストが減少する。
物理急性異常気象の激甚化中期~長期被災拠点の操業を持続するため、BCP対策を推進し、有事における安全確実な事業継続体制を確立することで、結果的に相対的な競争力強化となり、収益機会が増加する。
慢性平均気温の上昇中期~長期気温上昇により、夏季型飲料貨物の取扱い量が増加することによって、収益が増加する。
降水・気象パターンの変化短期~長期極端な気象現象が発生した場合に備え、多様な運送ルートを整備しておくことで事業継続が可能となり営業停止損失を回避できる。また、競合との差別化により収益機会の増加にも繋がる。

影響度の定義
「大」:財務的影響が大きい
「中」:財務的影響が不明
「小」:財務的影響が小さい
時間軸の定義
「短期」:~3年
「中期」:4~10年
「長期」:11年~30年

(注)1.移行リスクとは、低炭素経済への移行に伴い、GHG排出量の大きい金融資産の再評価によりもたらされるリスクです。
2.物理リスクとは、洪水や高潮、暴風雨等の気象現象によってもたらされる財物損害等の直接的なインパクトリスクです。
3.評価(大・中・小)は、定性的に分析し、相対的な影響度として評価しています。
4.4℃シナリオとは、気候変動対策が現状から進展せず、地球の平均気温が産業革命以前と比較して2100年時点で約4℃上昇するとされているシナリオです。異常気象の激甚化など、物理的な損害が大きくなる一方、気候変動対策としての法規制は現行から変わらないとされています。(参考シナリオ:IEA Stated Policies Scenario)
5.1.5℃シナリオとは、カーボンニュートラル実現を目指した積極的な取組みが活発化し、地球の平均気温が産業革命以前と比較して、2100年時点で約1.5℃の上昇に抑えられるとするシナリオです。異常気象の激甚化は4℃シナリオと比べ抑制される一方、気候変動対策としての法規制は現行から大きく強められるとされています。(参考シナリオ:IEA Net Zero Emissions by 2050、一部Sustainable Development Scenarioも併用)
これらのリスク・機会は環境省発行のガイダンス「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ」記載の下記手順に沿ってシナリオ分析を実施いたしました。
リスク重要度評価シナリオ群の定義事業インパクト評価対応策の定義
気候関連リスク・機会を洗い出し、定性的に影響の考察を行うシナリオを参照し、将来情報の入手および影響の具体化を行う将来予測値を参考に財務的な影響額を試算する評価されたリスクや機会に対し、対応方向性および施策を検討する

この気候変動への対応として、GHG排出量およびエネルギー使用量の削減・効率改善のため、また収益機会の創出のため、当社グループでは様々な取組みを行っております。
リスク項目対応の方向性具体的な対応策(機会の創出)
炭素価格の上昇・GHG排出規制の強化・再エネ/省エネ政策への移行・脱炭素化の推進・モーダルシフトの推進・倉庫の大型化による拠点集約や、最適立地への配置を通じた物流効率化を推進する。
・太陽光発電による再生可能エネルギーを利用する。
・創電設備の設置を進める。
再エネ/省エネ/次世代技術の普及・施設運営を省エネ化する。(太陽光パネル、BEMS、LED等省エネ機器の導入)
・低GHG排出への投資を促進する制度の運用による環境技術導入を推進する。
社会からの評価・気候変動ソリューションの創出と発信・ステークホルダーへの情報発信を強化する。
異常気象に起因する自然災害の激甚化・施設の強靭化
・防災/減災対策の強化
・運送システムの多様化
・BCPを考慮した施設の立地
・台風や豪雨を想定した定期的な施設の点検・補修を実施する。
・BCPの定期的なアップデートと訓練の実施・モーダルシフト運営体制の強化を行う。
・被災リスクを考慮した新規施設の開発を進める。
平均気温の上昇・職場環境の改善・省力化の推進・快適な作業環境を整備する。
・DXの推進等による省力化・省人化を推進する。

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