有価証券報告書-第82期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
(1)経営方針
当社は、グループの中核である曳船事業において東京湾全域に亘って、船舶の安全航行をサポートし、海難事故へ即応することにより海上交通効率化ならびに海洋環境保全への貢献といった公共的役割を果たしていきます。
具体的には、浦賀水道・中ノ瀬航路における船舶のエスコート業務、東京湾各港における船舶の離着桟補助業務、LNGバース等での警戒船業務、防災業務、緊急出動・海難救助など、顧客のあらゆる曳船サービスニーズに常時迅速に応えていきます。
また、総合的なマリンサービス提供会社として、東京湾口の水先艇運航業務や東京湾内の交通船業務、今後成長が見込まれる洋上風力発電向け交通船事業を展開することにより海上での人員の安全確保にも資してまいります。
安全で確実な曳船サービスの遂行を継続的に遂行するため、ハード面では最新テクノロジーを取り入れたタグボート船隊を配備していきます。ソフト面では高い熟練を誇る乗組員を育成し、海難事故への即応・緊急出動を可能とする陸上サポート体制により365日・24時間のオペレーションを実施し、顧客及び海事関係者の海上の安全の様々なニーズに応えていきます。
当社グループ会社が行う旅客船事業では、地域貢献型マリン事業を展開しております。すなわち、神奈川県・久里浜港と千葉県・金谷港間を結ぶカーフェリー定期航路事業で地域の水上モビリティを提供していきます。また、横浜港においてウォーターフロントの紹介を行う観光船事業で市民及び観光客に洋上での利便性と快適性を提供してまいります。
今後ともこうした事業を基軸として、海事関係者、一般顧客及び社会に貢献する企業グループを目指していきます。
(2)経営環境
日本経済の先行きにつきましては、米中貿易摩擦に代表される通商問題に加え、2020年1月に発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が招いた大幅な経済活動縮小の長期化が懸念されます。
当社グループの主力の曳船事業におきましては、各国での製造業の生産中止と貿易縮小が海上物流に与える影響が出てきており、2020年度に入り東京湾への入出港船舶数の減少が見え始めてまいりました。
旅客船事業を取り巻く環境は、緊急事態宣言による自粛が観光産業に大きな打撃となっており、利用客は激減し、その回復には時間を要する事態となっております。
上記の経営方針に基づいた対処すべき課題は、以下のとおりと考えております。
(3)会社の対処すべき課題
曳船事業
① 曳船運航定員削減船の増加
全日本海員組合との曳船運航定員削減交渉を前進させ、運航定員を5名から4名に減らした定員削減船の隻数を増やす。これは運航コスト削減と同時に、将来の乗組員確保難に備える措置でもあります。
② 曳船乗組員の教育訓練の高度化
乗組員の高い技能を維持し安全な曳船サービスを安定的に提供するために、教育訓練を高度化し技能の継承・向上に引き続き取り組む。
③ 最新曳船の開発・建造
継続的な研究開発により最新テクノロジーを取り入れ、環境負荷が低減され、かつ作業効率と安全性の高い最新鋭曳船を投入する。特に電気推進(水素燃料電池併用型)曳船の建造に向けて開発を加速させていく。
④ IT高度化とデジタル化の推進
IT高度化とデジタル化を推進し、陸上及び海上の各業務プロセスの一体的な効率化と質的向上を図る。
⑤ 国内外での新規プロジェクトの開拓
既存事業のノウハウを活かして国内外における新規事業の開拓に取り組み、そのために新しい企業能力を構築していく。特に再生可能エネルギーの洋上風力発電向け交通船事業については、各地での商業プロジェクトの開始に向けて事業開発を進めていく。
⑥ 新型コロナウイルス等の感染症拡大に対処する施策
新型コロナウイルス等の感染症拡大により、365日・24時間の曳船のオペレーションが麻痺することを防止するため、感染拡大時には異なった曳船の乗組員間の接触を制限し、配船関連の陸上人員の複数班化と複数拠点での陸上サポート体制を構築する。また、陸上社員の感染リスクを低減するため、時差出勤制度等の諸施策を実施し、業務においてテレビ会議の活用範囲をさらに拡大する。
旅客船事業
① (カーフェリー部門)
地元自治体との連携により新型コロナウイルス感染症収束後の新規観光需要を喚起する。また、低コスト運航を可能とする新規船隊の整備を検討し、神奈川県と千葉県を結ぶ交通インフラとして地域貢献を図ってまいります。
② (観光船部門)
観光事業の復興に向けて、港湾の再開発が進行する「みなとよこはま」のマリンインフラとして新規船隊の整備を進め、水上モビリティを提供して市民や観光客のアメニティの提供に貢献してまいります。
(4)社会的責任を意識した経営
当社は、より安全で効率的な曳船サービスを提供していくために総合的な品質管理システムの運用を強化していきます。また、社会的な責任として環境マネージメントシステムに基づいた企業経営を行っていきます。これらに加え労働安全や健康に最大限配慮していくことも含め、高いHSEQ基準を確立し充足していきます。
当社グループとしての内部統制システムは、財務報告の信頼性確保を目的とするのみならず業務の有効化・効率化、リスクマネージメントを組み込んだ体制とし、同時に公正かつ透明な企業行動のためのコンプライアンス体制と一体となるものとしていきます。
ガバナンス強化への対応として、当社グループ全体としての社員教育プログラムの拡充を図っていく必要性があります。
これらの諸施策を実施し、海事関係者、一般顧客及び社会から信頼される企業グループ経営を行うことにより株主の利益に最大限貢献したいと考えております。
(5)目標とする経営指標等
当社グループは、連結ベースでの経営効率の向上ならびに事業競争力の強化に努め、各社がそれぞれ有する経営資源をグループ全体として共有するなど、グループレベルでの収益力の強化を図っていきます。
当社グループの営む曳船事業の業績は、当社のコントロール外による要因(船舶の寄港数等)に左右される度合いが大きく、また、曳船業務の公共的性格(曳船による船舶の安全運航サポート)から具体的な数値指標を設定することは適切ではないとの考えから、中長期ビジョンに数値目標としてKPIを設定しておりません。
当社グループの事業は、減価償却費や船員費用などの固定費の占める割合が高いため、設備稼働率の向上が課題であります。そのため、総売上高が重要であるとともに、適正な船隊規模を確保する観点から船舶一隻当たりの売上高も重視しています。
また、収益性を確保する見地から売上高営業利益率や売上高当期純利益率などの改善を目標としており、運航コスト削減や作業単価改善(曳船事業の場合)のための諸施策を実施していきます。
さらに、資本効率面でも、余剰資金を新規のプロジェクトや成長分野の事業へ投資することにより総資産利益率、自己資本利益率の改善を目指します。
曳船作業を左右する本船の市場動向の変化を注視して、合理的で効率的な運航を実現させるため適正な船隊整備に努めてまいります。 旅客・観光事業においては、船舶代替に向けて当社グループ全体で培ったノウハウを活用してまいります。
当社は、グループの中核である曳船事業において東京湾全域に亘って、船舶の安全航行をサポートし、海難事故へ即応することにより海上交通効率化ならびに海洋環境保全への貢献といった公共的役割を果たしていきます。
具体的には、浦賀水道・中ノ瀬航路における船舶のエスコート業務、東京湾各港における船舶の離着桟補助業務、LNGバース等での警戒船業務、防災業務、緊急出動・海難救助など、顧客のあらゆる曳船サービスニーズに常時迅速に応えていきます。
また、総合的なマリンサービス提供会社として、東京湾口の水先艇運航業務や東京湾内の交通船業務、今後成長が見込まれる洋上風力発電向け交通船事業を展開することにより海上での人員の安全確保にも資してまいります。
安全で確実な曳船サービスの遂行を継続的に遂行するため、ハード面では最新テクノロジーを取り入れたタグボート船隊を配備していきます。ソフト面では高い熟練を誇る乗組員を育成し、海難事故への即応・緊急出動を可能とする陸上サポート体制により365日・24時間のオペレーションを実施し、顧客及び海事関係者の海上の安全の様々なニーズに応えていきます。
当社グループ会社が行う旅客船事業では、地域貢献型マリン事業を展開しております。すなわち、神奈川県・久里浜港と千葉県・金谷港間を結ぶカーフェリー定期航路事業で地域の水上モビリティを提供していきます。また、横浜港においてウォーターフロントの紹介を行う観光船事業で市民及び観光客に洋上での利便性と快適性を提供してまいります。
今後ともこうした事業を基軸として、海事関係者、一般顧客及び社会に貢献する企業グループを目指していきます。
(2)経営環境
日本経済の先行きにつきましては、米中貿易摩擦に代表される通商問題に加え、2020年1月に発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が招いた大幅な経済活動縮小の長期化が懸念されます。
当社グループの主力の曳船事業におきましては、各国での製造業の生産中止と貿易縮小が海上物流に与える影響が出てきており、2020年度に入り東京湾への入出港船舶数の減少が見え始めてまいりました。
旅客船事業を取り巻く環境は、緊急事態宣言による自粛が観光産業に大きな打撃となっており、利用客は激減し、その回復には時間を要する事態となっております。
上記の経営方針に基づいた対処すべき課題は、以下のとおりと考えております。
(3)会社の対処すべき課題
曳船事業
① 曳船運航定員削減船の増加
全日本海員組合との曳船運航定員削減交渉を前進させ、運航定員を5名から4名に減らした定員削減船の隻数を増やす。これは運航コスト削減と同時に、将来の乗組員確保難に備える措置でもあります。
② 曳船乗組員の教育訓練の高度化
乗組員の高い技能を維持し安全な曳船サービスを安定的に提供するために、教育訓練を高度化し技能の継承・向上に引き続き取り組む。
③ 最新曳船の開発・建造
継続的な研究開発により最新テクノロジーを取り入れ、環境負荷が低減され、かつ作業効率と安全性の高い最新鋭曳船を投入する。特に電気推進(水素燃料電池併用型)曳船の建造に向けて開発を加速させていく。
④ IT高度化とデジタル化の推進
IT高度化とデジタル化を推進し、陸上及び海上の各業務プロセスの一体的な効率化と質的向上を図る。
⑤ 国内外での新規プロジェクトの開拓
既存事業のノウハウを活かして国内外における新規事業の開拓に取り組み、そのために新しい企業能力を構築していく。特に再生可能エネルギーの洋上風力発電向け交通船事業については、各地での商業プロジェクトの開始に向けて事業開発を進めていく。
⑥ 新型コロナウイルス等の感染症拡大に対処する施策
新型コロナウイルス等の感染症拡大により、365日・24時間の曳船のオペレーションが麻痺することを防止するため、感染拡大時には異なった曳船の乗組員間の接触を制限し、配船関連の陸上人員の複数班化と複数拠点での陸上サポート体制を構築する。また、陸上社員の感染リスクを低減するため、時差出勤制度等の諸施策を実施し、業務においてテレビ会議の活用範囲をさらに拡大する。
旅客船事業
① (カーフェリー部門)
地元自治体との連携により新型コロナウイルス感染症収束後の新規観光需要を喚起する。また、低コスト運航を可能とする新規船隊の整備を検討し、神奈川県と千葉県を結ぶ交通インフラとして地域貢献を図ってまいります。
② (観光船部門)
観光事業の復興に向けて、港湾の再開発が進行する「みなとよこはま」のマリンインフラとして新規船隊の整備を進め、水上モビリティを提供して市民や観光客のアメニティの提供に貢献してまいります。
(4)社会的責任を意識した経営
当社は、より安全で効率的な曳船サービスを提供していくために総合的な品質管理システムの運用を強化していきます。また、社会的な責任として環境マネージメントシステムに基づいた企業経営を行っていきます。これらに加え労働安全や健康に最大限配慮していくことも含め、高いHSEQ基準を確立し充足していきます。
当社グループとしての内部統制システムは、財務報告の信頼性確保を目的とするのみならず業務の有効化・効率化、リスクマネージメントを組み込んだ体制とし、同時に公正かつ透明な企業行動のためのコンプライアンス体制と一体となるものとしていきます。
ガバナンス強化への対応として、当社グループ全体としての社員教育プログラムの拡充を図っていく必要性があります。
これらの諸施策を実施し、海事関係者、一般顧客及び社会から信頼される企業グループ経営を行うことにより株主の利益に最大限貢献したいと考えております。
(5)目標とする経営指標等
当社グループは、連結ベースでの経営効率の向上ならびに事業競争力の強化に努め、各社がそれぞれ有する経営資源をグループ全体として共有するなど、グループレベルでの収益力の強化を図っていきます。
当社グループの営む曳船事業の業績は、当社のコントロール外による要因(船舶の寄港数等)に左右される度合いが大きく、また、曳船業務の公共的性格(曳船による船舶の安全運航サポート)から具体的な数値指標を設定することは適切ではないとの考えから、中長期ビジョンに数値目標としてKPIを設定しておりません。
当社グループの事業は、減価償却費や船員費用などの固定費の占める割合が高いため、設備稼働率の向上が課題であります。そのため、総売上高が重要であるとともに、適正な船隊規模を確保する観点から船舶一隻当たりの売上高も重視しています。
また、収益性を確保する見地から売上高営業利益率や売上高当期純利益率などの改善を目標としており、運航コスト削減や作業単価改善(曳船事業の場合)のための諸施策を実施していきます。
さらに、資本効率面でも、余剰資金を新規のプロジェクトや成長分野の事業へ投資することにより総資産利益率、自己資本利益率の改善を目指します。
曳船作業を左右する本船の市場動向の変化を注視して、合理的で効率的な運航を実現させるため適正な船隊整備に努めてまいります。 旅客・観光事業においては、船舶代替に向けて当社グループ全体で培ったノウハウを活用してまいります。