有価証券報告書-第33期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

【提出】
2020/05/25 11:53
【資料】
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【項目】
153項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来、①お客様への最適な物流方法を提案する「提案力」、②中国を中心とした海外拠点の確かな「ネットワーク」、③物流情報をタイムリーに提供できる「オペレーティング」の3つをキーワードに、お客様の多様な物流ニーズにお応えしてまいりました。
このキーワードをもとに、当社グループでは次の4つを経営基本方針として掲げております。
1.常にお客様の立場を考えたサービスを提供するために、他社に先駆けたより良い貨物輸送サービスを研究開発します。
2.拠点網を拡大し、よりお客様に密着したサービスを提供できる、ワールドワイドな総合物流企業を目指します。
3.創造力豊かで世界に挑戦する勇気ある人材を育成します。
4.人間性を尊重し、風通しの良い魅力ある職場を作ります。
当社グループは、この基本方針のもと、企業倫理を尊重しながら、顧客・株主・従業員にとって存在価値のある企業グループとして、社会や経済の発展に貢献するとともに持続的成長と企業価値の向上に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、経営方針に基づき安定的かつ持続的な成長と利益の確保を経営目標としており、営業収益、営業利益及び経常利益においては、成長率を重要な経営指標と捉え、これらの向上を重視した経営に取り組んでまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、国際物流事業において、より良い貨物輸送サービスを展開し、お客様に密着したサービスを提供できるワールドワイドな総合物流企業を目指しております。
物流業界におきましては、近年、人手不足がさらに深刻化し、物流コストも上昇傾向にある中、顧客の物流ニーズの多様化・高度化が進んでおり、より高いレベルでの物流の効率化・合理化が求められております。これらを背景に、フォワーダー間においても、今後も継続してサービス及び価格双方の面で厳しい競争が続くものと予想され、厳しい経営環境が続くものと予想されます。
このような環境の下、当社グループでは、様々な顧客ニーズに適応した提案型営業を展開し、国際貨物輸送、通関や配送のみならず、検品・検針といった加工業務等も加えた受注の獲得を目指してまいります。
当社グループは、中国から日本への輸入貨物の取扱い、アパレルや日用雑貨の貨物集荷を得意としておりますが、東南アジアから日本への輸入貨物や日本からの輸出貨物の集荷にも注力し、また、その営業活動を未だ取扱いの少ない他の業種へも拡げてまいります。これらに加え、日本を介さない三国間輸送の獲得に向けての営業強化も図り、更なる取扱高の増加と収益の拡大に取り組んでまいります。
さらに、当社グループがワールドワイドな総合物流企業へと成長するために、日本・中国・東南アジアといった自社拠点間や北米等を結ぶ物流ネットワークをより強固なものとし、海外拠点網の拡大と構築を進め、更なる事業基盤の強化と収益基盤の拡充を図ってまいります。
そして、輸出貨物輸送、航空貨物輸送、通関、保管業務、配送業務等それぞれに得意分野を持つ企業との提携も視野に入れながら、これらの事業提携を通じて、総合的な物流サービスの展開を推進していくことも中長期的な戦略として掲げ、持続的成長と企業価値の向上に努めてまいります。
(4)会社の対処すべき課題
グローバル化した今日の企業活動の中で、当社グループの主な事業である国際貨物輸送事業は、社会的、経済的に重要で、大きな役割と責任を負っていると考えております。
すなわち、当社グループがお客様の支持を得て事業を伸展することは、当社グループの企業価値の増大に結びつくだけではなく、結果としてかかる社会的使命と責任を果たすことにつながるものであると認識し、特に以下の項目を対処すべき課題として掲げて、積極的に取り組んでおります。
①事業基盤の強化と拡大
物流に対するお客様のニーズが多様化・高度化する近年、物流の効率化や合理化、物流コストの削減、納期の短縮等のニーズに応えるべく、当社グループは、国際貨物輸送だけでなく、通関や配送等までを一貫して受注する提案を行っております。また、日新運輸の子会社化により、検品・検針といった加工業務から始まり、国際貨物輸送、通関や配送までをグループが一貫して請け負える事業環境が整いました。
当社グループは、企業の成長を更に加速させるべく、この事業環境を活かし、顧客のニーズを的確に捉えた物流提案を積極的に行い、アパレル製品や雑貨類に留まらず、輸送実績の少ない業種への営業活動にも精力的に行い、国際貨物輸送の取扱高の増加と業績の拡大に取り組んでまいります。
加えて、東南アジアから日本への輸入貨物や日本からの輸出貨物の集荷、日本を介さない三国間輸送の獲得に向けての営業活動も強化し、中国、東南アジアの現地法人や各国の代理店との連携も深め、グローバル物流体制の基盤強化も図ってまいります。
また、独自での海外営業戦力の充実と海外拠点網の拡充を図るとともに、今後当社グループが注力すべき分野に精通した企業との提携等も視野に入れ、事業規模の拡大を図ってまいります。
そして、収益性の改善に向けて社内体制やインフラの整備、効率化によるコスト削減等にも取り組み、安定的な収益の維持と確保に努めてまいります。
②人材の確保と育成
当社グループは、持続的な事業の拡大を実現していくためには、企業の成長に応じた人材の確保及び育成が重要課題であると考えております。
現在、あらゆる業種での人手不足が大きな問題となっており、物流業界においても、需要に対して人手不足が顕著であり、採用競争も激しさを増す中、人材の確保が困難な状況となっております。特に国際貨物輸送サービスでは、日本国内及び世界各国の物流事情に精通した知識と経験を持つ人材が必要不可欠であり、今後の事業の拡大及び海外展開を加速させる上で、人材確保と育成は、重要な経営課題であり、また当社グループの成長を支える重要な要素であると認識しております。
人材の採用については、即戦力の人材確保を目的とした中途採用及び将来を担う社員の育成と組織の活性化を目的とした新卒採用を行っております。また、人材育成においても、採用後の新入社員研修、中途採用研修、外部の専門研修、階層別研修、海外研修なども充実させることで、確保した人材の早期戦力化と定着化を図ってまいります。
当社グループにとって、最も重要な経営資源は人材であり、事業の安定的かつ持続的成長のために、より適正な人事評価制度の導入や社員の給与体系などの待遇改善も実施し、従業員のモチベーションを維持向上させる仕組みづくりに取り組んでまいります。
③内部管理体制の充実と強化
当社グループは、持続的な企業価値の向上と成長を維持するために、内部管理体制の充実と強化が必要不可欠であると認識しております。
当社グループでは、業務拡大に伴う組織体制の見直しと整備を逐次実施するとともに、内部管理体制を強化しコーポレート・ガバナンスの浸透に取り組んでおります。
今後もこの内部管理体制を有効に機能させることが企業価値を更に高め、効率的かつ健全な企業経営を実現するものと認識し、より一層透明性の高い経営を目指し、相互牽制の効いた内部管理体制の強化に取り組んでまいります。