有価証券報告書-第93期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
| 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 親会社株主に帰属する 当期純利益 (百万円) | |
| 2018年3月期 | 33,937 | 2,779 | 3,187 | 1,971 |
| 2019年3月期 | 34,046 | 2,418 | 2,829 | 1,693 |
| 増減率(%) | 0.3 | △13.0 | △11.2 | △14.1 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資の増加や雇用情勢の改善を背景に堅調に推移したものの、通商問題への懸念や海外経済の不確実性による影響もあって、先行き不透明な状況となっております。また、当社グループに影響を与えるテレビの広告市況につきましては、停滞気味に推移しました。このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、340億46百万円(前期比0.3%増)となりました。利益面では、営業利益は24億18百万円(前期比13.0%減)、経常利益は28億29百万円(前期比11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億93百万円(前期比14.1%減)となりました。セグメントの業績は、次のとおりであります。
| 放送関連 | 不動産関連 | その他 | ||||
| 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | |
| 2018年3月期 | 30,750 | 1,644 | 1,725 | 1,068 | 1,460 | 89 |
| 2019年3月期 | 30,709 | 1,229 | 1,747 | 1,076 | 1,590 | 112 |
| 増減率(%) | △0.1 | △25.3 | 1.2 | 0.7 | 8.9 | 25.2 |
(注)売上高については、セグメント間の取引を相殺消去しております。
〈放送関連〉
当セグメントは、当社、㈱CBCテレビ、㈱CBCラジオ、㈱CBCクリエイションならびに㈱CBCコミュニケーションズで構成されます。
CBCグループの中核をなすテレビ事業については、当期の年間平均視聴率は、全日帯(6:00~24:00)が7.4%、ゴールデンタイム(19:00~22:00)が11.9%、プライムタイム(19:00~23:00)が11.8%と、いずれも前期に引き続き2位となりました。
ローカルの枠を超えて全国への展開を目指す情報生ワイド番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(月~金曜 13:55~15:57放送)は、昨年10月に北海道地区、さらに今年4月からは岩手、富山、熊本地区で放送が始まり、これで放送エリアは1都1道18県に拡大しました。
また、情報生ワイド番組『なるほどプレゼンター!花咲かタイムズ』(土曜 9:25~11:30放送)は、11年連続で視聴率同時間帯1位となりました。
報道情報番組『イッポウ』(月~金曜16:50~19:00放送)は、「家族 つなぐ」をモットーに「最新ニュース」から「身近な生活情報」まできめ細かくお伝えしました。昨年の大雨や台風の報道では、テレビ放送と併せインターネットでもライブ配信し、より詳細な災害情報を伝えるとともに、メディアの多様化への取り組みも推し進めました。
また、今年4月からは『チャント!』(月~金曜15:49~19:00放送)をスタートさせ、『イッポウ』の視聴者を維持しつつ、更なる視聴者層の拡大を目指します。
一方、ラジオ事業は、「トークって近い」というメッセージのもと、リスナーに最も近く、地域に寄り添った番組を展開し、6月と12月の中京圏ラジオ個人聴取率調査(12才~74才)で総合1位を獲得しました。恒例の『CBCラジオ夏まつり2018』(7月)や、2年目となる『春の終活文化祭~シニアにYELL!~』(3月)などのイベントも盛況を博しました。また、ドキュメンタリー『最期への覚悟』が、第55回ギャラクシー賞ラジオ部門において、CBC制作の番組では初めてとなる大賞を受賞しました。
このほか、CBCのメディア価値向上につながる企画・イベントにも取り組みました。明治期の皇室を彩った調度品などを展示した展覧会『明治150年記念 華ひらく皇室文化 明治宮廷を彩る技と美』(4月~5月)は大きな話題を呼び、その後、秋田、京都、東京の各地でも開催されました。また、男子ゴルフの『第59回中日クラウンズ』(4月)、名古屋を代表するクラシックの祭典『第41回名古屋国際音楽祭』(4月~7月)をはじめとしたさまざまなイベントを実施し、いずれも多くの来場者を集めました。
このような事業活動等を展開した結果、テレビのタイム収入やイベント収入が増加し、さらに『ゴゴスマ』の放送エリア拡大に伴う番組販売収入も増加しました。しかし、その一方で、名古屋地区へのスポット投下量が前期を下回る状況の下、テレビスポット収入が減少したことから、「放送関連」の売上高は307億9百万円(前期比0.1%減)となりました。
利益面では、テレビのタイム収入の増加による増益効果はあったものの、利益率の高いテレビスポットの減収により、営業利益は12億29百万円(前期比25.3%減)となりました。
〈不動産関連〉
当セグメントは、当社と㈱千代田会館ならびに㈱CBCビップスで構成されます。「不動産関連」は、東京及び名古屋駅エリアの賃貸ビルにおける収入が増加となったことから、売上高は17億47百万円(前期比1.2%増)となりました。利益面では、東京の賃貸ビルにおいて修繕費が増加したものの、増収効果により営業利益は10億76百万円(前期比0.7%増)となりました。
〈その他〉
ゴルフ場事業を営む㈱南山カントリークラブ、保険代理業などを営む㈱CBCビップスならびにタクシー業を営む文化交通㈱で構成される「その他」は、売上高が15億90百万円(前期比8.9%増)、営業利益は1億12百万円(前期比25.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
(a)資産の部
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて3億76百万円減少し、712億65百万円となりました。
主な減少要因として、保有株式の時価下落などに伴い投資有価証券が8億22百万円減少しております。また、主な増加要因として、現金及び預金が5億42百万円増加しております。
(b)負債の部
当連結会計年度末における負債は3億63百万円減少し、158億15百万円となりました。
固定資産取得に伴う未払金が増えたため流動負債の「その他」が4億92百万円増加しましたが、一方で保有株式の時価下落などに伴い繰延税金負債が4億81百万円、長期預り保証金が4億57百万円それぞれ減少したことなどにより、負債全体では減少となりました。
(c)純資産の部
当連結会計年度末における純資産は13百万円減少し、554億49百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益と配当金の支払いとの差額により利益剰余金が10億86百万円増加しましたが、一方で保有株式の時価下落に伴いその他有価証券評価差額金が10億78百万円、退職給付に係る調整累計額が42百万円それぞれ減少したことにより、純資産全体では減少となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減額 | |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,340 | 2,853 | 512 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,445 | △1,118 | 1,326 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,125 | △1,091 | 33 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △1,229 | 642 | 1,872 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 13,010 | 11,781 | △1,229 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 11,781 | 12,424 | 642 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて6億42百万円増加し、124億24百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は28億53百万円となりました。これは、法人税等の支払額が13億85百万円あった一方で、税金等調整前当期純利益27億83百万円や減価償却費12億80百万円をそれぞれ計上し、さらに法人税等の還付額が3億3百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は11億18百万円となりました。これは、有価証券の償還による収入が2億円あった一方で、投資有価証券の取得による支出が8億72百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出が5億50百万円それぞれあったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は10億91百万円となりました。これは、配当金の支払額6億5百万円や預り保証金の返還による支出5億8百万円があったことによるものです。
④ 販売の状況
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 放送関連 | 30,709 | △0.1 |
| 不動産関連 | 1,747 | 1.2 |
| 報告セグメント計 | 32,456 | △0.1 |
| その他 | 1,590 | 8.9 |
| 合計 | 34,046 | 0.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱電通 | 8,838 | 26.0 | 8,355 | 24.5 |
| ㈱博報堂DY メディアパートナーズ | 6,677 | 19.7 | 7,047 | 20.7 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載しておりますが、特に貸倒引当金、投資の減損、繰延税金資産および退職給付費用に関する見積りおよび判断が連結財務諸表の作成に重要な影響を及ぼすと考えております。
(a)貸倒引当金
当社グループは、得意先への売掛金等の一般債権について、支払不能時に発生する損失見積額を、過去の貸倒実績率に基づき、貸倒引当金に計上しております。また、相手先の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には個別に回収可能性を見積り、追加引当を行っております。さらに、当社グループは預託金方式のゴルフ会員権を所有しております。このゴルフ会員権は、下記「(b)投資の減損」で減損の対象になった際に、時価が額面金額を下回った場合、時価と額面との差額の全額を貸倒引当金として計上しております。
(b)投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、また余資運用目的で有価証券および投資有価証券を所有しております。この中には市場価額のある公開会社への投資と、時価の決定が困難な非公開会社への投資が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。
(c)繰延税金資産
当社グループでは、繰延税金資産の判定に当たって慎重な判断を行い、評価性引当額を計上することによって実現可能性の高い金額への修正を行っております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得と継続的な税務計画を慎重に判断し、いわゆるスケジューリング不能と判断された場合にはこれを実現できないものとし、繰延税金資産の調整額として費用に計上しております。
(d)退職給付費用
当社グループでは、従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。また、一部の子会社については簡便法を採用しております。
当社グループの年金制度において、割引率は優良社債の市場利回りを基準に算出しております。長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の支払に充てられるまでの時期、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運用方針および市場動向等を考慮して決定しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高および営業利益)
当社および当社グループは昨年、「中期経営計画2018-2020」を策定しました。策定にあたり、当計画期間を、「100年企業」となる2050年においても成長し続けるグループとなるために、主力であるテレビ・ラジオの放送を中心に既存の事業を更に強化しつつ、グループ全体で将来の種を播き、成長の可能性を見出す3年間と位置付けました。
計画初年度となる当連結会計年度は、当社グループの中核をなす「放送関連」セグメントが減収となりました。これは主に主力であるテレビスポット収入の落ち込みによるものです。地域性と信頼性に基づくコンテンツ制作力をいっそう強化するとともに、データ利活用の仕組みを構築することにより、媒体価値をより確固たるものにしていきたいと考えています。また、次世代のプラットフォーム並びにコンテンツ流通における新たなビジネスモデルについても検討を進め、コンテンツ価値の最大化を目指していきます。
そして、グループの成長を支えるため、体制と基盤も常に強化し続けていく必要があります。当連結会計年度においても「不動産関連」セグメント及び「その他」は増収増益となっていますが、今後もビジネス領域の拡大や事業の多角化により、グループの持続的成長を促進していこうと考えています。
この結果、当連結会計年度は、営業利益は減益とはなりましたが、売上高については4期連続の増収となりました。2019年度は、利益率の高いスポット収入の落ち込みを取り戻しつつ、次世代に向けた新たな事業領域の創出を目指すことにより、計画最終年度にあたる2020年度において「売上高営業利益率8%以上を目安として連結売上高375億円を達成する」という目標に向けて礎を築く重要な期間となります。
なお、上記事項を含むセグメント別の売上高および営業利益の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」並びに「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前期比5百万円(1.2%)減の4億46百万円と、ほぼ前期並みとなりました。一方で、営業外費用は、支払利息の減少などにより、前期比8百万円(18.7%)減の35百万円となりました。この結果、経常利益は前期比3億58百万円(11.2%)減の28億29百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、CGコードに基づき、政策保有株式の一部見直しを行ったことにより、投資有価証券売却益を計上し、前期比27百万円増となりました。特別損失は、前期比33百万円(83.1%)増の73百万円となりました。
税金費用は、税金等調整前当期純利益の減益により、前期比85百万円(7.4%)減の10億58百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比2億78百万円(14.1%)減の16億93百万円となり、前期を下回りました。
(b) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(c) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、テレビやラジオの放送における番組制作や送出に係る費用のほか、多額を要する放送設備の更新と社屋関係へのインフラ投資、持続的な成長を維持するための事業展開に向けた投資が見込まれております。
当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資に要する資金を調達することが可能と考えております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は124億24百万円となっております。