有価証券報告書-第94期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営環境
当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。放送局を取り巻く環境は、メディア、情報デバイスの多様化によって大きく変容してきていますが、相次ぐ災害、新型コロナウイルスの感染拡大など、人類が経験したことのないような事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値が改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきています。こうしたメディア環境を踏まえ、当社グループはこれからも、安定した経営基盤を確保しながら、地域を代表する放送局、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。
当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っています。今般の新型コロナウイルス拡大は、広告市況の急激な悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしています。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、収束後における様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えています。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱「映像」「情報」「ICT」を軸に、「中期経営計画2018-2020」で掲げた「現行ビジネスの強化」「新規事業の創出、拡張」「成長を支える基盤の強化」という重点施策を遂行し、最大のリーチメディアである地上波放送を軸に、様々な出口戦略でコンテンツを発信し、その成果をデータで示していくことにより、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。
(2)対処すべき課題
東京オリンピック・パラリンピックが開催され、アスリートたちの活躍に沸き返るはずであった2020年、世界は新型コロナウイルスのパンデミックに脅かされることとなりました。人類が未だかつて経験したことのない脅威の中、根拠のない情報が大量に拡散するインフォデミックも、人々を混乱に陥れています。こういうときだからこそ、放送局は、地域の情報インフラとして、正しく、速く情報を届け、地域住民の生命、生活、財産を守るための存在であらねばなりません。
1945年8月の終戦から5年後の1950年12月15日、日本で最初の民間放送局として当社は産声をあげました。当社を嚆矢とする各民放事業者は、NHKとの二元体制の下、放送法に謳われた正確な報道や多角的論点などを遵守することにより、それぞれの地域住民との信頼性が築かれ、民主主義の理想の実現に寄与してきました。
新型コロナウイルス拡大は、番組収録の中止や延期などの事態を招き、当社グループの業績にも影響をもたらすなど、事業継続計画(BCP)対応が問われる局面となっていますが、私たちには、この70年の歴史で築いてきた英知があります。この英知を基に、今後、いかなる時も地域住民の生命を守る使命を果たすため、放送を中心にグループ事業を継続することに全力を尽くしていきます。
持続可能な価値の創造
今年12月、当社は民放初の創立70周年を迎えます。70周年のテーマは「未来にワクワクを」。当社グループがこれからも地域に貢献し、信頼される存在であり続けるため、2015年に国連で採択された「SDGs」の考え方を根底に、「100年企業」に向けたサステナブル(持続可能)な価値の創造を目指して、様々な取り組みを進めていきます。不穏な日々が続く状況であるからこそ、地域の情報インフラとしての存在意義を高めつつ、それを乗り越えた先に、ワクワクする未来を地域にお届けできるよう、取り組んでいきます。
「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2018-2020」
当社グループは、一昨年、2018年度を初年度とする「中期経営計画2018-2020」を策定しました。グループ各社の大半は順調に数字を積み上げ、着実に成果を出しているものの、テレビ事業に関しては、スポット収入の下降傾向が続く中、新型コロナウイルス拡大という未曽有の事態も追い打ちとなり、平時を前提として策定した計画値は、実情にそぐわない数字となっています。
2020年度は、新型コロナウイルス拡大の影響も踏まえ、地域住民の生命、生活、財産の維持に全力を尽くすことが最優先です。そして、その上で、「100年企業」となる2050年においても成長し続けるグループとなるために、成長戦略の3本柱「映像」「情報」「ICT」を軸とした「現行ビジネスの強化」「新規事業の創出、拡張」「成長を支える基盤の強化」という重点施策にいま一度立ち返ることで、事業の発展的継続につなげ、次期中期経営計画に向けて基盤をできるだけ高く積み上げることに注力します。
現行ビジネスの強化
こうした状況下における「現行ビジネスの強化」とは、放送を中心とした事業を継続しながら、いかに利益を確保し、現行ビジネスの新たな在り方を見出していくかということです。㈱電通の最新調査結果によると、日本の広告費全体としても、インターネット広告費がテレビメディア広告費を上回ったと言われますが、メディアとして通信が放送に取って代わるということではありません。放送と通信は、それぞれ特色や違いがあるということを再認識し、放送が優っている信頼性や地域性、そして、その到達率を最大限に活かしつつ、劣っていることに関しては通信を活用していくことが重要です。
CBCテレビでは、信頼性と地域性のさらなる強化を目指して、2019年4月より開始した『チャント!』を軸に、スポンサーのニーズに応えた、より幅広い視聴者層の獲得を目指していきます。そして、その一方で、今年4月より19局29都道県まで放送エリアを拡大した『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』をはじめ、配信も含めた出口戦略も推し進めていきます。CBCラジオでは、終活、声優、アイドル、スポーツなどのテーマで、ターゲットをより明確にした番組やイベントの開発を進めており、スポンサーとリスナーを直接つなぐマネタイズモデルとして育ちつつあります。また、番組コンテンツを記事として配信する「RadiChubu」のマネタイズや、インターネットラジオの「radiko」を活用したターゲティング広告配信など、通信を活用した取り組みも今後さらに加速させていきます。
当社グループの経営資源の有効活用策として戦略的に取り組んでいる不動産事業では、名古屋駅前エリアのテナントビルをはじめ、アピタ長久手店や千代田会館、太陽光発電事業などが安定的な収益をもたらし、グループ事業の下支えとなっています。これからも、保有する不動産資産に関して、さらなる高度利用の検討に加え、入れ替えや見直しも図りつつ、価値の最大化に努めていきます。
新規事業の創出、拡張
現行ビジネスの維持、強化を最優先としながらも、次の時代を見据え、将来成長が見込まれる分野にリソースを投入し、新しい収益の柱を創出していくのが、「新規事業の創出、拡張」です。
その1つは「放送事業を強化する総合的メディアデザインの構築」です。メディアの多様化が進む中、圧倒的な到達率を持つ放送と機能的な通信、各々の特性を踏まえつつ、視聴者のニーズを見極め、生活スタイルに適した形でコンテンツを提供していくことが重要であり、両方を活用できるのは、放送事業者しかいません。今年4月にはNHKが常時化を見据えた同時配信を本格開始しましたが、当社も昨年3月に有料動画配信プラットフォーム「Paravi」を運営する㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパンに出資したことに続き、今年3月にはCBCテレビも在名放送局4局共同で、動画を中心とした様々な情報を配信する公式サービス「Locipo(ロキポ)」を開始し、同時配信も含めた将来のメディア環境変化への備えを進めています。出口が多様化するときだからこそ、私たちはこれまで放送70年の歴史で培ってきたコンテンツ制作力を絶えず磨き続けていくことが不可欠です。そして、生み出したコンテンツを、放送を軸として、適切なプラットフォームに展開し、その価値を示すデータ利活用を進めることにより、マネタイズを実現していきます。
もう1つは「次世代に向けた戦略的投資、新規事業の開拓」です。放送関連分野だけではなく、「ICT」分野を中心に検討を行い、高度な技術や知見を有する様々な企業とのオープンイノベーションによる連携や協業も進めながら、事業拡大に取り組んでいます。駐車場シェアリングエコノミーサービス運営の「akippa」や有人宇宙機開発の「PDエアロスペース」などへの出資のほか、「CBCスマホ」事業や「Tokyo Otaku Mode」事業など、これまで種を播いてきた新たな事業分野での取り組みが、これから先、コンテンツの活用やビジネス領域の拡大、地域活性化への貢献などにつながることを目指し、グループの持続的成長の促進を図っていきます。
成長を支える基盤の強化 新型コロナウイルス拡大は、経済全般へ甚大な影響をもたらしました。私たちが未だかつて経験したことのないような状況においても事業を継続するために、最優先すべきは、従業員の安全を確保し、人材を守っていくことです。あわせて、報道機関を持つ当社グループは、緊急時や非常事態などにおいては、主要な収入である広告が大幅に減少したり、全く無くなったりした場合でも、放送を続けるばかりでなく、平時以上の情報を提供し続けるという使命を負っているため、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。
堅固な財務基盤のもと、人材を守り、情報メディアとしての機能を維持し続けながら、今回の危機を乗り越えていくことは、その先において、必ずや将来の成長を支える源泉となっていくものと考えています。その一方で、今回の危機への対応から見えてきた変化や、知恵、工夫を生かし、リモートワークや業務の効率化など、新たな働き方の創出、そして新しいメディアの在り方に関しても検討を進めていきます。
「100年企業」へ向かって
創立70周年を迎える今年、取り巻く環境は日々、変化し続けますが、上記目標及び課題に対処していくことこそが、報道機関、情報インフラとしての使命を果たしつつ、企業としての持続的な成長につながっていくものと確信しています。
民間放送のパイオニアとして歴史を先導してきた当社グループは、まずは、地域の皆さまがコロナ危機を乗り越え、収束後における生活の立て直しに役立てるよう尽力していきます。そして、その収束後における社会構造の変化も見極めながら、大きな変革を飛躍の糧とし、事業領域を広げ、未来に向かって持続的に成長することで、地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、あらゆるステークホルダーの皆さまに最大の満足を提供できる存在であり続けたいと考えています。
なお、会社の支配に関する基本方針は、次のとおりです。
当社グループは、テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を制作し、地域社会や文化に貢献することを経営の基本理念にしています。テレビやラジオは、公共性の高いメディアであり、通信技術の進展に伴ってメディアが多様化しても、基幹メディアの地位を維持していくものと考えています。このため、中長期的な視点に立って、安定的に経営を継続していくことが重要であり、それが、ひいては企業価値、株主価値の向上につながるものと確信しています。
当社は、こうした経営の基本理念を支持する者が、「会社の財務および事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えています。
なお、当社では、株式に対する大規模な買収行為がなされた場合に備えた具体的な枠組み(いわゆる「買収防衛策」)は定めていません。
(1)経営方針および経営環境
当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。放送局を取り巻く環境は、メディア、情報デバイスの多様化によって大きく変容してきていますが、相次ぐ災害、新型コロナウイルスの感染拡大など、人類が経験したことのないような事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値が改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきています。こうしたメディア環境を踏まえ、当社グループはこれからも、安定した経営基盤を確保しながら、地域を代表する放送局、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。
当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っています。今般の新型コロナウイルス拡大は、広告市況の急激な悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしています。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、収束後における様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えています。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱「映像」「情報」「ICT」を軸に、「中期経営計画2018-2020」で掲げた「現行ビジネスの強化」「新規事業の創出、拡張」「成長を支える基盤の強化」という重点施策を遂行し、最大のリーチメディアである地上波放送を軸に、様々な出口戦略でコンテンツを発信し、その成果をデータで示していくことにより、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。
(2)対処すべき課題
東京オリンピック・パラリンピックが開催され、アスリートたちの活躍に沸き返るはずであった2020年、世界は新型コロナウイルスのパンデミックに脅かされることとなりました。人類が未だかつて経験したことのない脅威の中、根拠のない情報が大量に拡散するインフォデミックも、人々を混乱に陥れています。こういうときだからこそ、放送局は、地域の情報インフラとして、正しく、速く情報を届け、地域住民の生命、生活、財産を守るための存在であらねばなりません。
1945年8月の終戦から5年後の1950年12月15日、日本で最初の民間放送局として当社は産声をあげました。当社を嚆矢とする各民放事業者は、NHKとの二元体制の下、放送法に謳われた正確な報道や多角的論点などを遵守することにより、それぞれの地域住民との信頼性が築かれ、民主主義の理想の実現に寄与してきました。
新型コロナウイルス拡大は、番組収録の中止や延期などの事態を招き、当社グループの業績にも影響をもたらすなど、事業継続計画(BCP)対応が問われる局面となっていますが、私たちには、この70年の歴史で築いてきた英知があります。この英知を基に、今後、いかなる時も地域住民の生命を守る使命を果たすため、放送を中心にグループ事業を継続することに全力を尽くしていきます。
持続可能な価値の創造
今年12月、当社は民放初の創立70周年を迎えます。70周年のテーマは「未来にワクワクを」。当社グループがこれからも地域に貢献し、信頼される存在であり続けるため、2015年に国連で採択された「SDGs」の考え方を根底に、「100年企業」に向けたサステナブル(持続可能)な価値の創造を目指して、様々な取り組みを進めていきます。不穏な日々が続く状況であるからこそ、地域の情報インフラとしての存在意義を高めつつ、それを乗り越えた先に、ワクワクする未来を地域にお届けできるよう、取り組んでいきます。
「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2018-2020」
当社グループは、一昨年、2018年度を初年度とする「中期経営計画2018-2020」を策定しました。グループ各社の大半は順調に数字を積み上げ、着実に成果を出しているものの、テレビ事業に関しては、スポット収入の下降傾向が続く中、新型コロナウイルス拡大という未曽有の事態も追い打ちとなり、平時を前提として策定した計画値は、実情にそぐわない数字となっています。
2020年度は、新型コロナウイルス拡大の影響も踏まえ、地域住民の生命、生活、財産の維持に全力を尽くすことが最優先です。そして、その上で、「100年企業」となる2050年においても成長し続けるグループとなるために、成長戦略の3本柱「映像」「情報」「ICT」を軸とした「現行ビジネスの強化」「新規事業の創出、拡張」「成長を支える基盤の強化」という重点施策にいま一度立ち返ることで、事業の発展的継続につなげ、次期中期経営計画に向けて基盤をできるだけ高く積み上げることに注力します。
現行ビジネスの強化
こうした状況下における「現行ビジネスの強化」とは、放送を中心とした事業を継続しながら、いかに利益を確保し、現行ビジネスの新たな在り方を見出していくかということです。㈱電通の最新調査結果によると、日本の広告費全体としても、インターネット広告費がテレビメディア広告費を上回ったと言われますが、メディアとして通信が放送に取って代わるということではありません。放送と通信は、それぞれ特色や違いがあるということを再認識し、放送が優っている信頼性や地域性、そして、その到達率を最大限に活かしつつ、劣っていることに関しては通信を活用していくことが重要です。
CBCテレビでは、信頼性と地域性のさらなる強化を目指して、2019年4月より開始した『チャント!』を軸に、スポンサーのニーズに応えた、より幅広い視聴者層の獲得を目指していきます。そして、その一方で、今年4月より19局29都道県まで放送エリアを拡大した『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』をはじめ、配信も含めた出口戦略も推し進めていきます。CBCラジオでは、終活、声優、アイドル、スポーツなどのテーマで、ターゲットをより明確にした番組やイベントの開発を進めており、スポンサーとリスナーを直接つなぐマネタイズモデルとして育ちつつあります。また、番組コンテンツを記事として配信する「RadiChubu」のマネタイズや、インターネットラジオの「radiko」を活用したターゲティング広告配信など、通信を活用した取り組みも今後さらに加速させていきます。
当社グループの経営資源の有効活用策として戦略的に取り組んでいる不動産事業では、名古屋駅前エリアのテナントビルをはじめ、アピタ長久手店や千代田会館、太陽光発電事業などが安定的な収益をもたらし、グループ事業の下支えとなっています。これからも、保有する不動産資産に関して、さらなる高度利用の検討に加え、入れ替えや見直しも図りつつ、価値の最大化に努めていきます。
新規事業の創出、拡張
現行ビジネスの維持、強化を最優先としながらも、次の時代を見据え、将来成長が見込まれる分野にリソースを投入し、新しい収益の柱を創出していくのが、「新規事業の創出、拡張」です。
その1つは「放送事業を強化する総合的メディアデザインの構築」です。メディアの多様化が進む中、圧倒的な到達率を持つ放送と機能的な通信、各々の特性を踏まえつつ、視聴者のニーズを見極め、生活スタイルに適した形でコンテンツを提供していくことが重要であり、両方を活用できるのは、放送事業者しかいません。今年4月にはNHKが常時化を見据えた同時配信を本格開始しましたが、当社も昨年3月に有料動画配信プラットフォーム「Paravi」を運営する㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパンに出資したことに続き、今年3月にはCBCテレビも在名放送局4局共同で、動画を中心とした様々な情報を配信する公式サービス「Locipo(ロキポ)」を開始し、同時配信も含めた将来のメディア環境変化への備えを進めています。出口が多様化するときだからこそ、私たちはこれまで放送70年の歴史で培ってきたコンテンツ制作力を絶えず磨き続けていくことが不可欠です。そして、生み出したコンテンツを、放送を軸として、適切なプラットフォームに展開し、その価値を示すデータ利活用を進めることにより、マネタイズを実現していきます。
もう1つは「次世代に向けた戦略的投資、新規事業の開拓」です。放送関連分野だけではなく、「ICT」分野を中心に検討を行い、高度な技術や知見を有する様々な企業とのオープンイノベーションによる連携や協業も進めながら、事業拡大に取り組んでいます。駐車場シェアリングエコノミーサービス運営の「akippa」や有人宇宙機開発の「PDエアロスペース」などへの出資のほか、「CBCスマホ」事業や「Tokyo Otaku Mode」事業など、これまで種を播いてきた新たな事業分野での取り組みが、これから先、コンテンツの活用やビジネス領域の拡大、地域活性化への貢献などにつながることを目指し、グループの持続的成長の促進を図っていきます。
成長を支える基盤の強化 新型コロナウイルス拡大は、経済全般へ甚大な影響をもたらしました。私たちが未だかつて経験したことのないような状況においても事業を継続するために、最優先すべきは、従業員の安全を確保し、人材を守っていくことです。あわせて、報道機関を持つ当社グループは、緊急時や非常事態などにおいては、主要な収入である広告が大幅に減少したり、全く無くなったりした場合でも、放送を続けるばかりでなく、平時以上の情報を提供し続けるという使命を負っているため、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。
堅固な財務基盤のもと、人材を守り、情報メディアとしての機能を維持し続けながら、今回の危機を乗り越えていくことは、その先において、必ずや将来の成長を支える源泉となっていくものと考えています。その一方で、今回の危機への対応から見えてきた変化や、知恵、工夫を生かし、リモートワークや業務の効率化など、新たな働き方の創出、そして新しいメディアの在り方に関しても検討を進めていきます。
「100年企業」へ向かって
創立70周年を迎える今年、取り巻く環境は日々、変化し続けますが、上記目標及び課題に対処していくことこそが、報道機関、情報インフラとしての使命を果たしつつ、企業としての持続的な成長につながっていくものと確信しています。
民間放送のパイオニアとして歴史を先導してきた当社グループは、まずは、地域の皆さまがコロナ危機を乗り越え、収束後における生活の立て直しに役立てるよう尽力していきます。そして、その収束後における社会構造の変化も見極めながら、大きな変革を飛躍の糧とし、事業領域を広げ、未来に向かって持続的に成長することで、地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、あらゆるステークホルダーの皆さまに最大の満足を提供できる存在であり続けたいと考えています。
なお、会社の支配に関する基本方針は、次のとおりです。
当社グループは、テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を制作し、地域社会や文化に貢献することを経営の基本理念にしています。テレビやラジオは、公共性の高いメディアであり、通信技術の進展に伴ってメディアが多様化しても、基幹メディアの地位を維持していくものと考えています。このため、中長期的な視点に立って、安定的に経営を継続していくことが重要であり、それが、ひいては企業価値、株主価値の向上につながるものと確信しています。
当社は、こうした経営の基本理念を支持する者が、「会社の財務および事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えています。
なお、当社では、株式に対する大規模な買収行為がなされた場合に備えた具体的な枠組み(いわゆる「買収防衛策」)は定めていません。