有価証券報告書-第41期(2024/04/01-2025/03/31)
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及びその施策の実施状況
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
・当社は、社会インフラを担う情報通信事業者として、24時間365日いかなる状況でも、安定した通信サービスを提供し続けるという重要な社会的使命を担っています。また、情報通信事業は、電波等の国民共有の貴重な財産をお借りすることで成り立っており、社会が抱える様々な課題について、情報通信事業を通じて解決していく社会的責任があると認識しています。
この社会的使命、社会的責任を果たすためには、持続的な成長と中長期的な企業価値向上が必要不可欠であり、お客さま、株主さま、取引先さま、従業員、地域社会等、当社を取り巻く全てのステークホルダーとの対話、共創を通じて社会課題に積極的に取り組むことで、安心・安全でかつ豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献していきたいと考えています。
コーポレート・ガバナンスの強化は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための重要な課題であると認識しており、金融商品取引所の定める「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に賛同し、透明性・公正性を担保しつつ、迅速・果断な意思決定を行う仕組みの充実に努めています。
また、当社は、社是・企業理念に加えて、役員・従業員が共有すべき考え方・価値観・行動規範として「KDDIフィロソフィ」を制定し、グループ全体での浸透活動を推進しています。
「コーポレートガバナンス・コード」の遵守と「KDDIフィロソフィ」の実践を、会社経営上の両輪として積極的に取り組むことにより、子会社等を含むグループ全体でのコーポレート・ガバナンスの強化を進め、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現していきます。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
会社の経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
(取締役会)
社外取締役及び独立社外取締役を含む取締役で構成し、取締役会規則及び取締役会付議基準に基づき、法令等に定める重要事項及び経営計画等の決定を行うとともに、取締役等の適正な職務執行が図られるよう監督しています。
(業務執行体制)
・執行役員制度により権限の委譲と責任体制の明確化を図り、有効かつ効率的に業務を遂行しています。
・取締役会付議事項の他、業務執行に係る重要事項については、取締役、執行役員等にて構成される経営会議において決定しています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、次のとおりです。
(2025年6月13日現在)
(現状の体制を採用している理由)
当社は、コーポレート・ガバナンスに期待されている「適正かつ効率的な業務執行」及び「適切な監査・監督機能」の観点から、取締役会においては社内取締役と社外取締役が半数ずつ選任されており、過半数の社外監査役を含む監査役会等と連携する体制を採用しています。
「適正かつ効率的な業務執行」については取締役会での経営上重要な意思決定に基づき、執行役員制度・業務分掌規程・決裁権限規程等により、各職位の職務および権限を明確に定めることで、業務執行の適正性・効率性を確保しています。また、「適切な監査・監督機能」については、業務執行に係る機関に対して独立役員を含む社外役員による多様な視点からのチェックが行われるという点で監査・監督機能が適切に機能していると判断しています。なお、監査役は、取締役会における議決権を有しておらず、取締役の職務執行について客観的な監査が可能であり、さらに、独立社外監査役は、他の経営陣から独立した立場での監査が可能です。
(設置している機関について)
・取締役会における議長は、髙橋 誠(代表取締役会長)が務めています。
その他の構成員(取締役11名、うち社外取締役6名)につきましては、後述の(2)役員の状況の
①役員一覧をご参照ください。
当事業年度において、当社は取締役会を月1回程度の頻度で開催しており、当事業年度における個々の取締役及び監査役の出席状況については、次のとおりです。
(注)1.取締役 最勝寺奈苗、竹澤浩及び安藤真、常勤監査役 山下和保及び福島直樹並びに監査役 小暮和敏及び有馬浩二の各氏については、2024年6月19日開催の第40期定時株主総会における就任後の出席状況となります。
2.代表取締役 雨宮俊武氏並びに取締役 吉村和幸及び後藤滋樹の両氏は、2024年6月19日付で任期満了により取締役を退任しています。また、常勤監査役 髙木憲一郎及び朝比奈志浩の両氏並びに監査役 松宮俊彦及び加留部淳の両氏は、2024年6月19日付で任期満了により監査役を退任しています。各氏については2024年6月19日の退任までの状況を記載しています。
3.2025年4月1日付で、取締役会長 田中孝司氏は取締役相談役に、代表取締役社長 髙橋誠氏は代表取締役会長に、取締役 松田浩路氏は代表取締役社長に、それぞれ就任しています。
取締役会では、経営判断の公平性と成長戦略の着実な推進を両立するべく、法令などに定める重要事項や経営計画等の決定において、各領域の責任者を務める社内取締役が説明責任を果たし、様々なバックグラウンドを持つ社外役員の知見を活かした活発な議論を行うことで、実効性・公正性が確保された意思決定を行っています。
また、会社運営の基礎となる中期経営戦略・年度計画の進捗状況や達成状況について定期的に報告を行い、目標達成に向けた戦略や経営環境変化等により生じた経営課題への対策など、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を見据えた審議を行っています。
取締役会における具体的な検討内容は以下のとおりです。
1.中長期戦略 中期経営戦略、経営環境分析等
2.全社計画・進捗報告 年度ごとの各種全社計画、四半期決算、業務執行報告等
3.個別事業部案件 出資、資産取得、他社提携等
4.法令・定款要請事項 資本政策(配当、自己株式関係)、役員人事・報酬、株主総会招集等
・監査役会における議長は、枝川 登(常勤監査役)が務めています。
その他の構成員(監査役4名、うち社外監査役3名)については、後述の(2)役員の状況の①役員一覧を
ご参照ください。
・取締役・監査役候補の指名にあたり、審議を行い助言する機関として、指名諮問委員会を設置しています。
当委員会における構成員は以下のとおりです。
議長 :淡輪 敏(独立社外取締役)
副議長:大川 順子(独立社外取締役)
委員 :奥宮 京子(独立社外取締役)、安藤 真(独立社外取締役)、田中 孝司、髙橋 誠
当事業年度においては当委員会を5回開催しており、いずれも全構成員が出席の上、取締役会に上程される役員
人事に係る議案への助言、並びにCEOのサクセッションプランについての議論等を行っています。
・役員報酬の体系及び水準について、審議を行い助言する機関として、報酬諮問委員会を設置しています。
当委員会における構成員は以下のとおりです。
議長 :大川 順子(独立社外取締役)
副議長:淡輪 敏(独立社外取締役)
委員 :奥宮 京子(独立社外取締役)、安藤 真(独立社外取締役)、田中 孝司、髙橋 誠
当事業年度においては当委員会を3回開催しており、全構成員が出席の上、取締役会に上程される業績連動型及
び株価連動型の報酬額の決定、並びに役員報酬改定に係る議案への助言等を行っています。
③業務の適正を確保するための体制の状況
当社は「内部統制システム構築の基本方針」に基づき、業務の適正を確保するための体制整備とその適切な運用に努めています。
(コンプライアンス体制の整備の状況)
・全ての取締役及び従業員は、職務の執行に際し遵守すべき基本原則を掲げた「KDDI行動指針」に基づき、常に高い倫理観を維持し、適正な職務の執行を図っています。
また、反社会的勢力に対しては毅然とした対応をとり、一切の関係遮断に取り組んでいます。
・当社グループの企業倫理に係る会議体において、当社グループ各社の重大な法令違反その他コンプライアンスに係わる問題、事故の早期発見・対処に取り組んでいます。また、社内外に設置されているコンプライアンスに係る内部通報制度の適切な運用を図っています。さらに社内外研修、社内の啓発活動等により、コンプライアンスの理解と意識向上に努めています。
(リスク管理体制の整備の状況)
・取締役等で構成される経営戦略等に係る会議体において、当社グループの持続的な成長を図るべく、ビジネスリスクの分析及び事業の優先順位付けを厳正に行い、適切な経営戦略や経営計画を策定しています。その実現のため、業績管理に係る会議体において、月次でビジネスリスクを監視し、業績管理の徹底を図っています。
・各部門に「内部統制責任者」を設置し、経営目標を適正かつ効率的に達成するためのリスク管理を自律的に推進しています。
- リスク情報を定期的に洗い出しこれを一元的に管理するリスク管理部門を中核とし、全ての部門、取締役及び従業員が連携して、社内関連規程に基づき、当社グループのリスクを適切に管理し、経営目標の適正かつ効率的な達成に取り組んでいます。
- 会社事業に重大かつ長期にわたり影響を与える事項については、事業へのリスクを可能な限り低減するための対応策を検討し、策定しています。
- 財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度に従い、連結ベースで全社的な内部統制の状況や重要な業務プロセスについて、文書化、評価及び改善を行い、財務報告の信頼性の一層の向上を図っています。
- 業務の有効性・効率性の向上や資産の適正な取得・保管・処分等、当社グループの業務品質向上のために必要な体制の整備、充実を図っています。
・電気通信事業者として、以下の取組みを行っています。
- 通信の秘密の保護
通信の秘密は、これを保護することが当社グループの企業経営の根幹であり、これを厳守しています。
- 情報セキュリティ
お客さま情報等の漏えいの防止、電気通信サービス用ネットワークへのサイバーテロの防護など会社の全情報資産の管理については、情報セキュリティに関する会議体等において、その施策を策定し、取締役及び従業員が連携して情報セキュリティの確保を図っています。
- 災害時等におけるネットワーク及びサービスの復旧
重大な事故・障害、大規模災害等による通信サービスの停止、中断等のリスクを可能な限り低減するため事業継続計画(BCP)を策定し、ネットワークの信頼性向上とサービス停止の防止施策を実施しています。
非常災害発生時等には、迅速な復旧等のため、可及的速やかに対策本部を設置して対応にあたっています。
(ステークホルダーとの協働に係る取組み)
・全社を挙げての以下の活動取組みにより、当社グループの活動全体に対する支持と信頼を獲得し、お客さま満足度の向上と顧客基盤の強化・拡大の達成に取り組んでいます。
- お客さまニーズやご指摘への迅速かつ適切な対応により、お客さまの体験価値の向上を目指すCX(Customer Experience)活動に取り組んでいます。
- 諸法令を遵守し、お客さまに安心、安全で高品質な製品・サービスを提供するとともに、製品・サービスの提供にあたっては、お客さまが適切に製品・サービスを選択し利用できるよう、わかりやすい情報の提供と適正な表示を行っています。
・全てのステークホルダーから理解と信頼を得るため、当社グループの経営の透明性を確保し、当社グループの広報・IR活動の更なる充実に努めています。
・当社グループを取り巻くビジネスリスクについては、情報開示に係る会議体において、公正に洗い出し、適時、適正に開示しております。また、財務情報・非財務情報を「サステナビリティ統合レポート」にて開示し、環境・社会・ガバナンス(ESG)等に関する詳細情報についてはサステナビリティWEBサイトにて公開する等、積極的な情報開示に努めています。
(子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況)
・子会社での業務の適正を確保するため子会社管理に関する規程を定め、以下の体制を整備しています。
- 子会社毎に当該子会社の管理を主管する出資先管理部門及び子会社横断での統括管理部門を定め、子会社に対する管理及び支援体制を確立しています。
- 子会社に派遣する取締役、監査役及びその他の従業員に係る子会社管理上の役割を定め、子会社におけるガバナンスの実効性を確保しています。
- 子会社の重要な意思決定事項に関し、当社の取締役会及び経営会議等での承認対象項目及び手順を定め、子会社の管理体制を確立しています。
- 子会社に対する報告対象項目及び手続きを定め、子会社との連携体制を確立しています。
・リスク管理
各子会社に当社グループとしての「内部統制責任者」を設置し、各子会社での業務の適正を確保するとともにリスクの適切な管理及び低減策を推進し、経営目標の適正かつ効率的な達成に取り組んでいます。
・コンプライアンス
各子会社の企業倫理に係る会議体を通じて、子会社の重大な法令違反、その他コンプライアンスに係わる問題、事故の早期発見・対処に取り組むとともに、各子会社に内部通報制度を導入し、適切に運用しています。また、「KDDI行動指針」に準じ、子会社の取締役及び全従業員が常に高い倫理感を維持し、適正な職務の執行を図る体制の確保を推進しています。
④企業統治に関するその他の事項
(関連当事者間の取引に対する方針)
当社では、取締役の競業取引・利益相反取引について、会社法を遵守し、取締役会で承認・報告することとしています。
主要株主との個別取引については、「KDDI行動指針」における基本原則の一つである「IX 適切な経理処理・契約書遵守」に基づき、特別な基準を設けることなく、他の一般的な取引と同様の基準により、稟議で決裁しています。なお、稟議については監査役もその内容を確認しています。
主要株主である京セラ株式会社の取締役が社外取締役として就任しているため、取締役会の包括承認、報告と個別取引の稟議決裁の両方によりガバナンスを確保しています。
(責任限定契約の内容の概要)
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める額としています。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
(役員等賠償責任保険契約の内容の概要)
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当
該保険契約の被保険者の範囲は当社及び当社の子会社の取締役、監査役及び執行役員等であり、被保険者が負担
することになる「職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずる
ことのある損害」を補填することとしています。なお、当該保険契約の保険料は全額当社及び当社の子会社が
負担しています。
(取締役の定数)
当社の取締役は20名以内とする旨定款に定めています。
(取締役の選任及び解任の決議要件)
当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもってこれを決する旨、また、取締役の選任決議については累積投票によらないものとする旨定款に定めています。
また、当社取締役が以下に掲げる基準に該当した場合、解任等の検討の対象としています。
1)解任等の検討基準
・取締役の担当事業の業績や担当部門の活動成果が著しく不良であるとき
・職務遂行に関して法令・定款に違反する等の故意又は重大な過失により、会社に損害を与えたとき
・その地位や権限を利用して不当に個人的な利益を得た等の事由により、会社の信用と名誉を著しく傷つ
けたとき
・その他、取締役に留まることについて相応しくないと会社が判断したとき
2)取締役の解任等の手続
・指名諮問委員会の審議を経て、適時、取締役会で審議し、解任等の必要な対処を行います。
(株主総会の特別決議要件)
当社は、会社法第309条第2項の定めによる株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(剰余金の配当等の決定機関)
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日における最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(以下、「中間配当金」という。)を支払うことができる旨定款に定めています。これは、中間配当金を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
(自己株式の取得)
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めています。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものです。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
・当社は、社会インフラを担う情報通信事業者として、24時間365日いかなる状況でも、安定した通信サービスを提供し続けるという重要な社会的使命を担っています。また、情報通信事業は、電波等の国民共有の貴重な財産をお借りすることで成り立っており、社会が抱える様々な課題について、情報通信事業を通じて解決していく社会的責任があると認識しています。
この社会的使命、社会的責任を果たすためには、持続的な成長と中長期的な企業価値向上が必要不可欠であり、お客さま、株主さま、取引先さま、従業員、地域社会等、当社を取り巻く全てのステークホルダーとの対話、共創を通じて社会課題に積極的に取り組むことで、安心・安全でかつ豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献していきたいと考えています。
コーポレート・ガバナンスの強化は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための重要な課題であると認識しており、金融商品取引所の定める「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に賛同し、透明性・公正性を担保しつつ、迅速・果断な意思決定を行う仕組みの充実に努めています。
また、当社は、社是・企業理念に加えて、役員・従業員が共有すべき考え方・価値観・行動規範として「KDDIフィロソフィ」を制定し、グループ全体での浸透活動を推進しています。
「コーポレートガバナンス・コード」の遵守と「KDDIフィロソフィ」の実践を、会社経営上の両輪として積極的に取り組むことにより、子会社等を含むグループ全体でのコーポレート・ガバナンスの強化を進め、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現していきます。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
会社の経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
(取締役会)
社外取締役及び独立社外取締役を含む取締役で構成し、取締役会規則及び取締役会付議基準に基づき、法令等に定める重要事項及び経営計画等の決定を行うとともに、取締役等の適正な職務執行が図られるよう監督しています。
(業務執行体制)
・執行役員制度により権限の委譲と責任体制の明確化を図り、有効かつ効率的に業務を遂行しています。
・取締役会付議事項の他、業務執行に係る重要事項については、取締役、執行役員等にて構成される経営会議において決定しています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、次のとおりです。
(2025年6月13日現在)

当社は、コーポレート・ガバナンスに期待されている「適正かつ効率的な業務執行」及び「適切な監査・監督機能」の観点から、取締役会においては社内取締役と社外取締役が半数ずつ選任されており、過半数の社外監査役を含む監査役会等と連携する体制を採用しています。
「適正かつ効率的な業務執行」については取締役会での経営上重要な意思決定に基づき、執行役員制度・業務分掌規程・決裁権限規程等により、各職位の職務および権限を明確に定めることで、業務執行の適正性・効率性を確保しています。また、「適切な監査・監督機能」については、業務執行に係る機関に対して独立役員を含む社外役員による多様な視点からのチェックが行われるという点で監査・監督機能が適切に機能していると判断しています。なお、監査役は、取締役会における議決権を有しておらず、取締役の職務執行について客観的な監査が可能であり、さらに、独立社外監査役は、他の経営陣から独立した立場での監査が可能です。
(設置している機関について)
・取締役会における議長は、髙橋 誠(代表取締役会長)が務めています。
その他の構成員(取締役11名、うち社外取締役6名)につきましては、後述の(2)役員の状況の
①役員一覧をご参照ください。
当事業年度において、当社は取締役会を月1回程度の頻度で開催しており、当事業年度における個々の取締役及び監査役の出席状況については、次のとおりです。
役職名 | 氏名 | 当事業年度の取締役会出席率 |
取締役会長 | 田中 孝司 | 100%(12/12回) |
代表取締役社長 | 髙橋 誠 | 100%(12/12回) |
代表取締役 | 桑原 康明 | 100%(12/12回) |
取締役 | 松田 浩路 | 100%(12/12回) |
取締役 | 最勝寺 奈苗 | 100%(10/10回) |
取締役 | 竹澤 浩 | 100%(10/10回) |
代表取締役 | 雨宮 俊武 | 100%(2/2回) |
取締役 | 吉村 和幸 | 100%(2/2回) |
取締役 | 山口 悟郎 | 100%(12/12回) |
取締役 | 山本 圭司 | 100%(12/12回) |
取締役 | 淡輪 敏 | 100%(12/12回) |
取締役 | 大川 順子 | 100%(12/12回) |
取締役 | 奥宮 京子 | 100%(12/12回) |
取締役 | 安藤 真 | 100%(10/10回) |
取締役 | 後藤 滋樹 | 100%(2/2回) |
常勤監査役 | 枝川 登 | 100%(12/12回) |
常勤監査役 | 山下 和保 | 100%(10/10回) |
常勤監査役 | 福島 直樹 | 100%(10/10回) |
常勤監査役 | 髙木 憲一郎 | 100%(2/2回) |
常勤監査役 | 朝比奈 志浩 | 100%(2/2回) |
監査役 | 小暮 和敏 | 100%(10/10回) |
監査役 | 有馬 浩二 | 100%(10/10回) |
監査役 | 松宮 俊彦 | 100%(2/2回) |
監査役 | 加留部 淳 | 100%(2/2回) |
(注)1.取締役 最勝寺奈苗、竹澤浩及び安藤真、常勤監査役 山下和保及び福島直樹並びに監査役 小暮和敏及び有馬浩二の各氏については、2024年6月19日開催の第40期定時株主総会における就任後の出席状況となります。
2.代表取締役 雨宮俊武氏並びに取締役 吉村和幸及び後藤滋樹の両氏は、2024年6月19日付で任期満了により取締役を退任しています。また、常勤監査役 髙木憲一郎及び朝比奈志浩の両氏並びに監査役 松宮俊彦及び加留部淳の両氏は、2024年6月19日付で任期満了により監査役を退任しています。各氏については2024年6月19日の退任までの状況を記載しています。
3.2025年4月1日付で、取締役会長 田中孝司氏は取締役相談役に、代表取締役社長 髙橋誠氏は代表取締役会長に、取締役 松田浩路氏は代表取締役社長に、それぞれ就任しています。
取締役会では、経営判断の公平性と成長戦略の着実な推進を両立するべく、法令などに定める重要事項や経営計画等の決定において、各領域の責任者を務める社内取締役が説明責任を果たし、様々なバックグラウンドを持つ社外役員の知見を活かした活発な議論を行うことで、実効性・公正性が確保された意思決定を行っています。
また、会社運営の基礎となる中期経営戦略・年度計画の進捗状況や達成状況について定期的に報告を行い、目標達成に向けた戦略や経営環境変化等により生じた経営課題への対策など、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を見据えた審議を行っています。
取締役会における具体的な検討内容は以下のとおりです。
1.中長期戦略 中期経営戦略、経営環境分析等
2.全社計画・進捗報告 年度ごとの各種全社計画、四半期決算、業務執行報告等
3.個別事業部案件 出資、資産取得、他社提携等
4.法令・定款要請事項 資本政策(配当、自己株式関係)、役員人事・報酬、株主総会招集等
・監査役会における議長は、枝川 登(常勤監査役)が務めています。
その他の構成員(監査役4名、うち社外監査役3名)については、後述の(2)役員の状況の①役員一覧を
ご参照ください。
・取締役・監査役候補の指名にあたり、審議を行い助言する機関として、指名諮問委員会を設置しています。
当委員会における構成員は以下のとおりです。
議長 :淡輪 敏(独立社外取締役)
副議長:大川 順子(独立社外取締役)
委員 :奥宮 京子(独立社外取締役)、安藤 真(独立社外取締役)、田中 孝司、髙橋 誠
当事業年度においては当委員会を5回開催しており、いずれも全構成員が出席の上、取締役会に上程される役員
人事に係る議案への助言、並びにCEOのサクセッションプランについての議論等を行っています。
・役員報酬の体系及び水準について、審議を行い助言する機関として、報酬諮問委員会を設置しています。
当委員会における構成員は以下のとおりです。
議長 :大川 順子(独立社外取締役)
副議長:淡輪 敏(独立社外取締役)
委員 :奥宮 京子(独立社外取締役)、安藤 真(独立社外取締役)、田中 孝司、髙橋 誠
当事業年度においては当委員会を3回開催しており、全構成員が出席の上、取締役会に上程される業績連動型及
び株価連動型の報酬額の決定、並びに役員報酬改定に係る議案への助言等を行っています。
③業務の適正を確保するための体制の状況
当社は「内部統制システム構築の基本方針」に基づき、業務の適正を確保するための体制整備とその適切な運用に努めています。
(コンプライアンス体制の整備の状況)
・全ての取締役及び従業員は、職務の執行に際し遵守すべき基本原則を掲げた「KDDI行動指針」に基づき、常に高い倫理観を維持し、適正な職務の執行を図っています。
また、反社会的勢力に対しては毅然とした対応をとり、一切の関係遮断に取り組んでいます。
・当社グループの企業倫理に係る会議体において、当社グループ各社の重大な法令違反その他コンプライアンスに係わる問題、事故の早期発見・対処に取り組んでいます。また、社内外に設置されているコンプライアンスに係る内部通報制度の適切な運用を図っています。さらに社内外研修、社内の啓発活動等により、コンプライアンスの理解と意識向上に努めています。
(リスク管理体制の整備の状況)
・取締役等で構成される経営戦略等に係る会議体において、当社グループの持続的な成長を図るべく、ビジネスリスクの分析及び事業の優先順位付けを厳正に行い、適切な経営戦略や経営計画を策定しています。その実現のため、業績管理に係る会議体において、月次でビジネスリスクを監視し、業績管理の徹底を図っています。
・各部門に「内部統制責任者」を設置し、経営目標を適正かつ効率的に達成するためのリスク管理を自律的に推進しています。
- リスク情報を定期的に洗い出しこれを一元的に管理するリスク管理部門を中核とし、全ての部門、取締役及び従業員が連携して、社内関連規程に基づき、当社グループのリスクを適切に管理し、経営目標の適正かつ効率的な達成に取り組んでいます。
- 会社事業に重大かつ長期にわたり影響を与える事項については、事業へのリスクを可能な限り低減するための対応策を検討し、策定しています。
- 財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度に従い、連結ベースで全社的な内部統制の状況や重要な業務プロセスについて、文書化、評価及び改善を行い、財務報告の信頼性の一層の向上を図っています。
- 業務の有効性・効率性の向上や資産の適正な取得・保管・処分等、当社グループの業務品質向上のために必要な体制の整備、充実を図っています。
・電気通信事業者として、以下の取組みを行っています。
- 通信の秘密の保護
通信の秘密は、これを保護することが当社グループの企業経営の根幹であり、これを厳守しています。
- 情報セキュリティ
お客さま情報等の漏えいの防止、電気通信サービス用ネットワークへのサイバーテロの防護など会社の全情報資産の管理については、情報セキュリティに関する会議体等において、その施策を策定し、取締役及び従業員が連携して情報セキュリティの確保を図っています。
- 災害時等におけるネットワーク及びサービスの復旧
重大な事故・障害、大規模災害等による通信サービスの停止、中断等のリスクを可能な限り低減するため事業継続計画(BCP)を策定し、ネットワークの信頼性向上とサービス停止の防止施策を実施しています。
非常災害発生時等には、迅速な復旧等のため、可及的速やかに対策本部を設置して対応にあたっています。
(ステークホルダーとの協働に係る取組み)
・全社を挙げての以下の活動取組みにより、当社グループの活動全体に対する支持と信頼を獲得し、お客さま満足度の向上と顧客基盤の強化・拡大の達成に取り組んでいます。
- お客さまニーズやご指摘への迅速かつ適切な対応により、お客さまの体験価値の向上を目指すCX(Customer Experience)活動に取り組んでいます。
- 諸法令を遵守し、お客さまに安心、安全で高品質な製品・サービスを提供するとともに、製品・サービスの提供にあたっては、お客さまが適切に製品・サービスを選択し利用できるよう、わかりやすい情報の提供と適正な表示を行っています。
・全てのステークホルダーから理解と信頼を得るため、当社グループの経営の透明性を確保し、当社グループの広報・IR活動の更なる充実に努めています。
・当社グループを取り巻くビジネスリスクについては、情報開示に係る会議体において、公正に洗い出し、適時、適正に開示しております。また、財務情報・非財務情報を「サステナビリティ統合レポート」にて開示し、環境・社会・ガバナンス(ESG)等に関する詳細情報についてはサステナビリティWEBサイトにて公開する等、積極的な情報開示に努めています。
(子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況)
・子会社での業務の適正を確保するため子会社管理に関する規程を定め、以下の体制を整備しています。
- 子会社毎に当該子会社の管理を主管する出資先管理部門及び子会社横断での統括管理部門を定め、子会社に対する管理及び支援体制を確立しています。
- 子会社に派遣する取締役、監査役及びその他の従業員に係る子会社管理上の役割を定め、子会社におけるガバナンスの実効性を確保しています。
- 子会社の重要な意思決定事項に関し、当社の取締役会及び経営会議等での承認対象項目及び手順を定め、子会社の管理体制を確立しています。
- 子会社に対する報告対象項目及び手続きを定め、子会社との連携体制を確立しています。
・リスク管理
各子会社に当社グループとしての「内部統制責任者」を設置し、各子会社での業務の適正を確保するとともにリスクの適切な管理及び低減策を推進し、経営目標の適正かつ効率的な達成に取り組んでいます。
・コンプライアンス
各子会社の企業倫理に係る会議体を通じて、子会社の重大な法令違反、その他コンプライアンスに係わる問題、事故の早期発見・対処に取り組むとともに、各子会社に内部通報制度を導入し、適切に運用しています。また、「KDDI行動指針」に準じ、子会社の取締役及び全従業員が常に高い倫理感を維持し、適正な職務の執行を図る体制の確保を推進しています。
④企業統治に関するその他の事項
(関連当事者間の取引に対する方針)
当社では、取締役の競業取引・利益相反取引について、会社法を遵守し、取締役会で承認・報告することとしています。
主要株主との個別取引については、「KDDI行動指針」における基本原則の一つである「IX 適切な経理処理・契約書遵守」に基づき、特別な基準を設けることなく、他の一般的な取引と同様の基準により、稟議で決裁しています。なお、稟議については監査役もその内容を確認しています。
主要株主である京セラ株式会社の取締役が社外取締役として就任しているため、取締役会の包括承認、報告と個別取引の稟議決裁の両方によりガバナンスを確保しています。
(責任限定契約の内容の概要)
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める額としています。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
(役員等賠償責任保険契約の内容の概要)
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当
該保険契約の被保険者の範囲は当社及び当社の子会社の取締役、監査役及び執行役員等であり、被保険者が負担
することになる「職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずる
ことのある損害」を補填することとしています。なお、当該保険契約の保険料は全額当社及び当社の子会社が
負担しています。
(取締役の定数)
当社の取締役は20名以内とする旨定款に定めています。
(取締役の選任及び解任の決議要件)
当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもってこれを決する旨、また、取締役の選任決議については累積投票によらないものとする旨定款に定めています。
また、当社取締役が以下に掲げる基準に該当した場合、解任等の検討の対象としています。
1)解任等の検討基準
・取締役の担当事業の業績や担当部門の活動成果が著しく不良であるとき
・職務遂行に関して法令・定款に違反する等の故意又は重大な過失により、会社に損害を与えたとき
・その地位や権限を利用して不当に個人的な利益を得た等の事由により、会社の信用と名誉を著しく傷つ
けたとき
・その他、取締役に留まることについて相応しくないと会社が判断したとき
2)取締役の解任等の手続
・指名諮問委員会の審議を経て、適時、取締役会で審議し、解任等の必要な対処を行います。
(株主総会の特別決議要件)
当社は、会社法第309条第2項の定めによる株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(剰余金の配当等の決定機関)
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日における最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(以下、「中間配当金」という。)を支払うことができる旨定款に定めています。これは、中間配当金を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
(自己株式の取得)
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めています。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものです。