有価証券報告書-第41期(2024/04/01-2025/03/31)
3.重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたって採用した重要性がある会計方針は以下のとおりであります。これらの方針は、特段の記載がない限り、表示しているすべての報告期間に継続して適用しております。
(1)連結の基礎
① 子会社
(a)子会社の連結処理
子会社とは、当社グループが支配しているすべての企業をいいます。当社グループが、ある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有している場合で、かつ、その企業に対するパワーを通じてこれらのリターンに影響を与える能力を有している場合には、当社グループがその企業を支配しているとして連結の範囲に含めております。また、当社グループは子会社に対する支配を獲得した日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日から連結を中止しております。
グループ会社間の債権債務残高、取引高及びグループ会社間の取引から生じた未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しております。
子会社が採用する会計方針は、当社グループが採用している方針と統一するために、必要に応じて調整しております。
(b)支配の変更を伴わない子会社に対する所有持分の変動
当社グループは、支配の喪失を伴わない非支配持分との取引は、資本取引として会計処理しております。支払対価の公正価値と子会社の純資産の帳簿価額に占める取得持分相当額との差額は、資本として認識しております。支配の喪失を伴わない非支配持分への処分による利得または損失も資本として直接認識しております。
(c)子会社の処分
当社グループが子会社の支配を喪失した場合、当該企業に対する残存持分は支配を喪失した日の公正価値で再測定され、帳簿価額の変動は純損益で認識しております。この公正価値は、残存持分を以後、関連会社、共同支配企業または金融資産として会計処理する際の当初の帳簿価額となります。また、以前に当該企業に関連してその他の包括利益で認識した金額は、当社グループが関連する資産または負債を直接処分したかのように会計処理しております。したがって、以前にその他の包括利益で認識された金額が純損益に振り替えられる場合があります。
(d)報告期間の統一
決算日が当社の決算日と異なる子会社については、当社の決算日に仮決算を行い、これに基づく財務諸表を連結しております。
② 関連会社
関連会社とは、投資先企業の財務及び経営方針に関する経営管理上の意思決定に対して、支配することはないものの、それらの方針の決定への参加を通じて重要な影響力を有する当該投資先企業をいいます。
関連会社に対する投資は持分法で会計処理しております。持分法では、関連会社に対する投資は、取得原価で当初認識し、重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日までの間については、関連会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分を認識し、関連会社に対する投資額を修正します。
関連会社に対する所有持分が減少したものの、引き続き重要な影響力を保持する場合、過去にその他の包括利益に認識した金額のうち当該減少に係る割合を、適切な場合には純損益に振り替えております。関連会社の損失が、当社の当該会社に対する投資持分を超過する場合、法的義務、推定的義務が生じる場合または当社グループが関連会社に代わって支払う場合を除き、当社グループはそれ以上の損失は認識しておりません。
当社グループの関連会社に対する投資には、取得時に認識したのれんが含まれております。そのため、のれんは別個に認識されないため、のれん個別での減損テストは行っておりません。しかし、関連会社に対する投資を単一の資産として、持分法適用投資全体に対して減損テストを行っております。具体的には、当社グループは、関連会社に対する投資が減損している客観的証拠があるか否かを四半期ごとに評価しております。投資が減損している客観的証拠がある場合、減損テストを行っております。
当社グループと関連会社間の取引に係る未実現損益は、関連会社に対する当社グループの持分の範囲で消去しております。関連会社の会計方針は、当社グループが採用した会計方針との一貫性を保つために、必要に応じて調整しております。
③ 共同支配の取決め
当社グループは、第三者と共同で事業を営む場合やジョイント・ベンチャーの契約に基づき第三者と共同で事業体を有する場合に、共同支配契約を締結しております。
共同支配とは、アレンジメント(取決め)に対する契約上合意された支配の共有であり、取決めのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合のみ存在します。
会計上、共同支配契約はジョイント・オペレーション(共同営業)とジョイント・ベンチャーのいずれかに分類しております。ここで、ジョイント・オペレーション(共同営業)とは、共同支配を有する当事者が、アレンジメント(取決め)に関連する資産に対する権利、負債に関する義務を有する契約をいいます。また、ジョイント・ベンチャーとは、共同支配を有する当事者が、アレンジメント(取決め)の純資産に対する権利を有する契約をいいます。
ジョイント・オペレーション(共同営業)に該当する場合には、アレンジメント(取決め)に関連するそれぞれの資産及び負債、またそれに関連する収益及び費用について持分相応額だけを財務諸表に直接取り込んでおります。一方、ジョイント・ベンチャーに該当する場合には、アレンジメント(取決め)に係る純資産を持分法により財務諸表に取り込んでおります。
(2)企業結合
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用しております。子会社の取得のために移転された対価は、移転した資産、被取得企業の旧所有者に対する負債、及び当社グループが発行した資本持分の公正価値であります。また、移転された対価には、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれております。企業結合において取得した識別可能な資産、ならびに引き受けた負債及び偶発負債は、当初、原則として取得日の公正価値で測定しております。
非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別され、被取得企業の識別可能純資産に対する非支配株主が保有する株式の比率で測定されます。当社グループは被取得企業の非支配持分を、買収事案ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な持分のいずれかで認識しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用及びその他の専門家報酬等の取得関連費は発生時に費用処理しております。
移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する場合、その超過額がのれんとして認識されます。移転された対価、非支配持分の金額、及び以前に保有していた持分の測定額の合計が、取得した子会社の純資産の公正価値を下回る場合、割安購入として、その差額を純損益に直接認識します。
企業結合が発生した報告期間末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合、当社グループは、完了していない項目については暫定的な金額で報告しております。その後、新たに入手した支配獲得日時点に存在していた事実と状況について、支配獲得日時点に把握していたとしたら、企業結合処理の認識金額に影響を与えていたと判断される場合、測定期間の修正として、その情報を反映し、支配獲得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。なお、測定期間は支配獲得日から最長で1年間としております。
(3)セグメント情報
事業セグメントは、最高経営意思決定者に提出される内部報告と整合した方法で報告されております。最高経営意思決定者は、事業セグメントの資源配分及び業績評価について責任を負っております。当社グループでは、戦略的意思決定を行う取締役会等を最高経営意思決定者と位置付けております。
(4)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各会社がそれぞれの財務諸表を作成する際に、その会社の機能通貨以外の通貨での取引は、取引日における為替レートで各会社の機能通貨に換算しております。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としております。
② 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の直物為替レートまたはそれに近似するレートを用いて換算しております。外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで換算しております。公正価値で計上された外貨建の非貨幣性項目は、公正価値が決定した日の為替レートで換算しております。
外貨建の貨幣性資産及び負債の換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
③ 在外営業活動体
連結財務諸表を表示するために、当社グループの在外営業活動体の資産及び負債は、その在外営業活動体の取得により発生したのれん、識別した資産及び負債ならびにその公正価値の調整を含め、期末日の為替レートで表示通貨に換算しております。在外営業活動体の収益及び費用は、その期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートで表示通貨である円貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の持分全体の処分及び支配または重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分につき、換算差額は、在外営業活動体が処分損益の一部として純損益で認識しております。
(5)有形固定資産
① 認識及び測定
当社グループは、有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、資産の解体・撤去及び設置していた場所の原状回復費用に関する初期見積費用及び資産計上すべき借入コスト等を含めることとしております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
取得後コストは、当該項目に関連する将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、かつ、当該項目の取得原価が信頼性をもって測定できる場合には、当該資産の帳簿価額に含めるか、または適切な場合には個別の資産として認識しております。その他の修繕及び維持費は、発生時に費用として認識しております。
② 減価償却及び耐用年数
減価償却費は、償却可能価額を各構成要素の見積耐用年数にわたって、主として定額法により算定しております。償却可能価額は、資産の取得原価から残存価額を差し引いて算定しております。土地及び建設仮勘定は減価償却しておりません。有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
主要な有形固定資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
なお、減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は毎期見直しを行い、変更があった場合は会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ 認識の中止
有形固定資産は、処分時点で認識を中止しております。有形固定資産項目の認識の中止から生じる利得または損失は、当該資産項目の認識中止時に純損益に含めております。
(6)のれん
のれんは、取得原価が、取得日における被取得子会社の識別可能な純資産に対する当社グループ持分の公正価値を上回る場合の超過額であります。
減損テストの目的上、企業結合により取得したのれんは、資金生成単位または資金生成単位グループのうち、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれるものに配分しております。のれんが配分される各資金生成単位または資金生成単位グループは、のれんを内部管理目的で監視している企業内の最小のレベルを表しております。
のれんは減損損失累計額を控除した取得原価で測定しております。のれんの償却は行わず、毎期、及び事象または状況の変化によって減損の兆候がある場合に、減損テストを実施しております。減損については、「(9)有形固定資産、のれん、無形資産及び使用権資産の減損」に記載しております。
(7)無形資産
① 認識及び測定
当社グループは、のれんを除く無形資産の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産は、無形資産の定義を満たし、識別可能であり、かつ、公正価値が信頼性をもって測定できる場合、のれんとは別個に識別され、取得日の公正価値で認識しております。
新しい科学技術または技術的な知識及び理解を得る目的で実施される研究活動に対する支出は、発生時に費用として認識しております。
開発活動に対する支出は、開発費用が信頼性をもって測定可能であり、製品または工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益をもたらす可能性が高く、当社グループが開発を完了させ、当該資産を使用または販売する意図及びそのための十分な資源を当社グループが有している場合にのみ無形資産として計上を行い、それ以外は発生時に費用として認識しております。
② 償却及び耐用年数
無形資産は見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。主要な無形資産ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。なお、耐用年数を確定できない無形資産は償却を行っておりません。
償却方法及び見積耐用年数は、毎期見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)リース
当社グループでは、リース契約開始時に、その契約がリースであるか、または契約にリースが含まれているか否かについては、契約の実質に基づき判断しております。契約の履行が、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約の場合、当該資産はリースの対象となります。
契約がリースまたはリースが含まれている場合、リース負債の当初測定の金額に当初直接コスト等を加減した金額で使用権資産を当初認識しております。リース負債は、契約開始時に同日現在で支払われていないリース料の現在価値で当初認識しております。
使用権資産は、契約開始時から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方までの期間にわたって定額法で減価償却を行っております。
リース負債は、リース負債に係る金利、支払われたリース料及び該当する場合にはリース負債の見直しまたはリースの条件変更を反映する金額で事後測定しております。
(9)有形固定資産、のれん、無形資産及び使用権資産の減損
当社グループでは、毎期有形固定資産、無形資産及び使用権資産の帳簿価額につき、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候がある場合には、その資産またはその資産の属する資金生成単位または資金生成単位グループごとの回収可能価額の見積りを行っております。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候がある時、及び減損の兆候の有無に関わらず各年度の一定時期に、減損テストを実施しております。資金生成単位または資金生成単位グループは、他の資産または資産グループからおおむね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしております。
回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率により、現在価値に割り引いて算定しております。
減損テストにおいて資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失は資金生成単位または資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額し、次に資金生成単位または資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額の比例割合に応じて各資産の帳簿価額から減額しております。のれんの減損損失は純損益に認識し、その後の期間に戻入れは行っておりません。
のれんを除く減損を計上した有形固定資産、無形資産及び使用権資産については、各報告日において、損失の減少または消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れております。減損損失を認識後に戻入れる場合、当該資産(または資金生成単位)の帳簿価額は、改訂後の見積回収可能価額まで増額します。ただし、当該減損の戻入れは、戻入れ時点における資産(または資金生成単位)が、仮に減損損失を認識していなかった場合の帳簿価額を超えない範囲で行います。減損損失の戻入れは、その他の収益として認識しております。
(10)売却目的で保有する非流動資産(または処分グループ)
非流動資産(または処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用よりも、主として売却取引により回収される場合に、当該資産(または処分グループ)は、「売却目的で保有する資産」として分類しております。「売却目的で保有する資産」としての分類の条件は、売却の可能性が非常に高く、現状で直ちに売却することが可能な場合にのみ満たされます。経営者が、当該資産の売却計画の実行を確約していなければならず、分類した日から1年以内で売却が完了する予定でなければなりません。
当社グループが子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約する場合で、かつ上記の条件を満たす場合、当社グループが売却後も従前の子会社に対する非支配持分を有するか否かにかかわらず、当該子会社のすべての資産及び負債を売却目的保有に分類しております。
売却目的で保有する資産は、「帳簿価額」と「売却費用控除後の公正価値」のいずれか低い金額で測定します。「売却目的で保有する資産」に分類後の有形固定資産及び無形資産については、減価償却または償却は行っておりません。
(11)金融商品
① 金融資産
(a)金融資産の認識及び測定
当社グループでは、金融資産は、契約条項の当事者となった場合に認識しております。営業債権及びその他の債権については、これらの取引日に当初認識しております。当初認識時において、金融資産をその公正価値で測定し、金融資産が純損益を通じて公正価値で測定するものでない場合には、金融資産の取得に直接起因する取引費用を加算しております。純損益を通じて公正価値で測定された金融資産の取引費用は、純損益に認識しております。
(b)金融資産の分類(デリバティブを除く)
デリバティブを除く金融資産の分類及び測定モデルの概要は以下のとおりであります。当社グループは、金融資産を当初認識時に償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
以下の要件をともに満たす場合に償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・当社グループのビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定する金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、資本性金融資産については、公正価値の変動を純損益ではなくその他の包括利益を通じて認識するという取消不能な選択を行っております。公正価値変動による利得及び損失の事後における純損益への振替は行われません。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」として、その他の包括利益に含めております。
認識を中止した場合、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を直接利益剰余金へ振り替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産からの配当金については、純損益で認識しております。
(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
以下の要件をともに満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・当社グループのビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」として、その他の包括利益に含めております。
認識を中止した場合、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を純損益に振り替えております。
(ⅳ)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記のいずれにも区分されない場合、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に純損益で認識しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る利得または損失は純損益で認識しております。
当社グループは、会計上のミスマッチを取り除くあるいは大幅に削減させるために、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定しておりません。
(c)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、あるいは、当社グループが金融資産の所有に係るリスク及び経済価値のほとんどすべてが移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。移転した金融資産に関して当社グループが創出した、または当社グループが引き続き保有する持分については、資産の認識を継続しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(a)金融負債の認識及び測定
当社グループは、金融負債を当社グループが当該金融商品の契約当事者になった時点で認識しております。金融負債の測定は以下の(b)金融負債の分類に記載しております。
(b)金融負債の分類
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しております。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
(c)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消または失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが、それらの残高を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(12)金融資産の減損
当社グループは、当初認識時点から信用リスクが著しく増大していない場合には、著しく増大していない金融商品に対する損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。当初認識時点から信用リスクの著しい増大があった場合には、信用リスクの著しい増大がある金融資産に対する損失評価引当金を残存期間にわたる予想信用損失に等しい金額で測定しております。信用リスクが著しく増大しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて判断しており、デフォルトリスクに変化があるかどうかの判断にあたっては、以下を考慮しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、当初から残存期間にわたる予想信用損失を認識しております。
・金融資産の外部格付
・内部格付の格下げ
・売上の減少などの借手の営業成績の悪化
・親会社、関連会社からの金融支援の縮小
・延滞(期日超過情報)
また、予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と受取が見込まれる金額との差額の割引現在価値に基づいて測定しております。
(13)デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、デリバティブ契約を締結した日の公正価値で当初認識され、当初認識後は各期末日の公正価値で再測定しております。
当社グループにおいて、為替変動リスク、金利変動リスク、公正価値変動リスク等を軽減するため、為替予約、為替スワップ、金利スワップの各デリバティブ取引を実施しております。
再測定の結果生じる利得または損失の認識方法は、デリバティブがヘッジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質によって決まります。
当社グループは、デリバティブについてキャッシュ・フロー・ヘッジ(認識されている資産または負債、もしくは可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクによるキャッシュ・フローの変動のエクスポージャーに対するヘッジ)、公正価値ヘッジ(認識されている資産または負債、もしくは未認識の確定約定に関連する特定のリスクによる公正価値の変動のエクスポージャーに対するヘッジ)の指定を行っております。
当社グループは、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、ならびに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。
当社グループはまた、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブ金融商品がヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動及び公正価値の変動を相殺するために有効であるか評価しております。具体的には、下記項目のすべてを満たす場合においてヘッジが有効と判断しております。
(ⅰ)ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係が相殺をもたらすこと
(ⅱ)信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
(ⅲ)「ヘッジ比率」は実際に使用しているヘッジ対象とヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることがヘッジ会計の適格要件となっていること
ヘッジの有効性は、将来のヘッジ指定期間に亘り有効性が確保されているか否かにより判断されます。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブについて、当初認識後の公正価値の変動のうちヘッジ有効部分はその他の包括利益で認識し、ヘッジ非有効部分は純損益で認識しております。その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額はヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期に、純損益に振り替えております。
ヘッジ関係がヘッジ比率に関するヘッジ有効性の要求に合致しなくなったとしても、リスク管理目的が変わっていない場合、ヘッジの要件を再び満たすようにヘッジ関係のヘッジ比率を調整しております(以下「バランス再調整」)。
バランス再調整をした後で、キャッシュ・フロー・ヘッジがヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合、あるいはヘッジ手段が失効、売却、終結または行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。ヘッジ会計を中止した場合、当社グループは、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高を、予定取引が発生するまでその他の包括利益に計上しております。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、純損益で認識しております。
公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブについて、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、純損益で認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得又は損失は、純損益で認識するとともにヘッジ対象の帳簿価額を修正しております。ただし、ヘッジ対象が、公正価値の変動をその他の包括利益で測定する資本性金融商品である場合は、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、その他の包括利益で認識しております。
バランス再調整をした後で、公正価値ヘッジがヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合、あるいはヘッジ手段が失効、売却、終結または行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。当社グループは、ヘッジ会計を中止した時点から、ヘッジ対象の価値変動の償却を開始しております。
ヘッジ手段であるデリバティブ金融商品の公正価値全額は、ヘッジ対象の満期が12ヶ月を超える場合は非流動資産または非流動負債に、ヘッジ対象の満期が12ヶ月未満である場合には流動資産または流動負債に分類されております。
(14)現金及び現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書において、現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資、及び当座借越から構成されております。連結財政状態計算書において、当座借越は流動負債に含まれております。
(15)棚卸資産
棚卸資産は、主として携帯端末等の商品及び工事関連の仕掛品から構成されております。
棚卸資産は、原価または正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。原価は、原則として移動平均法に基づいて算定しており、購入原価ならびに棚卸資産の現在の保管場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、販売に要する見積費用を控除した金額で算定しております。
(16)従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を採用しております。
(a)確定給付制度
確定給付年金制度に関連して連結財政状態計算書で認識する資産(退職給付に係る資産)または負債(退職給付に係る負債)は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額に対して、利用可能な経済的便益を検討の上、必要に応じて資産上限額に関する調整を行うことにより認識しています。確定給付制度債務は、独立した年金数理人が予測単位積増方式を用いて毎期算定しております。割引率は将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、その割引期間に対応した、かつ、給付金が支払われる通貨建の期末日時点の優良社債の市場利回りに基づいております。
確定給付費用は、勤務費用、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額及び確定給付制度負債(資産)の純額に係る再測定から構成されます。勤務費用及び利息純額については純損益で認識し、利息純額の算定には前述の割引率を使用しております。再測定は数理計算上の差異、過去勤務費用及び制度資産に係る収益(利息純額に含まれる金額を除く)から構成されております。数理計算上の差異は発生時に即時にその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は純損益として認識しております。
当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
(b)確定拠出制度
確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に純損益として認識しております。
また、一部の子会社では複数事業主による年金制度に加入しており、期中の拠出額を年金費用として純損益で認識し、未払拠出金を債務として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算をせず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な義務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(17)引当金
引当金は、過去の事象から生じた法的または推定的義務で、当社グループが当該義務を決済するために経済的便益が流出する可能性が高く、その義務の金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値及び必要に応じてその負債に特有のリスクを反映させた税引前割引率で割り引いた期待将来キャッシュ・フローにより、引当金の額を算出しております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しております。
(18)株式に基づく報酬
① ストック・オプション
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブ制度として、持分決済型のストック・オプション制度を導入しております。ストック・オプションは付与日における公正価値で測定しており、ストック・オプションの公正価値は、ブラック・ショールズモデル等を用いて算定しております。
ストック・オプションの付与日に決定した公正価値は、最終的に権利が確定すると予想されるストック・オプションの数の見積りに基づき、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
② 役員報酬BIP信託及びESOP信託
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブ制度として、持分決済型の役員報酬 BIP(Board Incentive Plan)信託及び株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託を導入しており、同信託が有する当社株式は自己株式として認識しております。当社グループの株式の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間に渡り費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。また、当社グループの株式の付与日における公正価値は、株式の市場価格を予想配当利回りを考慮に入れて修正し、算定しております。
(19)資本
① 普通株式
普通株式は資本に分類しております。当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は資本剰余金から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合は、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(20)売上高
当社グループにおける主要な収益認識基準は、以下のとおりであります。
① 移動通信サービス
当社グループの収益は、主にモバイル通信サービス(UQ mobile・MVNOサービス含む)における収益と携帯端末販売における収益から構成されております。当社グループは、お客さまと直接または代理店経由でモバイル通信サービス契約を締結している一方で、携帯端末を主として代理店へ販売しております。
モバイル通信サービスにおける収益は、主に月額基本使用料及び通信料収入(以下「モバイル通信サービス収入」)と契約事務等の手数料収入からなります。モバイル通信サービス収入及び契約事務等の手数料収入は、お客さまに対して契約に基づいたサービスを提供することによって履行義務が充足されると判断し、サービス提供時点で定額料金及び従量課金に基づき認識しております。また、通信料金の割引については、毎月のモバイル通信サービス収入から控除しております。
なお、モバイル通信サービス収入にかかる取引の対価は請求日から概ね翌月までに受領しております。
また、携帯端末販売における収益(以下「携帯端末収入」)は、お客さま、または代理店に対する携帯端末及びアクセサリー類の販売収入から構成されております。
上記取引の商流としては、当社グループが代理店に対して携帯端末を販売し、代理店を通じてお客さまと通信契約の締結を行うもの(以下「間接販売」)と、当社グループがお客さまに対して携帯端末を販売し、直接通信契約の締結を行うもの(以下「直接販売」)からなります。それぞれの収益の認識基準は以下のとおりであります。
携帯端末収入については、代理店等に販売後、概ね翌月に受領しております。
1)間接販売
間接販売において、当社グループが代理店に販売した端末を販売する責任及び在庫リスクは代理店が有していることから、当社グループは、代理店を本人として取り扱っております。そのため、携帯端末収入は、携帯端末の支配が当社グループから代理店に移転し、履行義務が充足したと考えられる携帯端末の代理店への引き渡し時点で、収益を認識しております。また、代理店に対して支払う手数料の一部は、代理店へ携帯端末を販売した時点で携帯端末収入から控除しております。
2)直接販売
直接販売の場合、携帯端末収入、モバイル通信サービス収入等は一体の取引であると考えられるため、契約を結合の上、単一の契約として会計処理しております。取引の合計額を携帯端末及びモバイル通信サービスの独立販売価格の比率に基づき、携帯端末収入及びモバイル通信サービス収入に配分しております。携帯端末収入に配分された金額は、携帯端末販売時に、モバイル通信サービス収入に配分された金額は、お客さまにサービスを提供した時点で、履行義務が充足されたと判断し、収益として認識しております。
なお、間接販売、直接販売のいずれの場合も、契約事務手数料収入及び機種変更手数料収入は、別個の履行義務とは認識することなく、通信サービスと合わせて1つの履行義務として認識し、契約時は契約負債として繰り延べられ、重要な更新オプションが存在する期間にわたり収益として認識しております。
これらの取引の対価は契約時に前受けする形で受領しています。
また、モバイル通信サービス収入の請求額に応じて、お客さまへポイントを付与するカスタマー・ロイヤルティ・プログラムについては、将来の解約等による失効部分を反映したポイントの見積利用率を考慮して算定された交換される特典の独立販売価格を基礎として取引価格の配分を行い、お客さまがポイントを使用し、財またはサービスの支配を獲得した時点で、履行義務を充足したと考えられるため、当該時点において、収益を認識しております。
② 固定通信サービス(CATV事業を含む)
固定通信サービスにおける収益は、主に音声伝送サービス収入、データ通信サービス収入、FTTHサービス収入、CATVサービス収入、関連する初期工事費用収入からなります。
上記のうち、初期工事費用収入を除いた収入に関するサービスについては、お客さまに対して契約に基づいたサービスを提供することが履行義務であり、サービスを提供した時点において履行義務が充足されると判断し、サービス提供時に収益計上しております。また、初期工事費用収入は、残存率を基礎とした見積平均契約期間にわたり、収益を認識しています。
これらの取引の対価は、請求日から概ね翌月までに受領しております。
③ 付加価値サービス
付加価値サービスにおける収益は、主に情報料収入、債権譲渡手数料収入、広告掲載料収入、代理店手数料収入、電力収入等からなります。情報料収入は当社グループが単独または他社と共同で運営するウェブサイト上でお客さまに対して提供したコンテンツの会員収入であり、コンテンツサービスを一定期間にわたって提供し経過期間に応じて履行義務が充足されます。また、債権譲渡手数料収入は、コンテンツプロバイダー(以下「CP」)の債権を、当社が通信料金と合わせてCPの代わりにお客さまから回収するため、CPから債権を譲り受けることに対する手数料収入であり、当社がその債権を譲り受けた時点において履行義務が充足されます。電力収入は、電力の小売りサービスにおける収入であり、電力サービスを提供した時点において履行義務が充足されます。これらの収入については、お客さまとの契約に基づいて識別された履行義務が時の経過またはお客さまにサービスを提供した時点に基づいて充足されるため、個々の契約内容に基づき、サービス提供期間にわたって収益を認識しております。
当社グループは、仲介業者または代理人としての機能を果たす場合があります。このような取引における収益を報告するにあたり、収益をお客さまから受け取る対価の総額で表示するか、またはお客さまから受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額で表示するかを判断しております。これらの判断にあたっては、当社グループが契約の当事者として財またはサービスの提供に主たる責任を有しているか、在庫リスクを負っているか、価格決定権を有しているか等を総合的に勘案しております。ただし、総額または純額、いずれの方法で表示した場合でも、売上総利益及び当期利益に影響はありません。主に、債権譲渡手数料収入、広告掲載料収入、代理店手数料収入のサービスにおいて、当社グループは、契約等で定められた料率に基づいて手数料を受け取るのみであり、価格決定権は無く、また、コンテンツサービスを行うプラットフォームを提供するのみであるため、当該サービスについて、お客さまに移転される前に、当社グループがサービスを支配しておりません。そのため、当社グループは仲介業者または代理人として位置付けられることから、純額で表示しております。
これらの取引の対価は、履行義務の充足後、概ね1ヶ月から3ヶ月以内に受領しております。
④ ソリューションサービス
ソリューションサービスにおける収益は、主に機器販売サービス、エンジニアリングサービス、マネージメントサービスからなります(以下「ソリューションサービス収入」)。ソリューションサービス収入は、履行義務が充足されるお客さまに納品もしくはサービスを提供した時点で、お客さまから受け取る対価に基づき収益を認識しております。
これらの取引の対価は、請求日から概ね翌月までに受領しております。
⑤ グローバルサービス
グローバルサービスは主にソリューションサービス、データセンターサービス及び携帯電話サービスから構成されております。
データセンターサービスにおける収益は、全世界主要拠点で自営データセンターを展開しその対価として受け取るスペース、電力及びネットワークを含むサービス使用料からなります。複数年契約が一般的であり、当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、その提供期間にわたって収益を認識しております。
これらの取引の対価は、基本的に履行義務の充足前に請求し、請求後、概ね翌月までに受領しております。
携帯電話サービスにおける収益は、携帯端末収入及びモバイル通信サービス収入からなります。携帯端末収入は、携帯端末販売時に、モバイル通信サービス収入は、お客さまにサービスを提供した時点で、履行義務が充足されたと判断し、収益として認識しております。
(21)金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金、為替差益及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。当社グループが受け取る配当は、配当を受ける権利(株主の権利)が確定したときに、認識しております。
金融費用は、主として支払利息、為替差損、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。また、支払利息は、実効金利法により発生時に認識しております。
(22)その他の営業外損益
その他の営業外損益は、投資活動に係る損益を含めております。具体的には、段階取得に係る差損益、関係会社株式売却損益及び持分変動損益等を含めております。
(23)借入コスト
適格資産、すなわち意図した使用または販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。
(24)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金で構成されており、資本に直接認識される項目またはその他の包括利益で認識される項目から生じる税金を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、当年度の課税所得に対する税務当局への納税見込額あるいは税務当局からの還付見込額に過年度の納税調整額を加味したものであります。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、期末日までに制定または実質的に制定されている税率及び税法にしたがっております。
繰延税金は、資産負債法により、連結財務諸表上の資産及び負債の帳簿価額と資産及び負債の税務基準額との間に生じる一時差異、繰越欠損金及び税額控除に対して計上しております。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・会計上の損益にも税務上の課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得の稼得が見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額または一部が回収できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。
繰延税金は、期末日までに制定または実質的に制定されている法律に基づいて、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律的に強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
当社及び一部の国内子会社は、グループ通算制度を適用した会計処理及び表示を行っております。
当社は、IAS第12号「法人所得税」(改訂)の一時的な救済措置に従い、第2の柱モデルルールの法人所得税に係る繰延税金資産及び負債に関する認識及び開示における例外規定を適用しております。
(25)配当
当社の株主に対する配当は、当該配当が親会社の株主による承認が行われた期間の負債として認識しております。
(26)1株当たり利益
当社グループは、普通株式に係る基本的1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)を開示しております。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間中の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式が転換されたと仮定して、親会社の所有者に帰属する当期利益及び自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。当社の潜在的普通株式は役員報酬BIP信託等に係るものであります。
(27)保険契約
当社グループは、IFRS第17号において、重大な保険リスクを引き受けている契約について保険契約として分類しております。
当社グループは、損害保険事業にて発行する保険契約及び保有する再保険契約に保険料配分アプローチを採用しております。
生命保険事業にて発行する保険契約及び保有する再保険契約においては一般測定モデルを採用しております。
保険金融収益又は費用については、予想される金融収益又は費用の合計額を保険契約グループの存続期間にわたって規則的に配分して算定した金額を純損益に含め、契約グループの帳簿価額と規則的配分を適用する際に測定される金額との差額はその他の包括利益として計上しています。
連結財務諸表の作成にあたって採用した重要性がある会計方針は以下のとおりであります。これらの方針は、特段の記載がない限り、表示しているすべての報告期間に継続して適用しております。
(1)連結の基礎
① 子会社
(a)子会社の連結処理
子会社とは、当社グループが支配しているすべての企業をいいます。当社グループが、ある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有している場合で、かつ、その企業に対するパワーを通じてこれらのリターンに影響を与える能力を有している場合には、当社グループがその企業を支配しているとして連結の範囲に含めております。また、当社グループは子会社に対する支配を獲得した日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日から連結を中止しております。
グループ会社間の債権債務残高、取引高及びグループ会社間の取引から生じた未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しております。
子会社が採用する会計方針は、当社グループが採用している方針と統一するために、必要に応じて調整しております。
(b)支配の変更を伴わない子会社に対する所有持分の変動
当社グループは、支配の喪失を伴わない非支配持分との取引は、資本取引として会計処理しております。支払対価の公正価値と子会社の純資産の帳簿価額に占める取得持分相当額との差額は、資本として認識しております。支配の喪失を伴わない非支配持分への処分による利得または損失も資本として直接認識しております。
(c)子会社の処分
当社グループが子会社の支配を喪失した場合、当該企業に対する残存持分は支配を喪失した日の公正価値で再測定され、帳簿価額の変動は純損益で認識しております。この公正価値は、残存持分を以後、関連会社、共同支配企業または金融資産として会計処理する際の当初の帳簿価額となります。また、以前に当該企業に関連してその他の包括利益で認識した金額は、当社グループが関連する資産または負債を直接処分したかのように会計処理しております。したがって、以前にその他の包括利益で認識された金額が純損益に振り替えられる場合があります。
(d)報告期間の統一
決算日が当社の決算日と異なる子会社については、当社の決算日に仮決算を行い、これに基づく財務諸表を連結しております。
② 関連会社
関連会社とは、投資先企業の財務及び経営方針に関する経営管理上の意思決定に対して、支配することはないものの、それらの方針の決定への参加を通じて重要な影響力を有する当該投資先企業をいいます。
関連会社に対する投資は持分法で会計処理しております。持分法では、関連会社に対する投資は、取得原価で当初認識し、重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日までの間については、関連会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分を認識し、関連会社に対する投資額を修正します。
関連会社に対する所有持分が減少したものの、引き続き重要な影響力を保持する場合、過去にその他の包括利益に認識した金額のうち当該減少に係る割合を、適切な場合には純損益に振り替えております。関連会社の損失が、当社の当該会社に対する投資持分を超過する場合、法的義務、推定的義務が生じる場合または当社グループが関連会社に代わって支払う場合を除き、当社グループはそれ以上の損失は認識しておりません。
当社グループの関連会社に対する投資には、取得時に認識したのれんが含まれております。そのため、のれんは別個に認識されないため、のれん個別での減損テストは行っておりません。しかし、関連会社に対する投資を単一の資産として、持分法適用投資全体に対して減損テストを行っております。具体的には、当社グループは、関連会社に対する投資が減損している客観的証拠があるか否かを四半期ごとに評価しております。投資が減損している客観的証拠がある場合、減損テストを行っております。
当社グループと関連会社間の取引に係る未実現損益は、関連会社に対する当社グループの持分の範囲で消去しております。関連会社の会計方針は、当社グループが採用した会計方針との一貫性を保つために、必要に応じて調整しております。
③ 共同支配の取決め
当社グループは、第三者と共同で事業を営む場合やジョイント・ベンチャーの契約に基づき第三者と共同で事業体を有する場合に、共同支配契約を締結しております。
共同支配とは、アレンジメント(取決め)に対する契約上合意された支配の共有であり、取決めのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合のみ存在します。
会計上、共同支配契約はジョイント・オペレーション(共同営業)とジョイント・ベンチャーのいずれかに分類しております。ここで、ジョイント・オペレーション(共同営業)とは、共同支配を有する当事者が、アレンジメント(取決め)に関連する資産に対する権利、負債に関する義務を有する契約をいいます。また、ジョイント・ベンチャーとは、共同支配を有する当事者が、アレンジメント(取決め)の純資産に対する権利を有する契約をいいます。
ジョイント・オペレーション(共同営業)に該当する場合には、アレンジメント(取決め)に関連するそれぞれの資産及び負債、またそれに関連する収益及び費用について持分相応額だけを財務諸表に直接取り込んでおります。一方、ジョイント・ベンチャーに該当する場合には、アレンジメント(取決め)に係る純資産を持分法により財務諸表に取り込んでおります。
(2)企業結合
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用しております。子会社の取得のために移転された対価は、移転した資産、被取得企業の旧所有者に対する負債、及び当社グループが発行した資本持分の公正価値であります。また、移転された対価には、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれております。企業結合において取得した識別可能な資産、ならびに引き受けた負債及び偶発負債は、当初、原則として取得日の公正価値で測定しております。
非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別され、被取得企業の識別可能純資産に対する非支配株主が保有する株式の比率で測定されます。当社グループは被取得企業の非支配持分を、買収事案ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な持分のいずれかで認識しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用及びその他の専門家報酬等の取得関連費は発生時に費用処理しております。
移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する場合、その超過額がのれんとして認識されます。移転された対価、非支配持分の金額、及び以前に保有していた持分の測定額の合計が、取得した子会社の純資産の公正価値を下回る場合、割安購入として、その差額を純損益に直接認識します。
企業結合が発生した報告期間末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合、当社グループは、完了していない項目については暫定的な金額で報告しております。その後、新たに入手した支配獲得日時点に存在していた事実と状況について、支配獲得日時点に把握していたとしたら、企業結合処理の認識金額に影響を与えていたと判断される場合、測定期間の修正として、その情報を反映し、支配獲得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。なお、測定期間は支配獲得日から最長で1年間としております。
(3)セグメント情報
事業セグメントは、最高経営意思決定者に提出される内部報告と整合した方法で報告されております。最高経営意思決定者は、事業セグメントの資源配分及び業績評価について責任を負っております。当社グループでは、戦略的意思決定を行う取締役会等を最高経営意思決定者と位置付けております。
(4)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各会社がそれぞれの財務諸表を作成する際に、その会社の機能通貨以外の通貨での取引は、取引日における為替レートで各会社の機能通貨に換算しております。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としております。
② 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の直物為替レートまたはそれに近似するレートを用いて換算しております。外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで換算しております。公正価値で計上された外貨建の非貨幣性項目は、公正価値が決定した日の為替レートで換算しております。
外貨建の貨幣性資産及び負債の換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
③ 在外営業活動体
連結財務諸表を表示するために、当社グループの在外営業活動体の資産及び負債は、その在外営業活動体の取得により発生したのれん、識別した資産及び負債ならびにその公正価値の調整を含め、期末日の為替レートで表示通貨に換算しております。在外営業活動体の収益及び費用は、その期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートで表示通貨である円貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の持分全体の処分及び支配または重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分につき、換算差額は、在外営業活動体が処分損益の一部として純損益で認識しております。
(5)有形固定資産
① 認識及び測定
当社グループは、有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、資産の解体・撤去及び設置していた場所の原状回復費用に関する初期見積費用及び資産計上すべき借入コスト等を含めることとしております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
取得後コストは、当該項目に関連する将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、かつ、当該項目の取得原価が信頼性をもって測定できる場合には、当該資産の帳簿価額に含めるか、または適切な場合には個別の資産として認識しております。その他の修繕及び維持費は、発生時に費用として認識しております。
② 減価償却及び耐用年数
減価償却費は、償却可能価額を各構成要素の見積耐用年数にわたって、主として定額法により算定しております。償却可能価額は、資産の取得原価から残存価額を差し引いて算定しております。土地及び建設仮勘定は減価償却しておりません。有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
主要な有形固定資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
通信設備 | |
機械設備 | 9~15年 |
空中線設備 | 10~42年 |
市内・市外線路設備 | 6~27年 |
その他の設備 | 9~27年 |
建物及び構築物 | 10~38年 |
その他 | 5~22年 |
なお、減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は毎期見直しを行い、変更があった場合は会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ 認識の中止
有形固定資産は、処分時点で認識を中止しております。有形固定資産項目の認識の中止から生じる利得または損失は、当該資産項目の認識中止時に純損益に含めております。
(6)のれん
のれんは、取得原価が、取得日における被取得子会社の識別可能な純資産に対する当社グループ持分の公正価値を上回る場合の超過額であります。
減損テストの目的上、企業結合により取得したのれんは、資金生成単位または資金生成単位グループのうち、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれるものに配分しております。のれんが配分される各資金生成単位または資金生成単位グループは、のれんを内部管理目的で監視している企業内の最小のレベルを表しております。
のれんは減損損失累計額を控除した取得原価で測定しております。のれんの償却は行わず、毎期、及び事象または状況の変化によって減損の兆候がある場合に、減損テストを実施しております。減損については、「(9)有形固定資産、のれん、無形資産及び使用権資産の減損」に記載しております。
(7)無形資産
① 認識及び測定
当社グループは、のれんを除く無形資産の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産は、無形資産の定義を満たし、識別可能であり、かつ、公正価値が信頼性をもって測定できる場合、のれんとは別個に識別され、取得日の公正価値で認識しております。
新しい科学技術または技術的な知識及び理解を得る目的で実施される研究活動に対する支出は、発生時に費用として認識しております。
開発活動に対する支出は、開発費用が信頼性をもって測定可能であり、製品または工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益をもたらす可能性が高く、当社グループが開発を完了させ、当該資産を使用または販売する意図及びそのための十分な資源を当社グループが有している場合にのみ無形資産として計上を行い、それ以外は発生時に費用として認識しております。
② 償却及び耐用年数
無形資産は見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。主要な無形資産ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。なお、耐用年数を確定できない無形資産は償却を行っておりません。
ソフトウェア | 5~10年 |
顧客関連 | 4~30年 |
番組供給関連 | 22年 |
周波数移行費用 | 9~17年 |
その他 | 5~20年 |
償却方法及び見積耐用年数は、毎期見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)リース
当社グループでは、リース契約開始時に、その契約がリースであるか、または契約にリースが含まれているか否かについては、契約の実質に基づき判断しております。契約の履行が、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約の場合、当該資産はリースの対象となります。
契約がリースまたはリースが含まれている場合、リース負債の当初測定の金額に当初直接コスト等を加減した金額で使用権資産を当初認識しております。リース負債は、契約開始時に同日現在で支払われていないリース料の現在価値で当初認識しております。
使用権資産は、契約開始時から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方までの期間にわたって定額法で減価償却を行っております。
リース負債は、リース負債に係る金利、支払われたリース料及び該当する場合にはリース負債の見直しまたはリースの条件変更を反映する金額で事後測定しております。
(9)有形固定資産、のれん、無形資産及び使用権資産の減損
当社グループでは、毎期有形固定資産、無形資産及び使用権資産の帳簿価額につき、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候がある場合には、その資産またはその資産の属する資金生成単位または資金生成単位グループごとの回収可能価額の見積りを行っております。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候がある時、及び減損の兆候の有無に関わらず各年度の一定時期に、減損テストを実施しております。資金生成単位または資金生成単位グループは、他の資産または資産グループからおおむね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしております。
回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率により、現在価値に割り引いて算定しております。
減損テストにおいて資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失は資金生成単位または資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額し、次に資金生成単位または資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額の比例割合に応じて各資産の帳簿価額から減額しております。のれんの減損損失は純損益に認識し、その後の期間に戻入れは行っておりません。
のれんを除く減損を計上した有形固定資産、無形資産及び使用権資産については、各報告日において、損失の減少または消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れております。減損損失を認識後に戻入れる場合、当該資産(または資金生成単位)の帳簿価額は、改訂後の見積回収可能価額まで増額します。ただし、当該減損の戻入れは、戻入れ時点における資産(または資金生成単位)が、仮に減損損失を認識していなかった場合の帳簿価額を超えない範囲で行います。減損損失の戻入れは、その他の収益として認識しております。
(10)売却目的で保有する非流動資産(または処分グループ)
非流動資産(または処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用よりも、主として売却取引により回収される場合に、当該資産(または処分グループ)は、「売却目的で保有する資産」として分類しております。「売却目的で保有する資産」としての分類の条件は、売却の可能性が非常に高く、現状で直ちに売却することが可能な場合にのみ満たされます。経営者が、当該資産の売却計画の実行を確約していなければならず、分類した日から1年以内で売却が完了する予定でなければなりません。
当社グループが子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約する場合で、かつ上記の条件を満たす場合、当社グループが売却後も従前の子会社に対する非支配持分を有するか否かにかかわらず、当該子会社のすべての資産及び負債を売却目的保有に分類しております。
売却目的で保有する資産は、「帳簿価額」と「売却費用控除後の公正価値」のいずれか低い金額で測定します。「売却目的で保有する資産」に分類後の有形固定資産及び無形資産については、減価償却または償却は行っておりません。
(11)金融商品
① 金融資産
(a)金融資産の認識及び測定
当社グループでは、金融資産は、契約条項の当事者となった場合に認識しております。営業債権及びその他の債権については、これらの取引日に当初認識しております。当初認識時において、金融資産をその公正価値で測定し、金融資産が純損益を通じて公正価値で測定するものでない場合には、金融資産の取得に直接起因する取引費用を加算しております。純損益を通じて公正価値で測定された金融資産の取引費用は、純損益に認識しております。
(b)金融資産の分類(デリバティブを除く)
デリバティブを除く金融資産の分類及び測定モデルの概要は以下のとおりであります。当社グループは、金融資産を当初認識時に償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
以下の要件をともに満たす場合に償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・当社グループのビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定する金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、資本性金融資産については、公正価値の変動を純損益ではなくその他の包括利益を通じて認識するという取消不能な選択を行っております。公正価値変動による利得及び損失の事後における純損益への振替は行われません。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」として、その他の包括利益に含めております。
認識を中止した場合、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を直接利益剰余金へ振り替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産からの配当金については、純損益で認識しております。
(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
以下の要件をともに満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・当社グループのビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」として、その他の包括利益に含めております。
認識を中止した場合、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を純損益に振り替えております。
(ⅳ)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記のいずれにも区分されない場合、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に純損益で認識しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る利得または損失は純損益で認識しております。
当社グループは、会計上のミスマッチを取り除くあるいは大幅に削減させるために、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定しておりません。
(c)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、あるいは、当社グループが金融資産の所有に係るリスク及び経済価値のほとんどすべてが移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。移転した金融資産に関して当社グループが創出した、または当社グループが引き続き保有する持分については、資産の認識を継続しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(a)金融負債の認識及び測定
当社グループは、金融負債を当社グループが当該金融商品の契約当事者になった時点で認識しております。金融負債の測定は以下の(b)金融負債の分類に記載しております。
(b)金融負債の分類
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しております。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
(c)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消または失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが、それらの残高を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(12)金融資産の減損
当社グループは、当初認識時点から信用リスクが著しく増大していない場合には、著しく増大していない金融商品に対する損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。当初認識時点から信用リスクの著しい増大があった場合には、信用リスクの著しい増大がある金融資産に対する損失評価引当金を残存期間にわたる予想信用損失に等しい金額で測定しております。信用リスクが著しく増大しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて判断しており、デフォルトリスクに変化があるかどうかの判断にあたっては、以下を考慮しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、当初から残存期間にわたる予想信用損失を認識しております。
・金融資産の外部格付
・内部格付の格下げ
・売上の減少などの借手の営業成績の悪化
・親会社、関連会社からの金融支援の縮小
・延滞(期日超過情報)
また、予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と受取が見込まれる金額との差額の割引現在価値に基づいて測定しております。
(13)デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、デリバティブ契約を締結した日の公正価値で当初認識され、当初認識後は各期末日の公正価値で再測定しております。
当社グループにおいて、為替変動リスク、金利変動リスク、公正価値変動リスク等を軽減するため、為替予約、為替スワップ、金利スワップの各デリバティブ取引を実施しております。
再測定の結果生じる利得または損失の認識方法は、デリバティブがヘッジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質によって決まります。
当社グループは、デリバティブについてキャッシュ・フロー・ヘッジ(認識されている資産または負債、もしくは可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクによるキャッシュ・フローの変動のエクスポージャーに対するヘッジ)、公正価値ヘッジ(認識されている資産または負債、もしくは未認識の確定約定に関連する特定のリスクによる公正価値の変動のエクスポージャーに対するヘッジ)の指定を行っております。
当社グループは、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、ならびに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。
当社グループはまた、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブ金融商品がヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動及び公正価値の変動を相殺するために有効であるか評価しております。具体的には、下記項目のすべてを満たす場合においてヘッジが有効と判断しております。
(ⅰ)ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係が相殺をもたらすこと
(ⅱ)信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
(ⅲ)「ヘッジ比率」は実際に使用しているヘッジ対象とヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることがヘッジ会計の適格要件となっていること
ヘッジの有効性は、将来のヘッジ指定期間に亘り有効性が確保されているか否かにより判断されます。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブについて、当初認識後の公正価値の変動のうちヘッジ有効部分はその他の包括利益で認識し、ヘッジ非有効部分は純損益で認識しております。その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額はヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期に、純損益に振り替えております。
ヘッジ関係がヘッジ比率に関するヘッジ有効性の要求に合致しなくなったとしても、リスク管理目的が変わっていない場合、ヘッジの要件を再び満たすようにヘッジ関係のヘッジ比率を調整しております(以下「バランス再調整」)。
バランス再調整をした後で、キャッシュ・フロー・ヘッジがヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合、あるいはヘッジ手段が失効、売却、終結または行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。ヘッジ会計を中止した場合、当社グループは、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高を、予定取引が発生するまでその他の包括利益に計上しております。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、純損益で認識しております。
公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブについて、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、純損益で認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得又は損失は、純損益で認識するとともにヘッジ対象の帳簿価額を修正しております。ただし、ヘッジ対象が、公正価値の変動をその他の包括利益で測定する資本性金融商品である場合は、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、その他の包括利益で認識しております。
バランス再調整をした後で、公正価値ヘッジがヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合、あるいはヘッジ手段が失効、売却、終結または行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。当社グループは、ヘッジ会計を中止した時点から、ヘッジ対象の価値変動の償却を開始しております。
ヘッジ手段であるデリバティブ金融商品の公正価値全額は、ヘッジ対象の満期が12ヶ月を超える場合は非流動資産または非流動負債に、ヘッジ対象の満期が12ヶ月未満である場合には流動資産または流動負債に分類されております。
(14)現金及び現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書において、現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資、及び当座借越から構成されております。連結財政状態計算書において、当座借越は流動負債に含まれております。
(15)棚卸資産
棚卸資産は、主として携帯端末等の商品及び工事関連の仕掛品から構成されております。
棚卸資産は、原価または正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。原価は、原則として移動平均法に基づいて算定しており、購入原価ならびに棚卸資産の現在の保管場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、販売に要する見積費用を控除した金額で算定しております。
(16)従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を採用しております。
(a)確定給付制度
確定給付年金制度に関連して連結財政状態計算書で認識する資産(退職給付に係る資産)または負債(退職給付に係る負債)は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額に対して、利用可能な経済的便益を検討の上、必要に応じて資産上限額に関する調整を行うことにより認識しています。確定給付制度債務は、独立した年金数理人が予測単位積増方式を用いて毎期算定しております。割引率は将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、その割引期間に対応した、かつ、給付金が支払われる通貨建の期末日時点の優良社債の市場利回りに基づいております。
確定給付費用は、勤務費用、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額及び確定給付制度負債(資産)の純額に係る再測定から構成されます。勤務費用及び利息純額については純損益で認識し、利息純額の算定には前述の割引率を使用しております。再測定は数理計算上の差異、過去勤務費用及び制度資産に係る収益(利息純額に含まれる金額を除く)から構成されております。数理計算上の差異は発生時に即時にその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は純損益として認識しております。
当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
(b)確定拠出制度
確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に純損益として認識しております。
また、一部の子会社では複数事業主による年金制度に加入しており、期中の拠出額を年金費用として純損益で認識し、未払拠出金を債務として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算をせず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な義務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(17)引当金
引当金は、過去の事象から生じた法的または推定的義務で、当社グループが当該義務を決済するために経済的便益が流出する可能性が高く、その義務の金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値及び必要に応じてその負債に特有のリスクを反映させた税引前割引率で割り引いた期待将来キャッシュ・フローにより、引当金の額を算出しております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しております。
(18)株式に基づく報酬
① ストック・オプション
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブ制度として、持分決済型のストック・オプション制度を導入しております。ストック・オプションは付与日における公正価値で測定しており、ストック・オプションの公正価値は、ブラック・ショールズモデル等を用いて算定しております。
ストック・オプションの付与日に決定した公正価値は、最終的に権利が確定すると予想されるストック・オプションの数の見積りに基づき、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
② 役員報酬BIP信託及びESOP信託
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブ制度として、持分決済型の役員報酬 BIP(Board Incentive Plan)信託及び株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託を導入しており、同信託が有する当社株式は自己株式として認識しております。当社グループの株式の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間に渡り費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。また、当社グループの株式の付与日における公正価値は、株式の市場価格を予想配当利回りを考慮に入れて修正し、算定しております。
(19)資本
① 普通株式
普通株式は資本に分類しております。当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は資本剰余金から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合は、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(20)売上高
当社グループにおける主要な収益認識基準は、以下のとおりであります。
① 移動通信サービス
当社グループの収益は、主にモバイル通信サービス(UQ mobile・MVNOサービス含む)における収益と携帯端末販売における収益から構成されております。当社グループは、お客さまと直接または代理店経由でモバイル通信サービス契約を締結している一方で、携帯端末を主として代理店へ販売しております。
モバイル通信サービスにおける収益は、主に月額基本使用料及び通信料収入(以下「モバイル通信サービス収入」)と契約事務等の手数料収入からなります。モバイル通信サービス収入及び契約事務等の手数料収入は、お客さまに対して契約に基づいたサービスを提供することによって履行義務が充足されると判断し、サービス提供時点で定額料金及び従量課金に基づき認識しております。また、通信料金の割引については、毎月のモバイル通信サービス収入から控除しております。
なお、モバイル通信サービス収入にかかる取引の対価は請求日から概ね翌月までに受領しております。
また、携帯端末販売における収益(以下「携帯端末収入」)は、お客さま、または代理店に対する携帯端末及びアクセサリー類の販売収入から構成されております。
上記取引の商流としては、当社グループが代理店に対して携帯端末を販売し、代理店を通じてお客さまと通信契約の締結を行うもの(以下「間接販売」)と、当社グループがお客さまに対して携帯端末を販売し、直接通信契約の締結を行うもの(以下「直接販売」)からなります。それぞれの収益の認識基準は以下のとおりであります。
携帯端末収入については、代理店等に販売後、概ね翌月に受領しております。
1)間接販売
間接販売において、当社グループが代理店に販売した端末を販売する責任及び在庫リスクは代理店が有していることから、当社グループは、代理店を本人として取り扱っております。そのため、携帯端末収入は、携帯端末の支配が当社グループから代理店に移転し、履行義務が充足したと考えられる携帯端末の代理店への引き渡し時点で、収益を認識しております。また、代理店に対して支払う手数料の一部は、代理店へ携帯端末を販売した時点で携帯端末収入から控除しております。
2)直接販売
直接販売の場合、携帯端末収入、モバイル通信サービス収入等は一体の取引であると考えられるため、契約を結合の上、単一の契約として会計処理しております。取引の合計額を携帯端末及びモバイル通信サービスの独立販売価格の比率に基づき、携帯端末収入及びモバイル通信サービス収入に配分しております。携帯端末収入に配分された金額は、携帯端末販売時に、モバイル通信サービス収入に配分された金額は、お客さまにサービスを提供した時点で、履行義務が充足されたと判断し、収益として認識しております。
なお、間接販売、直接販売のいずれの場合も、契約事務手数料収入及び機種変更手数料収入は、別個の履行義務とは認識することなく、通信サービスと合わせて1つの履行義務として認識し、契約時は契約負債として繰り延べられ、重要な更新オプションが存在する期間にわたり収益として認識しております。
これらの取引の対価は契約時に前受けする形で受領しています。
また、モバイル通信サービス収入の請求額に応じて、お客さまへポイントを付与するカスタマー・ロイヤルティ・プログラムについては、将来の解約等による失効部分を反映したポイントの見積利用率を考慮して算定された交換される特典の独立販売価格を基礎として取引価格の配分を行い、お客さまがポイントを使用し、財またはサービスの支配を獲得した時点で、履行義務を充足したと考えられるため、当該時点において、収益を認識しております。
② 固定通信サービス(CATV事業を含む)
固定通信サービスにおける収益は、主に音声伝送サービス収入、データ通信サービス収入、FTTHサービス収入、CATVサービス収入、関連する初期工事費用収入からなります。
上記のうち、初期工事費用収入を除いた収入に関するサービスについては、お客さまに対して契約に基づいたサービスを提供することが履行義務であり、サービスを提供した時点において履行義務が充足されると判断し、サービス提供時に収益計上しております。また、初期工事費用収入は、残存率を基礎とした見積平均契約期間にわたり、収益を認識しています。
これらの取引の対価は、請求日から概ね翌月までに受領しております。
③ 付加価値サービス
付加価値サービスにおける収益は、主に情報料収入、債権譲渡手数料収入、広告掲載料収入、代理店手数料収入、電力収入等からなります。情報料収入は当社グループが単独または他社と共同で運営するウェブサイト上でお客さまに対して提供したコンテンツの会員収入であり、コンテンツサービスを一定期間にわたって提供し経過期間に応じて履行義務が充足されます。また、債権譲渡手数料収入は、コンテンツプロバイダー(以下「CP」)の債権を、当社が通信料金と合わせてCPの代わりにお客さまから回収するため、CPから債権を譲り受けることに対する手数料収入であり、当社がその債権を譲り受けた時点において履行義務が充足されます。電力収入は、電力の小売りサービスにおける収入であり、電力サービスを提供した時点において履行義務が充足されます。これらの収入については、お客さまとの契約に基づいて識別された履行義務が時の経過またはお客さまにサービスを提供した時点に基づいて充足されるため、個々の契約内容に基づき、サービス提供期間にわたって収益を認識しております。
当社グループは、仲介業者または代理人としての機能を果たす場合があります。このような取引における収益を報告するにあたり、収益をお客さまから受け取る対価の総額で表示するか、またはお客さまから受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額で表示するかを判断しております。これらの判断にあたっては、当社グループが契約の当事者として財またはサービスの提供に主たる責任を有しているか、在庫リスクを負っているか、価格決定権を有しているか等を総合的に勘案しております。ただし、総額または純額、いずれの方法で表示した場合でも、売上総利益及び当期利益に影響はありません。主に、債権譲渡手数料収入、広告掲載料収入、代理店手数料収入のサービスにおいて、当社グループは、契約等で定められた料率に基づいて手数料を受け取るのみであり、価格決定権は無く、また、コンテンツサービスを行うプラットフォームを提供するのみであるため、当該サービスについて、お客さまに移転される前に、当社グループがサービスを支配しておりません。そのため、当社グループは仲介業者または代理人として位置付けられることから、純額で表示しております。
これらの取引の対価は、履行義務の充足後、概ね1ヶ月から3ヶ月以内に受領しております。
④ ソリューションサービス
ソリューションサービスにおける収益は、主に機器販売サービス、エンジニアリングサービス、マネージメントサービスからなります(以下「ソリューションサービス収入」)。ソリューションサービス収入は、履行義務が充足されるお客さまに納品もしくはサービスを提供した時点で、お客さまから受け取る対価に基づき収益を認識しております。
これらの取引の対価は、請求日から概ね翌月までに受領しております。
⑤ グローバルサービス
グローバルサービスは主にソリューションサービス、データセンターサービス及び携帯電話サービスから構成されております。
データセンターサービスにおける収益は、全世界主要拠点で自営データセンターを展開しその対価として受け取るスペース、電力及びネットワークを含むサービス使用料からなります。複数年契約が一般的であり、当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、その提供期間にわたって収益を認識しております。
これらの取引の対価は、基本的に履行義務の充足前に請求し、請求後、概ね翌月までに受領しております。
携帯電話サービスにおける収益は、携帯端末収入及びモバイル通信サービス収入からなります。携帯端末収入は、携帯端末販売時に、モバイル通信サービス収入は、お客さまにサービスを提供した時点で、履行義務が充足されたと判断し、収益として認識しております。
(21)金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金、為替差益及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。当社グループが受け取る配当は、配当を受ける権利(株主の権利)が確定したときに、認識しております。
金融費用は、主として支払利息、為替差損、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。また、支払利息は、実効金利法により発生時に認識しております。
(22)その他の営業外損益
その他の営業外損益は、投資活動に係る損益を含めております。具体的には、段階取得に係る差損益、関係会社株式売却損益及び持分変動損益等を含めております。
(23)借入コスト
適格資産、すなわち意図した使用または販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。
(24)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金で構成されており、資本に直接認識される項目またはその他の包括利益で認識される項目から生じる税金を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、当年度の課税所得に対する税務当局への納税見込額あるいは税務当局からの還付見込額に過年度の納税調整額を加味したものであります。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、期末日までに制定または実質的に制定されている税率及び税法にしたがっております。
繰延税金は、資産負債法により、連結財務諸表上の資産及び負債の帳簿価額と資産及び負債の税務基準額との間に生じる一時差異、繰越欠損金及び税額控除に対して計上しております。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・会計上の損益にも税務上の課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得の稼得が見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額または一部が回収できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。
繰延税金は、期末日までに制定または実質的に制定されている法律に基づいて、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律的に強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
当社及び一部の国内子会社は、グループ通算制度を適用した会計処理及び表示を行っております。
当社は、IAS第12号「法人所得税」(改訂)の一時的な救済措置に従い、第2の柱モデルルールの法人所得税に係る繰延税金資産及び負債に関する認識及び開示における例外規定を適用しております。
(25)配当
当社の株主に対する配当は、当該配当が親会社の株主による承認が行われた期間の負債として認識しております。
(26)1株当たり利益
当社グループは、普通株式に係る基本的1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)を開示しております。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間中の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式が転換されたと仮定して、親会社の所有者に帰属する当期利益及び自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。当社の潜在的普通株式は役員報酬BIP信託等に係るものであります。
(27)保険契約
当社グループは、IFRS第17号において、重大な保険リスクを引き受けている契約について保険契約として分類しております。
当社グループは、損害保険事業にて発行する保険契約及び保有する再保険契約に保険料配分アプローチを採用しております。
生命保険事業にて発行する保険契約及び保有する再保険契約においては一般測定モデルを採用しております。
保険金融収益又は費用については、予想される金融収益又は費用の合計額を保険契約グループの存続期間にわたって規則的に配分して算定した金額を純損益に含め、契約グループの帳簿価額と規則的配分を適用する際に測定される金額との差額はその他の包括利益として計上しています。