有価証券報告書-第33期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営方針
NTTグループは、100年以上の永きにわたりわが国の電気通信の発展を支えてきた自信・実績と世界をリードする研究開発力を基盤として「これからも安心・安全なサービスを提供し続け、いつまでも皆さまに信頼される企業としてお役に立ち続ける」ために、激しい競争環境の中でそれぞれの事業において求められる法の責務や社会的な使命を果たしながら、多様化し、増大するICTのニーズに応えられるよう積極的に事業を展開し、お客さまや株主の皆さまから常に高い信頼を得て持続的な発展をめざしてまいります。
上記の経営の基本方針の下、NTTグループは市場のグローバル化やクラウドサービスの進展に対応するため、2015年5月に中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」を策定・公表し、「バリューパートナー」としての自己変革を加速し、グループ全体を利益成長軌道へ乗せていくとともに、B2B2Xモデルを更に推進して、新たな取り組みを実行していきます。
(2)経営環境
情報通信市場では、クラウドサービスやIoT、ビッグデータ、AIの活用がさらに加速するなど、新たな技術の進展が見込まれています。また、新たなプレイヤーの参入により、従来の事業領域の垣根を越えた市場競争が熾烈になる一方で、新しい付加価値の創造に向けた事業者間による協創・連携も進展すると考えられます。こうした変化に伴い、情報通信に求められる役割はますます拡大するとともに、重要になると考えられます。
(3)対処すべき課題
《中期経営戦略に基づく事業展開》
NTTグループは、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき、事業構造の変革に取り組んでいます。
2015年度から2017年度の中期財務目標については、目標年度である当連結会計年度において、最重要の目標であるEPS(1株当たり当期純利益)が456円となり、目標としていた400円以上を達成しました。
これからも引き続き以下の取り組みの推進による利益成長に主眼を置きつつ、自己株式取得などによる資本効率の向上を図ることにより、EPSをさらに成長させるよう努めてまいります。
○グローバルビジネスの拡大・利益創出に向けた取り組み
海外事業における着実な成長を実現していくために、グローバルビジネス推進体制の更なる強化に加え、サービスやプロダクトの強化に取り組んでまいります。また、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの推進など、セールスおよびマーケティングを強化してまいります。さらに、徹底したコスト効率化や、グループガバナンスおよびリスクマネジメントの強化など、事業構造の改革にも引き続き取り組んでまいります。
○国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた取り組み
競争環境の厳しい国内の固定通信および移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けた取り組みを引き続き実行してまいります。
具体的には、設備投資の効率化について、ネットワークのシンプル化・スリム化に加え、ソフトウェアコントロール技術などの研究開発成果を活用し、既存設備の利用効率の更なる向上を図るとともに、調達コストの低減に向けた調達物品の仕様統一や機種の絞り込みなどに取り組んでまいります。また、ITシステムについても、仮想化などの最新技術を活用して、共通基盤化による効率化を図ってまいります。
コスト削減についても、より一層の作業の標準化・システム化による業務改善など、引き続き取り組みを強化してまいります。コスト削減により商品やサービスの競争力を高め、ユーザーサービスの向上やお客さま還元の強化につなげるとともに、B2B2Xモデルへの転換などを踏まえ、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けても取り組んでまいります。
○B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組み
「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(注)」をゴールドパートナーとして通信サービスの分野で支えるとともに、官民が連携して推進しているSociety 5.0の実現に向けた取り組みをNTTの総合力を活かす大きなチャンスと捉え、全国規模の固定/移動のブロードバンドネットワークや情報システム分野における技術・ノウハウなどを有機的に活用してまいります。特に、他分野の事業者や自治体などサービス提供者とのコラボレーションを拡大して、サービス提供者のデジタルトランスフォーメーションをサポートすることを通じて、社会的課題の解決などに貢献し、新たな価値創造を加速してまいります。こうした取り組みにより、次世代に受け継がれるサービスを創出し、国内ビジネスの持続的な成長につなげてまいります。
(注) NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(通信サービス)です。
《基盤的研究開発の推進》
中期経営戦略の達成に必要なクラウド、セキュリティ、IoT、AIなどの軸となる技術を開発し、利益創出スピードの加速に貢献していくほか、ネットワーク装置の機能を細かく分けることによる装置コストの削減やネットワークの構築・保守・運用の稼動削減などを実現する技術の開発に取り組んでまいります。あわせて、新たな価値の創出に向けた他企業とのコラボレーションを推進し、研究開発成果の着実な事業化と国内外への展開を積極的に進めてまいります。
《持続的な企業価値向上に向けた取り組み》
「NTTグループCSR憲章」を指針として、国内外の社会・環境課題の解決に貢献し、NTTグループ一体となって企業価値向上と社会の持続的発展に向けた取り組みを推進してまいります。
○サイバーセキュリティへの取り組み
国際的なイベントや政府・企業などに対して高度化・複雑化するサイバー攻撃に引き続き対応するため、最新の研究開発成果の導入を推進するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組みなどを強化してまいります。
○多様な人材の活躍に向けた取り組み
社員の多様な価値観や個性の尊重・活用に向けて、性別や年齢、人種、国籍、障がいの有無、性的指向、性自認などによらない多様な人材が活躍できる職場環境の整備に取り組むとともに、全ての社員がワーク・ライフ・マネジメントに対する理解を深められるよう取り組みを進め、「働き方改革」を推進してまいります。
○環境への取り組み
「NTTグループ環境宣言」のもと、ICTサービスをはじめとする、グループ各社が提供するサービス・技術による環境負荷低減や気候変動に対する適応への貢献、ビジネスパートナーや地域社会など、ステークホルダーの皆様と協働した生態系の保全などの取り組みを推進するとともに、事業活動全体にわたるエネルギー効率化、資源循環にも引き続き取り組んでまいります。
上記のほか、ネットワークの高い安定性と信頼性の確保に向けて、日々のネットワーク運用のノウハウ蓄積や、外部機関との協力体制に基づく訓練の実施などを通じて、一層の安心・安全なサービス提供に努めてまいります。
(1)経営方針
NTTグループは、100年以上の永きにわたりわが国の電気通信の発展を支えてきた自信・実績と世界をリードする研究開発力を基盤として「これからも安心・安全なサービスを提供し続け、いつまでも皆さまに信頼される企業としてお役に立ち続ける」ために、激しい競争環境の中でそれぞれの事業において求められる法の責務や社会的な使命を果たしながら、多様化し、増大するICTのニーズに応えられるよう積極的に事業を展開し、お客さまや株主の皆さまから常に高い信頼を得て持続的な発展をめざしてまいります。
上記の経営の基本方針の下、NTTグループは市場のグローバル化やクラウドサービスの進展に対応するため、2015年5月に中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」を策定・公表し、「バリューパートナー」としての自己変革を加速し、グループ全体を利益成長軌道へ乗せていくとともに、B2B2Xモデルを更に推進して、新たな取り組みを実行していきます。
(2)経営環境
情報通信市場では、クラウドサービスやIoT、ビッグデータ、AIの活用がさらに加速するなど、新たな技術の進展が見込まれています。また、新たなプレイヤーの参入により、従来の事業領域の垣根を越えた市場競争が熾烈になる一方で、新しい付加価値の創造に向けた事業者間による協創・連携も進展すると考えられます。こうした変化に伴い、情報通信に求められる役割はますます拡大するとともに、重要になると考えられます。
(3)対処すべき課題
《中期経営戦略に基づく事業展開》
NTTグループは、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき、事業構造の変革に取り組んでいます。
2015年度から2017年度の中期財務目標については、目標年度である当連結会計年度において、最重要の目標であるEPS(1株当たり当期純利益)が456円となり、目標としていた400円以上を達成しました。
これからも引き続き以下の取り組みの推進による利益成長に主眼を置きつつ、自己株式取得などによる資本効率の向上を図ることにより、EPSをさらに成長させるよう努めてまいります。
○グローバルビジネスの拡大・利益創出に向けた取り組み
海外事業における着実な成長を実現していくために、グローバルビジネス推進体制の更なる強化に加え、サービスやプロダクトの強化に取り組んでまいります。また、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの推進など、セールスおよびマーケティングを強化してまいります。さらに、徹底したコスト効率化や、グループガバナンスおよびリスクマネジメントの強化など、事業構造の改革にも引き続き取り組んでまいります。
○国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた取り組み
競争環境の厳しい国内の固定通信および移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けた取り組みを引き続き実行してまいります。
具体的には、設備投資の効率化について、ネットワークのシンプル化・スリム化に加え、ソフトウェアコントロール技術などの研究開発成果を活用し、既存設備の利用効率の更なる向上を図るとともに、調達コストの低減に向けた調達物品の仕様統一や機種の絞り込みなどに取り組んでまいります。また、ITシステムについても、仮想化などの最新技術を活用して、共通基盤化による効率化を図ってまいります。
コスト削減についても、より一層の作業の標準化・システム化による業務改善など、引き続き取り組みを強化してまいります。コスト削減により商品やサービスの競争力を高め、ユーザーサービスの向上やお客さま還元の強化につなげるとともに、B2B2Xモデルへの転換などを踏まえ、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けても取り組んでまいります。
○B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組み
「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(注)」をゴールドパートナーとして通信サービスの分野で支えるとともに、官民が連携して推進しているSociety 5.0の実現に向けた取り組みをNTTの総合力を活かす大きなチャンスと捉え、全国規模の固定/移動のブロードバンドネットワークや情報システム分野における技術・ノウハウなどを有機的に活用してまいります。特に、他分野の事業者や自治体などサービス提供者とのコラボレーションを拡大して、サービス提供者のデジタルトランスフォーメーションをサポートすることを通じて、社会的課題の解決などに貢献し、新たな価値創造を加速してまいります。こうした取り組みにより、次世代に受け継がれるサービスを創出し、国内ビジネスの持続的な成長につなげてまいります。
(注) NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(通信サービス)です。
《基盤的研究開発の推進》
中期経営戦略の達成に必要なクラウド、セキュリティ、IoT、AIなどの軸となる技術を開発し、利益創出スピードの加速に貢献していくほか、ネットワーク装置の機能を細かく分けることによる装置コストの削減やネットワークの構築・保守・運用の稼動削減などを実現する技術の開発に取り組んでまいります。あわせて、新たな価値の創出に向けた他企業とのコラボレーションを推進し、研究開発成果の着実な事業化と国内外への展開を積極的に進めてまいります。
《持続的な企業価値向上に向けた取り組み》
「NTTグループCSR憲章」を指針として、国内外の社会・環境課題の解決に貢献し、NTTグループ一体となって企業価値向上と社会の持続的発展に向けた取り組みを推進してまいります。
○サイバーセキュリティへの取り組み
国際的なイベントや政府・企業などに対して高度化・複雑化するサイバー攻撃に引き続き対応するため、最新の研究開発成果の導入を推進するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組みなどを強化してまいります。
○多様な人材の活躍に向けた取り組み
社員の多様な価値観や個性の尊重・活用に向けて、性別や年齢、人種、国籍、障がいの有無、性的指向、性自認などによらない多様な人材が活躍できる職場環境の整備に取り組むとともに、全ての社員がワーク・ライフ・マネジメントに対する理解を深められるよう取り組みを進め、「働き方改革」を推進してまいります。
○環境への取り組み
「NTTグループ環境宣言」のもと、ICTサービスをはじめとする、グループ各社が提供するサービス・技術による環境負荷低減や気候変動に対する適応への貢献、ビジネスパートナーや地域社会など、ステークホルダーの皆様と協働した生態系の保全などの取り組みを推進するとともに、事業活動全体にわたるエネルギー効率化、資源循環にも引き続き取り組んでまいります。
上記のほか、ネットワークの高い安定性と信頼性の確保に向けて、日々のネットワーク運用のノウハウ蓄積や、外部機関との協力体制に基づく訓練の実施などを通じて、一層の安心・安全なサービス提供に努めてまいります。