有価証券報告書-第34期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営方針
NTTグループは、100年以上の永きにわたりわが国の電気通信の発展を支えてきた自信・実績と世界をリードする研究開発力を基盤として「これからも安心・安全なサービスを提供し続け、いつまでも皆さまに信頼される企業としてお役に立ち続ける」ために、激しい競争環境の中でそれぞれの事業において求められる法の責務や社会的な使命を果たしながら、多様化し、増大するICTのニーズに応えられるよう積極的に事業を展開し、お客さまや株主の皆さまから常に高い信頼を得て持続的な発展をめざしてまいります。
この経営の基本方針の下、NTTグループは、2018年11月に新たな中期経営戦略「Your Value Partner 2025」を策定・公表し、「Your Value Partner」としてパートナーの皆さまとともに、社会的課題の解決をめざす取り組みを推進してまいります。
(2)経営環境
地球規模の人口増加と都市化の進展がますます加速し、環境問題が深刻化していくとともに、国際情勢がますます不透明な状況になる中、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)のもと、持続可能な社会の実現に向けた動きが世界中で活発化しています。
このような社会情勢のもと、情報通信市場では、新たなプレイヤーを含めた熾烈な競争も進む中、5G・仮想化・AI等の最新技術を活用した新たなサービスが発展し、デジタルトランスフォーメーションを通じたスマートな社会が実現していくと見込まれます。その際、新たな価値創造や社会的課題の解決に向けて、従来の事業領域の垣根を越えた様々なプレイヤーとの協創・連携が進み、情報通信に求められる役割もますます拡大すると考えられます。
(3)対処すべき課題
《中期経営戦略に基づく事業展開》
NTTグループは、中期経営戦略「Your Value Partner 2025」に基づき、パートナーの皆さまとともに、事業活動を通じた社会的課題の解決に取り組んでまいります。
これからも引き続き以下の取り組みの推進による企業価値の向上に努めてまいります。
○ お客さまのデジタルトランスフォーメーションをサポート
スマートな社会の実現に向け、デジタルサービスやデータマネジメントを活用したB2B2Xモデルを推進し、プロジェクト数を拡大させます。また、2020年に商用サービス開始を予定している、5Gサービスの実現・展開に向け、幅広いパートナーとともに検討を進めると同時に、5Gの特徴を活かした「高臨場」「インタラクティブ(双方向)」なサービスによる新しい価値を創出します。さらに、NTTドコモが2019年より提供開始している「ギガホ」「ギガライト」等の新料金プランの導入をはじめ、お客さま一人ひとりに合わせたきめ細やかな「パーソナルソリューション」を実現し、お客さまのライフスタイルの変革をサポートします。
○ 自らのデジタルトランスフォーメーションを推進
お客さまのデジタル化を推進する統合ソリューションと、最先端技術を活用した革新的な取り組みを掛け合わせ相乗効果を高めるとともに、NTTグループのグローバル人材・ブランディングとあわせて、「One NTT」としてグローバルビジネスの競争力強化と成長を加速させます。具体的には、当社傘下のグローバル持株会社において、NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTセキュリティの3社の事業を、グローバル事業会社と国内事業会社に再編成することを予定しています。この取り組みにより、グローバルガバナンスを強化し、グローバル市場に精通した人材の知見や経験を迅速にグローバル持株会社のマネジメントに取り入れ、NTTグループ全体のグローバル市場における競争力強化と収益性の向上をめざします。
国内事業については、主要各社に設置しているCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を中心に、デジタル化施策を推進します。自らの業務プロセスについて、AIやRPA(Robotic Process Automation)等を活用し、デジタル化することで効率化を図るとともに、社外の協力会社も含めた業務プロセスにおいて、人手を介さないスマートなオペレーションを実現します。また、自らのデジタル化によって、法人向けにはICTリソースを一元的かつ最適に管理できるソリューションを、個人向けにはデジタルマーケティングを活用したパーソナルソリューション等新たなサービスを実現します。
○ 人・技術・資産の活用
現在創設の準備を進めている街づくり事業推進会社を中心に、NTTグループが持つ不動産やICT・エネルギー・環境技術等を最大限活用し、従来の不動産開発にとどまらない新たな街づくり事業を推進します。また、新たなエネルギーソリューションを迅速に提供するため、エネルギー事業推進会社を設立し、サービス開発・提供・運用リソースの最適化等を進め、ICTを活用したスマートエネルギー事業を推進します。
さらに、地域密着の営業体制、最新技術、設備・拠点といった経営資源を活かし、自治体等、様々なパートナーとのコラボレーションを通じて、行政・生活サービスの充実、地場産業の活性化を支援します。
また、災害対策においては通信インフラの更なる強化、AIを駆使した被災予測による初動強化、災害時の情報発信の更なる改善等に取り組み、安心・安全なICT基盤の確保に引き続き注力します。
○ ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上
ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を通じて社会的課題を解決し、持続的な企業価値の向上をめざします。ESG経営の観点で特に優先度の高いマテリアリティ(重要課題)として「環境負荷の低減」「セキュリティの強化」「多様な人材の活用」「災害対策の強化」「持続的成長に向けたガバナンス強化」を設定し、事業機会を拡大するとともに、事業リスクを最小化することに努めます。
そのほか、ネットワークの高い安定性と信頼性の確保に向けて、日々のネットワーク運用のノウハウ蓄積等を通じて、一層の安心・安全なサービス提供に努めます。
また、配当については継続的な増配の実施を基本的な考えとし、自己株式の取得についても機動的に実施することで、資本効率の向上を図ります。
《基盤的研究開発等の推進》
様々な研究機関との共同研究の強化、社外の最新技術の積極的な活用を行うとともに、新たな成長領域への研究投資の拡大を図ります。
さらに、海外拠点の基礎研究を強化することで、研究開発のグローバル化に努めます。具体的には、海外に、量子計算科学、暗号情報理論、生体情報処理の3つの研究所を擁する研究拠点を設立し、研究開発成果のグローバル展開や研究ターゲットのグローバル化を推進します。
(1)経営方針
NTTグループは、100年以上の永きにわたりわが国の電気通信の発展を支えてきた自信・実績と世界をリードする研究開発力を基盤として「これからも安心・安全なサービスを提供し続け、いつまでも皆さまに信頼される企業としてお役に立ち続ける」ために、激しい競争環境の中でそれぞれの事業において求められる法の責務や社会的な使命を果たしながら、多様化し、増大するICTのニーズに応えられるよう積極的に事業を展開し、お客さまや株主の皆さまから常に高い信頼を得て持続的な発展をめざしてまいります。
この経営の基本方針の下、NTTグループは、2018年11月に新たな中期経営戦略「Your Value Partner 2025」を策定・公表し、「Your Value Partner」としてパートナーの皆さまとともに、社会的課題の解決をめざす取り組みを推進してまいります。
(2)経営環境
地球規模の人口増加と都市化の進展がますます加速し、環境問題が深刻化していくとともに、国際情勢がますます不透明な状況になる中、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)のもと、持続可能な社会の実現に向けた動きが世界中で活発化しています。
このような社会情勢のもと、情報通信市場では、新たなプレイヤーを含めた熾烈な競争も進む中、5G・仮想化・AI等の最新技術を活用した新たなサービスが発展し、デジタルトランスフォーメーションを通じたスマートな社会が実現していくと見込まれます。その際、新たな価値創造や社会的課題の解決に向けて、従来の事業領域の垣根を越えた様々なプレイヤーとの協創・連携が進み、情報通信に求められる役割もますます拡大すると考えられます。
(3)対処すべき課題
《中期経営戦略に基づく事業展開》
NTTグループは、中期経営戦略「Your Value Partner 2025」に基づき、パートナーの皆さまとともに、事業活動を通じた社会的課題の解決に取り組んでまいります。
これからも引き続き以下の取り組みの推進による企業価値の向上に努めてまいります。
○ お客さまのデジタルトランスフォーメーションをサポート
スマートな社会の実現に向け、デジタルサービスやデータマネジメントを活用したB2B2Xモデルを推進し、プロジェクト数を拡大させます。また、2020年に商用サービス開始を予定している、5Gサービスの実現・展開に向け、幅広いパートナーとともに検討を進めると同時に、5Gの特徴を活かした「高臨場」「インタラクティブ(双方向)」なサービスによる新しい価値を創出します。さらに、NTTドコモが2019年より提供開始している「ギガホ」「ギガライト」等の新料金プランの導入をはじめ、お客さま一人ひとりに合わせたきめ細やかな「パーソナルソリューション」を実現し、お客さまのライフスタイルの変革をサポートします。
○ 自らのデジタルトランスフォーメーションを推進
お客さまのデジタル化を推進する統合ソリューションと、最先端技術を活用した革新的な取り組みを掛け合わせ相乗効果を高めるとともに、NTTグループのグローバル人材・ブランディングとあわせて、「One NTT」としてグローバルビジネスの競争力強化と成長を加速させます。具体的には、当社傘下のグローバル持株会社において、NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTセキュリティの3社の事業を、グローバル事業会社と国内事業会社に再編成することを予定しています。この取り組みにより、グローバルガバナンスを強化し、グローバル市場に精通した人材の知見や経験を迅速にグローバル持株会社のマネジメントに取り入れ、NTTグループ全体のグローバル市場における競争力強化と収益性の向上をめざします。
国内事業については、主要各社に設置しているCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を中心に、デジタル化施策を推進します。自らの業務プロセスについて、AIやRPA(Robotic Process Automation)等を活用し、デジタル化することで効率化を図るとともに、社外の協力会社も含めた業務プロセスにおいて、人手を介さないスマートなオペレーションを実現します。また、自らのデジタル化によって、法人向けにはICTリソースを一元的かつ最適に管理できるソリューションを、個人向けにはデジタルマーケティングを活用したパーソナルソリューション等新たなサービスを実現します。
○ 人・技術・資産の活用
現在創設の準備を進めている街づくり事業推進会社を中心に、NTTグループが持つ不動産やICT・エネルギー・環境技術等を最大限活用し、従来の不動産開発にとどまらない新たな街づくり事業を推進します。また、新たなエネルギーソリューションを迅速に提供するため、エネルギー事業推進会社を設立し、サービス開発・提供・運用リソースの最適化等を進め、ICTを活用したスマートエネルギー事業を推進します。
さらに、地域密着の営業体制、最新技術、設備・拠点といった経営資源を活かし、自治体等、様々なパートナーとのコラボレーションを通じて、行政・生活サービスの充実、地場産業の活性化を支援します。
また、災害対策においては通信インフラの更なる強化、AIを駆使した被災予測による初動強化、災害時の情報発信の更なる改善等に取り組み、安心・安全なICT基盤の確保に引き続き注力します。
○ ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上
ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を通じて社会的課題を解決し、持続的な企業価値の向上をめざします。ESG経営の観点で特に優先度の高いマテリアリティ(重要課題)として「環境負荷の低減」「セキュリティの強化」「多様な人材の活用」「災害対策の強化」「持続的成長に向けたガバナンス強化」を設定し、事業機会を拡大するとともに、事業リスクを最小化することに努めます。
そのほか、ネットワークの高い安定性と信頼性の確保に向けて、日々のネットワーク運用のノウハウ蓄積等を通じて、一層の安心・安全なサービス提供に努めます。
また、配当については継続的な増配の実施を基本的な考えとし、自己株式の取得についても機動的に実施することで、資本効率の向上を図ります。
《基盤的研究開発等の推進》
様々な研究機関との共同研究の強化、社外の最新技術の積極的な活用を行うとともに、新たな成長領域への研究投資の拡大を図ります。
さらに、海外拠点の基礎研究を強化することで、研究開発のグローバル化に努めます。具体的には、海外に、量子計算科学、暗号情報理論、生体情報処理の3つの研究所を擁する研究拠点を設立し、研究開発成果のグローバル展開や研究ターゲットのグローバル化を推進します。