有価証券報告書-第13期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、株式公開企業として、資本市場における企業価値の最大化をコーポレート・ガバナンスの基本目標と考えております。そのためには、株主の皆様や当社グループのサービス対象であるお客様をはじめ、取引先、社員、地域社会等の当社グループを取り巻く利害関係者(ステークホルダー)との良好な関係を築くとともに、法令遵守に基づく企業倫理の重要性を認識し、変動する社会、経済環境に対応した迅速な経営意思の決定と、経営の健全性の向上を図ることを、経営上最も重要な課題の一つとして位置付けております。
こうした考えの下、2007年4月の会社設立以来、複数名の社外取締役を選任し、取締役会の諮問機関として任意の組織である指名報酬委員会を設置するなど、放送と通信という公共性の高い事業を展開する企業グループとして、経営の透明性・健全性の確保・向上に取り組んでおります。2015年度からは、東京証券取引所が定める独立役員の要件に加え、当社独自の独立性判断基準を新たに策定しております。
また、株主や投資家の皆様へは迅速かつ正確な情報開示に努めるとともに、幅広い情報公開により、経営の透明性を高めてまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
・取締役及び取締役会
当社の取締役会は、11名(男性10名・女性1名)で構成され、うち常勤6名・非常勤5名(うち5名は社外取締役)であります。取締役会は、原則1ヶ月毎及び必要に応じて臨時に開催し、当社案件及び子会社における重要案件も含めて重要な業務執行について審議・決定し、また重要な発生事実等についても各社からの報告により情報の共有を行っております。また、企業経営者としての経験等が豊富である社外取締役5名の選任は、当社の取締役会における多面的な議論展開を可能とし、当社グループのガバナンスの実効性を高めるものと考えております。なお、2019年度の取締役会の出席率は97.7%となっております。
・監査役会
当社は、監査役4名(うち常勤2名)で構成される監査役会を設置しており、4名全員が社外監査役であります。監査役は、取締役会及び経営会議等重要会議に出席し、積極的に意見陳述を行うとともに、年間監査役監査計画に基づき、各部や子会社の調査を行い、取締役の業務執行を監査することとしております。
・経営会議
当社は、代表取締役社長の決裁を支援する目的で、業務執行における諮問機関として常勤取締役6名で構成される経営会議を設置しております。経営会議は必要に応じて開催し、当社及び子会社の業務執行に関わる重要事項について協議するとともに、子会社の営業状況の進捗を管理するなど、情報共有とグループガバナンスの一助としています。
・指名報酬委員会
当社は、取締役会の諮問機関としてその過半数が社外取締役をもって構成され、社外取締役を委員長とする指名報酬委員会を設置しております。委員の任期は1年としており、2020年6月末時点の委員は、中谷巌社外取締役(委員長)、飯島一暢取締役、藤原洋社外取締役、大賀公子社外取締役、米倉英一代表取締役社長の5名です。なお、委員会運営にあたり事務局を設置しております。
同委員会では、役員候補者の推薦、代表取締役及び役付取締役の推薦、役員報酬案や役員報酬制度のあり方並びにこれらに関連する事項について審議し、独立性のある答申を行っております。また、同委員会で取り扱う審議事項に関連するコーポレート・ガバナンスの課題への対応の検討、運用状況のモニタリングも行っております。
なお、同委員会は、2019年7月から2020年6月までの間に9回開催し、同期間における委員の出席率は100%となっております。
当社は監査役会設置会社として、監査役による経営監視を十分機能させることで、監視・監督機能の充実と経営の透明性、健全性を確保しております。また、監査役による経営監視を主軸とした企業統治体制に加えて、取締役会による経営監督の実効性と経営の透明性、健全性を強化・向上させることを目的に、取締役会の諮問機関として指名報酬委員会を任意で設置しております。
③ その他の企業統治に関する事項
a. 内部統制システム、リスク管理体制、子会社の業務の適正性を確保するための体制等の整備の状況
・取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1) 「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、取締役及び使用人が法令等(定款・社内規程・企業倫理含む)を遵守(以下「コンプライアンス」という)した行動をとるため、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範を定める。
2) コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会及びその事務局としてコンプライアンス推進事務局を設置する。委員長は、コンプライアンス委員会に、コンプライアンスを社内に定着させていくための仕組み(以下「コンプライアンスプログラム」という)に関する事項及びコンプライアンス上の問題等、コンプライアンスに関わる事項を付議し、審議結果を取締役会に適宜報告する。
3) コンプライアンスを社内に定着させていくため、全社のコンプライアンスプログラムの維持・管理及びコンプライアンスプログラムに関わる取締役及び使用人への教育・研修等を行う。
4) 内部監査部門により、コンプライアンスの状況を監査する。
5) 当社の事業活動又は取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に通報・相談するシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備する。
6) 市民生活の秩序や安全に脅威を与える反社会的な団体・個人に対する一切の関係を遮断し、名目に関わらずいかなる利益の供与も防止する体制を整備する。
・取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
1) 情報の保存及び管理に関する規程を定め、取締役会の職務執行に係る情報については、当該規程に基づき、その保存媒体に応じて安全かつ検索性の高い状態で保存・管理する。
2) 取締役又は監査役から閲覧の要請があった場合、速やかに、本社において閲覧が可能となる場所に保管する。
3) 情報セキュリティ基本方針及びその他情報セキュリティ関連規程に従い、情報セキュリティに関する社内周知徹底を図るとともに、各種情報資産への脅威が発生しないよう適切な体制を整備する。
・損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1) 業務執行に係るリスクを総合的に認識・評価し適切なリスク対応を行うために、リスクマネジメント規程を定め、全社的なリスク管理体制を整備する。
2) リスク管理の実効性を確保するため、リスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置する。
3) リスクマネジメント委員会は、リスク管理の方針の決定、リスク管理に係わるリスクの評価及びリスクの予防措置の検討等を行うとともに、個別事案の検証を通じて、全社的なリスク管理体制の整備を図る。
4) 不測の事態が発生した場合の手続きを含む危機管理体制を整備し、迅速かつ適正な対応を行い、損害の拡大を防止し、被害を最小限に止める。
5) 内部監査部門により、リスク管理の状況を監査する。
6) リスクマネジメント統括責任者が、リスク管理の状況等につき、取締役会に適宜報告する。
・取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1) 取締役会を月1回(定時)開催するほか、必要に応じて臨時に開催する。また、決裁に関する職務権限規程において、社長決裁等の決裁権限を定め、必要に応じて社長決裁を行うための諮問機関である経営会議にて審議の上、執行決定を行う。
2) 取締役の職務分担を明確にし、当該担当業務の執行については、組織及び業務分掌に関する規程において各部門の業務分担を明確にするとともに、その責任者を定め、適正かつ効率的に職務が行われる体制を確保する。
・財務報告の適正を確保するための体制
当社グループの連結財務報告の適正を確保するため、当社及び対象子会社に、信頼性を確保するためのシステム及び継続的にモニタリングするための体制(財務報告に係る内部統制)を整備し運用する。
・当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
1) 子会社の経営理念を尊重しつつ、関係会社管理規程に基づき、取締役の職務執行の一定の事項(内部統制に係る事項を含むがこれらに限らない。)について子会社に報告を求めるとともに、各種連絡会・協議会等を設置し、積極的な情報共有を図り、子会社の経営管理を行う。また、効率的なグループファイナンス(キャッシュ・マネジメント・システム)導入等により、経営の効率化を確保する。
2) 「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」、並びに、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範に基づき、子会社と一体となったコンプライアンスの推進を行うものとする。また、各子会社において、当社に準拠したコンプライアンスプログラムを整備し、コンプライアンスの周知・徹底及び推進のための教育・研修を支援する。
3) 各子会社からの通報・相談を受け付けるシステムとして当社グループの「コンプライアンスヘルプライン」を整備する。
4) 取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制、並びに、損失の危険の管理に関する規程その他の体制等を整備するにあたり、リスクマネジメント委員会において子会社のリスク管理方針の決定や子会社の個別事案の検証を実施する等、子会社と一体となった体制整備を行うほか、子会社の規模・業態等に応じて、子会社における体制整備を支援する。
5) 内部監査部門により、子会社に対する内部監査を実施し、その結果を当社及び当該子会社の取締役に報告する。
・監査役を補助する使用人の体制並びにその補助する使用人の独立性及び当該使用人に対する指示の実効性を確保するための体制
1) 内部監査部門が必要に応じて監査役の監査を補助する旨、職務分掌で明確化する。
2) 内部監査部門の監査役の職務を補助する使用人は、監査役からの要請に関して、取締役及び上長等の指揮・命令を受けないものとする。また、当該使用人の人事異動、人事評価及び懲戒処分は、監査役の同意を得なければならない。
・取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
1) 取締役及び使用人が監査役に報告すべき事項、監査役が出席する会議体、監査役が閲覧する書類等を明確に定め、取締役及び使用人に対して周知徹底を図る。
2) 上記にかかわらず、監査役が、必要に応じていつでも、取締役及び使用人に対して報告を求め、重要と思われる会議に出席し、また、書類の提示を求めることができるものとする。
3) 監査役が子会社の監査役との定期的な情報交換を行うことができる体制を整備する。また、内部監査部門により、監査役に対し子会社の監査結果の報告を行う。
4) 当社グループの「コンプライアンスヘルプライン」の内部通報状況について、遅滞なく監査役に報告する。
5) 内部通報に関する規程において、当社グループの「コンプライアンスヘルプライン」への通報内容が監査役へ報告されたことを理由として、当該報告を行った当社グループの取締役及び使用人に不利な取扱いが行われないことを確保する。
・その他監査役監査が実効的に行われることを確保するための体制
1) 代表取締役社長は、監査役と相互の意思疎通を図るための定期的な会合をもつこととする。
2) 内部監査部門は、内部監査の計画及び結果の報告を監査役に対しても、定期的及び必要に応じ随時行い、相互の連係を図る。
3) 監査役の必要に応じて、弁護士、その他外部の専門家に相談ができる体制を確保し、当該相談に要する費用その他監査に係る諸費用について、監査の実行を担保するべく予算を確保する。
b. 内部統制システム、リスク管理体制、子会社の業務の適正性を確保するための体制等の運用状況
・法令遵守体制
1) グループ会社を含む四半期毎のコンプライアンス委員会の開催、全役職員を対象としたeラーニング等による教育研修や関連法令情報の随時提供等を実施しております。
2) 取締役等の関与が疑われる通報案件については、業務執行ラインを通さず直接常勤監査役に報告する「コンプライアンスヘルプライン」を確保し、運用をしております。
・情報保存管理体制
1) 取締役会資料及び議事録等の重要書類は、必要の都度閲覧可能な状態に保ち、かつ、セキュリティの高いサーバに格納する等適切に管理しております。
2) ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証及びプライバシーマークを取得し、情報管理に関するPDCAを運用しております。
・損失危険管理体制
1) 当社グループにおけるリスク管理体制の強化を目的としたリスクマネジメント委員会を4回開催し、当該委員会が主体となり、重要リスクへの対策を強化し、実効性のある管理体制の整備・運用に取り組んでおります。
2) 事業継続のためにBCP(事業継続計画)を策定し、複数回に亘る訓練を実施し、継続的に改善を行っております。
・効率的職務執行体制
1) 取締役会規程に基づき、取締役会を15回開催し、重要事項につき審議・決定したほか、主要部門を担当する取締役等から業務執行につき報告を受けております。
2) 決裁に関する職務権限規程におきまして、社長決裁等の決裁権限を定め、経営会議規程に基づき社長決裁を行うための諮問機関である経営会議を23回開催し、効率的に審議・執行決定を行っております。
・財務報告の適正を確保するための体制
連結財務報告の信頼性確保のため、当社はグループ会社を金商法内部統制(J-SOX)の対象として、内部統制文書を作成し、毎年整備・運用状況を評価しております。
・企業集団内部統制
1) 当社は、グループ会社に対して、関係会社管理規程及びスカパーJSATグループコンプライアンス基本規程並びにグループ役職員行動規範を遵守するよう求めております。また、グループ会社が当該規程等を遵守して業務を実施しているかの確認を行い、課題がある場合には改善するよう求めております。
2) 当社は、グループ会社から経営会議等において、財務・決算、人員情報、リスクマネジメント等各種重要事項について定期的に報告を受けております。
3) 当社の内部監査部門が当社を含むグループ会社の監査を定期的に実施しており、その結果を代表取締役社長及び監査役に報告しております。
4) 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)対処すべき課題」に記載のとおり、当社の連結子会社である株式会社エンルートは、過年度において公的資金を不適切に受給していたこと及び消防用耐火型ドローン開発のプレスリリースについて当時の実証実験では性能面の確認・検証が十分ではなかったことが当事業年度において判明したことから、既に受給した助成金等の公的資金の一部返還等を行うとともに、当該プレスリリースの取下げを行いました。当社グループは、かかる事実を厳粛に受け止め、公的資金受給案件の適切な対応を確実に行うための規程の整備や運用体制の構築といった改革が必要であるとの認識の下、ガバナンスの強化、コンプライアンス意識の醸成・浸透を図るべく、ガバナンス及び統制手続の強化、コンプライアンスの強化、グループ内部監査の強化等の各種再発防止策を検討・実施いたしました。今後も引き続き再発防止に向けてグループ一丸となって取り組んでまいります。
・監査役監査体制
1) 監査役は取締役会、経営会議、内部統制委員会、リスクマネジメント委員会等、各種重要会議に出席し、適宜意見を述べております。
2) 監査役は代表取締役と四半期毎に意見交換等を行っております。また、内部監査部門等の監査報告や内部通報の状況は適宜監査役に報告されております。
3) 監査役の職務を補助する使用人は3名任命されており、監査役から補助使用人への指揮命令権等の不当な制限を禁止しております。
4) 監査役監査において費用等の使用に障害はなく、監査役監査の実効性を妨げるような支障が生じないよう努めております。
c. 取締役、監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、定款において、任務を怠ったことによる取締役、監査役(取締役、監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定めております。また、当社は会社法第427条第1項の規定に基づき、定款第26条第2項及び第35条第2項で取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役の責任限定契約に関して規定しております。これは、取締役及び監査役が職務遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするためであります。当社が取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役と締結した責任限定契約の内容の概要は以下のとおりであります。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、10百万円または法令が規定する額のいずれか高い額としております。
d. 取締役の定数
当社の取締役は16名以内にする旨定款に定めております。
e. 取締役の選任の要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款で定めております。
f. 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によっては定めず、取締役会の決議によって定める旨を定款で定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主の皆様への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
g. 株主総会特別決議要件の内容
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、株式公開企業として、資本市場における企業価値の最大化をコーポレート・ガバナンスの基本目標と考えております。そのためには、株主の皆様や当社グループのサービス対象であるお客様をはじめ、取引先、社員、地域社会等の当社グループを取り巻く利害関係者(ステークホルダー)との良好な関係を築くとともに、法令遵守に基づく企業倫理の重要性を認識し、変動する社会、経済環境に対応した迅速な経営意思の決定と、経営の健全性の向上を図ることを、経営上最も重要な課題の一つとして位置付けております。
こうした考えの下、2007年4月の会社設立以来、複数名の社外取締役を選任し、取締役会の諮問機関として任意の組織である指名報酬委員会を設置するなど、放送と通信という公共性の高い事業を展開する企業グループとして、経営の透明性・健全性の確保・向上に取り組んでおります。2015年度からは、東京証券取引所が定める独立役員の要件に加え、当社独自の独立性判断基準を新たに策定しております。
また、株主や投資家の皆様へは迅速かつ正確な情報開示に努めるとともに、幅広い情報公開により、経営の透明性を高めてまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
・取締役及び取締役会
当社の取締役会は、11名(男性10名・女性1名)で構成され、うち常勤6名・非常勤5名(うち5名は社外取締役)であります。取締役会は、原則1ヶ月毎及び必要に応じて臨時に開催し、当社案件及び子会社における重要案件も含めて重要な業務執行について審議・決定し、また重要な発生事実等についても各社からの報告により情報の共有を行っております。また、企業経営者としての経験等が豊富である社外取締役5名の選任は、当社の取締役会における多面的な議論展開を可能とし、当社グループのガバナンスの実効性を高めるものと考えております。なお、2019年度の取締役会の出席率は97.7%となっております。
・監査役会
当社は、監査役4名(うち常勤2名)で構成される監査役会を設置しており、4名全員が社外監査役であります。監査役は、取締役会及び経営会議等重要会議に出席し、積極的に意見陳述を行うとともに、年間監査役監査計画に基づき、各部や子会社の調査を行い、取締役の業務執行を監査することとしております。
・経営会議
当社は、代表取締役社長の決裁を支援する目的で、業務執行における諮問機関として常勤取締役6名で構成される経営会議を設置しております。経営会議は必要に応じて開催し、当社及び子会社の業務執行に関わる重要事項について協議するとともに、子会社の営業状況の進捗を管理するなど、情報共有とグループガバナンスの一助としています。
・指名報酬委員会
当社は、取締役会の諮問機関としてその過半数が社外取締役をもって構成され、社外取締役を委員長とする指名報酬委員会を設置しております。委員の任期は1年としており、2020年6月末時点の委員は、中谷巌社外取締役(委員長)、飯島一暢取締役、藤原洋社外取締役、大賀公子社外取締役、米倉英一代表取締役社長の5名です。なお、委員会運営にあたり事務局を設置しております。
同委員会では、役員候補者の推薦、代表取締役及び役付取締役の推薦、役員報酬案や役員報酬制度のあり方並びにこれらに関連する事項について審議し、独立性のある答申を行っております。また、同委員会で取り扱う審議事項に関連するコーポレート・ガバナンスの課題への対応の検討、運用状況のモニタリングも行っております。
なお、同委員会は、2019年7月から2020年6月までの間に9回開催し、同期間における委員の出席率は100%となっております。
当社は監査役会設置会社として、監査役による経営監視を十分機能させることで、監視・監督機能の充実と経営の透明性、健全性を確保しております。また、監査役による経営監視を主軸とした企業統治体制に加えて、取締役会による経営監督の実効性と経営の透明性、健全性を強化・向上させることを目的に、取締役会の諮問機関として指名報酬委員会を任意で設置しております。
③ その他の企業統治に関する事項
a. 内部統制システム、リスク管理体制、子会社の業務の適正性を確保するための体制等の整備の状況
・取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1) 「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、取締役及び使用人が法令等(定款・社内規程・企業倫理含む)を遵守(以下「コンプライアンス」という)した行動をとるため、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範を定める。
2) コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会及びその事務局としてコンプライアンス推進事務局を設置する。委員長は、コンプライアンス委員会に、コンプライアンスを社内に定着させていくための仕組み(以下「コンプライアンスプログラム」という)に関する事項及びコンプライアンス上の問題等、コンプライアンスに関わる事項を付議し、審議結果を取締役会に適宜報告する。
3) コンプライアンスを社内に定着させていくため、全社のコンプライアンスプログラムの維持・管理及びコンプライアンスプログラムに関わる取締役及び使用人への教育・研修等を行う。
4) 内部監査部門により、コンプライアンスの状況を監査する。
5) 当社の事業活動又は取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に通報・相談するシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備する。
6) 市民生活の秩序や安全に脅威を与える反社会的な団体・個人に対する一切の関係を遮断し、名目に関わらずいかなる利益の供与も防止する体制を整備する。
・取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
1) 情報の保存及び管理に関する規程を定め、取締役会の職務執行に係る情報については、当該規程に基づき、その保存媒体に応じて安全かつ検索性の高い状態で保存・管理する。
2) 取締役又は監査役から閲覧の要請があった場合、速やかに、本社において閲覧が可能となる場所に保管する。
3) 情報セキュリティ基本方針及びその他情報セキュリティ関連規程に従い、情報セキュリティに関する社内周知徹底を図るとともに、各種情報資産への脅威が発生しないよう適切な体制を整備する。
・損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1) 業務執行に係るリスクを総合的に認識・評価し適切なリスク対応を行うために、リスクマネジメント規程を定め、全社的なリスク管理体制を整備する。
2) リスク管理の実効性を確保するため、リスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置する。
3) リスクマネジメント委員会は、リスク管理の方針の決定、リスク管理に係わるリスクの評価及びリスクの予防措置の検討等を行うとともに、個別事案の検証を通じて、全社的なリスク管理体制の整備を図る。
4) 不測の事態が発生した場合の手続きを含む危機管理体制を整備し、迅速かつ適正な対応を行い、損害の拡大を防止し、被害を最小限に止める。
5) 内部監査部門により、リスク管理の状況を監査する。
6) リスクマネジメント統括責任者が、リスク管理の状況等につき、取締役会に適宜報告する。
・取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1) 取締役会を月1回(定時)開催するほか、必要に応じて臨時に開催する。また、決裁に関する職務権限規程において、社長決裁等の決裁権限を定め、必要に応じて社長決裁を行うための諮問機関である経営会議にて審議の上、執行決定を行う。
2) 取締役の職務分担を明確にし、当該担当業務の執行については、組織及び業務分掌に関する規程において各部門の業務分担を明確にするとともに、その責任者を定め、適正かつ効率的に職務が行われる体制を確保する。
・財務報告の適正を確保するための体制
当社グループの連結財務報告の適正を確保するため、当社及び対象子会社に、信頼性を確保するためのシステム及び継続的にモニタリングするための体制(財務報告に係る内部統制)を整備し運用する。
・当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
1) 子会社の経営理念を尊重しつつ、関係会社管理規程に基づき、取締役の職務執行の一定の事項(内部統制に係る事項を含むがこれらに限らない。)について子会社に報告を求めるとともに、各種連絡会・協議会等を設置し、積極的な情報共有を図り、子会社の経営管理を行う。また、効率的なグループファイナンス(キャッシュ・マネジメント・システム)導入等により、経営の効率化を確保する。
2) 「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」、並びに、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範に基づき、子会社と一体となったコンプライアンスの推進を行うものとする。また、各子会社において、当社に準拠したコンプライアンスプログラムを整備し、コンプライアンスの周知・徹底及び推進のための教育・研修を支援する。
3) 各子会社からの通報・相談を受け付けるシステムとして当社グループの「コンプライアンスヘルプライン」を整備する。
4) 取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制、並びに、損失の危険の管理に関する規程その他の体制等を整備するにあたり、リスクマネジメント委員会において子会社のリスク管理方針の決定や子会社の個別事案の検証を実施する等、子会社と一体となった体制整備を行うほか、子会社の規模・業態等に応じて、子会社における体制整備を支援する。
5) 内部監査部門により、子会社に対する内部監査を実施し、その結果を当社及び当該子会社の取締役に報告する。
・監査役を補助する使用人の体制並びにその補助する使用人の独立性及び当該使用人に対する指示の実効性を確保するための体制
1) 内部監査部門が必要に応じて監査役の監査を補助する旨、職務分掌で明確化する。
2) 内部監査部門の監査役の職務を補助する使用人は、監査役からの要請に関して、取締役及び上長等の指揮・命令を受けないものとする。また、当該使用人の人事異動、人事評価及び懲戒処分は、監査役の同意を得なければならない。
・取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
1) 取締役及び使用人が監査役に報告すべき事項、監査役が出席する会議体、監査役が閲覧する書類等を明確に定め、取締役及び使用人に対して周知徹底を図る。
2) 上記にかかわらず、監査役が、必要に応じていつでも、取締役及び使用人に対して報告を求め、重要と思われる会議に出席し、また、書類の提示を求めることができるものとする。
3) 監査役が子会社の監査役との定期的な情報交換を行うことができる体制を整備する。また、内部監査部門により、監査役に対し子会社の監査結果の報告を行う。
4) 当社グループの「コンプライアンスヘルプライン」の内部通報状況について、遅滞なく監査役に報告する。
5) 内部通報に関する規程において、当社グループの「コンプライアンスヘルプライン」への通報内容が監査役へ報告されたことを理由として、当該報告を行った当社グループの取締役及び使用人に不利な取扱いが行われないことを確保する。
・その他監査役監査が実効的に行われることを確保するための体制
1) 代表取締役社長は、監査役と相互の意思疎通を図るための定期的な会合をもつこととする。
2) 内部監査部門は、内部監査の計画及び結果の報告を監査役に対しても、定期的及び必要に応じ随時行い、相互の連係を図る。
3) 監査役の必要に応じて、弁護士、その他外部の専門家に相談ができる体制を確保し、当該相談に要する費用その他監査に係る諸費用について、監査の実行を担保するべく予算を確保する。
b. 内部統制システム、リスク管理体制、子会社の業務の適正性を確保するための体制等の運用状況
・法令遵守体制
1) グループ会社を含む四半期毎のコンプライアンス委員会の開催、全役職員を対象としたeラーニング等による教育研修や関連法令情報の随時提供等を実施しております。
2) 取締役等の関与が疑われる通報案件については、業務執行ラインを通さず直接常勤監査役に報告する「コンプライアンスヘルプライン」を確保し、運用をしております。
・情報保存管理体制
1) 取締役会資料及び議事録等の重要書類は、必要の都度閲覧可能な状態に保ち、かつ、セキュリティの高いサーバに格納する等適切に管理しております。
2) ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証及びプライバシーマークを取得し、情報管理に関するPDCAを運用しております。
・損失危険管理体制
1) 当社グループにおけるリスク管理体制の強化を目的としたリスクマネジメント委員会を4回開催し、当該委員会が主体となり、重要リスクへの対策を強化し、実効性のある管理体制の整備・運用に取り組んでおります。
2) 事業継続のためにBCP(事業継続計画)を策定し、複数回に亘る訓練を実施し、継続的に改善を行っております。
・効率的職務執行体制
1) 取締役会規程に基づき、取締役会を15回開催し、重要事項につき審議・決定したほか、主要部門を担当する取締役等から業務執行につき報告を受けております。
2) 決裁に関する職務権限規程におきまして、社長決裁等の決裁権限を定め、経営会議規程に基づき社長決裁を行うための諮問機関である経営会議を23回開催し、効率的に審議・執行決定を行っております。
・財務報告の適正を確保するための体制
連結財務報告の信頼性確保のため、当社はグループ会社を金商法内部統制(J-SOX)の対象として、内部統制文書を作成し、毎年整備・運用状況を評価しております。
・企業集団内部統制
1) 当社は、グループ会社に対して、関係会社管理規程及びスカパーJSATグループコンプライアンス基本規程並びにグループ役職員行動規範を遵守するよう求めております。また、グループ会社が当該規程等を遵守して業務を実施しているかの確認を行い、課題がある場合には改善するよう求めております。
2) 当社は、グループ会社から経営会議等において、財務・決算、人員情報、リスクマネジメント等各種重要事項について定期的に報告を受けております。
3) 当社の内部監査部門が当社を含むグループ会社の監査を定期的に実施しており、その結果を代表取締役社長及び監査役に報告しております。
4) 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)対処すべき課題」に記載のとおり、当社の連結子会社である株式会社エンルートは、過年度において公的資金を不適切に受給していたこと及び消防用耐火型ドローン開発のプレスリリースについて当時の実証実験では性能面の確認・検証が十分ではなかったことが当事業年度において判明したことから、既に受給した助成金等の公的資金の一部返還等を行うとともに、当該プレスリリースの取下げを行いました。当社グループは、かかる事実を厳粛に受け止め、公的資金受給案件の適切な対応を確実に行うための規程の整備や運用体制の構築といった改革が必要であるとの認識の下、ガバナンスの強化、コンプライアンス意識の醸成・浸透を図るべく、ガバナンス及び統制手続の強化、コンプライアンスの強化、グループ内部監査の強化等の各種再発防止策を検討・実施いたしました。今後も引き続き再発防止に向けてグループ一丸となって取り組んでまいります。
・監査役監査体制
1) 監査役は取締役会、経営会議、内部統制委員会、リスクマネジメント委員会等、各種重要会議に出席し、適宜意見を述べております。
2) 監査役は代表取締役と四半期毎に意見交換等を行っております。また、内部監査部門等の監査報告や内部通報の状況は適宜監査役に報告されております。
3) 監査役の職務を補助する使用人は3名任命されており、監査役から補助使用人への指揮命令権等の不当な制限を禁止しております。
4) 監査役監査において費用等の使用に障害はなく、監査役監査の実効性を妨げるような支障が生じないよう努めております。
c. 取締役、監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、定款において、任務を怠ったことによる取締役、監査役(取締役、監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定めております。また、当社は会社法第427条第1項の規定に基づき、定款第26条第2項及び第35条第2項で取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役の責任限定契約に関して規定しております。これは、取締役及び監査役が職務遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするためであります。当社が取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役と締結した責任限定契約の内容の概要は以下のとおりであります。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、10百万円または法令が規定する額のいずれか高い額としております。
d. 取締役の定数
当社の取締役は16名以内にする旨定款に定めております。
e. 取締役の選任の要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款で定めております。
f. 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によっては定めず、取締役会の決議によって定める旨を定款で定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主の皆様への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
g. 株主総会特別決議要件の内容
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。