有価証券報告書-第64期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 10:10
【資料】
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【項目】
125項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積もり
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の将来の見積もりについては、リスクや不確実性があることから、実際の結果はこれらの見積もりと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積もりに影響を及ぼすと考えております。
①建設中利子
当社は電気事業会計規則に基づいて、電気事業固定資産の建設のために充当した資金の利子で当該資産の使用開始前に属するものを、当該資産の建設価額に算入しています。算入される金額すなわち建設中利子額は、対象建設費の月積数に対象資金平均月利率を乗じて算出しています。対象資金は、当年度を含む過去3ヶ年に調達された自己資金及び借入資金としています。3ヶ年としているのは、電気事業固定資産の主要な工事が行われる期間という事実認識に基づいています。
②退職給付
従業員に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。前提条件には、割引率、将来の退職金ポイント累計、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。実際の算出結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響額は、数理計算上の差異として規則的に償却されます。
③有価証券の減損
当社が保有する有価証券は、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号(平成11年1月22日(企業会計審議会) 平成20年3月10日改正))に定めるその他有価証券としての株式が主なものです。市場価格のない株式の実質価額(※)が、帳簿価額に比べて50%以上下落した場合には、実質価額まで帳簿価額を減損処理することとしています。また、市場価格等の時価のある株式について期末時価が帳簿価額に比べて50%以上下落した場合、又は50%未満30%以上の下落が2事業年度以上継続した場合は、期末時価まで帳簿価額を減損処理することとしています。
※ 実質価額とは、各決算期までに入手可能な直近の財務諸表を使用し、資産等の時価評価基準に基づく評価差額等を加味して算定することを原則として、1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じたものをいいます。
ただし、この減損処理の条件に該当する場合においても、以下の事項に該当する場合は減損処理を実施しないことができることとしています。
・ 市場価格のない株式の場合は、実質価額が帳簿価額にほぼ近い水準にまで回復する見込みがあると合理的な根拠をもって証明できるもの
・ 時価のある株式については、期末日後1年以内に期末時価が帳簿価額にほぼ近い水準まで回復する見込みがあると合理的な根拠をもって証明できるもの
④ヘッジ会計
当社は、デリバティブ取引に関する社内規程に基づき、為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクを回避することを目的として取引を実施しており、投機的な取引は行わない方針です。社債、借入金、外貨建債権債務の一部及び商品価格の変動により影響を受ける取引の一部をヘッジ対象とし、外貨建債権債務に振当てたデリバティブ取引、金利スワップの特例処理の対象となる取引及び商品価格に関するスワップをヘッジ手段とする取引を行っています。上記ヘッジ対象については原則としてヘッジを行う方針ですが、一部取引についてはリスクの度合い等を勘案して個別に判断した結果、ヘッジを行わないことがあります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①営業収益
営業収益は、前連結会計年度に対し3.9%(294億円)増加の7,800億円となりました。
このうち電気事業営業収益は、前連結会計年度に対し2.9%(173億円)減少の5,708億円となりました。卸電気事業の水力の出水率が前連結会計年度を上回ったこと等による増収はあったものの、その他の電気事業の市原パワー㈱が連結の範囲から外れたこと等により減収となりました。
海外事業営業収益は、ノンセンガス火力発電所が期間を通して稼働したこと及びウタイガス火力発電所が営業運転を開始したこと等により、前連結会計年度に対し43.2%(470億円)増加の1,559億円となりました。
また、その他事業営業収益は、前連結会計年度に対し0.5%(2億円)減少の532億円となりました。
②営業費用及び営業利益
営業費用は、前連結会計年度に対し2.2%(149億円)増加の6,926億円となりました。
電気事業営業費用は、その他の電気事業の市原パワー㈱が連結の範囲から外れたこと等により、前連結会計年度に対し2.8%(145億円)減少の5,067億円となりました。
海外事業営業費用は、ノンセンガス火力発電所が期間を通して稼働したこと及びウタイガス火力発電所が営業運転を開始したこと等により、前連結会計年度に対し33.0%(326億円)増加の1,316億円となりました。
また、その他事業営業費用は、売上原価の減少等により、前連結会計年度に対し5.4%(31億円)減少の543億円となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に対し19.9%(145億円)増加の873億円となりました。
③営業外収益と費用及び当期経常利益
営業外収益は、持分法投資利益の減少等により、前連結会計年度に対し21.3%(48億円)減少の178億円となりました。
営業外費用は、為替差損の増加等により、前連結会計年度に対し30.3%(109億円)増加の472億円となりました。
この結果、当期経常利益は前連結会計年度に対し2.2%(13億円)減少の580億円となりました。
④税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、特別利益の減少等により、前連結会計年度に対し6.0%(36億円)減少の579億円となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等合計は前連結会計年度に対し2.0%(3億円)増加の177億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に対し8.1%(34億円)減少の397億円となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
①営業収益
○電気事業営業収益
当社の電気事業営業収益の大半は旧一般電気事業者や新電力といった小売電気事業者等からの販売電力料収入と一般送配電事業者からの託送料収入です。当社の販売電力量は、販売先である小売事電気業者等の電力需給動向により影響を受けるため、当社の電力量料金に係る収入は間接的に小売電力需要の影響を受けます。
(イ) 発電設備容量
当社は、発電施設建設にあたり、長期的な電力需要の見通し、市場競争の進展度合い等の想定されうる将来の事業環境を前提に、当該発電施設の収益性を判断し、開発計画を策定しております。想定以上の事業環境の変化により当社が期待する収益性を確保できない可能性はありますが、基本的には発電設備容量の増加が販売電力量及び販売電力料の増加に結びつきます。
(ロ) 電力需要
日本の最終電力需要の見通しによっては、長期的に当社が建設・運転可能な発電所数が左右されることになり、間接的に当社収益に影響します。短期的には当社火力発電所の発電量の多寡を通じ、営業収益に影響します。また、電力需要は冷夏・暖冬等の天候によっても影響を受けます。
(ハ) 電気料金等
発電事業に関する料金は、電気事業法の改正に伴い、平成28年4月より卸規制等が撤廃され、販売先との協議により決定しております。一方、送電事業に関する料金は、健全な送配電ネットワーク維持のため引き続き規制分野として原価主義を採用しており、送電事業で必要と想定される適正な原価に適正な利潤を加えて算定しております。
各料金の詳細な条件は契約当事者間で協議の上、適宜改定を行っています。また、料金の構成としては、揚水を除く水力発電設備及び火力発電設備については、基本料金と販売電力量に応じた従量料金としています。一方、揚水発電設備、送・変電設備については、全額を基本料金としております。
なお、火力発電設備の従量料金の大半を占める燃料費相当部分については、海外炭の価格動向など市況の変動が大きいため、販売先との間で燃料調達に係る市況の変動を適宜反映する仕組みを導入しております。
○海外事業営業収益
当社グループの海外事業営業収益の大半は、当社の連結子会社とタイ電力公社(EGAT)との長期電力販売契約に基づく販売電力量収入です。販売電力量収入には固定料金である基本料金収入と販売電力量に応じた電力量料金収入があります。当社の連結子会社の販売電力量は、販売先であるタイ電力公社の電力需給動向により影響を受けるため、当社の連結子会社の電力量料金に係る収入は間接的に電力需要の影響を受けます。
②営業費用
○電気事業営業費用
(イ) 減価償却費
重要な減価償却資産の減価償却の方法は、建物、構築物及び機械装置は定率法、その他は定額法によっています。今後、新たに大規模な設備が資産計上されると減価償却費も増加します。なお、平成28年度より、国内では主として定率法によっていた減価償却方法を、設備の利用実態をより適切に反映することを目的として、定額法へ変更することを予定しております。
(ロ) 燃料費
火力発電所の燃料に使用する石炭については、主として長期契約若しくは期間1年程度の契約により行っております。また、補完的にスポットでの調達も行っております。長期契約に基づく石炭の購入価格は、通常、1年に1回市場価格を踏まえて調整されます。当社の燃料費は、石炭の価格変動、輸送船舶の需給状況、燃料調達先の設備・操業トラブル等の影響を受けます。
(ハ) 人件費
従業員に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件(割引率、将来の退職金ポイント累計、退職率、死亡率、年金資産の期待運用収益率等)に基づき算出されていますが、実際の算出結果が前提条件と異なる場合、特に株価等市況が大きく変化し年金資産の実運用収益率が影響を受けた場合、数理計算上の差異が大きくなり、その償却により人件費が影響を受けます。
(ニ) 修繕費
設備信頼性を維持するため計画的な補修を実施しておりますが、定期点検の内容、規模等により修繕費は変動します。
○海外事業営業費用
燃料費
タイ国における火力発電に用いる燃料の天然ガスは、タイ石油公社(PTT)と長期燃料供給契約を締結し購入しております。当社の連結子会社の燃料費は、ガス価格の変動、PTTの設備・操業トラブル等の影響を受けます。
③営業外収益・費用
営業外費用には、支払利息のほか為替差損があり、金利及び為替の変動によって影響を受ける可能性があります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当社の主な資金需要は電気事業、海外事業への設備投資及び長期負債の借換資金です。
②設備投資
当連結会計年度の電気事業に係る設備投資は前連結会計年度より521億円増加の1,192億円、海外事業に係る設備投資は前連結会計年度より636億円減少の114億円です。
③有利子負債
国内外への投資資金需要により当連結会計年度末での有利子負債残高は1兆6,287億円となり、前連結会計年度末より948億円減少しました。
(イ) 短期有利子負債
当連結会計年度末の短期有利子負債は、1年以内に返済予定の長期借入金675億円、短期借入金280億円及び1年以内に償還予定の社債899億円等です。なお、1年以内に返済予定の長期借入金のうち113億円及び短期借入金のうち115億円はノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。
(ロ) 長期有利子負債
当連結会計年度末の長期有利子負債は、長期借入金8,672億円、社債5,750億円等です。なお、長期借入金のうち2,988億円はノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。
④流動性及び資金の源泉
(イ) 資金調達
当社の資金需要は設備投資と債務の借換に係るものが大半であり、資金調達は長期資金で手当てすることを原則としています。長期資金調達に際しては、低利かつ安定的な資金調達手段として普通社債の発行及び金融機関からの借入を行っており、当連結会計年度末の発行残高及び借入残高は、それぞれ6,650億円、9,347億円となっています。短期資金については、運転資金に加え、調達の即応性を高める観点から機動的なつなぎ資金調達を実施することとしており、これら短期の資金需要を満たすために1,000億円のコマーシャル・ペーパーの発行限度枠を設定しています。
(ロ) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度並みの1,461億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、竹原火力発電所新1号機リプレース計画による設備投資の増加はあったものの、タイ国プロジェクトへの設備投資の減少等により、前連結会計年度に対し113億円減少の1,315億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は新株の発行等による収入の増加がありましたが、社債・借入金による資金調達の減少等により、前連結会計年度の1,439億円の収入に対し886億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し764億円減少の1,599億円となりました。

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