有価証券報告書-第87期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
藤田観光グループでは、「健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献したいと願っております」を社是とし、これに基づいて具体的な指針となる経営指針および行動指針を定めております。
(2)経営環境及び会社の対処すべき課題
当社グループは、2015 年から2019 年までの5ヵ年の中期経営計画「FUJITA PREMIUM VALUE CREATION 2015」にて、Ⅰ.多様な顧客ニーズを捉えた既存事業の付加価値向上と拡大、Ⅱ.増加するインバウンドの誘客強化と海外展開、Ⅲ.働きがいがあり多様な人材が活躍できる職場作りを全体戦略として取り組んでまいりました。中間期となる2017年には計画の振り返りを行い、全体戦略については大きな変更はないものの、施策を見直し、計画数値を修正いたしました。しかしながら2018年および2019年は、継続的な婚礼事業の不芳や新規事業所の収益化が遅れたことなどに加えて、自然災害や日韓情勢の影響を受け、2期にわたり業績低迷が続き、十分な成果には至りませんでした。
今後の経営環境については、東京オリンピック・パラリンピック後の宿泊市場において、地域によっては供給過剰となることが懸念されており、ホテル事業者の優勝劣敗が鮮明になってくるとともに、多様化する消費者のライフスタイルへの適応力がより一層求められてくると考えております。さらに、頻発する異常気象など、より身近なものとなった環境問題に対して企業が問われる責任が増す一方で、そのような外部要因に影響を受けづらい強固な経営基盤を作ることも求められております。
このような状況をふまえ、10年先を見据えた長期ビジョンおよび2020年から2024年までの5ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。
●長期ビジョン
「みんなが笑顔になるために、ライフスタイルに寄り添うユニークな事業展開で、成長し続けます。」
当社グループでは、事業に関わる10年後の未来を想定したうえで、様々なステークホルダーとのエンゲージメントが強く求められる時代背景を考慮し、当社グループの「私たちは、健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献したいと願っております。」という社是の精神を具現化させるためには、社会のために企業が何を提供するのかについて明確かつ一貫したメッセージを発信する必要があると考えており、以下の3つの思いを込め、今回の長期ビジョンを設定いたしました。
① お客さまの人生の様々なシーンに寄り添うことで時代のニーズを汲み取る
② これまで培った歴史・文化・伝統を守りつつ新たな価値を加えることによって、事業をさらに進化・発展させていく
③ 仕事への価値観や働き方の多様化がさらに進む中、すべての従業員が自らの仕事に誇りと自信をもって、会社とともに成長し続けることで、お客さまの満足とすべてのステークホルダーの幸せに繋がる社会を目指していく
●中期経営計画 2020~2024 自己変革と挑戦
本中期経営計画の前半では「基盤強化」の段階と位置づけ投資が先行いたしますが、3年以内に構造改革を完了させ、4年目以降の収益拡大を目指してまいります。そのための主要戦略は以下のとおりです。
Ⅰ.販売・マーケティングのリエンジニアリング
お客さまの利便性を向上させるために、当社グループ顧客会員組織「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」をリニューアルするほか、自社のWEB予約システムの改修を行うことで顧客情報管理体制を再構築し、お客さまとの直接の繋がりを深めます。
Ⅱ.人材開発および生産性の向上
継続して取り組んでいる「多様な人材が活躍できる仕組みの構築」を行うとともに、働き方改革の第2ステージとして、働き方の“質” にもこだわってまいります。調理や接客など国内外に通用する高度専門能力の向上に取り組む一方で、会計システム等の刷新により間接部門のスリム化を含め高い生産性を追求し、収益力の抜本的な改善に全力を挙げます。
Ⅲ.『椿山荘』ブランド再生による、事業の再建
この数年間、婚礼の不芳および構造改革の遅れをきたしていた「ホテル椿山荘東京」の再建を本中期経営計画の主要戦略の一つと位置付け、品質向上を最優先に取り組み、ブランド価値を高めることによって、筋肉質な事業構造への変革を目指します。
Ⅳ.箱根小涌園再開発
箱根小涌園の再開発計画を始動させ、リゾート事業を当社グループにおける収益の柱の一つに育ててまいります。箱根小涌園全体の魅力をより高めるために2023年に「箱根ホテル小涌園」の跡地に新ホテルを開業することに加え、「箱根小涌園ユネッサン」を段階的に改装することで、「箱根小涌園 天悠」とともに、温泉・自然・食事・文化・体験を楽しめる複合リゾートへと生まれ変わります。
Ⅴ.宿泊事業の領域拡大
当社グループにおける収益力の中核であり、成長戦略を担ってきたWHG事業を中心に継続して新規展開を計画しており、当面はタビノス(TAVINOS)ブランドでの新規出店を主軸として、ワシントンホテルおよびホテルグレイスリーブランドでの展開可能な立地も探索いたします。
Ⅵ.SDGs(※)の推進
SDGsの推進については、取締役会の諮問機関として事業グループおよび本社各部門横断による委員会形式で活動を行ってまいりましたが、新たにCSR推進室の発展形として、社長執行役員直轄のSDGs推進室を設立し、エコ清掃や食品ロスの削減など取り組みを強化いたします。
(※)SDGs・・・Sustainable Development Goalsの略。持続可能な開発目標
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
本中期経営計画においては、以下のとおり数値目標を設定しております。
2年目となる2021年は、WHG事業の新規開業、箱根小涌園再開発、「椿山荘」ブランド再生による事業の再建および既存施設の維持補修に関わる設備投資を重点的に実施することにより費用が先行しますが、最終年度となる2024年には、WHG事業と箱根小涌園の新ホテル開業効果および「ホテル椿山荘東京」の業績向上により、収益拡大を見込みます。
なお、数値目標は2020年1月末時点において、「新型コロナウイルス肺炎」による中国からの訪日旅行需要の減少が3か月程度続くものと想定し設定しておりますが、今後の状況によっては異なる可能性があります。
また、本中期経営計画の進捗管理については、毎年の予算設定において、中期的な方向性、各事業課題に対する解決のための施策、達成までのロードマップの設定とその実行に重点をおいたうえで、3年程度先を想定した諸指標をガイドラインとして進捗管理し、事業環境の変化などに応じてローリングしてまいります。
なお、本中期経営計画につきましては、当社ホームページにて掲載しておりますので、ご覧ください。
(2020年度の各事業の重点的な取り組み)
WHG事業
国際政治情勢など外部要因による影響を少しでも受けづらい経営体質とするため、ワシントンホテルおよびホテルグレイスリーのビジネスモデルの見直しを行うことによって生産性向上による効率化を図り、さらに顧客管理体制の見直しにより売上高の拡大と収益性を高めます。また、昨年展開をスタートしたタビノス(TAVINOS)では、6月に2号店となる「ホテルタビノス浅草」(278室)を開業するほか、今後も京都・御徒町・東日本橋および浅草橋エリアでの開業を計画しており、ビジネスモデルとして確立させるとともに、上記2つのホテルブランドとあわせて国内外における事業展開を継続して推進いたします。
ラグジュアリー&バンケット事業
「ホテル椿山荘東京」では、東京オリンピック・パラリンピックがホテルの知名度・評判を世界に広める絶好の機会と捉えており、そのために品質向上を最優先に取り組んでおります。また、ブランド力の強化を図り、お客さまにわかりやすい商品戦略の展開と主要事業である婚礼・宴会事業の機能強化を進め、確実に利益を生み出していくための基盤づくりに注力いたします。
リゾート事業
2019年10月に発生した台風19号からの早期の復旧・復興は箱根エリア全体での願いであり、箱根小涌園も地域と一体となって取り組んでおります。さらに箱根小涌園の再開発計画を推進するため、2018年1月に営業を終了した「箱根ホテル小涌園」の解体に着手し、新ホテルの設計を進めてまいります。また「箱根小涌園 天悠」では、強みである温泉や国登録有形文化財の建物を活用したレストランでの食事などを通して、お客さまの満足度を追求するとともに、東京オリンピック・パラリンピックを契機にインバウンドの誘客をさらに強化いたします。「箱根小涌園ユネッサン」では、再開発の一環として貸切風呂を新設するほか、人気アニメコンテンツとのコラボレーションにより、箱根エリア全体の活性化に貢献してまいります。
(1)会社の経営の基本方針
藤田観光グループでは、「健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献したいと願っております」を社是とし、これに基づいて具体的な指針となる経営指針および行動指針を定めております。
(2)経営環境及び会社の対処すべき課題
当社グループは、2015 年から2019 年までの5ヵ年の中期経営計画「FUJITA PREMIUM VALUE CREATION 2015」にて、Ⅰ.多様な顧客ニーズを捉えた既存事業の付加価値向上と拡大、Ⅱ.増加するインバウンドの誘客強化と海外展開、Ⅲ.働きがいがあり多様な人材が活躍できる職場作りを全体戦略として取り組んでまいりました。中間期となる2017年には計画の振り返りを行い、全体戦略については大きな変更はないものの、施策を見直し、計画数値を修正いたしました。しかしながら2018年および2019年は、継続的な婚礼事業の不芳や新規事業所の収益化が遅れたことなどに加えて、自然災害や日韓情勢の影響を受け、2期にわたり業績低迷が続き、十分な成果には至りませんでした。
今後の経営環境については、東京オリンピック・パラリンピック後の宿泊市場において、地域によっては供給過剰となることが懸念されており、ホテル事業者の優勝劣敗が鮮明になってくるとともに、多様化する消費者のライフスタイルへの適応力がより一層求められてくると考えております。さらに、頻発する異常気象など、より身近なものとなった環境問題に対して企業が問われる責任が増す一方で、そのような外部要因に影響を受けづらい強固な経営基盤を作ることも求められております。
このような状況をふまえ、10年先を見据えた長期ビジョンおよび2020年から2024年までの5ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。
●長期ビジョン
「みんなが笑顔になるために、ライフスタイルに寄り添うユニークな事業展開で、成長し続けます。」
当社グループでは、事業に関わる10年後の未来を想定したうえで、様々なステークホルダーとのエンゲージメントが強く求められる時代背景を考慮し、当社グループの「私たちは、健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献したいと願っております。」という社是の精神を具現化させるためには、社会のために企業が何を提供するのかについて明確かつ一貫したメッセージを発信する必要があると考えており、以下の3つの思いを込め、今回の長期ビジョンを設定いたしました。
① お客さまの人生の様々なシーンに寄り添うことで時代のニーズを汲み取る
② これまで培った歴史・文化・伝統を守りつつ新たな価値を加えることによって、事業をさらに進化・発展させていく
③ 仕事への価値観や働き方の多様化がさらに進む中、すべての従業員が自らの仕事に誇りと自信をもって、会社とともに成長し続けることで、お客さまの満足とすべてのステークホルダーの幸せに繋がる社会を目指していく
●中期経営計画 2020~2024 自己変革と挑戦
本中期経営計画の前半では「基盤強化」の段階と位置づけ投資が先行いたしますが、3年以内に構造改革を完了させ、4年目以降の収益拡大を目指してまいります。そのための主要戦略は以下のとおりです。
Ⅰ.販売・マーケティングのリエンジニアリング
お客さまの利便性を向上させるために、当社グループ顧客会員組織「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」をリニューアルするほか、自社のWEB予約システムの改修を行うことで顧客情報管理体制を再構築し、お客さまとの直接の繋がりを深めます。
Ⅱ.人材開発および生産性の向上
継続して取り組んでいる「多様な人材が活躍できる仕組みの構築」を行うとともに、働き方改革の第2ステージとして、働き方の“質” にもこだわってまいります。調理や接客など国内外に通用する高度専門能力の向上に取り組む一方で、会計システム等の刷新により間接部門のスリム化を含め高い生産性を追求し、収益力の抜本的な改善に全力を挙げます。
Ⅲ.『椿山荘』ブランド再生による、事業の再建
この数年間、婚礼の不芳および構造改革の遅れをきたしていた「ホテル椿山荘東京」の再建を本中期経営計画の主要戦略の一つと位置付け、品質向上を最優先に取り組み、ブランド価値を高めることによって、筋肉質な事業構造への変革を目指します。
Ⅳ.箱根小涌園再開発
箱根小涌園の再開発計画を始動させ、リゾート事業を当社グループにおける収益の柱の一つに育ててまいります。箱根小涌園全体の魅力をより高めるために2023年に「箱根ホテル小涌園」の跡地に新ホテルを開業することに加え、「箱根小涌園ユネッサン」を段階的に改装することで、「箱根小涌園 天悠」とともに、温泉・自然・食事・文化・体験を楽しめる複合リゾートへと生まれ変わります。
Ⅴ.宿泊事業の領域拡大
当社グループにおける収益力の中核であり、成長戦略を担ってきたWHG事業を中心に継続して新規展開を計画しており、当面はタビノス(TAVINOS)ブランドでの新規出店を主軸として、ワシントンホテルおよびホテルグレイスリーブランドでの展開可能な立地も探索いたします。
Ⅵ.SDGs(※)の推進
SDGsの推進については、取締役会の諮問機関として事業グループおよび本社各部門横断による委員会形式で活動を行ってまいりましたが、新たにCSR推進室の発展形として、社長執行役員直轄のSDGs推進室を設立し、エコ清掃や食品ロスの削減など取り組みを強化いたします。
(※)SDGs・・・Sustainable Development Goalsの略。持続可能な開発目標
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
本中期経営計画においては、以下のとおり数値目標を設定しております。
| 2019年実績 | 2020年予想 | 2022年目標 | 2024年目標 | |
| 売上高 | 689億円 | 710億円 | 750億円 | 790億円 |
| 営業利益 | 2億円 | 6億円 | 20億円 | 40億円 |
| 営業利益率 | 0.4% | 0.8% | 2.7% | 5.0% |
| EBITDA(営業利益+減価償却費) | 52億円 | 57億円 | 75億円 | 95億円 |
| 経常利益 | 4億円 | 6億円 | 20億円 | 40億円 |
| ROE(当期純利益/自己資本) | - | 2024年度までに9%以上 | ||
| ROA(経常利益/総資産) | 0.4% | 2024年度までに4%以上 | ||
| 設備投資額 | 38億円 | 5年間累計で250億円 |
| フリー・キャッシュフロー | 14億円 | 5年間累計で100億円以上 | ||
| 有利子負債 | 444億円 | 2024年度までに360億円以下 | ||
| DEレシオ(有利子負債/自己資本) | 1.7倍 | 2024年度までに1.2倍以下 | ||
2年目となる2021年は、WHG事業の新規開業、箱根小涌園再開発、「椿山荘」ブランド再生による事業の再建および既存施設の維持補修に関わる設備投資を重点的に実施することにより費用が先行しますが、最終年度となる2024年には、WHG事業と箱根小涌園の新ホテル開業効果および「ホテル椿山荘東京」の業績向上により、収益拡大を見込みます。
なお、数値目標は2020年1月末時点において、「新型コロナウイルス肺炎」による中国からの訪日旅行需要の減少が3か月程度続くものと想定し設定しておりますが、今後の状況によっては異なる可能性があります。
また、本中期経営計画の進捗管理については、毎年の予算設定において、中期的な方向性、各事業課題に対する解決のための施策、達成までのロードマップの設定とその実行に重点をおいたうえで、3年程度先を想定した諸指標をガイドラインとして進捗管理し、事業環境の変化などに応じてローリングしてまいります。
なお、本中期経営計画につきましては、当社ホームページにて掲載しておりますので、ご覧ください。
(2020年度の各事業の重点的な取り組み)
WHG事業
国際政治情勢など外部要因による影響を少しでも受けづらい経営体質とするため、ワシントンホテルおよびホテルグレイスリーのビジネスモデルの見直しを行うことによって生産性向上による効率化を図り、さらに顧客管理体制の見直しにより売上高の拡大と収益性を高めます。また、昨年展開をスタートしたタビノス(TAVINOS)では、6月に2号店となる「ホテルタビノス浅草」(278室)を開業するほか、今後も京都・御徒町・東日本橋および浅草橋エリアでの開業を計画しており、ビジネスモデルとして確立させるとともに、上記2つのホテルブランドとあわせて国内外における事業展開を継続して推進いたします。
ラグジュアリー&バンケット事業
「ホテル椿山荘東京」では、東京オリンピック・パラリンピックがホテルの知名度・評判を世界に広める絶好の機会と捉えており、そのために品質向上を最優先に取り組んでおります。また、ブランド力の強化を図り、お客さまにわかりやすい商品戦略の展開と主要事業である婚礼・宴会事業の機能強化を進め、確実に利益を生み出していくための基盤づくりに注力いたします。
リゾート事業
2019年10月に発生した台風19号からの早期の復旧・復興は箱根エリア全体での願いであり、箱根小涌園も地域と一体となって取り組んでおります。さらに箱根小涌園の再開発計画を推進するため、2018年1月に営業を終了した「箱根ホテル小涌園」の解体に着手し、新ホテルの設計を進めてまいります。また「箱根小涌園 天悠」では、強みである温泉や国登録有形文化財の建物を活用したレストランでの食事などを通して、お客さまの満足度を追求するとともに、東京オリンピック・パラリンピックを契機にインバウンドの誘客をさらに強化いたします。「箱根小涌園ユネッサン」では、再開発の一環として貸切風呂を新設するほか、人気アニメコンテンツとのコラボレーションにより、箱根エリア全体の活性化に貢献してまいります。