有価証券報告書-第72期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/29 13:19
【資料】
PDFをみる
【項目】
99項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社が理念としております「環境にやさしいゴルフ場の維持」、「合理化・効率化・最適化を実現するマネージメント」等の経営方針に基づいて事業運営を進めて参ります。
最良のコース及びグリーンコンディションを保つために、管理体制、管理方法の改善に努めて参ります。また、コースの維持管理に必要な農薬、肥料等の散布や松くい虫防除散布を実施する等、芝や松の病虫害に対して予防に努め、プレーの満足度を高めるコースづくりに対処すべく取り組んで参るとともに、農薬、肥料等の使用につきましては、近隣住民に充分なる配慮を行っていく所存です。
クラブハウス関係につきましては、会員及びゲストの皆様に快適で安心してご利用いただける環境づくり並びにサービス向上に努めて参ります。
(2) 経営環境
当社が運営しております古賀ゴルフ・クラブにつきましては、夏場の猛暑や秋のグリーンコンディション悪化といった影響もありましたが、コンペ開催件数の増加、提携クラブを含めたゲスト来場者の増加、同伴優待券の利用増加などの効果があり、前事業年度より多くのご利用を頂くことができました。この結果、年間来場者は対前事業年度比年656名増加の30,570名となりました。
収益の面では、来場者増加に伴うプレー収入の増加、レストラン単価を改定したことによるレストラン収入の増加、入会者数の増加による入会金収入の増加などがあり、当事業年度の収入は750,799千円(前年同期比62,168千円増)と大きく増加いたしました。
費用の面では、様々なコスト削減を行ったものの、待遇改善による人件費の増加や固定式送風機の新設や水源の確保などコース維持費の増加、70周年記念行事の開催などの経費増加がありました。
コースにつきましては、当事業年度は前事業年度の小雨から一変し、年間雨量が1,766㎜(平年比276㎜増)を記録するなど、一年を通じて降水量が多い年となりました。梅雨期には度重なる大雨に見舞われ、冠水や池の決壊などが発生いたしました。また、6月から8月にかけての平均気温が統計開始以来最も高く記録的な猛暑になったことに加え、初期対応の遅れもあって、8月下旬以降ベントグリーンの状態悪化が進み、回復に多大な時間を要しました。これまでに固定式送風機の新設や散水井戸やスプリンクラーの増設、排水設備に拡充などの設備投資を行ってきましたが、近年の高温下や渇水、ゲリラ豪雨など、年々激しさを増す気候変動に対応するため、今後さらにコース管理体制の強化を進めて対応し、更なるクオリティの向上を目指し、メンテナンスのレベルアップに努めて参ります。
レストランにつきましても、引き続き会員並びにゲストの皆様に喜んでいただけるよう、月替わりメニューの継続並びにレギュラーメニューのブラッシュアップに努めて参ります。
環境対策として、ガソリンエンジン式のキャディ立ち乗りカート20台を電動モーター式に入れ替えを実施することに加え、グリーンへの送風機の動力の一部を自家発電機から直流電源に変更することにより、排ガス抑制に努めました。更に、レストランのガラス面に断熱フィルムを貼り、消費電力の抑制に努めました。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び目標と経営指数、会社の優先的に対処すべき課題
当社の経営戦略としては、設備の保守・改良に重点をおきながら、設備管理とその資金調達に取組んでいく事が重要であると考えております。
その取り組みとして将来に向けて安定した経営体制を構築するため、当社自らゴルフ場経営を行うこととし、平成31年1月1日より「古賀ゴルフ株式会社」に商号変更し、古賀ゴルフ・クラブより重要な資産の譲受け及び負債の引受けを行いました。新たな事業内容は、ゴルフ場その他スポーツ施設の運営、レストラン営業及び付帯関連する一切の事業であります。会員組織である古賀ゴルフ・クラブとこれまで同様協力し、シンプルで分かり易い経営を目指し、将来に向けて安定して経営を行える体制の構築に努めて参ります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を講じながらも当面先行きが不透明ではありますが、御来場されるお客様が安心してプレーしていただける環境づくりに十分配慮して参ります。また、コスト削減と共に、各種対策を実施しながら黒字確保に努めて参ります。
このような中、「環境にやさしいゴルフ場の維持」という経営理念の下で、必要な設備投資を適切に行いながら、一方で財務の健全性を保つことに注力して参ります。目標とする経営指標について、具体的な項目の数値等はございませんが、中長期的な設備投資計画を実行していくための適切な当期利益額とキャッシュ・フローの確保を重視しております。
グリーンをはじめコースの維持管理体制及び管理方法を強化し、コースメンテナンスのレベルアップに尽力して参ります。また、過密になりすぎた松林の間伐を推進し、日照や風通しの改善を図り、芝地の健全な育成環境を整えて参りますと共に、松くい虫による松枯れにつきましても引き続き防除に努めて参ります。
財務面におきましては、適正な収支管理に努め、健全経営を目指して参ります。
環境問題につきましては、近隣住民に充分なる配慮を行い、古賀市、新宮町との交流を深めていく所存です。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、事業リスクの大きい事業の多角化戦略よりも、当社の設備や蓄積されたノウハウを最大限に活用しながら、既存事業の安定化を図っていく経営方針であります。
また、将来的な事業の成否は、設備環境の強化、改善が最大のポイントであると認識しており、この課題に常に最大限の力を注いで参ります。