有価証券報告書-第177期(2025/01/01-2025/12/31)
② 気候変動に対する戦略
「電通グループ環境方針」は気候変動がもたらす環境影響(資産やサプライチェーンへの物理的リスク、規制変更による事業運営の移行リスクなど)を軽減するための取組方針を定めております。その根底には、グローバルに事業を展開する当社グループの、世界各地の環境関連法規制の遵守に対する強い責任があります。本方針は、私たちの事業のパーパスである新しいソリューションの創造と、クライアントと社会の持続的な成長を支えるものであります。詳細は当社ウェブサイト「電通グループ環境方針」をご覧ください。
https://www.group.dentsu.com/jp/about-us/common/pdf/environmental-policy.pdf
1-1 事業及びバリューチェーン全体の気候リスク・機会の評価
当社グループでは、気候変動が短期・中期・長期的に当社グループの事業にインパクトを与えるものと想定し、クライアント、サプライヤー、生活者、その他の主要なステークホルダーに影響が及ぶ可能性があると考えております。このため、当社グループの性質、規模、複雑性に見合った方法で、入手可能な合理的かつ裏付け可能なあらゆる情報を用い、バリューチェーンの上流・下流へのインパクトも考慮して、①1.5℃目標に沿ったシナリオ(2050ネットゼロ排出)、②無秩序な移行シナリオ(移行遅延)、③物理的リスクが最も高いシナリオ(現行政策)、を気候シナリオとして気候リスクの評価を行っております。
採用したシナリオは以下の通りであります。
またシナリオ分析では、気候関連のリスクと機会が、以下の時間軸において電通グループの事業にどのようなインパクトを与えるかを検討しました。
・ 短期:2025~2029年。短期的な事業リスクと即時的な方針変更を想定。
・ 中期:2030~2039年。市場の期待の変化、生活者の行動の変化、技術革新、カーボンプライシング、当社グループのサプライチェーン全体における脱炭素化への取り組みなど、移行によるインパクトの多くが増大すると見込まれる期間を想定。
・ 長期:2040~2050年。経済の構造的な変化、物理的な気候リスク、事業環境を根本的に変える可能性のある抜本的な脱炭素化への軌道を想定。
下表は、さまざまな気候シナリオの下で、各気候リスクと機会に割り当てられた財務的インパクトと評価の結果をまとめたものであります。これらのインパクトと評価が、特に時間軸が短期(2025~2029年)から長期(2040~2050年)にどう変化するかについても示しております。
リスク/機会の区分:
事業及びバリューチェーン全体の気候リスク/機会の評価:
特定したリスクが電通グループのビジネスモデルに及ぼす影響及びリスクの詳細と、その緩和策については、電通グループ「気候関連レポート」をご覧ください。
https://www.group.dentsu.com/jp/sustainability/common/pdf/climate-related-report2025.pdf
1-2 ネットゼロ実現に向けた移行計画
上記のようなシナリオの元、2030価値創造戦略のKPIとなっているGHG排出量の削減と再生可能エネルギー使用比率100%を確実に達成するため、「ネットゼロ移行計画」を策定しております。今後はこの計画に則り、各地域・マーケットにおいて優先度の高い課題から順次実行に移していく予定であります。詳細は、電通グループ「ネットゼロ移行計画」をご覧ください。(https://www.group.dentsu.com/jp/sustainability/common/pdf/net-zero-transition-plan2025.pdf)
「電通グループ環境方針」は気候変動がもたらす環境影響(資産やサプライチェーンへの物理的リスク、規制変更による事業運営の移行リスクなど)を軽減するための取組方針を定めております。その根底には、グローバルに事業を展開する当社グループの、世界各地の環境関連法規制の遵守に対する強い責任があります。本方針は、私たちの事業のパーパスである新しいソリューションの創造と、クライアントと社会の持続的な成長を支えるものであります。詳細は当社ウェブサイト「電通グループ環境方針」をご覧ください。
https://www.group.dentsu.com/jp/about-us/common/pdf/environmental-policy.pdf
1-1 事業及びバリューチェーン全体の気候リスク・機会の評価
当社グループでは、気候変動が短期・中期・長期的に当社グループの事業にインパクトを与えるものと想定し、クライアント、サプライヤー、生活者、その他の主要なステークホルダーに影響が及ぶ可能性があると考えております。このため、当社グループの性質、規模、複雑性に見合った方法で、入手可能な合理的かつ裏付け可能なあらゆる情報を用い、バリューチェーンの上流・下流へのインパクトも考慮して、①1.5℃目標に沿ったシナリオ(2050ネットゼロ排出)、②無秩序な移行シナリオ(移行遅延)、③物理的リスクが最も高いシナリオ(現行政策)、を気候シナリオとして気候リスクの評価を行っております。
採用したシナリオは以下の通りであります。
| 物理的リスク | 移行リスクと機会 | |||
| 高炭素排出 シナリオ | IPCC SSP5-8.5 | 追加的な気候政策がなく、2100年までにCO2排出量が3倍になると想定した「現状維持」の軌道をたどる。今世紀末までに気温が3.8℃以上上昇する想定。 | 現行政策 シナリオ | 現在実施されている政策のみが保持される想定。今世紀末までに気温が3℃以上上昇し、大きな物理的気候リスクをもたらす。 |
| 中程度 炭素排出 シナリオ | 移行遅延 シナリオ | 2030年まで世界の年間排出量は減少しないと想定。2030年以降には、新たな気候政策が実施されるものの、現在実施されている政策がベースになるため、アクションのレベルは国や地域によって異なる。今世紀末までの気温上昇は2℃未満と想定。 | ||
| 低炭素排出 シナリオ | IPCC SSP1-2.6 | パリ協定に基づく現行の約束に沿って、2100年までの気温上昇は2℃以内に抑えられる。今世紀の後半にはネットゼロ排出になる。 | 2050ネットゼロ排出シナリオ | 厳しい気候政策、イノベーション、2050年までの温室効果ガス(GHG)ネットゼロ排出達成により、今世紀末までの世界全体の気温上昇が1.5℃以内に抑えられる。 |
またシナリオ分析では、気候関連のリスクと機会が、以下の時間軸において電通グループの事業にどのようなインパクトを与えるかを検討しました。
・ 短期:2025~2029年。短期的な事業リスクと即時的な方針変更を想定。
・ 中期:2030~2039年。市場の期待の変化、生活者の行動の変化、技術革新、カーボンプライシング、当社グループのサプライチェーン全体における脱炭素化への取り組みなど、移行によるインパクトの多くが増大すると見込まれる期間を想定。
・ 長期:2040~2050年。経済の構造的な変化、物理的な気候リスク、事業環境を根本的に変える可能性のある抜本的な脱炭素化への軌道を想定。
下表は、さまざまな気候シナリオの下で、各気候リスクと機会に割り当てられた財務的インパクトと評価の結果をまとめたものであります。これらのインパクトと評価が、特に時間軸が短期(2025~2029年)から長期(2040~2050年)にどう変化するかについても示しております。
リスク/機会の区分:
| 区分 | 財務的基準値 (調整後営業利益) | ||
| 極大 | 181億円超 | ||
| 大 | 91~181億円 | ||
| 中 | 45~91億円 | ||
| 小 | 18~45億円 | ||
| 軽微 | 18億円未満 |
事業及びバリューチェーン全体の気候リスク/機会の評価:
| 財務的インパクト(十億円) | |||||||||
| ネットゼロ (1.5℃) | 移行遅延 (2.0℃) | 現行政策 (3.0℃) | |||||||
| 短期(2025-2029年) | 中期(2030-2039年) | 長期(2040-2050年) | 短期(2025-2029年) | 中期(2030-2039年) | 長期(2040-2050年) | 短期(2025-2029年) | 中期(2030-2039年) | 長期(2040-2050年) | |
| 物理的リスク | |||||||||
| 長期的な気温の変化によるエネルギーコストの増加 | -0.01 | -0.02 | -0.03 | -0.01 | -0.03 | -0.06 | |||
| 従業員の就労能力に影響を及ぼす異常気象による収益の損失 | -0.25 | -0.91 | -1.61 | -0.37 | -1.36 | -2.98 | |||
| 移行リスク | |||||||||
| 世界経済の変動による収益の減少 | -1.6 | -4.9 | -5.7 | -1.5 | -6.5 | -9.2 | -1.5 | -6.1 | -13.6 |
| サステナビリティを軸とするサービスの需要を満たせない状況 | -0.2 | -0.5 | -0.7 | -0.2 | -0.5 | -0.6 | -0.2 | -0.4 | -0.5 |
| 生活者の行動の変化に対するクライアントの不適応 | -0.7 | -2.6 | -6.0 | -0.6 | -2.2 | -5.1 | -0.5 | -1.7 | -3.5 |
| 炭素税及び他の気候規制 コスト | -2.9 | -5.2 | -4.9 | -2.2 | -3.9 | -4.4 | -1.7 | -2.4 | -2.4 |
| 移行機会 | |||||||||
| 低炭素移行期における 新たな市場への参入 | 0.1 | 0.1 | 3.3 | 0.0 | 0.0 | 5.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| サービスの排出原単位を 減らす新しい技術の採用 | 0.0 | 9.3 | 0.0 | 0.0 | 4.3 | 0.0 | 0.0 | 3.1 | 3.2 |
特定したリスクが電通グループのビジネスモデルに及ぼす影響及びリスクの詳細と、その緩和策については、電通グループ「気候関連レポート」をご覧ください。
https://www.group.dentsu.com/jp/sustainability/common/pdf/climate-related-report2025.pdf
1-2 ネットゼロ実現に向けた移行計画
上記のようなシナリオの元、2030価値創造戦略のKPIとなっているGHG排出量の削減と再生可能エネルギー使用比率100%を確実に達成するため、「ネットゼロ移行計画」を策定しております。今後はこの計画に則り、各地域・マーケットにおいて優先度の高い課題から順次実行に移していく予定であります。詳細は、電通グループ「ネットゼロ移行計画」をご覧ください。(https://www.group.dentsu.com/jp/sustainability/common/pdf/net-zero-transition-plan2025.pdf)