四半期報告書-第49期第1四半期(平成26年10月1日-平成26年12月31日)
有報資料
Ⅰ 経営成績
株式会社TKCおよびその連結子会社等4社を含む連結グループの当第1四半期連結累計期間(以下、当第1四半期)における経営成績は、売上高が12,178百万円(前年同四半期連結累計期間比(以下、前期比)7.6%増)、営業利益は1,226百万円(前期比66.3%増)、経常利益は1,287百万円(前期比60.7%増)、四半期純利益は813百万円(前期比81.8%増)となりました。
当第1四半期の売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益は、前期実績を超える結果となりました。その主たる要因は、会計事務所事業および地方公共団体事業の両部門において、いずれもクラウドサービスの受注が順調に伸展しソフトウエアおよびシステム立ち上げに係る売上が増加したことによります。
当第1四半期における部門別の売上高等の推移は以下のとおりです。
1.当社グループの当第1四半期業績の推移
(1)会計事務所事業部門の売上高の推移
①会計事務所事業部門における売上高は8,866百万円(前期比0.5%減)、営業利益は1,171百万円(前期比15.6%増)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比0.8%減となりました。これは、中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」をはじめとするクラウドサービスの利用件数が伸展した一方で、これまで当社センターシステムで出力していた会計帳簿等を、会計事務所または関与先企業においても出力可能とする機能強化を図るとともに価格引き下げを行ったことによるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比7.1%増となりました。これは、FX4クラウドの利用件数が伸展し、これに伴うソフトウエアレンタル売上が増加したことによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比3.1%減となりました。これは、FX4クラウドについて、クライアント・サーバー型システムからクラウドサービスへの移行が伸展したことによりハードウエア保守料収入が減少していることによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比2.8%減となりました。これは、クラウドサービスへの移行の伸展によりサーバーの需要が減少したことと、前期においてはマイクロソフト社のWindowsXPのサポート終了や消費税増税によるパソコンのリプレース需要が高まりましたが、当期はこのような要因がないことによります。
(2)地方公共団体事業部門の売上高の推移
①地方公共団体事業部門における売上高は2,492百万円(前期比52.8%増)、営業利益は147百万円(前期は営業損失195百万円)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比11.7%増となりました。これは、衆議院解散総選挙に伴うセンター売上が増加したことによるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比97.5%増となりました。これは、番号制度開始に伴う住基システムの改修対応を行ったことなどによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比423.2%増となりました。これは、前期までに受注したTASKクラウドサービスの移行業務が一部団体で完了し、その導入支援に関する売上が増加したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比147.1%増となりました。これは、前期までに受注した顧客団体へのパソコン、サーバー等のハードウエア納入が完了したことによるものです。
(3)印刷事業部門(子会社:東京ラインプリンタ印刷株式会社)の売上高の推移
①印刷事業部門における売上高は818百万円(前期比4.8%増)、営業損失は95百万円(前期は営業損失82百万円)の業績となりました。
②データプリントサービス関連商品の売上高は、前期比20.8%増となりました。これは、衆議院解散総選挙関連商品や官公庁の大口入札案件等の受注が増加したことによるものです。
③ビジネスフォーム関連の売上高は、前期比6.4%減となりました。これは、前期獲得した大口定期帳票の受注が増えているものの、ビジネス帳票全体では需要減退が続いていることによるものです。
2.会計事務所事業部門の事業内容と経営成績
会計事務所事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第1項:「会計事務所の職域防衛と運命打開のため受託する計算センターの経営」)に基づいて、顧客である税理士または公認会計士(以下、TKC会員)が組織するTKC全国会(平成26年12月31日現在の会員数は1万800名)との密接な連携の下で事業を展開しています。
(注)TKC全国会については、『TKC全国会のすべて』またはTKCグループホームページ(http://www.tkc.jp/)をご覧ください。
(1)TKC全国会の活動について
①TKC全国会創設50周年(2021年)に向けての政策課題と戦略目標
TKC全国会では、「TKC全国会創設50周年に向けての政策課題と戦略目標」を掲げ、TKC会員事務所数の拡大と関与先企業数100万社を目指した戦略目標を設定するとともに、「中小企業の存続・発展の支援」に向けた積極的な取り組みを行っています。
その具体的な戦略目標は以下のとおりです。
1)TKC会員事務所数:1万超事務所
2)TKC会員事務所の税理士数:1万5,000人
3)K(継続MASシステムの徹底活用)・F(TKC自計化システムの普及)・S(税理士法第33条の2による「書面添付」の実践と「記帳適時性証明書」の決算書への積極的な添付と開示、「中小会計要領」の普及):各50万社
4)巡回監査士数:2万人
5)企業防衛加入関与先企業数:30万社
②TKC全国会の重点活動テーマ
TKC全国会では、平成26年1月17日に開催されたTKC全国会政策発表会において、戦略目標を実現するためのロードマップを発表し、統一行動テーマ「Chance,Change and Challenge 未来を拓く。TKC会計人の新成長戦略2021!」を掲げました。
このロードマップでは、創設50周年までの期間を3つに分け、その第1ステージとなる平成28年12月末までの具体的な活動を以下のとおり定めています。
1)会計指導力を強化し、企業の存続発展に貢献しよう
a.経営者の計数管理能力の向上を支援する(TKC自計化システムを活用)
b.関与先企業の業績管理体制の構築を支援する(継続MASシステムを活用)
c.巡回監査を通じて月次決算体制の構築を支援する(巡回監査支援システムを活用)
2)書面添付を推進し、税理士業務の完璧な履行を目指そう
a.書面添付実践事務所数を拡大する
b.書面添付実践件数を増やす
c.書面添付の記載内容の充実を図る
3)決算書の信頼性向上を図り、金融機関との連携を深めよう
a.「記帳適時性証明書」を決算書に添付する
b.税理士法第33条の2による書面を決算書に添付する
c.中小会計要領(または中小会計指針)に準拠した決算書を作成する
4)会員数の拡大活動に参画し、組織の活性化を図ろう
こうしたTKC全国会の活動は、当社が提供するシステムやサービスの活用が前提となっています。当社ではこれらTKC全国会の活動を支援し、中小企業の存続と発展に役立つコンピューター・サービス、ソフトウエアなどの開発・提供へ積極的に取り組んでいます。
(2)高まる税理士への社会からの期待
TKC全国会の活動の背景には、税理士が果たす役割に対して社会からの期待が高まっていることが挙げられます。
「中小企業の海外における商品の需要の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律(中小企業経営力強化支援法)」(平成24年8月30日施行)では、税理士・税理士法人等が中小企業への経営支援の担い手として公的な支援機関である「経営革新等支援機関」(以下、認定支援機関)に位置付けられました。
また、平成25年12月5日に公表された「経営者保証に関するガイドライン」(経営者保証に関するガイドライン研究会)でも、経営者に対して事業計画の作成や業績見通し、およびその進捗状況等の財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示等による経営の透明性の確保が求められ、信頼性向上の観点から「外部専門家(公認会計士・税理士等)」による検証とその結果を併せた開示が望ましいとされています。
(3)「TKC経営戦略2021」について
当社は、平成26年1月に「TKC経営戦略2021」を発表しました。これはTKC全国会の戦略目標達成を支援するため、当社が重点的に支援する項目を「TKC会員事務所数1万超事務所」と「TKC自計化システム50万社」の2つとし、その具体的な施策をまとめたものです。
当期においては、2つの支援項目に関連したTKC全国会のプロジェクトの活動期限が平成26年12月末であることから、この目標達成に向けた積極的な支援活動を行いました。
①「中堅企業自計化推進プロジェクト」への支援活動
当社では、TKC会員事務所の中堅優良関与先の離脱防止と関与先企業拡大の支援を目的として、年商5億~50億円規模の中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」を提供しています。
TKC全国会では、このFX4クラウドを活用した会計事務所のビジネスモデル確立を目的としてTKC全国会中堅企業自計化推進プロジェクトを設置しています。プロジェクトでは、FX4クラウド利用企業純増5,000社(期間:平成24年1月~26年12月)を目標として、TKC会員に対してその活用を推進してきました。
当社ではプロジェクトの指導の下、その目標達成を支援するためTKC会員事務所への推進活動を行うとともに、中堅企業に対するTKC会員事務所と連携した利用促進活動を行いました。その結果、純増数はプロジェクトの目標数を超え、平成26年12月31日現在の利用企業数は、6,200社となりました。
②「TKC会員事務所数1万超事務所」に向けた「プロジェクト9001」への支援活動
TKC全国会では、「TKC会員事務所数1万超事務所」を実現するため、平成26年12月31日までにTKC会員事務所を9,000事務所超とする計画を掲げ、「プロジェクト9001」として積極的な活動を展開してきました。
当社ではこうしたTKC全国会の活動と緊密に連携し、TKC会員から紹介を受けた未入会税理士への訪問活動を行うとともに、会計事務所経営セミナーやTKC会員事務所見学会を開催して入会促進を行いました。特に当期においては、11月20日に福岡で開催された「TKCニューメンバーズ・フォーラム2014」への参加促進とその後の入会促進に注力しました。フォーラムには約150名の未入会税理士が参加し、うち約60名が入会しました。
こうした活動の結果、当期の入会数は110名となり、平成26年12月31日現在でのTKC会員数は10,800、事務所数は9,000となりました。
③中小企業に対する自計化推進活動(「FX2」と「e21まいスター」の推進活動)
当社では、中小企業経営者が自社の経営状況をタイムリーに把握するとともに、経営改善計画の進捗状況の確認を支援する自計化システム「FX2」と「e21まいスター」の普及促進に注力しています。
当社ではこの普及促進策の一環として、会計帳簿等をTKC統合情報センターで印刷し陸送により会員事務所へ提供する方式に加え、新たにFX2およびe21まいスターからの印刷を選択することができる「制度会計タブ」サービスを開始しました。
これは、当社システムの「自社データセンターによるセキュアなデータ保管」や「TKC経営指標による同業他社比較」、「『記帳適時性証明書(会計帳簿作成の適時性〈会社法第432条〉と電子申告に関する証明書)』による決算書の信頼性向上」などの強みに、新たなサービスを提供することでFXシリーズの商品力を一段と強化することを目的としたものです。
また「制度会計タブ」サービスの提供に際し、これを選択した関与先企業分の処理料金を従来より引き下げました。これは会計事務所に対して、FXシリーズ利用による自計化推進のメリットを強化し、さらなる普及促進を図るために実施したものです。
こうした活動の結果、FXシリーズは、平成26年12月31日現在で約20万5,000社の関与先企業に利用されています。
(4)「TKC全国会7000プロジェクト」への支援活動
TKC全国会では、平成26年3月20日に開催されたTKC全国会正副会長会において、「認定支援機関による経営改善計画策定支援事業」へ積極的に取り組むことを決議しました。これは、認定支援機関として登録したTKC会員が関与先企業の経営改善計画策定を支援し、平成27年3月までに7,000件の利用申請の実施に取り組むものです。
当社では、同事業にまだ取り組んでいないTKC会員に対して積極的な参加を働きかけるとともに、「経営改善計画書」の策定に役立つ継続MASシステムの活用と、計画のモニタリングを支援するFXシリーズの利用を促進しました。
また、この支援事業への取り組みは税理士業界全体の課題と捉え、認定支援機関である未入会税理士に対してTKC会員の積極的な実践例やそのノウハウを紹介することでTKC全国会への入会促進を行いました。
(5)「適時・正確な記帳に基づく信頼性の高い決算書の作成を支援する」ための活動
①「記帳適時性証明書」の提供
当社では、TKC会員が作成する決算書の信頼性を高め、関与先企業の円滑な資金調達に貢献することを目的として、「記帳適時性証明書」を発行しています。これは、過去データの遡及的な訂正・加除の会計処理(追加・訂正・削除)を禁止する当社の「データセンター利用方式による財務会計処理」の特長を生かしたもので、TKC会員が毎月、関与先企業に出向いて正しい会計記帳を指導(月次巡回監査)しながら、月次決算、確定決算ならびに電子申告に至るまでの全ての業務プロセスを適時に完了したことを、株式会社TKCが第三者として証明するものです。
記帳適時性証明書は金融機関からも高く評価され、平成26年12月31日現在、三菱東京UFJ銀行の融資商品「極め」をはじめ商工組合中央金庫など全国40の金融機関において、融資や金利優遇の判断に記帳適時性証明書を用いる融資商品が発表されています。
当社では、積極的な広報・広告活動を通じて、記帳適時性証明書の認知度向上と理解の促進を図っています。
(6)関与先拡大支援活動
①中堅・大企業市場における関与先拡大支援
上場企業を中心とする中堅・大企業市場においては、グループの成長戦略として海外展開を準備する企業が増える一方、すでに海外展開している企業では海外子会社の財務情報の適正性、正確性、迅速性が課題となるなど、海外子会社を含めたグループ業績管理体制の強化が必至となっています。また、IFRS(国際会計基準)については、上場企業を中心に任意適用企業が増加しています。加えて、平成27年5月に施行予定の改正会社法により、コーポレートガバナンスの強化や企業グループ内部統制システムの強化が予測されます。
税務分野においては連結納税制度の適用法人が年々増加し、その裾野は中堅・大企業から中小企業へと広がっています。さらに、全ての市区町村で地方税電子申告の受付を開始したのを受け、今後、中堅・大企業においても電子申告の利用が急速に進むことが予想されます。
当社では、このような環境の変化を捉え、中堅・大企業向けに「TKC連結グループソリューション」(連結会計システム「eCA-DRIVER」、連結納税システム「eConsoliTax」、税効果会計システム「eTaxEffect」、法人電子申告システム「ASP1000R」、統合型会計情報システム「FX5」ほか)を積極的に推進し、平成26年12月31日現在で約2,300企業グループ(約1万5,100社)に利用されています。
当期においては、TKC全国会中堅・大企業支援研究会(平成26年12月31日現在の会員数は約1,100名)と連携して「IFRS」「税制改正」「移転価格税制」をテーマとしたセミナーを開いたほか、12月には「TKC企業グループマネジメントフォーラム」を初めて開催しました。また、前期に引き続き当社システムユーザーに対して、企業グループ全体の決算・申告に係る業務を網羅する当社システムの強みを生かしたクロスセールスを実施しました。
②海外展開支援
西武信用金庫主催の「第15回ビジネスフェアfrom TAMA」への出展など、各国の会計システムと連携し、親会社が海外子会社の経営状況をリアルタイムで容易に把握することのできる「海外ビジネスモニター(英語名:Overseas Business Monitor)」の推進に取り組みました。
また、平成26年12月5日には西武信用金庫と中小企業の海外展開支援を目的とした包括的連携協定を締結しました。
(7)法律情報データベースの市場拡大
法律情報データベース「LEX/DBインターネット」は、明治8年の大審院判例から直近に公開された全ての法律分野にわたる26万2,000件超(平成26年12月31日現在)の判例等を収録しています。また、LEX/DBインターネットを中核コンテンツとする総合法律情報データベース「TKCローライブラリー」には約85万9,000件の文献情報、46の「専門誌等データベース」を収録し、TKC会員事務所をはじめ大学・法科大学院、官公庁、法律事務所、特許事務所、企業法務部など、平成26年12月31日現在で約1万4,500超の機関に利用されています。
当期においても、株式会社ぎょうせいとの共同販売体制によるTKCローライブラリー基本サービスセット、交通事故関連やビジネス法務関連など実務に役立つコンテンツを軸とした販売促進へ取り組むとともに、登録5年未満の弁護士を対象とした「法律事務所実務セミナー」を定期的に開催し好評を得ました。これにより、弁護士や企業法務部等の実務家への販売強化を図っています。
アカデミック市場では、厳しい経営環境にある法科大学院に対してコストパフォーマンスの高い「TKC法科大学院教育支援システム・ロースクールパッケージ」の継続利用を提案し、現在71校で利用されています。また、同パッケージに含まれる学生の自学自習を支援するための演習システム(「基礎力確認テスト」「短答式過去問題演習トレーニング」「論文演習セミナー」)に加え、新たに「学習支援NAVI」「判例学習ドリル」の2システムを投入し、司法試験に向けた学習計画と進捗管理および必須の判例学習と演習が行える機能を提供したことにより、利用者が拡大しています。
さらに「TKCローライブラリー(海外版)」の代理店販売は、大韓民国や台湾をはじめとするアジア諸国、ドイツ、イギリス、アメリカなど各国の裁判所や政府機関、大学、法律事務所等からの引き合いがあり、平成26年12月31日現在で50件超のライセンスが利用され、アジア諸国を中心に今後も利用拡大が見込まれています。
3.地方公共団体事業部門の事業内容と経営成績
地方公共団体事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第2項:「地方公共団体の行政効率向上のため受託する計算センターの経営」)に基づき、行政効率の向上による住民福祉の増進を支援することを目的として、専門特化した情報サービスを展開しています。
(1)「TKC行政クラウドサービス」の開発・提供
地方公共団体向けクラウドサービスとして、人口50万人程度までの市区町村を対象とする「TKC行政クラウドサービス」を提供しており、その利用ユーザーは約900団体に達しています。このサービスは、住民向け・基幹系・庁内情報系の各サービスを支援する「TASKクラウドサービス」と、納税通知書などの大量一括出力処理を支援する「TASKアウトソーシングサービス」により構成されます。
なかでもTASKクラウドサービスは、当社データセンター(TISC)を運用拠点として全国の市区町村が単一のパッケージシステムを共同で利用(単独利用・複数団体による共同利用のいずれも可)できることから、総務省が推進する「自治体クラウド」の観点からも注目され、基幹系(住基・税)サービスでは平成26年12月31日現在で「大槌町・野田村・普代村自治体クラウド」(3町村)や「埼玉県町村情報システム共同化推進協議会」(18町村)、「いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会」(4市町)などを含む全国約70団体で稼働しています。
なお、TASKクラウドサービスは番号制度へ対応するとともに大幅な機能強化を図り、平成27年春より「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」として提供を開始する予定です。これに先立ち、当期においては栃木県大田原市と佐野市でパイロット運用を開始し、顧客団体と連携したシステムの検証作業を進めました。
(2)住民向けサービスの拡充
平成28年1月からの個人番号の利用開始に伴い、総務省が推進する「コンビニエンスストアにおける証明書等の交付」サービスの導入機運が急速に高まっています。当社では、これを実現するシステムとして「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」(平成26年12月31日現在で11団体稼働)を提供しています。全国の市区町村を対象とした初のクラウドサービスとして多くの稼働実績を持つことから、当期においては政令指定都市を含め全国約100団体から引き合いが相次ぎました。
(3)法律および制度改正等への対応
①番号制度への対応
平成27年10月からスタートする番号制度対応に伴う各種機能の追加を図りました。また、顧客団体の円滑な制度導入を支援するため、「個人番号を適切に管理するために必要な措置(安全管理措置)」に欠かせない情報セキュリティー対策ソリューション(平成27年1月より提供開始)を体系化するとともに、市区町村職員向け研修会を各地で開催しました。
②地方公会計の統一的な基準への対応
「『今後の新会計の促進』に関する研究会報告書」(総務省平成26年4月30日公表)を受け、市区町村ではこれまで複数存在していた会計方式が一本化され、原則として平成27年度から平成29年度までの間に「複式簿記の導入」「固定資産台帳の整備」を前提とした統一基準による財務書類等を作成することが求められています。当期においては、新会計基準に対応した公会計システムの提供に向けた分析・設計を進めるとともに、関連サービスである「固定資産管理システム」などの機能強化を図りました。
③社会保障と税の一体改革への対応
「社会保障と税の一体改革」により、市区町村ではその対応が急務となっています。このうち社会保障制度改革では、「子ども・子育て」「医療介護」「年金」「貧困・格差・低所得者対策」の分野で各種施策がとられており、当社ではこれらに完全準拠したシステムの提供に向けた分析・設計を進めています。当期においては、平成27年4月にスタートする子ども・子育て支援新制度に向けて対応システムの開発へ取り組みました。また、平成27年度介護保険制度改正に向けて、これに完全準拠したシステムの開発およびユーザーサポート体制の強化を図るため、平成26年12月に組織横断の「介護保険制度改正対応プロジェクト」を発足しました。
4.印刷事業部門の事業内容と経営成績
当社グループの印刷事業部門は、ビジネスフォームの印刷およびデータプリントサービス事業を軸に製造・販売を展開しています。
当期の売上高は、ビジネスフォームの売上が減少したものの、選挙関連商品のスポット受注、官公庁の大口入札案件獲得等などによりデータプリントサービス関連商品の売上高が増加し、前期比4.8%増の売上高となりました。
Ⅱ.連結財政状態に関する定性的情報
1.資産の部について
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、70,039百万円となり、前連結会計年度末75,266百万円と比較して5,226百万円減少しました。
(1)流動資産
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、29,889百万円となり、前連結会計年度末34,944百万円と比較して5,055百万円減少しました。
その主な理由は、現金および預金ならびに売掛金が減少したこと等によるものです。
(2)固定資産
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、40,149百万円となり、前連結会計年度末40,321百万円と比較して、171百万円減少しました。
その主な理由は、長期預金が減少したこと等によるものです。
2.負債の部について
(1)流動負債
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、7,440百万円となり、前連結会計年度末13,281百万円と比較して、5,840百万円減少しました。
その主な理由は、未払法人税等、買掛金および賞与引当金が減少したこと等によるものです。
(2)固定負債
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、2,339百万円となり、前連結会計年度末2,078百万円と比較して、261百万円増加しました。
その主な理由は、子会社東京ラインプリンタ印刷株式会社におけるDPSソリューションセンター建設に伴い、長期借入金が増加したこと等によるものです。
3.純資産の部について
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、60,258百万円となり、前連結会計年度末59,906百万円と比較して351百万円増加しました。
その主な理由は、利益剰余金が増加したこと等によるものです。
なお、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は、84.0%となり、前連結会計年度末77.7%と比較して6.3ポイント増加しました。
Ⅲ 事業上及び財務上の対処すへき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
Ⅳ 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は10百万円であります。
また、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
株式会社TKCおよびその連結子会社等4社を含む連結グループの当第1四半期連結累計期間(以下、当第1四半期)における経営成績は、売上高が12,178百万円(前年同四半期連結累計期間比(以下、前期比)7.6%増)、営業利益は1,226百万円(前期比66.3%増)、経常利益は1,287百万円(前期比60.7%増)、四半期純利益は813百万円(前期比81.8%増)となりました。
当第1四半期の売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益は、前期実績を超える結果となりました。その主たる要因は、会計事務所事業および地方公共団体事業の両部門において、いずれもクラウドサービスの受注が順調に伸展しソフトウエアおよびシステム立ち上げに係る売上が増加したことによります。
当第1四半期における部門別の売上高等の推移は以下のとおりです。
1.当社グループの当第1四半期業績の推移
(1)会計事務所事業部門の売上高の推移
①会計事務所事業部門における売上高は8,866百万円(前期比0.5%減)、営業利益は1,171百万円(前期比15.6%増)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比0.8%減となりました。これは、中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」をはじめとするクラウドサービスの利用件数が伸展した一方で、これまで当社センターシステムで出力していた会計帳簿等を、会計事務所または関与先企業においても出力可能とする機能強化を図るとともに価格引き下げを行ったことによるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比7.1%増となりました。これは、FX4クラウドの利用件数が伸展し、これに伴うソフトウエアレンタル売上が増加したことによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比3.1%減となりました。これは、FX4クラウドについて、クライアント・サーバー型システムからクラウドサービスへの移行が伸展したことによりハードウエア保守料収入が減少していることによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比2.8%減となりました。これは、クラウドサービスへの移行の伸展によりサーバーの需要が減少したことと、前期においてはマイクロソフト社のWindowsXPのサポート終了や消費税増税によるパソコンのリプレース需要が高まりましたが、当期はこのような要因がないことによります。
(2)地方公共団体事業部門の売上高の推移
①地方公共団体事業部門における売上高は2,492百万円(前期比52.8%増)、営業利益は147百万円(前期は営業損失195百万円)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比11.7%増となりました。これは、衆議院解散総選挙に伴うセンター売上が増加したことによるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比97.5%増となりました。これは、番号制度開始に伴う住基システムの改修対応を行ったことなどによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比423.2%増となりました。これは、前期までに受注したTASKクラウドサービスの移行業務が一部団体で完了し、その導入支援に関する売上が増加したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比147.1%増となりました。これは、前期までに受注した顧客団体へのパソコン、サーバー等のハードウエア納入が完了したことによるものです。
(3)印刷事業部門(子会社:東京ラインプリンタ印刷株式会社)の売上高の推移
①印刷事業部門における売上高は818百万円(前期比4.8%増)、営業損失は95百万円(前期は営業損失82百万円)の業績となりました。
②データプリントサービス関連商品の売上高は、前期比20.8%増となりました。これは、衆議院解散総選挙関連商品や官公庁の大口入札案件等の受注が増加したことによるものです。
③ビジネスフォーム関連の売上高は、前期比6.4%減となりました。これは、前期獲得した大口定期帳票の受注が増えているものの、ビジネス帳票全体では需要減退が続いていることによるものです。
2.会計事務所事業部門の事業内容と経営成績
会計事務所事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第1項:「会計事務所の職域防衛と運命打開のため受託する計算センターの経営」)に基づいて、顧客である税理士または公認会計士(以下、TKC会員)が組織するTKC全国会(平成26年12月31日現在の会員数は1万800名)との密接な連携の下で事業を展開しています。
(注)TKC全国会については、『TKC全国会のすべて』またはTKCグループホームページ(http://www.tkc.jp/)をご覧ください。
(1)TKC全国会の活動について
①TKC全国会創設50周年(2021年)に向けての政策課題と戦略目標
TKC全国会では、「TKC全国会創設50周年に向けての政策課題と戦略目標」を掲げ、TKC会員事務所数の拡大と関与先企業数100万社を目指した戦略目標を設定するとともに、「中小企業の存続・発展の支援」に向けた積極的な取り組みを行っています。
その具体的な戦略目標は以下のとおりです。
1)TKC会員事務所数:1万超事務所
2)TKC会員事務所の税理士数:1万5,000人
3)K(継続MASシステムの徹底活用)・F(TKC自計化システムの普及)・S(税理士法第33条の2による「書面添付」の実践と「記帳適時性証明書」の決算書への積極的な添付と開示、「中小会計要領」の普及):各50万社
4)巡回監査士数:2万人
5)企業防衛加入関与先企業数:30万社
②TKC全国会の重点活動テーマ
TKC全国会では、平成26年1月17日に開催されたTKC全国会政策発表会において、戦略目標を実現するためのロードマップを発表し、統一行動テーマ「Chance,Change and Challenge 未来を拓く。TKC会計人の新成長戦略2021!」を掲げました。
このロードマップでは、創設50周年までの期間を3つに分け、その第1ステージとなる平成28年12月末までの具体的な活動を以下のとおり定めています。
1)会計指導力を強化し、企業の存続発展に貢献しよう
a.経営者の計数管理能力の向上を支援する(TKC自計化システムを活用)
b.関与先企業の業績管理体制の構築を支援する(継続MASシステムを活用)
c.巡回監査を通じて月次決算体制の構築を支援する(巡回監査支援システムを活用)
2)書面添付を推進し、税理士業務の完璧な履行を目指そう
a.書面添付実践事務所数を拡大する
b.書面添付実践件数を増やす
c.書面添付の記載内容の充実を図る
3)決算書の信頼性向上を図り、金融機関との連携を深めよう
a.「記帳適時性証明書」を決算書に添付する
b.税理士法第33条の2による書面を決算書に添付する
c.中小会計要領(または中小会計指針)に準拠した決算書を作成する
4)会員数の拡大活動に参画し、組織の活性化を図ろう
こうしたTKC全国会の活動は、当社が提供するシステムやサービスの活用が前提となっています。当社ではこれらTKC全国会の活動を支援し、中小企業の存続と発展に役立つコンピューター・サービス、ソフトウエアなどの開発・提供へ積極的に取り組んでいます。
(2)高まる税理士への社会からの期待
TKC全国会の活動の背景には、税理士が果たす役割に対して社会からの期待が高まっていることが挙げられます。
「中小企業の海外における商品の需要の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律(中小企業経営力強化支援法)」(平成24年8月30日施行)では、税理士・税理士法人等が中小企業への経営支援の担い手として公的な支援機関である「経営革新等支援機関」(以下、認定支援機関)に位置付けられました。
また、平成25年12月5日に公表された「経営者保証に関するガイドライン」(経営者保証に関するガイドライン研究会)でも、経営者に対して事業計画の作成や業績見通し、およびその進捗状況等の財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示等による経営の透明性の確保が求められ、信頼性向上の観点から「外部専門家(公認会計士・税理士等)」による検証とその結果を併せた開示が望ましいとされています。
(3)「TKC経営戦略2021」について
当社は、平成26年1月に「TKC経営戦略2021」を発表しました。これはTKC全国会の戦略目標達成を支援するため、当社が重点的に支援する項目を「TKC会員事務所数1万超事務所」と「TKC自計化システム50万社」の2つとし、その具体的な施策をまとめたものです。
当期においては、2つの支援項目に関連したTKC全国会のプロジェクトの活動期限が平成26年12月末であることから、この目標達成に向けた積極的な支援活動を行いました。
①「中堅企業自計化推進プロジェクト」への支援活動
当社では、TKC会員事務所の中堅優良関与先の離脱防止と関与先企業拡大の支援を目的として、年商5億~50億円規模の中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」を提供しています。
TKC全国会では、このFX4クラウドを活用した会計事務所のビジネスモデル確立を目的としてTKC全国会中堅企業自計化推進プロジェクトを設置しています。プロジェクトでは、FX4クラウド利用企業純増5,000社(期間:平成24年1月~26年12月)を目標として、TKC会員に対してその活用を推進してきました。
当社ではプロジェクトの指導の下、その目標達成を支援するためTKC会員事務所への推進活動を行うとともに、中堅企業に対するTKC会員事務所と連携した利用促進活動を行いました。その結果、純増数はプロジェクトの目標数を超え、平成26年12月31日現在の利用企業数は、6,200社となりました。
②「TKC会員事務所数1万超事務所」に向けた「プロジェクト9001」への支援活動
TKC全国会では、「TKC会員事務所数1万超事務所」を実現するため、平成26年12月31日までにTKC会員事務所を9,000事務所超とする計画を掲げ、「プロジェクト9001」として積極的な活動を展開してきました。
当社ではこうしたTKC全国会の活動と緊密に連携し、TKC会員から紹介を受けた未入会税理士への訪問活動を行うとともに、会計事務所経営セミナーやTKC会員事務所見学会を開催して入会促進を行いました。特に当期においては、11月20日に福岡で開催された「TKCニューメンバーズ・フォーラム2014」への参加促進とその後の入会促進に注力しました。フォーラムには約150名の未入会税理士が参加し、うち約60名が入会しました。
こうした活動の結果、当期の入会数は110名となり、平成26年12月31日現在でのTKC会員数は10,800、事務所数は9,000となりました。
③中小企業に対する自計化推進活動(「FX2」と「e21まいスター」の推進活動)
当社では、中小企業経営者が自社の経営状況をタイムリーに把握するとともに、経営改善計画の進捗状況の確認を支援する自計化システム「FX2」と「e21まいスター」の普及促進に注力しています。
当社ではこの普及促進策の一環として、会計帳簿等をTKC統合情報センターで印刷し陸送により会員事務所へ提供する方式に加え、新たにFX2およびe21まいスターからの印刷を選択することができる「制度会計タブ」サービスを開始しました。
これは、当社システムの「自社データセンターによるセキュアなデータ保管」や「TKC経営指標による同業他社比較」、「『記帳適時性証明書(会計帳簿作成の適時性〈会社法第432条〉と電子申告に関する証明書)』による決算書の信頼性向上」などの強みに、新たなサービスを提供することでFXシリーズの商品力を一段と強化することを目的としたものです。
また「制度会計タブ」サービスの提供に際し、これを選択した関与先企業分の処理料金を従来より引き下げました。これは会計事務所に対して、FXシリーズ利用による自計化推進のメリットを強化し、さらなる普及促進を図るために実施したものです。
こうした活動の結果、FXシリーズは、平成26年12月31日現在で約20万5,000社の関与先企業に利用されています。
(4)「TKC全国会7000プロジェクト」への支援活動
TKC全国会では、平成26年3月20日に開催されたTKC全国会正副会長会において、「認定支援機関による経営改善計画策定支援事業」へ積極的に取り組むことを決議しました。これは、認定支援機関として登録したTKC会員が関与先企業の経営改善計画策定を支援し、平成27年3月までに7,000件の利用申請の実施に取り組むものです。
当社では、同事業にまだ取り組んでいないTKC会員に対して積極的な参加を働きかけるとともに、「経営改善計画書」の策定に役立つ継続MASシステムの活用と、計画のモニタリングを支援するFXシリーズの利用を促進しました。
また、この支援事業への取り組みは税理士業界全体の課題と捉え、認定支援機関である未入会税理士に対してTKC会員の積極的な実践例やそのノウハウを紹介することでTKC全国会への入会促進を行いました。
(5)「適時・正確な記帳に基づく信頼性の高い決算書の作成を支援する」ための活動
①「記帳適時性証明書」の提供
当社では、TKC会員が作成する決算書の信頼性を高め、関与先企業の円滑な資金調達に貢献することを目的として、「記帳適時性証明書」を発行しています。これは、過去データの遡及的な訂正・加除の会計処理(追加・訂正・削除)を禁止する当社の「データセンター利用方式による財務会計処理」の特長を生かしたもので、TKC会員が毎月、関与先企業に出向いて正しい会計記帳を指導(月次巡回監査)しながら、月次決算、確定決算ならびに電子申告に至るまでの全ての業務プロセスを適時に完了したことを、株式会社TKCが第三者として証明するものです。
記帳適時性証明書は金融機関からも高く評価され、平成26年12月31日現在、三菱東京UFJ銀行の融資商品「極め」をはじめ商工組合中央金庫など全国40の金融機関において、融資や金利優遇の判断に記帳適時性証明書を用いる融資商品が発表されています。
当社では、積極的な広報・広告活動を通じて、記帳適時性証明書の認知度向上と理解の促進を図っています。
(6)関与先拡大支援活動
①中堅・大企業市場における関与先拡大支援
上場企業を中心とする中堅・大企業市場においては、グループの成長戦略として海外展開を準備する企業が増える一方、すでに海外展開している企業では海外子会社の財務情報の適正性、正確性、迅速性が課題となるなど、海外子会社を含めたグループ業績管理体制の強化が必至となっています。また、IFRS(国際会計基準)については、上場企業を中心に任意適用企業が増加しています。加えて、平成27年5月に施行予定の改正会社法により、コーポレートガバナンスの強化や企業グループ内部統制システムの強化が予測されます。
税務分野においては連結納税制度の適用法人が年々増加し、その裾野は中堅・大企業から中小企業へと広がっています。さらに、全ての市区町村で地方税電子申告の受付を開始したのを受け、今後、中堅・大企業においても電子申告の利用が急速に進むことが予想されます。
当社では、このような環境の変化を捉え、中堅・大企業向けに「TKC連結グループソリューション」(連結会計システム「eCA-DRIVER」、連結納税システム「eConsoliTax」、税効果会計システム「eTaxEffect」、法人電子申告システム「ASP1000R」、統合型会計情報システム「FX5」ほか)を積極的に推進し、平成26年12月31日現在で約2,300企業グループ(約1万5,100社)に利用されています。
当期においては、TKC全国会中堅・大企業支援研究会(平成26年12月31日現在の会員数は約1,100名)と連携して「IFRS」「税制改正」「移転価格税制」をテーマとしたセミナーを開いたほか、12月には「TKC企業グループマネジメントフォーラム」を初めて開催しました。また、前期に引き続き当社システムユーザーに対して、企業グループ全体の決算・申告に係る業務を網羅する当社システムの強みを生かしたクロスセールスを実施しました。
②海外展開支援
西武信用金庫主催の「第15回ビジネスフェアfrom TAMA」への出展など、各国の会計システムと連携し、親会社が海外子会社の経営状況をリアルタイムで容易に把握することのできる「海外ビジネスモニター(英語名:Overseas Business Monitor)」の推進に取り組みました。
また、平成26年12月5日には西武信用金庫と中小企業の海外展開支援を目的とした包括的連携協定を締結しました。
(7)法律情報データベースの市場拡大
法律情報データベース「LEX/DBインターネット」は、明治8年の大審院判例から直近に公開された全ての法律分野にわたる26万2,000件超(平成26年12月31日現在)の判例等を収録しています。また、LEX/DBインターネットを中核コンテンツとする総合法律情報データベース「TKCローライブラリー」には約85万9,000件の文献情報、46の「専門誌等データベース」を収録し、TKC会員事務所をはじめ大学・法科大学院、官公庁、法律事務所、特許事務所、企業法務部など、平成26年12月31日現在で約1万4,500超の機関に利用されています。
当期においても、株式会社ぎょうせいとの共同販売体制によるTKCローライブラリー基本サービスセット、交通事故関連やビジネス法務関連など実務に役立つコンテンツを軸とした販売促進へ取り組むとともに、登録5年未満の弁護士を対象とした「法律事務所実務セミナー」を定期的に開催し好評を得ました。これにより、弁護士や企業法務部等の実務家への販売強化を図っています。
アカデミック市場では、厳しい経営環境にある法科大学院に対してコストパフォーマンスの高い「TKC法科大学院教育支援システム・ロースクールパッケージ」の継続利用を提案し、現在71校で利用されています。また、同パッケージに含まれる学生の自学自習を支援するための演習システム(「基礎力確認テスト」「短答式過去問題演習トレーニング」「論文演習セミナー」)に加え、新たに「学習支援NAVI」「判例学習ドリル」の2システムを投入し、司法試験に向けた学習計画と進捗管理および必須の判例学習と演習が行える機能を提供したことにより、利用者が拡大しています。
さらに「TKCローライブラリー(海外版)」の代理店販売は、大韓民国や台湾をはじめとするアジア諸国、ドイツ、イギリス、アメリカなど各国の裁判所や政府機関、大学、法律事務所等からの引き合いがあり、平成26年12月31日現在で50件超のライセンスが利用され、アジア諸国を中心に今後も利用拡大が見込まれています。
3.地方公共団体事業部門の事業内容と経営成績
地方公共団体事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第2項:「地方公共団体の行政効率向上のため受託する計算センターの経営」)に基づき、行政効率の向上による住民福祉の増進を支援することを目的として、専門特化した情報サービスを展開しています。
(1)「TKC行政クラウドサービス」の開発・提供
地方公共団体向けクラウドサービスとして、人口50万人程度までの市区町村を対象とする「TKC行政クラウドサービス」を提供しており、その利用ユーザーは約900団体に達しています。このサービスは、住民向け・基幹系・庁内情報系の各サービスを支援する「TASKクラウドサービス」と、納税通知書などの大量一括出力処理を支援する「TASKアウトソーシングサービス」により構成されます。
なかでもTASKクラウドサービスは、当社データセンター(TISC)を運用拠点として全国の市区町村が単一のパッケージシステムを共同で利用(単独利用・複数団体による共同利用のいずれも可)できることから、総務省が推進する「自治体クラウド」の観点からも注目され、基幹系(住基・税)サービスでは平成26年12月31日現在で「大槌町・野田村・普代村自治体クラウド」(3町村)や「埼玉県町村情報システム共同化推進協議会」(18町村)、「いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会」(4市町)などを含む全国約70団体で稼働しています。
なお、TASKクラウドサービスは番号制度へ対応するとともに大幅な機能強化を図り、平成27年春より「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」として提供を開始する予定です。これに先立ち、当期においては栃木県大田原市と佐野市でパイロット運用を開始し、顧客団体と連携したシステムの検証作業を進めました。
(2)住民向けサービスの拡充
平成28年1月からの個人番号の利用開始に伴い、総務省が推進する「コンビニエンスストアにおける証明書等の交付」サービスの導入機運が急速に高まっています。当社では、これを実現するシステムとして「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」(平成26年12月31日現在で11団体稼働)を提供しています。全国の市区町村を対象とした初のクラウドサービスとして多くの稼働実績を持つことから、当期においては政令指定都市を含め全国約100団体から引き合いが相次ぎました。
(3)法律および制度改正等への対応
①番号制度への対応
平成27年10月からスタートする番号制度対応に伴う各種機能の追加を図りました。また、顧客団体の円滑な制度導入を支援するため、「個人番号を適切に管理するために必要な措置(安全管理措置)」に欠かせない情報セキュリティー対策ソリューション(平成27年1月より提供開始)を体系化するとともに、市区町村職員向け研修会を各地で開催しました。
②地方公会計の統一的な基準への対応
「『今後の新会計の促進』に関する研究会報告書」(総務省平成26年4月30日公表)を受け、市区町村ではこれまで複数存在していた会計方式が一本化され、原則として平成27年度から平成29年度までの間に「複式簿記の導入」「固定資産台帳の整備」を前提とした統一基準による財務書類等を作成することが求められています。当期においては、新会計基準に対応した公会計システムの提供に向けた分析・設計を進めるとともに、関連サービスである「固定資産管理システム」などの機能強化を図りました。
③社会保障と税の一体改革への対応
「社会保障と税の一体改革」により、市区町村ではその対応が急務となっています。このうち社会保障制度改革では、「子ども・子育て」「医療介護」「年金」「貧困・格差・低所得者対策」の分野で各種施策がとられており、当社ではこれらに完全準拠したシステムの提供に向けた分析・設計を進めています。当期においては、平成27年4月にスタートする子ども・子育て支援新制度に向けて対応システムの開発へ取り組みました。また、平成27年度介護保険制度改正に向けて、これに完全準拠したシステムの開発およびユーザーサポート体制の強化を図るため、平成26年12月に組織横断の「介護保険制度改正対応プロジェクト」を発足しました。
4.印刷事業部門の事業内容と経営成績
当社グループの印刷事業部門は、ビジネスフォームの印刷およびデータプリントサービス事業を軸に製造・販売を展開しています。
当期の売上高は、ビジネスフォームの売上が減少したものの、選挙関連商品のスポット受注、官公庁の大口入札案件獲得等などによりデータプリントサービス関連商品の売上高が増加し、前期比4.8%増の売上高となりました。
Ⅱ.連結財政状態に関する定性的情報
1.資産の部について
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、70,039百万円となり、前連結会計年度末75,266百万円と比較して5,226百万円減少しました。
(1)流動資産
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、29,889百万円となり、前連結会計年度末34,944百万円と比較して5,055百万円減少しました。
その主な理由は、現金および預金ならびに売掛金が減少したこと等によるものです。
(2)固定資産
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、40,149百万円となり、前連結会計年度末40,321百万円と比較して、171百万円減少しました。
その主な理由は、長期預金が減少したこと等によるものです。
2.負債の部について
(1)流動負債
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、7,440百万円となり、前連結会計年度末13,281百万円と比較して、5,840百万円減少しました。
その主な理由は、未払法人税等、買掛金および賞与引当金が減少したこと等によるものです。
(2)固定負債
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、2,339百万円となり、前連結会計年度末2,078百万円と比較して、261百万円増加しました。
その主な理由は、子会社東京ラインプリンタ印刷株式会社におけるDPSソリューションセンター建設に伴い、長期借入金が増加したこと等によるものです。
3.純資産の部について
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、60,258百万円となり、前連結会計年度末59,906百万円と比較して351百万円増加しました。
その主な理由は、利益剰余金が増加したこと等によるものです。
なお、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は、84.0%となり、前連結会計年度末77.7%と比較して6.3ポイント増加しました。
Ⅲ 事業上及び財務上の対処すへき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
Ⅳ 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は10百万円であります。
また、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。