有価証券報告書-第50期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/24 16:37
【資料】
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【項目】
165項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、中期方針として「ICTの発展をお客様価値向上へ結びつけるイノベーション企業グループ」を目指し、付加価値向上を実現してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、売上高成長率、営業利益率及び安定配当を重要な経営目標と位置づけしております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、急速に技術革新の進むビジネス環境の中、既存ビジネスの高度化に取り組むと共に、以下の戦略を実行することにより、お客様に最適なサービスの提供を行い、持続的な売上及び付加価値の向上を図ってまいります。
① 新技術への果敢な取り組み「AIS-CRM」(A:AI I:IoT S:Security C:Cloud R:Robot M:Mobile&AutoMotive)
組込系/制御系ソフトウェア開発の先進技術力、業務系ソフトウェア開発で培ったシステムインテグレーションサービス、研究開発や共同開発で培ったプロダクト提供力を軸とする当社の強みに加え、新技術分野にも積極的に取り組んでまいります。
AI・・・・・・・・・・・最先端の「AI」を活用し、経営的観点、ビジネス的観点、技術的観点からAIをイン
テグレーション、お客様に最適なサービスを提供してまいります。
IoT ・・・・・・・・・・組込系技術とビッグデータ分析等を組合せてIoTの世界をワンストップサービスで
提供してまいります。
Security・・・・・・・・新たなテクノロジーの発展に伴う様々な脅威への対応を行うトータルセキュリティ
の提供で、お客様に安心と利益に貢献してまいります。
Cloud ・・・・・・・・・業種、業態やお客様のニーズに最適なクラウドサービスをプライベートからパブリ
ックまで幅広く提供してまいります。
Robot ・・・・・・・・・AIとロボティクス技術を結集したコミュニケーションロボット「PALRO」の活用と産
業用ロボット分野を支えるソフトウェア技術で新たな価値を創出してまいります。
Mobile&AutoMotive・・・タブレット、デジタル家電、モバイル、自動車、FA・OAなどあらゆる機器(デバイ
ス)をクラウドと連携し、常に発展し続ける自動車ソフトウェアへ積極的に対応し
ていくことで、車載組込システムと情報・通信プラットフォームの融合を進めてま
いります。
② 付加価値の高いシステムインテグレーションの推進
SI事業の高付加価値化推進への取り組みとして、案件一括受注や自社への持ち帰りを促進すると共に、自動車・産業ロボット等の成長分野に経営資源を積極的に投入してまいります。また、不採算案件抑止策として以下に注力してまいります。
a 契約における責任範囲の明確化
b 現場レベルの問題発見・対応プロセスに、経営レベルまで連結させたトラブル発生予兆のモニタリングと早
期の対応体制の確立
c 開発プロセスの整備・標準化、開発ツール等の研究・開発と標準化
d 技術分野に応じた先進的な開発フレームワークの導入
③ 人材強化と受託開発事業の確実な成長
体制強化のための積極的な人材投資により、さらなる成長と付加価値向上を実現すべく、人材採用と早期育成に注力し、有力成長分野でのビジネス拡大を推進すると共に新たな高付加価値ビジネスを担う先端技術分野でのスキルを持つ人材創出に取り組んでまいります。
④ プロダクト事業の積極推進
「AIS-CRM」を始めとする先端技術分野での産官学共同研究を含む研究投資や、現場で培ったノウハウを結集したソフトウェアのみならず、ハードウェアを含めた当社プロダクトの展開、及び海外大手ベンダーとのアライアンスビジネスを積極推進し、市場の獲得とシェア拡大を目指してまいります。
⑤ グループ全体での成長と積極的なグローバル展開
グループ各社の商材、開発基盤、ノウハウのさらなる連携強化を図り、お客様への最適なサービスを提供するのに加え、管理業務の共同化等によりグループ全体での効率運営を促進してまいります。また、中国・アセアン地域でのオフショアの拡大及び日系企業へのサポートや現地企業へのサービスの提供等、インバウンド・アウトバウンドを含めたグローバルビジネスを積極的に推進してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
今後の日本経済は、雇用・所得環境の改善が継続する等、緩やかな回復基調が続くと見込まれるものの、米国を中心とした主要各国の動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱の影響や、これらに起因とする為替相場の変動などが懸念されています。
情報サービス産業におきましては、デジタルトランスフォーメーションの流れの中で、企業経営の強化のためのICT投資の重要性がますます高まっており、ICT技術者不足への対応が引続き課題となっております。こうした経営環境に対応するために、当社グループでは、積極的な人材採用やビジネスパートナーとの連携強化による人員増強と、最先端技術分野に対応するためのスペシャリストやPM(プロジェクトマネージャー)育成に加えて、オフショア・ニアショア開発の活用等、更なる体制整備を進め、マーケット環境に対応した技術やサービスの開発体制を構築してまいります。
当社グループは、これまでのソフトウェア開発において培ってきた技術力及び対応力に加えて、クラウド関連技術やロボットテクノロジー、AI技術、セキュリティ技術等の先進ノウハウを蓄積しております。これら当社の強みである「AIS-CRM」分野(A : AI I:IoT S :Security C :Cloud R :Robot M :Mobile&AutoMotive)を技術戦略分野とし、当社が長年に渡り蓄積してきた多様な業務経験やシステムインテグレーション力、優良なソフト開発力、プロダクト提供力等と融合することで、お客様の付加価値向上やビジネスの発展に貢献してまいります。これまでの組込系/制御系システム開発や業務系システム開発に留まらない最新技術分野のテクノロジーを組み合わせた新たなサービスやシステムインテグレーションを創出し、マーケットの環境変化への迅速な対応やグローバルなビジネス展開と併せて、新たな価値を社会に提供することで、持続的な成長と付加価値向上を実現し、「ICTの発展をお客様価値向上へ結びつけるイノベーション企業グループ」を目指して活動してまいります。