有価証券報告書-第63期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 13:25
【資料】
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【項目】
156項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループを取り巻く経営環境
日本国内では、少子高齢化と慢性的な人手不足を背景に、人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)を活用した生産性を高める各種システムへの需要が高まっています。また、急速に老朽化が進む社会インフラの維持管理(整備・維持・更新)需要や、自然災害の多発化・広域化に伴う防災・減災関連需要も以前にも増して高くなっています。加えて、地球温暖化に伴う気候変動や環境保全に対する意識の高まりを背景に、再生可能エネルギーの中でも特に地熱発電と洋上風力発電で市場が活性化しています。
海外においては、米中貿易摩擦の動向や新型肺炎の拡散が世界経済に与える影響など不確定要素も多く、先が見通し難い状況が続いています。そうした中においても、社会インフラの維持管理に対する需要は、アジアを中心とした新興国においても、今後、さらに市場の拡大が見込まれています。また、資源開発分野におけるコスト削減需要も引き続き高まっています。
② 経営方針
当社は、激変する社会情勢の中で、世界の潮流とグローバル化する日本の変化を概観し、当社グループが2020年に向けて目指すべきビジョンとビジョン達成のための基本方針を明らかにした「応用地質グループ長期経営ビジョンOYO 2020」を策定しています。
OYO2020では国内外の持続可能な社会の実現に貢献すべく、地球内外の様々な分野でアイデアに満ちたソリューションを提供する地球科学に関わるグローバルな総合専門企業グループとなることを目指しています。
2020年度は、OYO2020の最終年に当たります。従来型のビジネスモデルの転換は着実に進んでおります。単体では事業部中心の組織に完全に移行し、国内・海外グループでは各社の売り物を明確にし、従来型のビジネスモデルの転換の仕上げに取り組んでおります。当社グループは継続して社会課題や環境変化に対応できる技術・サービスの組み合わせで市場を創出し、目標の達成にチャレンジします。
③ 対処すべき課題
『中期経営計画OYO Jump18(2018年~2020年)』
2020年度は、中期経営計画Jump18の最終年に当たります。Jump18の数値目標に対しては、単体の構造改革の遅れ、M&Aの遅れ、海外グループ企業の収益回復の遅れ等により、その実現が厳しい状況にあります。そこで、下記の4つの戦略について、SDGsの課題解決も含めたソリューションサービスを加速し、それぞれの課題に対処します。
a.成長戦略:4つの領域で事業を拡大し、「OYOブランド」を確立
当社は、Step14で展開してきた事業領域を4セグメントとして設け、事業拡大を推進してまいります。
インフラ・メンテナンス事業セグメントでは、新規の社会インフラの整備とi-Construction市場へ対応してきました。維持管理分野では非破壊検査手法へのニーズがさらに高まることが想定され、AIやモニタリング技術を駆使して、今後も拡大が見込まれる老朽化した設備のメンテナンス需要に対応します。
防災・減災事業セグメントでは、頻発する激甚化災害に対しての取り組みを加速させます。災害危険地帯の調査や危機管理型システムの開発で国土強靭化を支援するためのソリューションサービスを提供します。
環境事業セグメントでは、地球環境の保全、負荷軽減対策に取り組んできました。今後はさらに廃棄物処理関連サービスやアスベスト・マイクロプラスチックなどの環境汚染対策を発展させます。
資源・エネルギー事業セグメントでは、再生可能エネルギー市場が活性化する中、日本の洋上風力市場への取り組みとして、海底地質調査用の足場整備や効率的な海底地質調査技術を提案してきました。今後は、さらに活性化する再生可能エネルギー市場に新しい探査技術等を駆使して対応します。
各セグメント間の連携については事業部統轄本部を設け、情報共有・新サービスの開発を促進し、セグメントをまたぐソリューションサービスを提供します。
b.技術戦略:新たな市場を創出し、事業を拡大してくための開発投資を強化
当社は、良質な都市インフラの整備と維持・更新技術の高度化を実現させるため、公開試験場である三次元探査検定センターをオープンしました。今後はさらに三次元物理探査技術を発展させることで、地下埋設物の正確な位置を把握し、BIM/CIM(Building Information Modeling/Construction Information Modeling)に対応した三次元地盤モデルのデータベースを構築します。データベースを利用して、今後の大規模災害に備えるための再開発プロジェクト計画の提案を行います。
また、技術進歩が著しいAI分野やICT分野では、当社が持つ地盤情報データと他社の技術を融合させて、新市場の創出に取り組みます。
他にも、BIM/CIM市場の裾野の拡大に向け、三次元地質解析ソフトウェアの開発・販売や、海底石油貯留層探査サービスの開発など、事業を拡大していくための開発投資を強化します。
c.グローバル戦略:事業展開戦略をM&Aで加速、ソリューションサービスの海外展開
当社は、グローバル戦略の拡大に向けて、2019年にFONG CONSULT PTE. LTD.(以下、F社)と、FC INSPECTION PTE. LTD.(以下、FCI社)の株式を取得しました。F社とFCI社はシンガポールを中心とした東南アジアの土木・建築市場を対象に事業を行っています。当社グループが保有する各種ソリューションサービスを市場投入することで、2社とのシナジー効果を発揮した事業展開を進めています。人口が増大するアジア地域では引き続きインフラ需要が旺盛であることが見込まれており、日本のインフラ整備で培った経験と豊富な地盤情報データによるソリューションサービスを展開します。
また、グローバル戦略の計画・立案については専門部署を設けグループ全体で国際的な営業展開を図ります。海外M&Aについては良質案件の発掘に注力し、継続的に検討します。
d.ガバナンス戦略:コーポレートガバナンスの強化
当社は、変化する社会状況に対しリスク対策を強化するため、グループに最適な形のコーポレートガバナンス体制の構築と運用に努めてきました。取締役会のモニタリング機能を強化するため取締役の1/3以上を社外取締役とし、内部統制システムの整備運用や内部監査機能も強化してきました。
当社は、社員の働きやすい職場環境整備のため、働き方革命委員会を組成し施策の検討を行ってきました。在宅勤務制の導入や子育て支援、女性活躍支援の継続といった施策を実行しています。こうした活動を踏まえ、社員のワークライフシナジーの実現、社員定着率の向上、人事制度改革、中長期を見すえた人材育成に今後も取り組んでいきます。また、米国の当社グループ会社であるGEOPHYSICAL SURVEY SYSTEMS, INC.は拠点を置くニューハンプシャー州で最も働きがいのある企業の1社に選出されました。こうした取り組みもグループ全体で共有します。
さらに、ステークホルダーに対して広報活動の充実促進にも取り組みます。SNSやプレスリリース、ウェブサイトを通じて当社グループの魅力や社会的役割、ESG経営、SDGsの取り組みを社会に発信します。
③ 目標とする経営指標
当社グループは2020年度を最終年とする中期経営計画Jump18において業績目標を下記のように設定しています。
・連結売上高650億円
・連結営業利益率10%
・自己資本利益率(ROE)6%以上

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