有価証券報告書-第53期(2022/12/01-2023/11/30)

【提出】
2024/02/28 15:00
【資料】
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【項目】
116項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、独立系のソフトウェア開発企業として、以下の経営の基本方針を掲げ、事業を展開します。
① 経営理念
1)マンパワーリースを排除したソフトウェア開発および販売を専業とし、関連業務の多角化でなく開発分野の総合化と流通化を図り、情報社会に貢献する。
2)ソフトウェア市場の確立のために、顧客の啓蒙と開拓に先導的役割を果たす。
3)一分野一社を原則とし顧客の信用と安全を図る。
4)外に向かって、地球と人類に貢献する活動、内に向かって、技術者の意識改革を前提として、豊かで幸せな人生を追求する。
5)社員持株制度を採用し、経営への参加を認める。
② 基本戦略
1)資本・営業・人事の独立
2)ソフトウェア会社の良心ないしは標準の追求
3)一分野一社主義で多数の一流クライアント
4)対象業務およびソフトウェア技術の広さ
5)高い技術力
6)一括請負
7)オリジナルの生産管理システム
8)一元化した外注政策
9)オープンな能力主義
(2) 中長期事業計画の基本方針
当社は、中期事業計画の策定に際し、上掲の経営の基本方針を念頭に成長シナリオを策定し、この成長シナリオに基づいた全社重点施策を設定しております。
① 成長シナリオ
外部環境を踏まえ、当社の強みを生かして課題を克服すべく、次の戦略にて5年後300億円の売上を達成する。
1)コンサルティングを事業の柱に育てる。
2)ノウハウを資産化する。
3)顧客ポートフォリオを見直す。
4)人財に投資する。
5)ESG経営を推進する。
② 全社重点施策
1)企画構想を含む上流進出およびノウハウの資産化による事業規模拡大
2)顧客との関係深化および強固な顧客基盤の構築
3)攻めの調達への変革および公正公平な評価に基づく発注
4)製品品質および業務プロセス品質の抜本的な見直し
5)社員の挑戦意欲の醸成および多様な人材活躍の推進
6)法令遵守および内部統制による事業の健全性強化
7)個人情報保護および情報セキュリティ対策の効果的な運用
8)事業による環境負荷低減および製品による環境貢献

(3) 経営環境についての経営者の認識
当事業年度における世界経済は、一部の地域において弱さが見られるものの、持ち直してきております。先行きについては持ち直しが続くことが期待されるものの、世界的な金融引き締めや中国における不動産市場の停滞に伴う影響、物価上昇等による下振れリスク、中東地域をめぐる情勢や金融資本市場の変動がマイナスの影響を与えております。
こうした世界情勢の中、我が国経済も新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が解除され、インバウンド需要も回復基調となり、景気は緩やかに持ち直しておりますが、物価上昇や海外景気の下振れにより、企業収益に与える悪影響が懸念されます。
IT市場は、人手不足を背景に業務の効率化を図ることに加え、2025年問題の解決のために、新しいIT技術(生成AI、5Gおよびクラウドサービスなど)を用いた既存システムの再構築や機能追加等の需要を受けて、引き続き増加基調で推移しております。また、コロナ禍からの経済社会活動の正常化が進む中で、回復のペースが一段と上がっております。
2025年問題:経済産業省が2018年9月に公表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」(デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会)で、既存レガシーシステムの保守課題が克服できない場合、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性を「2025年の崖」と指摘したこと
生成AI:Generative AI、データのパターンや関係を学習し、様々なコンテンツ(文章、画像、音声など)を生成する技術
5G:5th Generation(第5世代移動通信システム)、「第4世代移動通信システム(4G)」に比べて超高速、超大容量、超大量接続および超低遅延で移動通信を実現する基盤技術
クラウドサービス:インターネットを経由してサーバーやアプリケーション機能を提供するサービス
2024年11月期の売上高につきましては、2023年11月期より1,287百万円増となる22,050百万円を見込んでおります。ただし、外的環境として世界的な金融引き締めや中国における不動産市場の停滞に伴う影響、中東情勢をめぐる情勢、物価上昇等などにより、設備投資への弱含みが続くリスクもあると考えております。また、採用および離職率の改善、外部調達の確保等、開発体制確保に関する課題も継続して取り組む必要があると考えております。
(4) 優先的に対処すべき課題
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境についての経営者の認識」に記載した経営環境の認識を踏まえ、当社では、開発体制強化のための人材および協力会社の確保ならびに要員育成強化を喫緊の課題と認識しており、中途採用の強化、協力会社に対する発注予定案件の早期開示によるコアパートナー拡大、不採算案件の教訓を題材とした教育プログラムの開発および生産性向上を前提とした待遇改善による人材流出の抑止等を図ってまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、以下の重点指標を設定しております。
重点指標第54期
(2024年11月期)
第55期
(2025年11月期)
第56期
(2026年11月期)
業績の拡大売上高
(対前期増減率)
22,050百万円
(6.2%増)
23,515百万円
(6.6%増)
25,394百万円
(8.0%増)
経常利益率12.1%11.7%12.0%
開発体制の拡大開発要員数
(対前期増減数)
1,337名
(24名増)
1,390名
(53名増)
1,461名
(71名増)

(注)1.本表の記載事項は目標数値であり、外部環境の変化等により目標を達成できない可能性があります。また、翌期の中長期事業計画策定時において、当社を取り巻く状況の変化により第55期、第56期の内容を見直す可能性があります。
2.開発要員数は、当社従業員のうち、ソフトウェア開発に従事している期末日時点の要員数を記載しております。