四半期報告書-第31期第3四半期(平成27年10月1日-平成27年12月31日)

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2016/02/05 11:08
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて43,449百万円増加し、145,001百万円となりました。負債の部につきましては、26,278百万円増加し、60,433百万円となりました。また、純資産の部につきましても、17,171百万円増加し、84,567百万円となりました。
これらの主な増加要因は、第1四半期連結会計期間において、当社の持分法適用関連会社の一部株式について、平成29年9月を譲渡予定日とした株式譲渡契約締結に係る会計処理によるものであり、各項目の内容は以下のとおりであります。
資産の部当該譲渡契約の対象となる株式について保有区分を変更し、関係会社株式から投資有価証券に振り替え、時価評価したことにより、投資有価証券が増加。
負債の部デリバティブ債務の計上および繰延税金負債が増加。
純資産の部その他有価証券評価差額金の増加、繰延ヘッジ損益(損失)の計上。

また、上記のほか、固定資産ののれんや関係会社株式および固定負債の転換社債型新株予約権付社債や長期借入金が増加しております。
なお、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は、56.4%となりました。
(2) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、政府の景気対策等の効果もあり雇用環境や企業収益が改善するなど緩やかな回復基調が続いているものの、中国を中心とした新興国や資源国の景気減速など海外経済の下振れ懸念があり、先行き不透明な状況で推移しております。
当社グループが展開するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを取り巻く環境は、人材不足、グローバル化、法制度改正などを背景に、経営の効率化、コスト競争力の強化、事業環境変化への柔軟な対応といった企業ニーズが一層強まり、総じてサービス需要が拡大しております。また、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)や電力の小売自由化、訪日外国人(インバウンド)増加などに伴うBPOサービス需要の増加が予想されます。さらに、スマートデバイスやタブレット端末の普及・進化、SNS利用の広がりなどに伴い、企業のデジタルマーケティングへの関心やEC(電子商取引)ビジネス展開などが加速しており、こうした動きに伴うサービス需要も拡大しております。
このような状況の中、当社グループは、コンタクトセンター、SCM(サプライチェーンマネジメント)、バックオフィス、設計開発、デジタルマーケティング、ECなどの業務を中心としたBPOサービスを積極的に展開し受注の増加につなげました。また、拡大する国内外のBPOサービス需要に対応していくためのサービス体制の強化、グローバルECワンストップサービス強化を目的とした海外有力企業とのパートナーシップ推進などに努めました。
具体的には、国内外でのサービス需要拡大に伴い、国内では、コンタクトセンター拠点「マーケティングチェーンマネジメントセンター那覇県庁前」を設立し、海外ではベトナム国内向けBPOサービス拠点として「ホーチミンセンター」を設立しました。また、訪日外国人向けコンタクトセンターサービスの展開を強化していくため、既存のコンタクトセンター内に「多言語コンタクトセンター」を構築しました。一方、グローバルECワンストップサービス強化のための取り組みとしては、ASEAN各国やインドのECリテーラーに販路をもつシンガポールのECフルフィルメント企業「Anchanto Pte Ltd」、マレーシア最大のECモール「Lelong.my」などの運営企業である「INTERBASE RESOURCES SDN.BHD.」とそれぞれ資本・業務提携に合意するなど海外でのサービス体制を強化しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高164,954百万円となり前年同期比12.9%の増収となりました。利益につきましては、売上拡大に伴う先行投資などがありましたが、コスト適正化推進の効果により、営業利益は6,705百万円となり前年同期比0.7%の増益、経常利益は為替差損の影響などにより6,307百万円となり前年同期比12.8%の減益となりました。また、投資有価証券売却益の計上などにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,294百万円となり前年同期比7.5%の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(単体サービス)
当社におけるアウトソーシングサービス事業等につきましては、BPOサービスの需要拡大やコスト適正化による収益性の改善の効果などにより、売上高は131,375百万円と前年同期比13.3%の増収となり、セグメント利益は5,950百万円と前年同期比12.2%の増益となりました。
(国内関係会社)
国内関係会社につきましては、第1四半期連結会計期間および第2四半期連結会計期間において、一部子会社を吸収合併(当社を存続会社とする吸収合併)し、連結の範囲から除外した影響などにより、売上高は14,953百万円と前年同期比29.7%の減収となり、セグメント利益は705百万円と前年同期比25.2%の減益となりました。
(海外関係会社)
海外関係会社につきましては、韓国におけるBPOサービスの受注が好調に推移し、売上高は22,380百万円と前年同期比29.4%の増収となりました。また、セグメント利益は中国、ASEAN各国における新規事業拡大に係る先行投資などにより、37百万円と前年同期比90.1%の減益となりました。
なお、セグメント利益につきましては、四半期連結損益計算書における営業利益をベースにしております。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案がなされた場合、その判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社株式について大量買付がなされた場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの等、大量買付の対象となる会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社株式の買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。当社は、このような濫用的な買収に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
② 基本方針実現のための取り組みの具体的な内容の概要
(a) 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
(中期経営計画等)
当社は、当社の企業価値の源泉を踏まえ、創業以来、一貫して標榜してきた「顧客第一主義」という理念のもと、今後も引続き、以下の諸施策に取り組み、当社の企業価値ひいては株主共同の利益向上を図ってまいります。
サービス理念として、オペレーショナル・エクセレンスを掲げ、それを継続的に実践することで、お客様の「Your Global BPO Partner」になることを目指します。
(i) お客様企業の売上高拡大を目的としたサービスの提供
当社は、お客様企業の売上高拡大を目的とした業務領域で、デジタルマーケティングからコミュニケーション設計・運用・分析・ECまでサービスを提供していきます。
具体的な取り組み内容として、デジタルマーケティング事業における新事業・技術分野の拡充として、多様化・高度化する顧客接点に対応し、ビッグデータ活用ノウハウを持つコンサルタントやデータサイエンティストの調査・分析に基づく施策立案や収益・業務改善を支援します。業務特化型コンタクトセンターサービスの展開加速として、専門知識を保有する要員が対面でのセールスプロモーション、戸別訪問、セールスサポートを実施し、お客様企業の製品・サービスの認知向上、売上高拡大寄与を目指していきます。EC・通販企業向けサービス重点強化として、各国で豊富な経験のある大手事業者との資本・業務提携をはじめ、お客様企業のグローバルなEC事業展開にワンストップのサービスを提供します。Sales & Marketingサービス領域でグローバル展開を加速させ、お客様のEC戦略およびブランド戦略に基づき、ECサイト構築・運用からフルフィルメント(入荷・ピッキング・梱包・出荷)、カスタマーケア、Webプロモーション、分析までEC事業に必要な各種機能をワンストップで提供します。
(ⅱ) お客様企業のコスト削減を目的としたサービスの提供
当社は、お客様企業の間接業務において、業務コンサル・設計・運用までサービスを提供していきます。
具体的な取り組み内容として、企業内間接部門業務の効率化サービスとして、企業が保有する基幹業務をはじめ、多様な間接業務に対してプロセスとコストを最適化することにより、企業内リソースのコアシフトを支援してまいります。製品設計プロセスサービスの提供として、長年培ってきた設計のノウハウを活用して、製造業のお客様向けに設計・開発工程を幅広く支援し、商品開発力の向上に貢献します。情報システム部門業務の効率化サービスの提供について、豊富なサービス提供実績から培ったノウハウとクラウド、シンクライアントなどの技術を活用し、お客様のニーズに即した最適なIT環境を実現します。
(ⅲ) 国内業務ノウハウを活用したグローバル展開の加速
国内業務ノウハウを活用し、中国・韓国市場での事業展開を加速し、ASEAN・インド・欧米、そして世界中の事業機会を積極的に開拓していきます。
具体的な取り組み内容として、韓国事業におけるデジタルマーケティング事業を強化し、韓国で事業展開するお客様企業に、韓国向けのコンタクトセンターサービス、デジタルマーケティングサービス、ECワンストップサービス、ダイレクトメールサービス、フィールドサービスを提供します。中国事業におけるEC市場および金融・通信市場で、さらなる成長を目指すとともに日本市場向けオフショアサービスの低コスト・高品質を追求し、中国で事業を展開するお客様企業に、中国向けのECワンストップサービス、コンタクトセンターサービス、デジタルマーケティングサービス、ITアウトソーシングサービスを提供していきます。欧米・ASEAN・インド市場向けに、世界標準のサービス・デリバリー体制を構築し、現地市場向けのコンタクトセンターサービス、デジタルマーケティングサービス、ECワンストップサービスを提供します。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社は、透明性の高い公正な経営を実現すべく、取締役の任期を1年とし、16名の取締役のうち4名を独立性のある社外取締役とすることにより経営に対する監視機能の強化を図っております。運営面では、構成員である各取締役が各々の判断で意見を述べられる独立性を確保し、活発な議論が行われております。例えば、当社が現在進めているECおよび海外における事業展開においては、社外取締役よりその専門的知見を得ることで、当社の事業推進上、大きな効果を得ております。また、当社は、執行役員制を導入しており、取締役会が担っている「経営の意思決定及び監督機能」と「業務執行機能」を分離し、取締役会は「意思決定・監督機能」を担い、「業務執行機能」は執行役員が担うこととしております。これにより業界特有の経営環境の変化に柔軟に対処できる意思決定の迅速化と従業員に対するきめ細かい業務執行を実現しています。監査役につきましては、社外監査役2名を含む4名により監査役会を構成し、取締役会等の重要な会議に出席するほか、当社および国内外子会社への監査を実施し、取締役の職務執行の監査を行っております。
(b) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの具体的な内容の概要
(i) 当社は、平成27年5月15日開催の取締役会決議および平成27年6月24日開催の第30回定時株主総会決議に基づき当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を、更新することといたしました。本プランの概要については、下記(ⅱ)のとおりです。
(ⅱ) 本プランの概要
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、当社株式に対する大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。
買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。
買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や、当社株券等の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合等には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件および当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権に係る新株予約権無償割当て、またはその他の法令および当社定款の下でとりうる合理的な施策を実施します。本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使または当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プランにおける所定の場合には、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することがあります。
こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。
なお、本プランの有効期間は、平成27年6月24日開催の第30回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時とされております。
③ 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
当社の中期経営計画等およびコーポレート・ガバナンスの強化等の各施策は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、当社株式に対する大量取得行為買付等が行われた際に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。さらに、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則を充足していること、更新にあたり株主の皆様の承認を得ていること、一定の場合には本プランの発動の是非について株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認する仕組みが設けられていること、有効期間を約3年とするいわゆるサンセット条項が付されていること、および有効期間の満了前であっても、当社株主総会により本プランを廃止できるものとされていること等株主意思を重視するものとなっております。また、本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、本プランの発動に際しての実質的な判断は、経営陣からの独立性を有する社外取締役等によって構成される独立委員会により行われること、独立委員会は当社の費用で独立した第三者専門家等の助言を受けることができるものとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること等により、その公正性・客観性も担保されております。
したがって、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は66百万円であります。
(5) 従業員の状況
① 連結会社の状況
平成27年12月31日現在
セグメントの名称従業員数(名)
単体サービス9,137
[ 20,126]
国内関係会社1,021
[ 982]
海外関係会社6,483
[ 2,128]
合計16,641
[ 23,236]

(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に当第3四半期連結累計期間の平均雇用人員(1日8時間換算)を外数で記載しております。
2 前連結会計年度末と比較し、著しい増減のあったセグメントは以下のとおりであります。
・「単体サービス」・・・従業員数 705名増加、臨時雇用者数 3,739名増加
・「国内関係会社」・・・従業員数 240名減少、臨時雇用者数 2,481名減少
主な増減理由は、「単体サービス」における新卒採用および当社とトランスコスモスシー・アール・エム沖縄株式会社との合併により、「国内関係会社」から「単体サービス」へのセグメント間異動によるものであります。
3 第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。
② 提出会社の状況
当社の従業員数は、単体サービスのセグメントと同一であります。