訂正有価証券報告書-第45期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)

【提出】
2019/07/01 13:00
【資料】
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【項目】
118項目

業績等の概要

(1)経営成績に関する分析
(当社を取り巻く経営環境)
当連結会計年度(2017年3月1日~2018年2月28日)、国内では、構造的な人手不足により労働需給の逼迫感が増し、業界によらず人的サービスの供給が難しくなる傾向が強まりました。また、長時間労働が社会的問題として顕在化する中、企業では働き方改革に向けた取り組みが活発化しました。当社が事業領域とするファシリティマネジメント(以下、FM)業界においても、人的コスト上昇への対応が求められ、効率化や自動化へのニーズが益々高まりました。
当社が事業を展開する中国やアセアン各国では、都市環境の変化に伴いファシリティの活性化や効率的な運用が課題となり、FMの需要が拡大を続けています。とりわけ、中国では、テクノロジーを活用した本人認証や商品識別、データ分析等、日常生活の様々な場面でデジタル化が進展しています。
こうした中、当社では新規顧客の開拓に加えて、資産価値向上の観点から既存顧客への提案を強化しました。また、各事業で業務効率化に取り組むと共に、国内外でテクノロジーを活用したFMの省人化や無人化に向けた研究開発を進めました。
(顧客の拡大)
国内では、新たにリゾート施設、商業施設、工場、オフィスビルへサービスの提供を開始しました。また、前年度より当社がIFM(※)を提供する大手製薬会社では、国内複数のファシリティに関する運営コストの削減を図ると共に契約業務を拡大しました。また、IFMのアジア展開を目的に2017年4月に開業した「永旺永楽(上海)企業管理有限公司」との日中連携により、中国に事業を展開する日系企業をターゲットとした営業活動を積極化しました。
中国では、重点ターゲットとする中高級施設への営業活動に注力し、大型商業施設をはじめ、病院施設、交通インフラ施設などへサービスの提供を拡大しました。加えて、エリア単位での受託拡大を図り、広域商業エリアにおける物件を集中的に受託したほか、再開発エリアのランドマークとなるオフィスビルの総合管理を受託しました。
マレーシアでは商業施設の清掃や資材の提供に加え、設備管理の提供を本格的に開始し、保守点検業務の受託を拡大しました。ベトナムでは営業体制の強化により、ハノイの在ベトナム日本国大使館や日系マンションなどの業務を受託すると共にサービスメニューの拡充や業務効率化、品質の向上に取り組みました。
なお、今後もマーケットの拡大が見込まれる中国・アセアン各国での成長を目指し、同エリアへ積極的に経営資源を振り向けてまいります。
※IFM(インテグレーテッド・ファシリティマネジメント)
ファシリティに関するアウトソーシングニーズを統合的に管理運営するサービス
(経営成績)
当連結会計年度の業績は、売上高2,923億96百万円(対前年比99.9%)、営業利益129億9百万円(同91.3%)、経常利益133億81百万円(同93.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益63億97百万円(同90.2%)となりました。
当連結会計年度における主要事業の概況
売上高(百万円)構成比(%)前年比(%)
設備管理事業52,66918.0104.2
警備事業43,29014.8105.4
清掃事業55,29718.9103.6
建設施工事業40,89714.089.3
資材関連事業50,26517.299.1
自動販売機事業32,83411.299.9
サポート事業17,1415.994.2
合計292,396100.099.9

※警備、清掃、建設施工、サポートの各セグメント間で一部組替を実施
・設備管理事業は、売上高526億69百万円(対前年比104.2%)となり前年を上回る結果となりました。新規受託に加え、お客さまのコンプライアンス対応を支援する防火設備定期検査やフロン管理代行サービスの受託を拡大しました。また、生産性向上を目的にセンシング技術を活用した設備管理の省エネ・省人化モデルの開発を進めました。
・警備事業は、売上高432億90百万円(対前年比105.4%)となり前年を上回る結果となりました。営業強化により、安全カメラの受託を推進すると共に省人化を目的に出入管理や巡回警備等といったサービスのシステム化を進めました。また、労働需給の逼迫感が強まる中、労働力確保に向けた職場環境の改善、整備に取り組みました。
・清掃事業は、売上高552億97百万円(対前年比103.6%)となり前年を上回る結果となりました。新規受託に加えて、品質・生産性向上を目的に施設毎の特性を踏まえた新たな清掃基準の策定に取り組みました。また、環境に配慮した資機材の開発や拡販を進めました。
・建設施工事業は、前年の大口顧客店舗改装に伴う看板付替え工事受託の反動減等から売上高408億97百万円(対前年比89.3%)となり前年を下回る結果となりました。デザイン・設計分野の体制を強化し、ショッピングセンターのテナント入替に伴うリニューアル工事の提案活動を積極化しました。加えて、各種工事の見積精査を徹底することで収益性の改善に取り組みました。
・資材関連事業は、売上高502億65百万円(対前年比99.1%)となり前年を下回る結果となりました。売上拡大に向けて、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の包装包材の受託を拡大しました。また、需要予測システムの精度向上による在庫保管費の削減、調達コストの削減等、収益性の改善に取り組みました。
・自動販売機事業は、売上高328億34百万円(対前年比99.9%)となり前年を下回る結果となりました。デジタルサイネージ型自販機での広告やクーポンの発行、店舗送客といった販促活動に加え、災害情報の表示等の新たなコンテンツ開発に取り組み、次世代型自販機の拡販に努めました。
・サポート事業は、売上高171億41百万円(対前年比94.2%)となり前年を下回る結果となりました。BTM(国内出張マネジメント・海外赴任サポート)やMICE(会議・セミナー・研修等の企画運営)事業を展開するイオンコンパス株式会社など連結子会社が同セグメントの業績に寄与しました。
なお、セグメント間の内部売上高又は振替高を調整後のセグメント利益は、設備管理事業については、46億44百万円(対前年比106.8%)、警備事業では28億57百万円(同91.9%)、清掃事業では62億28百万円(同103.6%)、建設施工事業では33億5百万円(同103.0%)、資材関連事業では28億68百万円(同103.4%)、自動販売機事業では21億5百万円(同74.9%)、サポート事業では△14億66百万円(前年同期△8億50百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ77億18百万円(24.9%)増加し、387億22百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の計上122億47百万円、減価償却、減損損失及びのれん償却31億69百万円、前受金の増加13億72百万円、法人税等の支払61億15百万円により、135億68百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形及び無形固定資産の取得による支出32億28百万円、その他の収入6億63百万円により、26億66百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払29億96百万円により、32億64百万円の支出となりました。