訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2016/06/21 15:00
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第二部【企業情報】
(はじめに)
当社はグローバルに展開するオルタナティブ(代替)投資会社であるカーライル・グループ(本社:米国ワシントンD.C.)の支援の下、平成23年8月11日にマネジメント・バイ・アウト(MBO)(注)を目的として設立されたエヌ・シー・ホールディングス株式会社によって、平成24年2月に完全子会社化され、東京証券取引所市場第二部の上場を廃止いたしました。その後、平成24年4月に旧株式会社日本医療事務センターを存続会社、エヌ・シー・ホールディングス株式会社を消滅会社とする吸収合併を行い、平成24年10月には株式会社ソラストへと商号変更し、現在に至っております。
(注)MBOとは、一般に、買収対象会社の業務執行を行う取締役の全部又は一部が資金を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を購入する取引をいいます。
<当社の変遷>1.マネジメント・バイ・アウト(MBO)に至った経緯とその目的
当社は昭和40年10月、医療事務の通信教育講座を開設するため日本医療経営協会として創業、通学による教育講座や医療関連業務受託事業を拡大しながら成長し、昭和55年に社名を株式会社日本医療事務センターに改称、当時の主たる事業である医療関連受託事業及び教育事業の基礎を築きました。平成4年11月には株式を店頭登録し、その後も平成11年に介護事業、平成14年に保育事業を開始し、将来的に成長が見込まれる分野に事業領域を拡充、同年12月には東京証券取引所市場第二部に株式を上場いたしました。
MBOに至った経緯としましては、当時の事業環境や競争環境から、医療関連受託事業の競争力強化と福祉事業(現介護・保育事業、以下介護事業)における事業規模の拡大が急務だったことにあります。
MBOを決断した平成23年当時、医療機関の経営は国民医療費の抑制を目的とした医療制度改革等の影響を受け厳しい状態が継続していました。医療機関のコスト削減圧力の高まりに伴い、医療機関の経営改善、効率化・合理化への取り組みが求められ、病院経営支援等のコンサルティングなど付加価値の高いサービスの需要が一層高まった結果、当社においても従来の医療事務受託にとどまらず病院の経営改善に資する付加価値の高いサービスを提供する必要に迫られておりました。顧客ニーズと事業環境が大きく変動する中、当社は従来の医療事務受託業務以外の医事周辺業務への取り組みの強化を図りましたが、他社に対する優位性を確立するには至っておらず、当社の収益成長は頭打ちの状況にありました。加えて、平成22年5月に厚生労働省より「専門26業務に関する疑義応答集」が発表され、医療事務関連の派遣業務が派遣期間の制限が無い「専門26業務」の対象外であることが明確化されたことにより、当社は医療事務関連の労働者派遣契約の多くを終了させる必要に迫られました。その結果、平成23年3月期の医療関連受託事業の決算は売上高49,903百万円(前連結会計年度比1.7%減)、セグメント利益3,840百万円(同0.8%減)と、減収・減益となりました。このような状況を克服し、医療関連受託市場において継続的な成長を実現するためには、医療機関の経営改善に貢献する付加価値の高いサービスの提供、競合他社との差別化、顧客獲得戦略の強化など、経営体制の高度化が求められておりました。
介護事業においては、少子高齢化社会において成長が期待でき、医療関連受託事業に続く事業の柱とするため、地域に密着した事業展開を基本方針に新規事業所の開設に注力、介護・保育職員の確保と育成に努めてきましたが、MBOを決断した当時は、収益性の向上スピードが緩やかなものに留まり、医療関連受託事業に依存する事業構造を変えるまでには至っておりませんでした。そのため、事業構造を変革し、介護事業を医療関連受託事業に続く事業の柱へと成長させることを目的に、積極的かつ大規模な先行投資を計画しましたが、それらの先行投資に伴い、平成24年3月期における介護事業は、大幅な減益並びにセグメント損失の計上が見込まれる状況となっており、新設事業所の早期収益化が求められておりました。
さらに、医療関連受託事業や介護事業の成長には人材を安定的に確保することが必要であり、当社は創業以来、教育事業における医療事務講座を通じて人材採用を行っていましたが、近年の新規社員採用に占める当社の医療事務講座修了生の割合が減少し、医療事務講座は採用手段としての役割を果たせなくなってきておりました。医療事務講座のターゲットである女性の目指す資格は多様化してきており、通学講座の受講生が年々減少する中、運営に必要となる教育賃借料や生徒募集費といった固定費などの経費が大きく、MBO時点で事業の継続可能性の観点からも問題を抱えておりました。
これらの環境を踏まえると、医療関連受託事業の競争力強化と介護事業の拡大が急務ではありましたが、その一方で、施策の成果がでるまでには一定の時間を要することが予想され、特に介護事業における拠点新設等による積極的かつ大規模な先行投資は、人件費や償却費等コストの大幅な増加を伴うことから、短期的には収益を急激に悪化させる要因となり株主にリスクを強いることが否定できない状況にありました。
加えて、創業事業である教育事業においても、従来の位置付けやビジネスモデルを見直し、教室や講座の統廃合を含め抜本的に改革することが不可欠でありましたが、創業事業の思い切った改革には社内の意識改革も必要なうえ、その後の事業や収益に与える影響などの面で、その実行には一定のレピュテーション・リスクが想定される状況にありました。
また、それらの経営課題を迅速、果敢に遂行するに当たっては経営体制の刷新が不可避であり、必要な経営人材を外部招聘を含めて機動的に確保することが重要でした。
このような中で、以上の経営改革を、上場を維持しつつスピード感を持って実行することは困難との認識に至り、事業提携やM&Aの実行支援、成長資本の提供など事業成長戦略への支援や、インセンティブ・プランの導入、経営人材の補強、経営及び財務管理体制の高度化といった経営体制の強化策についての提案を受けていたカーライル・グループとの協働による株式の非公開化と抜本的な構造改革が、当社の中長期的な企業価値の向上にとって必要かつ有効であると判断し、MBOによる株式非公開化を決断するに至りました。
2.MBOに至る手続きとその妥当性
平成23年7月に、当社代表取締役社長であった荒井純一(現当社代表取締役会長)及びカーライル・グループ(以下、「公開買付者」という。)より、当社に対するMBOの実施についての初期提案があり、8月には公開買付を含むMBO実施の正式な提案が行われました。
当社はMBO実施の提案を受け、意思決定過程における恣意性を排除し、企業価値・株主共同の利益の観点から協議、検討及び交渉することを目的とし、公開買付者である荒井純一を除く当時の当社全取締役を構成員とするプロジェクトチームを設置し、以降のMBO実施に関する協議及び交渉を行いました。
上記プロジェクトチームによる検討の過程においては、公開買付者から提示される公開買付価格の評価に関する意思決定の公正性を担保する目的で、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関であり、かつ、関連当事者に該当しないプライスウォーターハウスクーパース株式会社(以下、「PwC」という)をフィナンシャル・アドバイザーに選任するとともに、株式価値算定を依頼しました。
(注)当該株式価値算定において、平成23年6月末を基準日とし、当社が上場していたため平成23年9月14日までに得られた情報を基礎として市場株価基準方式を採用するとともに、事業計画・財務関連諸資料等を使用したDCF方式を併用し、株式価値を算定しています。この結果、当社普通株式1株当たりの株式価値は、市場株価基準方式で1株当たりの株式価値を317円~355円、DCF方式では1株当たりの株式価値を504円~783円と算定されております。
これに対して、公開買付者は、買付価格を決定するに際し、東京証券取引所市場第二部における過去6ヶ月間及び直近の株価の推移、財務情報等の資料、買収監査(デュー・ディリジェンス)の結果などを基に、過去1年間における公開買付事例におけるプレミアム率を参考にしながら、プロジェクトチームとの協議・交渉の結果や公開買付の見通し等を勘案し、買付価格を1株当たり530円に決定しております。この公開買付価格530円は、MBOに賛同した前営業日(平成23年9月15日)の東京証券取引所終値320円、同日までの終値の過去1ヶ月単純平均値317円、過去3ヶ月単純平均値333円及び過去6ヶ月単純平均値350円に対し、それぞれ、65.63%、67.19%、59.16%及び51.43%のプレミアムを加えた価格となっており、当社としては、当該プレミアム率は、当時の他案件の平均的なプレミアム率と比較しても遜色の無いものであったと考えております。なお、買付価格530円は当時の当社のPBR(株価純資産倍率)で1倍未満となりますが、当社のPBRは平成22年9月16日から平成23年9月15日までの1年間を通じて0.3~0.5倍台で推移していたことに鑑みると、特に問題となる水準では無かったものと考えております。
また、当社は、MBO実施に関する意思決定過程等における透明性及び合理性を確保するため、公開買付者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所を選任し、MBO実施に関する意思決定過程、意思決定方法その他の留意点について、法的助言を受けております。
さらに、当社の取締役会にてMBO実施の是非を審議及び決議するに先立ち、取締役会が公正に実施され、その意思決定過程における恣意性が排除されているか、公開買付けを含む取引が少数株主にとって不利益なものでないかの確認を目的として、第三者委員会を設置しました。第三者委員会は、公開買付者及び当社の取締役会からの独立性の高い、当時の当社社外監査役かつ独立役員である古川晴雄氏及び佐藤英夫氏並びに外部有識者である渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 弁護士野崎竜一氏から構成されており、5回に亘って開催され、当社の企業価値向上の観点から慎重な協議及び検討が行われた結果、目的の正当性、手続きの公正性、対価の妥当性、MBOの実施が少数株主にとって不利益でない旨を内容とする答申書が提出されております。
これらの結果から、当社のプロジェクトチームは、公開買付価格が当社の株主(新株予約権者を含む)にとって妥当であり、株主の皆様に対して合理的な株式及び新株予約権売却の機会を提供するものであると判断し、当社の取締役会は、荒井純一を除く当社取締役の全員一致で平成23年9月に賛同の意見を表明したものです。
公開買付における応募株券等の総数は15,964,659株であり、買付予定数の下限として設定された14,991,300株を上回っており、当社としては、上記のMBOは投資家からは十分な賛同を得られていたものと判断しております。
また、上記のMBOに関し、平成24年1月に当時の一株主から公開買付価格に対する価格決定の申し立てが東京地方裁判所になされておりますが、公開買付価格は公正な価格として認められており、その判断は、東京高等裁判所及び最高裁判所においても是認されております。
以上のことから、当社としましては、公開買付を含むMBOは公正・妥当なプロセスを経て実行されたものと認識しております。
3.MBO後の経営改革
当社はMBO公表後の早期の段階から、事業計画の着実な遂行、経営・財務管理の強化、組織・人事体制の強化の各分野においてプロジェクトを立ち上げ、取り組みを開始しました。
(1)医療事業改革
医療関連受託事業においては、基本戦略として、「医療事務受託会社から病院経営支援・事務運営のプロフェッショナルカンパニーへ」を掲げ、医療事務やその他業務を作業として提供する従来の形態から、付加価値の高い専門的サービスや経営に役立つサービスを提供する形態への移行を進めております。
その具体策の一つとして、病院経営サポート部を新設し、その中に「診療情報管理サービス室」、「病院IT支援サービス室」、「地域連携サービス室」を設け、それぞれのサービスの積極的な展開をはかっています。(平成28年4月より、ICTビジネスディベロップメントセンターとしてICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)を活用した高いクオリティーによって、新サービスを創出する組織に改編しております。)
これらの部署で提供するサービスとしては、病院経営支援サービス(診療報酬の観点から病院の収益が適切かを分析し、改善に対するアドバイスを行うサービス)、IT支援サービス(医療情報システムに関する保守やデータ管理を行うサービス)、診療情報管理サービス(診療情報の分析、活用などを行うサービス)、地域連携サービス(病院を退院する際の受け入れ先のコーディネイトなどを行うサービス)等があり、今後も病院経営に寄与するサービスへのニーズは高まるものと考えていることから、これらの販売に注力することにより、競合他社との差別化をはかっております。
営業力強化の取り組みとしては、新規顧客開拓を専門に行う「営業推進部(現営業推進課)」を新設し、営業をサポートする専門部署を設置することで新規顧客獲得を強化しています。また、ターゲット顧客の絞り込み、提案書の刷新など営業プロセスも高度化し、後述の「主な事業別経営指標」にも記載のとおり、新規顧客の獲得実績(新規受注件数)は着実に向上しております。一方、既存受託先との関係強化のためには、受託業務のクオリティーと生産性の継続的な改善が欠かせません。そのための取り組みとして、全国の受託先共通の顧客品質項目を生産性指標とするビジネスKPIを「病院ダッシュボード」として定め、当該KPIに対するカイゼン活動を実施・継続することで、サービスの質の維持・管理や、業務プロセスの標準化及び高度化を推進しています。この取り組みを効果的に進めるために、主要取引先病院すべてにPCを設置しコミュニケーションの強化を図るとともに、病院のマネージャー層を対象にしたコーチングトレーニング、毎月の病院マネージャー研修会等によって現場のマネージメント力の強化をはかっております。
事業管理体制に関しては、現場社員の勤怠管理のシステム化、拠点・ブロック・本部の役割の明確化、ICTを活用したマネージメントコミュニケーションの強化、業績管理手法の精緻化等を迅速に実施してきております。なお、平成24年10月には経営資源を集積・融合させるとともに効率化を進め競争力・経営基盤の一層の強化を図る目的で、子会社であった株式会社アイ・エム・ビイ・センターを吸収合併しております。
当社は、サービスの質の向上と均一化に向けたこれらの取り組みを強化することで、生産性の向上や既存受託先に対する深耕業務の拡大等をはかってまいりました。
(2)介護事業改革
介護事業においては、今後高齢化が他の地域よりも進行する大都市部において、軽度から重度まで継続的・一体的にケアできるサービスを提供することを方針とした地域戦略を打ち出しました。1つの施設で単独のサービスを提供する他社が多い中、1つの施設で複数のサービスを提供することを差別化要因とし、質の高いサービスの提供、事業の高付加価値化と品質向上を図っております。
当社は、介護サービスの中でもニーズの高い居宅サービス(訪問・通所・居宅)を主軸に、MBO後は積極的な事業所の展開を進めております。第1 企業の概況 3.事業の内容 (2) 介護・保育事業の「当社グループが運営する事業所数の推移」にも記載のとおり、当社グループが運営する介護事業所数は、MBO前の平成23年3月期の全103事業所に対し、平成28年3月期には全219事業所となっており、当社は、短期間に多数の新規事業所開設を進めるとともに、後記のとおりM&Aによる事業所の展開も実現しました。MBO当時の介護事業の課題として新規事業所の立ち上げ早期化がありましたが、サービスの中でも通所と訪問の事業所開設モデルを作成し、適宜更新をかけることで、ローコスト投資モデルの開発を進めております。また、地域の民生委員、居宅介護支援事業所、福祉施設等に対しての営業活動を強化しております。さらに、事業所毎の適切な運営状況を確立するために、KPIや報告フォーマットの見直しを行い、週単位での厳格かつ徹底したモニタリングを実行することで、タイムリーに事業の状況を把握できる経営管理体制の構築と採算性の向上を進めております。一方で、自社で新規事業所を開設することによる成長に加えて成長スピードを加速させるために、M&Aを継続的に検討しております。M&Aにおいては、当社介護事業に不足するノウハウの獲得も目的としております。M&Aの実績として、平成26年12月に当社では運営していなかったケアハウス、訪問看護を含む入居系福祉及び介護事業(グループホーム、ケアハウス)、訪問系介護事業(訪問介護及び看護等)を展開している株式会社ココチケア(従業員数530名、拠点数43ヵ所)を子会社化しております。この結果、介護事業は、平成28年3月期には売上高11,637百万円を達成しております。今後についても、主に訪問、通所、ショートステイ等の在宅関連事業とグループホームにおいて、事業譲渡、株式譲渡などのスキームを利用したM&Aを実施することによる事業成長を検討しております。
MBO後の積極的な新規事業所の開設に伴い、後述の「主な事業別経営指標」に記載のとおり、一時的に介護の売上総利益が悪化しておりますが、経営管理体制の構築・採算性の向上、M&Aの取組み等により、規模の拡大と採算の改善に取り組んでおります。
(3)教育事業改革とキャリアセンターの設置
慢性的に人材が不足する医療・介護業界において、当社が持続的な成長を可能とするためには人材採用と社員教育の強化が不可欠ですが、この分野においてもMBO後に抜本的改革を行っております。
当社は、平成26年4月に全社組織としてキャリアセンターを設立し、従来各事業部で独自に行っていた現場スタッフの採用と教育のマネージメントをキャリアセンターに一元化し、全社組織として強化しました。また、教育講座の販売と運営を担当していた教育事業部もキャリアセンターの一部として改組しました。
教育企画(旧教育事業)では、MBO後、従来の通学講座から、ICTを駆使した新たな講座提供方法(新通信講座)への転換を進めており、教室の閉鎖や通学講座の販売廃止に伴う固定費の削減から、永続可能な事業構造となっております。また、「仕事に役立つこと」と「学びを最大化する」ことを目指して講座内容を刷新し、今後積極的な販売を予定しております。採用では、高い基準のテストを実施することで、採用人材の質の向上をはかっております。また、社員紹介制度の充実をはじめとした採用チャネルの多様化、募集広告の工夫も継続して行っております。教育・トレーニングでは、社員が全国に分散していることから、IT技術を活用した通信教育・トレーニングにより、網羅性を高めております。その結果キャリアセンターは、人材採用と教育・トレーニングを一貫して専門的に行う組織となり、人材採用ノウハウの高度化、教育・トレーニングプログラムの充実、ITを活用した斬新な教育・トレーニングの提供など、著しい進化を遂げつつあります。また、キャリアセンター品川、キャリアセンター大阪など、ITを駆使したトレーニングを可能にする施設への投資や、社員採用の専門人材を充実させることによって、キャリアセンターの機能のさらなる強化をはかっています。
(4)その他
上記の取り組みを実現するための高い経営管理体制構築を目的に、カーライル・グループから社外取締役を招聘すると共に、医療事業部門、介護事業部門並びに管理部門において、それぞれを統括する執行役員を外部から招聘しており、その他にもインセンティブプラン(ストック・オプション)の導入、コーポレートブランドの刷新(商号の変更)及びサービスブランドの統一、本社移転と非事業資産である保有不動産の売却によるバランスシートのスリム化等を実施しております。
上記の経営改革の成果として、利益率の改善、資産効率の改善及び財務基盤の見直しが行われ、連結の自己資本利益率は、MBO実施前である平成23年3月期の6.1%に対して平成28年3月期は23.4%へと上昇しました。売上高当期純利益率(注1)は、KPI管理による人件費等のコスト管理の強化等により、平成23年3月期の1.9%に対して平成28年3月期は3.2%へと上昇しました。売上高総資産回転率(注2)は、M&Aによる売上高の増加や保有不動産の売却による資産の圧縮等により、平成23年3月期の2.2回に対して平成28年3月期は2.7回へと上昇しました。財務レバレッジ(注3)は、財務の健全性と効率性を踏まえた資本構成を見直したことにより、平成23年3月期の1.4倍に対して平成28年3月期は2.8倍へと上昇しました。
(注)1.売上高当期純利益率=連結当期純利益/連結売上高
2.売上高総資産回転率=連結売上高/(期首連結総資産+期末連結総資産)÷2
3.財務レバレッジ=(期首連結総資産+期末連結総資産)÷2/(期首連結自己資本+期末連結自己資本)÷2
なお、MBOを実施した平成24年3月期を含む最近6年間における当社グループの主な事業別経営指標の推移は以下のとおりであります。
(主な事業別経営指標)
①医療関連受託事業
(イ)契約別売上高、売上総利益、営業利益及びEBITDAの推移
(単位:百万円)
決算年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
売上高
業務請負41,78843,43544,12745,14946,12546,148
労働者派遣6,3883,2183,0352,6112,3402,379
その他医事1,6971,3351,1361,0541,019962
その他291925552
売上高合計49,90348,00848,32548,82049,49149,492
売上総利益
業務請負6,9727,2177,4157,7117,6037,794
労働者派遣1,486750757660562556
その他医事572478396346335305
その他251222521
売上総利益合計9,0568,4588,5908,7238,5038,658
営業利益3,8403,3503,4024,4784,5044,766
EBITDA(注)13,9303,4233,4584,5274,5444,821

(注)1.EBITDAは、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算出しております。
(ロ)病院契約数及び新規受注の状況
決算年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
病院契約数(件)
(注)1、2
698621709687718721
新規受注(注)3
件数(件)262723344138
売上高(百万円)5431,0571,3961,5812,0281,716

(注)1.病床数20床以上の入院施設を持つ医療機関を病院として区分しております。
2.病院契約数は、当期中に売上高が計上された病院数の合計であります。
3.新規受注は、毎期4月以降に業務請負又はその他医事に関する受注契約を締結し、当期中に売上高が計上された病院の件数及び売上高の合計であります。
②介護・保育事業
(イ)事業別売上高、売上総利益、営業利益及びEBITDAの推移
(単位:百万円)
決算年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
売上高
介護事業5,0855,6326,4927,5088,78611,637
保育事業5827058248508441,188
売上高合計5,6676,3387,3168,3589,63012,825
売上総利益
介護事業692359274746741,414
保育事業114578639190
売上総利益合計694374845617131,605
営業利益
介護事業82△362△580△3958548
保育事業△24△1534560117
営業利益合計58△378△5451659665
EBITDA
介護事業175△179△246315415971
保育事業1230698326136
EBITDA合計187△148△1763994421,108

(ロ)介護事業の主要サービスにおける利用者数の状況
年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
利用者数(人)(注)1
訪問介護(ホームヘルプサービス)3,3663,5553,7274,0984,6225,041
通所介護(デイサービス)(注)22,4152,7312,9983,3053,7403,786

(注)1.利用者数は、訪問介護(ホームヘルプサービス)及び通所介護(デイサービス)の3月の利用者数であります。
2.通所介護(デイサービス)の利用者数には、認知症対応型通所介護の利用者数を含みます。
③その他
(イ)キャリアセンターの売上高、売上総利益、営業利益及びEBITDAの推移
(単位:百万円)
決算年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
売上高2,1811,8401,5551,2091,051743
売上総利益1,214920705537427348
営業利益126△123△107△155△270△287
EBITDA156△92△84△138△240△255

(注)1.平成23年3月期、平成24年3月期及び平成25年3月期は「教育事業」の数値を、平成26年3月期、平成27年3月期及び平成28年3月期は「その他」のうちのキャリアセンターの数値を記載しております。
(ロ)キャリアセンターにおける教育講座の状況
決算年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
教室数622320201412
講座数212119202013
コース数(注)247(28)44(25)34(19)34(20)26(23)22(19)
受講生数(人)13,69610,74311,6238,6555,4492,610
修了生数(人)11,3419,3477,3376,8113,6612,074
固定費(百万円)(注)3722669385303175100

(注)1.平成23年3月期、平成24年3月期及び平成25年3月期は「教育事業」の数値を、平成26年3月期、平成27年3月期及び平成28年3月期は「その他」のうちのキャリアセンターの数値を記載しております。
2.コース数の( )内は、通信講座のコース数を記載しております。
3.固定費は、キャリアセンターに係る教育賃借料及び生徒募集費の合計であります。
(ハ)採用関連費用(求人費及び生徒募集費)、採用者数及び1人当たり採用費の状況
決算年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
求人費(百万円)(注)18192104136199359
生徒募集費(百万円)
(注)1
5244422192076943
採用者数(人)(注)26,0586,6257,0246,7966,8626,338
1人当たり採用費(千円)(注)31008146513964

(注)1.求人費及び生徒募集費は、連結の販売費及び一般管理費のうちの該当費目の金額であります。
2.採用者数は、期間中に当社グループに入社した現業社員(医療関連受託事業及び介護・保育事業に所属する常勤・パート社員)の人数であります。
3.1人当たり採用費は、求人費に生徒募集費を加えた後、採用者数で除して算出しております。
(セグメント区分の変更に関する注記)
平成27年3月期より、平成26年4月1日の組織変更に伴い事業セグメントの区分方法を見直しました。
従来の「福祉事業」については、報告セグメントの名称を「介護・保育事業」に変更し、「教育事業」については、量的な重要性が乏しいことから報告セグメントに含まれない事業セグメントへ変更し、「その他」に含めて開示しております。
なお、平成26年3月期の事業別セグメント情報は、平成27年3月期の事業別セグメントの区分に基づき作成したものを開示しており、旧事業セグメントでの数値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
報告セグメントその他
(注)2
調整額
(注)3
連結財務
諸表計上額
(注)4
医療関連
受託事業
教育事業福祉事業
売上高(注)148,6971,3328,35858,38835-58,423
売上総利益8,6726205299,82216△09,838
セグメント利益又は損失(△)4,442△34△1124,29516△1,7292,582

(注)1.売上高は、外部顧客への売上高であります。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない不動産賃貸業務、損害保険代理店業務等を含んでおりま す。
3.セグメント利益又は損失(△)の調整額△1,729百万円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
4.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
また、当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後営業利益等を重要な財務指標として位置づけております。平成23年3月期以降の当社グループの調整後営業利益、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期純利益の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
決算年月平成23年3月平成24年3月平成25年3月平成26年3月平成27年3月平成28年3月
売上高57,99156,41357,36958,42360,18163,070
営業利益2,3321,3001,1262,5822,6223,311
(調整額)
+コンサルティング費用
(注)2
--171792421
+賞与支給対象期間の変更に伴う費用--621---
+ブランディング及び社名変更に伴う費用--64---
+本社移転費用(注)3---29--
+支社移転費用--6210--
調整額小計--9201192421
調整後営業利益
(注)4、11
2,3221,3002,0472,7012,6463,332
対売上高比率4.0%2.3%3.6%4.6%4.4%5.3%
EBITDA
(注)5、11
2,7761,8101,7053,1453,1743,921
調整後EBITDA
(注)6、11
2,7761,8102,6263,2643,1983,942
当期純利益1,1222515,4572,3941,4511,993
(調整額)
+上場関連費用(注)7----415
-固定資産売却益--2761,316--
-負ののれん発生益--4,674---
+退職給付制度改定損---199--
+本社移転費用(注)8---79--
調整額小計(税金調整前)--△4,029△9172836
調整項目の税金調整額(注)9(適用税率)-
(40.7%)
-
(40.7%)
△349
(38.0%)
19
(38.0%)
△10
(35.6%)
△11
(33.1%)
調整額小計(税金調整後)--△4,379△8981824
調整後当期純利益(注)10、111,1222511,0771,4961,4702,017

(注)1.連結財務諸表に係る数値を記載しております。
2.当社とカーライル・ジャパン・エルエルシーとの間のアドバイザリー・アンド・コンサルティング契約及びその他のコンサルティング会社との間のコンサルティング業務委託契約に基づく報酬を意味します。
3.販売費及び一般管理費に計上している本社移転費用を意味します。
4.調整後営業利益=営業利益+コンサルティング費用(注2)+賞与支給対象期間の変更に伴う費用+ブランディング及び社名変更に伴う費用+本社移転費用(注3)+支社移転費用
5.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
6.調整後EBITDA=調整後営業利益+減価償却費+のれん償却額
7.営業外費用に計上している上場関連費用を意味します。
8.特別損失に計上している本社移転費用を意味します。
9.調整項目の税金調整額は、税効果を考慮して算出しております。
10.調整後当期純利益=当期純利益+コンサルティング費用(注2)+賞与支給対象期間の変更に伴う費用+ブランディング及び社名変更に伴う費用+本社移転費用(注3)+支社移転費用+上場関連費用(注7)-固定資産売却益-負ののれん発生益+退職給付制度改定損+本社移転費用(注8)+調整項目の税金調整額
11.調整後営業利益、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期純利益は、日本会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標であります。調整後営業利益及び調整後当期純利益は、上場後には発生しないと見込まれるコンサルティング費用及び上場関連費用や非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。
なお、調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後当期純利益は、営業利益、EBITDA及び当期純利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、日本会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後営業利益、EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期純利益は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
12.平成28年3月期の当期純利益及び調整後当期純利益の各項目については、親会社株主に帰属する当期純利益及び調整後親会社株主に帰属する当期純利益にそれぞれ読み替えます。
4.再上場の目的
当社はMBO後、中長期的に競争力を維持させるための医療関連受託事業のビジネスモデル変革、介護事業の積極投資、創業事業である教育事業の見直しによるキャリアセンターの設置、経営組織の大幅な見直しによる経営管理体制の高度化等の施策を次々と実施し、平成24年2月の上場廃止後、短期間で着実に成果を挙げるとともに、MBOの目的として掲げた医療関連受託事業の経営体制高度化及び介護事業への積極的な投資による中長期的な成長を通じた企業価値向上の実現を達成するべく事業を推進してまいりました。
さらなる成長を目指す当社にとって、優秀な人材をより多く確保すること、M&Aも活用した事業拡大を積極的に推進できる財務柔軟性(エクイティファイナンスや社債発行、買収対価としての株式の活用)を備えることが重要であると判断しており、そのためにも、上場企業として高い透明性を維持してステークホルダーから信頼される企業になることが重要であると認識しております。
なお、当社は、社外取締役を除く当社取締役4名より、当社の再上場後に取締役自身が公開買付者となって当社の非上場化を企図した公開買付けを行う意思を本書の提出日現在において有していない旨を確認しております。

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